「第2回エンペディア大賞」が2月いっぱい開催中です。2024年に作成された記事の中から、お気に入りの記事に投票しましょう!
駅ナンバリング
駅ナンバリングとは、駅への記号・番号づけのことである。
概要[編集]
駅には駅名がついているが、駅名はその土地に詳しくない人に馴染みがあるものではなく、駅名だけ聞いても路線図上で探すのは難しい。そこで、ある程度規則性のある記号・文字でナンバリングすることにより、路線図上で駅を探しやすくすることができる。
2004年に導入した東京メトロ・都営地下鉄が火付け役となり、急速に全国に広まった。2020年東京オリンピックなどの国際的イベント開催による訪日観光客の増加対応を名目として導入を決めた事業者も多い。
構成[編集]
路線を表すアルファベットと、駅の位置を表す数字で構成される。JR6社と大手私鉄、地下鉄では全事業者、中小私鉄でも一部事業者で導入されている。
たとえば明石駅の駅ナンバーはJR-A73であるが、JR神戸線を表す「JR-A」と、駅の位置を表す数字「73」(琵琶湖線敦賀駅を01と数えて73番目の駅)で構成されている。
アルファベット部分は、路線単位で設定される場合と、事業者単位で設定される場合がある。路線記号を持たず数字のみのナンバリングもあるほか、JR西日本では逆に路線記号のみが付与された路線もある。
数字部分[編集]
起点駅を1とする路線と0とする路線がある。1桁の番号は0埋めして「01」「02」などと数字2文字で表記する場合が多い。Osaka Metroと大阪モノレールは11から順に付番し、番号の小さい側に路線が延伸しても連番を維持できるようにしている。
本線から支線が枝分かれする分岐駅では、各路線ごとに駅番号を重複付番する場合と、分岐駅は単独付番として分岐駅の隣の駅から支線のナンバリングを開始する場合の2種類に分かれる。また、支線側のナンバリングは1から振り直す場合と、本線側の番号を引き継いで数字部分の連続性を保つ場合がある。
阪急電鉄(HK)や阪神電鉄(HS)など複数の路線に同じ路線記号を設定している事業者では、ある路線に終点まで付番し終わると次の番号を別の路線に付番するため、近い数字の駅だからといって駅同士が近いとは限らない。南海電鉄(NK)は支線を枝番で表記し、分岐駅からの駅数を数えられる形式となっている。
新駅開業時の対応[編集]
駅ナンバリング導入路線に新たに駅が開業する場合、新駅の箇所だけ番号が不連続となるため、下記のような対応が行われる。対応方法は事業者によってまちまちである。
なお駅ナンバリング導入路線の駅が廃止された場合は、その箇所が欠番となる。後述の京福電気鉄道の例を除けば、欠番は埋められずにそのまま残される場合がほとんどである。
- 新駅設置が予定されている箇所はあらかじめ欠番にしておく(JR東日本、愛知環状鉄道など事例多数)
- 新駅の隣から終点までの番号を1ずつ増やす
- 新駅の駅番号を枝番とする
- 数字の後ろにアルファベットを付与する
- 高松琴平電気鉄道琴平線の伏石駅(K04A)
- 上記のいずれにも該当しない例として京福電気鉄道北野線の撮影所前駅(B1)がある。当初は嵐山本線との分岐駅(帷子ノ辻駅)にA9とB1が重複付番されていたが、撮影所前駅の開業時に欠番(A2)を埋める形で再付番が行われ、帷子ノ辻駅にA8が単独付番、撮影所前駅はB1となった。
駅ナンバリング以外の駅コード[編集]
駅ナンバリング以外でも、各駅への番号の付番は行われてきた。しかし、いずれも旅客向けに大々的に案内されることはない。株式会社コードプラスが運営する「駅データ.jp」のように独自に収集したデータベースを無料で配布することで駅のコード化の標準化を図る組織もあるが、正確性には劣るため、不動産流通機構が運営する不動産流通標準情報システム(REINS)では国土地理協会の「全国沿線・駅コード」を用いるなど、各分野で独自に駅の採番が行われる傾向にある。
電報略号[編集]
東京駅は「トウ」、大阪駅は「オサ」のように、多くの駅にカタカナ2文字の電報略号が制定されている。かつて駅や施設間の連絡に電報を使用していた頃の名残りで、現在では鉄道関係者や鉄道マニアの符牒として使われている。
列車予約コード[編集]
2013年2月までの時刻表に掲載されていた、プッシュホン予約用の駅コード。主要駅を中心に、4桁の数字が割り振られていた。インターネットの普及によりプッシュホン予約サービスが終了したため、現在の時刻表には掲載されていない。
事務管理コード[編集]
国鉄が制定した駅の番号で、国鉄線・JR線と連絡運輸を行う私鉄路線の駅にも付番されている。最長片道切符など手書きで発券される乗車券には、駅名の下に事務管理コードを記入する欄が設けられている。
サイバネコード[編集]
日本鉄道サイバネティクス協議会が乗車券の統一規格として制定した駅の番号。一般には公開されていないが、磁気乗車券に鉄粉を振りかけて磁気情報を解析したり、ICカードの履歴情報を解析することで有志による解読が行われている。
路線記号[編集]
一覧[編集]
ここの節では多くの路線を扱うため、「本線」の本を省略することや、省略した路線名称で表示する場合がある。また、取り扱うのは現在も使用されるもののみとする。
この節はまだ執筆途中です。加筆、訂正して下さる協力者を募集中!
同じ記号の路線が複数がある都市[編集]
京都、大阪3文字も重複がある一方で、関東の各都市では文字毎に棲み分けができている。
- 札幌
- H: H JR千歳線と H 地下鉄東豊線。札幌駅から両方とも利用可能。
- 名古屋
- E: E 近鉄名古屋線と E 地下鉄名港線。
- 京都
- A: A JR京都・琵琶湖線と A 嵐電嵐山本線。
- B: B JR湖西線、B 嵐電北野線、B 近鉄京都線。うち、JRと近鉄は京都駅から利用可能。
- E: E JR嵯峨野線と E 叡山電鉄。
- 大阪
- A: A JR京都・神戸線と A 近鉄奈良線・難波線。
- F: F 近鉄南大阪線と F JRおおさか東線。
- P: P JRゆめ咲線と P ニュートラム。
- 岡山
- S: S JR山陽本線(相生方面)と S 岡山電軌清輝橋線。岡山駅から両方とも利用可能。
- 広島
- Y: Y JR呉線と Y 広島電鉄横川線。
駅番号のみの路線[編集]
- JR東日本 大糸線
- くま川鉄道 湯前線
- 愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線
- 伊勢鉄道 伊勢線
- 伊予鉄道 松山市内線
- 一畑電車 全線
- 横浜シーサイドライン 金沢シーサイドライン
- 沖縄都市モノレール ゆいレール
- 熊本市交通局 A系統
- 大阪モノレール 全線
- 長崎電気軌道 全線
- 長良川鉄道 越美南線
- 豊橋鉄道 全線
- 北九州高速鉄道 北九州モノレール
- 明知鉄道 明知線
- 和歌山電鐵 貴志川線
以下は1駅限定で路線記号なし
- JR北海道 札幌駅
- 京都丹後鉄道 宮津駅
- JR九州 博多駅
海外の場合[編集]
ヨーロッパでは、路線や運転系統を数字でナンバリングするのが一般的(日本の多くのバスと同じ)なので、駅までナンバリングすることは少ない。ただし韓国では、路線・駅番号ともに数字で合わせて3-4桁の駅番号を設定しているケースがある。