きのくに線
西日本旅客鉄道(全線、第1種鉄道事業者) きのくに線 | |
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基本情報 | |
通称 | きのくに線 |
国 | 日本 |
所在地 | 和歌山県 |
種類 | 普通鉄道(在来線・幹線) |
起点 | 新宮駅 |
終点 | 和歌山駅 |
電報略号 | キセホセ |
路線記号 | W(新宮駅 - 和歌山駅間) |
開業 | 1891年8月21日 |
全通 | 1959年7月15日 |
所有者 | 西日本旅客鉄道 (全線) |
運営者 | 西日本旅客鉄道(全線、第1種鉄道事業者) |
使用車両 | 使用車両の節を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 200.7 km |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
線路数 | 複線(紀伊田辺駅 - 和歌山駅間) 単線(上記以外) |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 (全線間) |
きのくに線(きのくにせん)は、JR紀勢本線の西日本旅客鉄道(JR西日本)の区間のうち新宮駅から和歌山駅間の愛称である[1]。当ページでは該当区間について紹介する。
概要[編集]
紀伊半島の海岸線を縫うようにほぼ海沿いに各都市を結んで敷設されている。
新大阪駅からは東海道本線貨物線、阪和線を介して直通列車が運転されている。このため、終点和歌山へ向かう方向に偶数、起点の亀山寄りの新宮に向かう方向に奇数と本来の上り下りとは逆の列車番号の付け方になっている。
沿革[編集]
国鉄分割民営化以前は、紀勢本線の歴史を参照。
カイロスロケット2号機打上げに伴う臨時列車の運転時の時刻表[編集]
使用車両[編集]
現在の使用車両[編集]
289系を除く全列車が、吹田総合車両所の日根野支所に配置されている電車で運転されている。
- 283系・287系・289系
- 特急「くろしお」として和歌山駅 - 新宮駅間で運用されている。
- 223系
- 0・2500番台が紀伊田辺駅 - 和歌山駅間(紀伊田辺駅 - 御坊駅間は朝夕のみ)で運用されている。
- 225系
- 5000・5100番台が紀伊田辺駅 - 和歌山駅間(紀伊田辺駅 - 御坊駅間は朝夕のみ)で運用されている。113系・117系・221系の一部の運用を置き換えて2010年(平成22年)12月1日より運用を開始した。
- 227系1000番台
- 新宮駅 - 和歌山市駅間で運用されている。2019年(平成31年)3月16日より117系の運用を置き換えて紀伊田辺駅 - 和歌山駅間で、同年6月1日より105系4扉車の運用を置き換えて和歌山駅 - 和歌山市駅間で、運用を開始した。2021年(令和3年)3月13日より新宮駅 - 紀伊田辺駅間でも運行を開始した。2019年(平成31年)3月16日から2021年(令和3年)3月12日まではドアが通年半自動扱いだった。
貨物列車[編集]
ディーゼル機関車DD51形はかつて旅客列車の牽引にも用いられた。
過去の使用車両[編集]
電車[編集]
- 103系
- 105系
- 2019年(平成31年)5月31日までは、改造車の4扉車が和歌山駅 - 和歌山市駅間で運用されていた。
- 2021年(令和3年)3月12日までは、新宮駅 - 紀伊田辺駅間(平日の一部は南部駅まで)で新造車の3扉車が運用されていたほか、新造車グループの検査代走用として和歌山線用として使用されていた4扉車も使用されていた。
- 113系
- 2両編成の2000番台のみが紀伊田辺駅 - 和歌山駅間で運用されており、御坊駅 - 和歌山駅間は早朝の上りと深夜の下りの各1本のみ運用されていた。2011年(平成23年)12月10日までは、4両編成も周参見駅 - 和歌山駅間(周参見駅 - 紀伊田辺駅間は下り列車のみ)で運用されていた。
- 165系
- 定期列車として原色(いわゆる制式色)を用いた最後の運用路線で、2002年(平成14年)3月22日で定期運用が終了した。
- 117系
- 2002年(平成14年)3月に投入され、紀伊田辺駅 - 和歌山駅間で運用されていたが、227系による置き換えにより、2019年(平成31年)3月15日で定期運用が終了した。
- 221系
- JR西日本奈良電車区の車両が使用されていたが、225系5000番台投入に伴い、運用が終了した。
- 485系
- 1985年(昭和60年)3月に投入されたが、1986年(昭和61年)11月のダイヤ改正で、福知山線の全線電化に伴いそちらに転用され、当路線の特急運用は381系に、普通運用は165系にそれぞれ置き換えられた。
- 381系
- 1978年(昭和53年)10月投入。特急「くろしお」で運用されたが、2015年(平成27年)10月30日をもって運用を終了した<。
客車[編集]
- 50系
- 12系
- 1986年11月のダイヤ改正で、165系電車に置き換えられた。
- 14系
- 特急運用は寝台特急「紀伊」のみ。座席車の定期運用は無かったが臨時急行「きのくに」での実績はある。
- 10系
電気機関車[編集]
ディーゼル機関車[編集]
普通列車のトイレ問題[編集]
新宮駅 - 紀伊田辺駅間では、長い間165系が使用されていた[注 1]が、165系の老朽化のため1999年(平成11年)10月のダイヤ改正から105系に置き換えられた。しかし運用を始めた105系はトイレのない4扉ロングシート車で、このような車両を観光地であり駅間距離の長い当区間で運行することは沿線の自治体や地元から大きな問題として取り上げられ、和歌山県や沿線の自治体で構成されている紀勢本線活性化促進協議会がJR西日本に対して要望を行った。
この要望を受けてJR西日本は、「マリンライナー」で使用されていた213系の転用により捻出された岡山地区の3扉ロングシートの105系を、トイレ設置を含めたリニューアル工事を施工することにより紀勢本線に転用を行い、2004年(平成16年)10月25日から運用を開始し、2004年(平成16年)度内に5編成全てにトイレが設置された。トイレの設置にあたっては、5編成分の改造費など6,500万円のうち、和歌山県と紀勢本線活性化促進協議会が1,000万円ずつ負担している。
駅一覧[編集]
- 凡例
-
- 停車駅
- 普通…すべての駅に停車
- 快速…●印の駅は停車、|印の駅は通過
- 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
- 停車駅
駅名・信号場名 | 駅間 営業キロ |
累計 営業キロ |
快速 | 接続路線 | 線路 | 所在地 | ||
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新宮 から |
亀山 から | |||||||
新宮駅 | - | 0.0 | 180.2 | 東海旅客鉄道:紀勢本線(亀山方面) | ◇ | 新宮市 | ||
三輪崎駅 | 4.7 | 4.7 | 184.9 | ◇ | ||||
紀伊佐野駅 | 1.7 | 6.4 | 186.6 | ◇ | ||||
宇久井駅 | 2.1 | 8.5 | 188.7 | ◇ | 東牟婁郡 | 那智勝浦町 | ||
那智駅 | 4.3 | 12.8 | 193.0 | ◇ | ||||
紀伊天満駅 | 0.9 | 13.7 | 193.9 | | | ||||
紀伊勝浦駅 | 1.2 | 14.9 | 195.1 | ◇ | ||||
湯川駅 | 2.7 | 17.6 | 197.8 | ◇ | ||||
太地駅 | 2.1 | 19.7 | 199.9 | | | 太地町 | |||
下里駅 | 1.2 | 20.9 | 201.1 | ◇ | 那智勝浦町 | |||
紀伊浦神駅 | 3.9 | 24.8 | 205.0 | ◇ | ||||
紀伊田原駅 | 4.0 | 28.8 | 209.0 | ◇ | 串本町 | |||
古座駅 | 6.0 | 34.8 | 215.0 | ◇ | ||||
紀伊姫駅 | 3.9 | 38.7 | 218.9 | | | ||||
串本駅 | 2.9 | 41.6 | 221.8 | ◇ | ||||
紀伊有田駅 | 5.8 | 47.4 | 227.6 | ◇ | ||||
田並駅 | 1.8 | 49.2 | 229.4 | ◇ | ||||
田子駅 | 4.3 | 53.5 | 233.7 | | | ||||
和深駅 | 2.7 | 56.2 | 236.4 | ◇ | ||||
江住駅 | 5.6 | 61.8 | 242.0 | ◇ | 西牟婁郡 | すさみ町 | ||
見老津駅 | 3.0 | 64.8 | 245.0 | ◇ | ||||
双子山信号場 | - | 70.5 | 250.7 | ◇ | ||||
周参見駅 | 9.0 | 73.8 | 254.0 | ◇ | ||||
紀伊日置駅 | 7.2 | 81.0 | 261.2 | ◇ | 白浜町 | |||
椿駅 | 6.1 | 87.1 | 267.3 | ◇ | ||||
紀伊富田駅 | 5.2 | 92.3 | 272.5 | ◇ | ||||
白浜駅 | 2.9 | 95.2 | 275.4 | ◇ | ||||
朝来駅 | 4.3 | 99.5 | 279.7 | ◇ | 上富田町 | |||
紀伊新庄駅 | 3.5 | 103.0 | 283.2 | ◇ | 田辺市 | |||
紀伊田辺駅 | 2.2 | 105.2 | 285.4 | ● | ∧ | |||
芳養駅 | 4.1 | 109.3 | 289.5 | ● | ∥ | |||
南部駅 | 5.0 | 114.3 | 294.5 | ● | ∥ | 日高郡 | みなべ町 | |
岩代駅 | 5.1 | 119.4 | 299.6 | ● | ∥ | |||
切目駅 | 5.9 | 125.3 | 305.5 | ● | ∥ | 印南町 | ||
印南駅 | 3.8 | 129.1 | 309.3 | ● | ∥ | |||
稲原駅 | 4.3 | 133.4 | 313.6 | ● | ∥ | |||
和佐駅 | 6.8 | 140.2 | 320.4 | ● | ∥ | 日高川町 | ||
道成寺駅 | 4.3 | 144.5 | 324.7 | ● | ∥ | 御坊市 | ||
御坊駅 | 1.6 | 146.1 | 326.3 | ● | 紀州鉄道:紀州鉄道線 | ∥ | ||
紀伊内原駅 | 2.9 | 149.0 | 329.2 | | | ∥ | 日高郡 | 日高町 | |
紀伊由良駅 | 5.3 | 154.3 | 334.5 | ● | ∥ | 由良町 | ||
広川ビーチ駅 | 6.8 | 161.1 | 341.3 | | | ∥ | 有田郡 | 広川町 | |
湯浅駅 | 2.6 | 163.7 | 343.9 | ● | ∥ | 湯浅町 | ||
藤並駅 | 3.4 | 167.1 | 347.3 | ● | ∥ | 有田川町 | ||
紀伊宮原駅 | 3.9 | 171.0 | 351.2 | | | ∥ | 有田市 | ||
箕島駅 | 4.4 | 175.4 | 355.6 | ● | ∥ | |||
初島駅 | 2.5 | 177.9 | 358.1 | | | ∥ | |||
下津駅 | 3.0 | 180.9 | 361.1 | | | ∥ | 海南市 | ||
加茂郷駅 | 2.7 | 183.6 | 363.8 | ● | ∥ | |||
冷水浦駅 | 3.9 | 187.5 | 367.7 | | | ∥ | |||
海南駅 | 2.8 | 190.3 | 370.5 | ● | ∥ | |||
黒江駅 | 1.8 | 192.1 | 372.3 | ● | ∥ | |||
紀三井寺駅 | 3.6 | 195.7 | 375.9 | ● | ∥ | 和歌山市 | ||
宮前駅 | 2.9 | 198.6 | 378.8 | | | ∥ | |||
和歌山駅 | 2.1 | 200.7 | 380.9 | ● | 西日本旅客鉄道:紀勢本線(和歌山市方面)・JR-R54 阪和線・T 和歌山線 和歌山電鐵:貴志川線 |
∨ |
- 無人駅(下記を除く38駅)
- JR西日本の直営駅(8駅)
- 新宮駅・紀伊勝浦駅・串本駅・白浜駅・紀伊田辺駅・御坊駅・海南駅・和歌山駅
- JR西日本交通サービスによる業務委託駅(4駅)
- 藤並駅・箕島駅・黒江駅・紀三井寺駅
- 簡易委託駅(1駅)
- 印南駅
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 165系がこの区間で運用を開始したのは1986年(昭和61年)11月のダイヤ改正からで、それ以前はホーム高さが760mmだった関係上普通列車については485系電車や12系客車、キハ58系気動車などに限られ113系の入線すらできなかった。
出典[編集]
- ↑ “鉄道事業ダイジェスト”. JR西日本. 西日本旅客鉄道. 2014年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月24日確認。
- ↑ “カイロスロケット2号機打上げに伴う臨時列車の運転(きのくに線)” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2024年11月22日) 2024年11月26日閲覧。