東武東上本線

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東武鉄道
TJ 東上本線
東武9101F@若葉.jpeg
2023年11月4日に廃車となった9101F。
基本情報
通称東武東上線、東上線
日本国旗.png日本
所在地東京都埼玉県
起点池袋駅
終点寄居駅
駅数39駅
路線記号TJ
路線色紺色
開業1914年5月1日
最終延伸1925年7月10日
所有者東武鉄道
運営者東武鉄道
車両基地森林公園検修区(東武車)

元住吉検車区(東急車)

和光市検車区(メトロ車)
使用車両使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離75.0 km
軌間1,067 mm
線路数複々線和光市駅 - 志木駅間)
複線池袋駅 - 和光市駅間、志木駅 - 嵐山信号場間)
単線(嵐山信号場 - 寄居駅間)
電化方式直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式車内信号閉塞式(池袋駅 - 小川町駅間)
自動閉塞式(小川町駅 - 寄居駅間)
保安装置T-DATC(池袋駅 - 小川町駅間)
東武形ATS(小川町駅 - 寄居駅間)
最高速度105 km/h[1]

東武東上本線 (とうぶとうじょうほんせん) は、東京都豊島区池袋駅から和光市駅川越市駅小川町駅を経由して埼玉県寄居町寄居駅までを結ぶ、東武鉄道の路線。専ら東上線と呼ばれてている。路線記号はTJ

概要[編集]

1925年7月10日に全線開業。もともとは群馬県高崎渋川まで延伸する計画があった[2]ため、東京の「東」に群馬県の旧国名である上野国(上州、上毛)から「上」がとられ東上線となった。

和光市駅で東京メトロ有楽町線副都心線に乗り入れ、みなとみらい線元町・中華街駅まで乗り入れる列車がある。

東武スカイツリーラインとの関係[編集]

  • 全般検査や重要部検査の際は、秩父鉄道寄居〜羽生間および東武動物公園駅を経由して東上線の車両が日光線南栗橋駅まで回送される。
  • 一方、江東区で構想のメトロ有楽町線の豊洲住吉の支線が実現すると、和光市から押上まで方向転換無しで線路が繋がるため、実現の暁には検査回送ルートや運転系統の若干の変化が予想される。

種別[編集]

TJライナー

詳細は「TJライナー」を参照

JRでいうホームライナーのような列車であり、夕方の下り方向及び平日朝の上り方向に設定されている。乗車の際には下りは370円、上りは470円[3]の座席指定券が必要である。池袋 - ふじみ野間を無停車で運行し、下りは川越・川越市・坂戸・東松山以遠の各駅に、上りは東松山までの各駅と坂戸・川越に停車する。

2008年のダイヤ改正で運行を開始した。運行開始当初は夕方のみに設定されていたものの、利用が好調なことから平日朝も含めた増便が行われている。また、TJライナーの成功を受けて他社でも座席指定制列車の導入や拡大を行う動きがみられている。

TJライナーの停車駅

池袋-ふじみ野-川越-川越市(下りのみ)-坂戸-東松山、東松山から小川町までの各駅。

川越特急

2019年3月のダイヤ改正で登場した種別。埼玉県の有名観光地である川越への観光客をターゲットとした列車であり、朝の下りおよび夕方の上りを中心に運行されている。池袋 - 川越間では武蔵野線との接続を兼ねて朝霞台駅に停車する。

2023年のダイヤ改正により、快速急行の停車駅が増加したことから、速達性を維持するため、またTJライナーの送り込みのために運行本数が大幅に増加した。

川越特急の停車駅

池袋-朝霞台-川越-川越市-坂戸-東松山、東松山から小川町までの各駅。

快速急行

2008年のダイヤ改正で廃止された特急を引き継ぐ形で誕生。朝の下り方向及び平日夕方の上り方向に多く設定されている。2023年のダイヤ改正までは夕方の上り列車はTJライナーの送り込みも兼ねており、クロスシートにて運行されていた。

2016年のダイヤ改正より土休日朝に副都心線東横線みなとみらい線からの直通となる快速急行も運行されており、東急5050系または東京メトロ10000系・17000系が運用についている。

2023年のダイヤ改正より、川越以北が各駅に停車するようになり、志木に代わって朝霞台に停車するようになった。また、日中時間帯に運行されるFライナーも東上線内は快速急行として運行されるようになった。この改正で停車駅から外れる志木駅周辺住民が通過反対運動を起こしたようだが、効果はなかったようだ。

快速急行の停車駅

池袋-和光市-朝霞台-川越から小川町までの各駅。

急行

終日を通して運行される基幹種別。池袋発着のみならず、副都心線からの直通電車も運行されているが、川越特急・快速急行の増発によって以前よりは存在感が薄まっている。 2023年のダイヤ改正で、朝霞に停車するようになり、成増志木で5駅連続停車となった。

急行の停車駅

池袋-成増-和光市-朝霞 - 朝霞台-志木-ふじみ野-川越、川越から小川町までの各駅。

準急

利用者の多い成増 - 志木間を中心としたの輸送力調整として運行されている面が強く、なんやかんや終日運行されている。日中は上板橋で普通を追い越し、和光市・ふじみ野・川越市のどこかで急行・快速の待ち合わせを行う。「成増まで各駅に止まる」ことが特徴であったが、2023年のダイヤ改正で新たに上板橋駅にも停車するようになった。

準急の停車駅

池袋・上板橋・成増、成増から小川町までの各駅。

普通(各駅停車)

池袋発着の普通は大半が成増または志木が終点となっており、その先の区間では準急または地下鉄直通電車が担っている。

小川町~寄居はワンマン運行の普通のみ。

かつて運行されていた種別[編集]

  • 停車駅は廃止直前の停車駅を表記。
特急

2008年に廃止となり、快速急行に置き換えられた。

フライング東上

1949年から1967年まで、春と秋の行楽シーズンの休日に行楽列車「フライング東上」として池袋-寄居間(秩父鉄道に直通していたときは長瀞まで直通)で運行されていた。「フライングカー」という専用車で運行された後、日光線の特急で使用された5310系が使用された。濃い青に黄色の帯が特徴だった。1954年に特急料金を設定したものの、利用状況がよくなかったことから1956年に廃止されている。1962年に伊勢崎線急行増発の為に5310系は移動となり、これ以降1967年の廃止まで8000系といった通勤車が使用された。

行楽急行・特急

1971年のダイヤ改正で愛称付きの急行が特急に格上げされた。特急列車の前面にはヘッドマークが1979年から1987年にかけて取り付けられていた。 特急に種別変更後の運行形態は以下の通りである。

  • 1971年3月1日改正
    • 「ちちぶ」池袋-三峰口
    • 「ながとろ」池袋-長瀞
    • 「森林」池袋-森林公園
    • 「くろやま」池袋-越生
    • 停車駅 池袋-志木-川越市-坂戸町(現 坂戸)-東松山-森林公園-小川町-寄居
    • 「ちちぶ」「ながとろ」は秩父鉄道直通、「くろやま」は坂戸から越生線内各駅。
  • 1977年10月21日改正
    • 「ちちぶ」池袋-三峰口
    • 「ながとろ」池袋-上長瀞
    • 「森林」池袋-森林公園(2往復)
    • 停車駅 池袋-志木-川越市-坂戸-東松山-森林公園-小川町--寄居
    • 「ちちぶ」「ながとろ」は秩父鉄道直通。
    • 越生線直通廃止。
  • 1979年11月8日改正
    • 「みつみね」池袋-三峰口(休日運転)
    • 「ながとろ」池袋-上長瀞(同上)
    • 「たまよど」池袋-寄居(同上)
    • 「むさしの」池袋→森林公園、寄居→池袋(同上、2往復)
    • 「さだみね」池袋-小川町(平日運転)
    • 停車駅 池袋-志木-川越-川越市-坂戸-東松山駅 から寄居までの各駅
    • 「みつみね」「ながとろ」は秩父鉄道直通。
  • 1983年8月22日改正
    • 「みつみね」池袋-小川町-三峰口(休日運転)
    • 「ながとろ」池袋-小川町-上長瀞(同上)
    • 「むさしの」池袋→森林公園、小川町(森林公園)→池袋(同上、3往復)
    • 「さだみね」池袋駅-小川町(平日運転)
    • 停車駅 池袋-志木-川越-川越市-坂戸-東松山 から寄居までの各駅
    • この改正より秩父鉄道線直通は小川町で系統分割。池袋 - 小川町間は8両編成、小川町駅から6両編成の連絡列車に乗り換え。連絡列車は種別サボ表示だった。
  • 1987年種別幕の使用開始に際し、種別と愛称を併記する方式に変更。
  • 1989年10月24日改正で秩父鉄道線直通が復活し、当該列車は小川町 - 寄居間無停車となる。
  • 1991年12月9日改正で土曜ダイヤ実施。土曜日の運行形態は下り「むさしの」2本、上り「さだみね」1本。
  • 1992年3月29日を以て秩父鉄道直通運転廃止。
  • 1992年12月1日改正で列車愛称廃止。
  • 1998年3月26日改正で志木を通過し(池袋-川越無停車)小川町-寄居の各駅に再び停まるようになる。
  • 2005年3月17日改正で和光市停車に変更のうえ、土休日のみ池袋-小川町の運転に変更。平日の運転と小川町-寄居の運転が廃止。
特急の停車駅

池袋-和光市-川越-川越市-坂戸-東松山 から小川町までの各駅

快速

2013年のダイヤ改正で新設。快速急行の停車駅に若葉・ふじみ野・朝霞台・成増を加えたものである。登場時から一貫して日中時間帯に30分おきに運行されており、成増・ふじみ野・川越市で各停または準急に、坂戸越生行に、小川町で寄居行きにそれぞれ連絡する。

2013年当時の東上線では日中は1時間当たり急行5・準急3で運行されていた。ダイヤ改正を機に快速2・急行4・準急2という形に変更したものの、川越市 - 森林公園間では急行5を減らしてまで快速を設定したため、通過駅利用者からは不満が高まっていた。2016年のダイヤ改正からは急行のうち2本が副都心線直通となる一方で、池袋 - 森林公園間の準急が2本増発され、川越市で接続をとるようになったため、通過駅からでも快速を利用できるようになった。

2023年のダイヤ改正によって運行終了。

快速の停車駅

池袋-成増-和光市-朝霞台-志木-ふじみ野-川越-川越市-若葉-坂戸-東松山、東松山から小川町までの各駅。

通勤急行

かつての朝ラッシュ時間帯の上りに運行されていた種別。志木までの各駅と和光市・成増に停車していた。2008年のダイヤ改正までは多数運行されていたものの、準急とそんなに変わりがないこと、利用者の多い朝霞台・朝霞を通過すること、朝ラッシュにも急行を運行することになったため、大幅に運行本数が削減された。再末期には準急に隠れて6本が運行されるのみになり、2016年の改正にてひっそりと姿を消した。

通勤急行の停車駅

志木までの各駅・和光市・成増・池袋 (上りのみ運行)

駅一覧[編集]

  • 普通列車は全駅に停車する(表中省略)。
  • 有楽町線に直通する列車は和光市駅 - 森林公園駅間の各駅に停車。副都心線・東急東横線・みなとみらい線・相鉄線に直通する列車には、各駅停車の他に、東上線内急行あるいは快速急行(愛称:Fライナー)で運転する列車がある。
  • 上りTJライナーは、池袋駅以外の停車駅では乗車扱いのみとなり、降車はできない。
  • 当線の駅番号(駅ナンバリング)は2012年3月17日導入[4]。2020年10月31日のみなみ寄居駅開業時に男衾駅 - 寄居駅の駅番号を変更した[5]
  • 接続路線の ( ) 内の英数字はその路線での駅番号を表す。
凡例
●: 停車、▽: 下り列車のみ停車、|: 通過
駅番号 駅名 駅間
営業キロ
累計
営業キロ
準急 急行 快速急行 川越特急 TJライナー 接続路線・備考 所在地
TJ-01 池袋駅 - 0.0 東日本旅客鉄道JA 12 埼京線JS 21 湘南新宿ラインJY 13 山手線
東京地下鉄M-25 丸ノ内線Y-09 有楽町線F-09 副都心線
西武鉄道SI01 池袋線
東京都 豊島区
TJ-02 北池袋駅 1.2 1.2  
TJ-03 下板橋駅 0.8 2.0  
TJ-04 大山駅 1.0 3.0   板橋区
TJ-05 中板橋駅 1.0 4.0  
TJ-06 ときわ台駅 0.7 4.7  
TJ-07 上板橋駅 1.3 6.0  
TJ-08 東武練馬駅
大東文化大学前)
1.4 7.4  
TJ-09 下赤塚駅 1.5 8.9  
TJ-10 成増駅 1.5 10.4  
直通運転区間 Y 有楽町線 新木場駅まで
F 副都心線 渋谷駅TY 東急東横線 横浜駅経由、 MM みなとみらい線 元町・中華街駅までSO 相鉄線海老名駅湘南台駅まで
(副都心線内では急行・通勤急行、東横線・みなとみらい線・相鉄線内では特急・通勤特急・急行となる列車もある)
TJ-11 和光市駅 2.1 12.5 東京地下鉄:Y-01 有楽町線・F-01 副都心線
(両線とも川越市・森林公園方面から直通運転:上記参照)
埼玉県 和光市
TJ-12 朝霞駅 1.5 14.0   朝霞市
TJ-13 朝霞台駅 2.4 16.4 東日本旅客鉄道:JM 28 武蔵野線北朝霞駅
TJ-14 志木駅 1.4 17.8   新座市
TJ-15 柳瀬川駅 1.5 19.3   志木市
TJ-16 みずほ台駅 1.3 20.6   富士見市
TJ-17 鶴瀬駅 1.4 22.0  
TJ-18 ふじみ野駅
文京学院大学前)
2.2 24.2  
TJ-19 上福岡駅 1.7 25.9   ふじみ野市
TJ-20 新河岸駅 2.4 28.3   川越市
TJ-21 川越駅 2.2 30.5 東日本旅客鉄道:川越線
TJ-22 川越市駅 0.9 31.4 西武鉄道:SS29 新宿線本川越駅)(徒歩連絡)[* 1]
TJ-23 霞ヶ関駅
東京国際大学前)
3.4 34.8  
TJ-24 鶴ヶ島駅 2.2 37.0   鶴ヶ島市
TJ-25 若葉駅 1.9 38.9   坂戸市
TJ-26 坂戸駅 1.7 40.6 東武鉄道TJ 越生線
TJ-27 北坂戸駅 2.1 42.7  
TJ-28 高坂駅
(大東文化大学
東松山キャンパス前)
3.5 46.2   東松山市
TJ-29 東松山駅 3.7 49.9  
TJ-30 森林公園駅 2.7 52.6   比企郡 滑川町
TJ-31 つきのわ駅 2.8 55.4  
TJ-32 武蔵嵐山駅 1.7 57.1  

嵐山町

  嵐山信号場 - 60.1 営業キロは概算
TJ-33 小川町駅 7.0 64.1 東日本旅客鉄道:八高線

小川町

TJ-34 東武竹沢駅 3.0 67.1            
TJ-35 みなみ寄居駅
ホンダ寄居前〉
1.8 68.9             大里郡
寄居町
TJ-36 男衾駅 1.9 70.8            
TJ-37 鉢形駅 2.7 73.5            
TJ-38 玉淀駅 0.9 74.4            
TJ-39 寄居駅 0.6 75.0           秩父鉄道秩父本線
東日本旅客鉄道:八高線
  1. 公式な乗換駅として案内されていないが、駅改札口に本川越駅までの地図が掲出されている。

使用車両[編集]

東武車[編集]

過去の使用車両[編集]

他社車[編集]

基本的に和光市 - 小川町で使用される。

過去の使用車両[編集]

脚注[編集]

  1. 杉崎行恭『山手線 ウグイス色の電車今昔50年』(JTBパブリッシング、2013年)p.165
  2. その前哨として1927年に東京電燈から高崎 - 渋川 - 伊香保温泉の軌道線を東武が買収した。
  3. ふじみ野駅からの利用の場合は370円になる
  4. 「東武スカイツリーライン」誕生! 伊勢崎線 浅草・押上 ⇔ 東武動物公園間に路線愛称名を導入 〜 あわせて駅ナンバリングを導入し、よりわかりやすくご案内します 〜PDF - 東武鉄道ニュースリリース 2012年2月9日(2012年10月26日閲覧)
  5. 具体的には、この区間の駅番号が一つずつ繰り下がった。男衾駅はかつてTJ-35からTJ-36に変更され、終点の寄居駅はTJ-38からTJ-39となっている。

関連項目[編集]

東武鉄道の鉄道路線
営業路線
本線
TS 伊勢崎線東武スカイツリーライン浅草押上 - 東武動物公園 - 亀戸線 - 大師線
TI 伊勢崎線(東武動物公園 - 伊勢崎 - 佐野線 - 小泉線 - 桐生線
TN 日光線 - 宇都宮線 - 鬼怒川線
TD 野田線(東武アーバンパークライン)
東上線
TJ 東上本線 - 越生線
廃止路線
本線 矢板線 - 千住線 - 大利根砂利線 - 東武和泉砂利線 - 借宿線 - 柳原線 - 小倉川砂利線 - 大谷線 - 徳川河岸線 - 仙石河岸線 - 戸奈良線 - 大叶線 - 会沢線
東上線 啓志線 - 根古屋線
独立線区 熊谷線 - 伊香保軌道線 - 日光軌道線 - 日光鋼索鉄道線
未成路線
本線 西板線
東上線 高島平線
独立線区 渋川線