神戸市営地下鉄西神・山手線
神戸市営地下鉄西神・山手線(こうべしえいちかてつせいしん・やまてせん)とは、兵庫県神戸市中央区にある新神戸駅から同県同市西区の西神中央駅までを結ぶ神戸市営地下鉄の路線の総称である。新神戸〜新長田間は山手線、新長田〜名谷間は西神線、名谷〜西神中央間は西神延伸線の3路線で構成されている。ラインカラーはグリーン。愛称はみどりのUライン。駅ナンバリングはSでグリーンに文字を白字にしたものである。因みに北神線はラインカラーのブラウンではなくグリーンに中を白地にしたものが使われている。
概要[編集]
当初は神戸市街地と須磨ニュータウンを結ぶ為に建設され、後に開発された西神ニュータウンやこのままでは利用客が貧弱になることが懸念された新神戸駅へも延伸され現在の路線の形となった。書類上は、途中の新長田駅と名谷駅を境に山手線、西神線、西神延伸線に分かれているが実際は旅客には西神・山手線と案内し前記のものはほぼ使われない上、殆どの列車が直通して運転しているため鉄道オタク以外には存在すら認識していないことが殆どである。また北神線に直通している。なお北神線の料金が安くなってもあまり利用客がいないため朝夕を除き半分は新神戸止まりのため、注意が必要である。
利用客数は、関西圏の地下鉄ではOsaka Metro御堂筋線、谷町線、堺筋線、中央線に次ぐ5位で、近年は概ね1日約26万人が利用している。[1]ちなみに全国ランキングでは24位の利用客数である。全国では極端に大きい訳では無い。
だが路線距離では、北神線と合わせて全長は30.2kmで、都営地下鉄大江戸線(40.7km)、横浜市営地下鉄ブルーライン(40.4km)、東京メトロ東西線(30.8km)に次いで4番目に長い。そのうちの8kmは北神線であるというのは公然の秘密
運行形態[編集]
日中時間帯は毎時8本程度、運行している。また朝夕の時間帯には最大16本程度まで増発がなされる。但しほとんどの時間帯には概ね半分が新神戸折り返しで谷上行きは半分となる時間帯が大半である。
また西神中央、新神戸始発、の名谷行きが朝と深夜にそれぞれ10本程度運行されている。名谷始発も運転されており朝と夕方の時間帯に西神中央、谷上、新神戸行きがそれぞれ運行されている。
この他、ほっともっとフィールド神戸で試合が行われる際には臨時列車が運行されている他、かつて快速列車が運行されていたこともあった。
かつて運行されていた快速列車[編集]
1993年7月9日から1995年1月16日の約1年6ヶ月の間だけ試験的に快速が運行されていた。運行区間は新神戸駅〜西神中央駅間で運行されていた。
また時期的にも休止となった時期が阪神・淡路大震災が発生した期間と同じであることから休止された直属の理由は阪神・淡路大震災であるとみられている。ただ本当の理由は所要時間にみられ普通が同区間を約32分で走破していたのに対し快速は約27分とほぼ時短効果が無くしかも30分間隔の運転で北神線にも直通していなかったことが休止の原因である。更に普通列車の退避可能駅が名谷しか無く毎時8本も走っているため途中で追いついてしまうことや途中の通過駅を低速で通過していたことも原因である。
列車の方向幕の種別表示は、全面行き先表示機が行先の左側に赤地に白字の漢字1文字で 快 と表示されて、側面の表示機は2文字で 快速 と表示されていた。
お隣の山陽電車と同じであくまでも休止であることから復活する可能性が残されている。2021年に神戸市がオンラインで開いた市民との意見交換会では、久元喜造市長が「かつて存在した快速を再び通すには莫大なコストと年月が見込まれ、一部の利用者は逆に不便になってしまう」と述べており各停本数が2本減少して通過駅の旅客が不便になってしまう上に500億円の費用が掛かる。更には地下区間に待避駅を作ると民家を撤去しないと行けない。そのコストでの速達効果も震災前の2分しか変わらず25分である。そのため快速を復活させるのは厳しい。
だが下記の延伸計画が実行に移された場合どの計画でも5キロ以上にはなるためもしかしたら復活する可能性もある。
西神再延伸構想[編集]
神戸市西区にある西神中央駅から西の方向延伸し東播磨方面に至る路線の構想がある。学園都市から舞子駅までを結ぶ構想もある。
以下の3路線が答申・検討されているが、具体的な経由地は未定となっている。運営母体である神戸市の財政事情から実現しない可能性もある。多分完成する可能性はないが最近になって神戸市の財政状況が良くなってきていることから建設される可能性もある
路線名 | 区間 | 路線距離 |
---|---|---|
西明石・西神線 | 西神中央駅 - 玉津地区 - 西明石駅 | 9.1 |
西神・東播磨線 | 西神中央駅 - 神戸市西区神出町 - 神戸市西区岩岡町 - 加古郡稲美町 - 東播磨方面(厄神駅) | 19.4 |
西神・押部谷線 | 西神中央駅 - 押部谷駅 | 5.1 |
舞子・学園都市線 | 学園都市駅 - 舞子駅 | 6.8 |
西明石・西神線[編集]
西神再延伸線の中でも一番費用対効果が1とまだ良く建設される可能性があるが収益性に対して近畿交通審議会第8回で赤字とされておりこのまま建設したら神戸市の債務が増えるだけになるだろう。距離は9.1kmとなっておりまだ実現性があるとみられている。
また現市長の久元喜造のブログにて2013年に「延伸は無理」とコメントしており現市長では建設する可能性はほぼないとみても良いだろう。更に沿線はあまり活動を行っていないため更に実現度は下がる。
西神・東播磨線[編集]
費用対効果が0.7で1を下回っており、収益性に対しても赤字とされており建設の可能性はあまりない。距離も19.4kmとなっており西神再延伸線の計画の中でも一番長くなっている。
また大半の区間が加古川市、稲美町であり建設するにしても各市町村と協議が必要である。距離の関係上コストも高くつくため神戸市の現在の財政状況では無理である。
西神・押部谷線[編集]
西神再延伸線の中では費用対効果が一番低く0.52となっており上記の2つと比べるとあまり建設される可能性は引くだろう。路線距離が5.1と短く済むため建設費は安上がりになるため実は一番可能性が高いかもしれない。だが沿線が殆ど田畑となるため建設するとしても宅地開発が必要である。
舞子・学園都市線[編集]
路線距離は6.8で費用対効果は1.2と上記のものより高いが依然採算性には難があるため現時点では建設される可能性は低いだろう。また終点の西神中央からの路線ではなく学園都市のため建設したとしても西神・山手線の直通は無しになるだろう。
車両[編集]
開業当初から現在に至るまで全車両が地元の川崎車両(旧:川崎重工業車両カンパニー)兵庫工場で製造されている。西神延伸線区間や北神トンネルに勾配が多く存在するため、抑速ブレーキを全車両に搭載している。また神戸市が全ての車両を6000形で置き換えたため2015年〜2018年までの間に更新されていた7000系や当時まだ経年28年程度であった3000形も1000形に巻き添えを食らって廃車された。
- 6000形:2019年2月16日営業運転開始。2023年11月時点で29編成が運行中。
過去の車両[編集]
- 1000形:1977年3月13日営業運転開始。2023年8月17日定期運用終了
- 2000形:1988年2月26日営業運転開始。2022年3月営業運転終了
- 3000形:1993年3月20日営業運転開始。2021年7月24日営業運転終了
- 7000系:北神急行電鉄の車両として1988年4月2日営業運転開始。2020年6月に神戸市に譲渡。全車両7000-A系または7000-C系に更新。2023年8月17日営業運転終了
車両基地[編集]
- 名谷車両基地(西神線内)
過去の車両基地[編集]
- 西神車庫(西神延伸線内)2025年廃止。
駅一覧[編集]
- 駅番号順に記述。正式な起点は山手線が新長田駅、西神線・西神延伸線が名谷駅。
- 全駅兵庫県神戸市内に所在。
- 新神戸・三宮・大倉山・新長田・名谷・学園都市・西神中央を除く駅は、近畿日本鉄道に駅業務を委託している。
- 駅名欄のカッコ内は副駅名。なお、駅名板下広告については2019年3月31日に契約期間が終了しており[2]、以後の更新については発表されていない。
- 接続路線欄のカッコ内は路線愛称や接続駅の駅番号。接続駅名が異なる場合は⇒印で駅名を記す。
- 各駅にイメージテーマが制定されている。
正式路線名 | 駅番号 | 駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
駅イメージテーマ | 接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
山手線 | S02 | 新神戸駅 | - | 0.0西神南 | 滝 | 神戸市営地下鉄:S 北神線(西神・山手線と相互直通運転) 西日本旅客鉄道: 🚅︎ 山陽新幹線 神戸リゾートサービス:神戸布引ロープウェイ⇒ハーブ園山麓駅 |
中央区 |
S03 | 三宮駅 | 1.3 | 1.3 | 国際性と未来志向 | 神戸市営地下鉄:K 海岸線⇒三宮・花時計前駅(K01 阪神電気鉄道:HS 本線⇒神戸三宮駅(HS 32) 阪急電鉄:HK 神戸本線・HK 神戸高速線⇒神戸三宮駅(HK-16) 神戸新交通:P ポートアイランド線 (P01) 西日本旅客鉄道:A 東海道本線(JR神戸線)⇒三ノ宮駅(JR-A61) | ||
S04 | 県庁前駅 | 0.9 | 2.2 | 異人館 | |||
S05 | 大倉山駅 | 1.1 | 3.3 | 光と彫刻 | |||
S06 | 湊川公園駅(川崎病院前) | 1.0 | 4.3 | 川と橋 | 神戸電鉄:KB 有馬線・KB 神戸高速線⇒湊川駅(KB 02) | 兵庫区 | |
S07 | 上沢駅 | 1.0 | 5.3 | 桜 | |||
S08 | 長田駅 (長田神社前) |
0.8 | 6.1 | 石畳と鳥居 | 阪神電気鉄道:HS 神戸高速線⇒高速長田駅(HS 38) | 長田区 | |
S09 | 新長田駅 (鉄人28号前) |
1.5 | 7.6 | 鳩 | 神戸市営地下鉄:K 海岸線 (K 10) 西日本旅客鉄道:A 山陽本線(JR神戸線) (JR-A65) | ||
西神線 | |||||||
S10 | 板宿駅 | 1.2 | 8.8 | 板 | 山陽電気鉄道:SY 本線 (SY 02) | 須磨区 | |
S11 | 妙法寺駅 | 2.9 | 11.7 | 秋 | |||
S12 | 名谷駅(須磨パティオ前) | 1.6 | 13.3 | 春 | |||
西神延伸線 | |||||||
S13 | 総合運動公園駅 | 1.8 | 15.1 | 躍動感 | |||
S14 | 学園都市駅 | 1.7 | 16.8 | 学生と市民のふれあい | 西区 | ||
S15 | 伊川谷駅(落合眼科医院前) | 1.6 | 18.4 | 歴史へのいざない | |||
S16 | 西神南駅(なでしこレディースホスピタル前) | 1.7 | 20.1 | 虹 | |||
S17 | 西神中央駅(フレンティ前) | 2.6 | 22.7 | 太陽と緑 |
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ↑ www.jametro.or.jp/upload/data/urxXnDlDBqXJ.pdf
- ↑ “平成29・30年度 市営地下鉄「駅名板下広告および車内放送広告」の広告主の決定” (プレスリリース), 神戸市, (2017年3月27日)