JR山手線
東日本旅客鉄道(JR東日本) JY 山手線 | |
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高輪ゲートウェイ駅に入線するE235系。 | |
基本情報 | |
通称 | 山手線 |
国 | 日本 |
所在地 | 東京都 |
種類 | 普通鉄道(在来線・幹線) |
起点 | 品川駅(路線名称として) |
終点 | 田端駅(同上) |
駅数 | 30駅(西日暮里駅 - 高輪ゲートウェイ駅間の13駅含む) |
経由路線 | 東北本線(田端駅 - 東京駅間) 東海道本線(東京駅 - 品川駅間) |
電報略号 | ヤテセ |
路線記号 | JY |
開業 | 1885年(明治18年)3月1日 |
所有者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物) |
路線構造 | 環状線 |
車両基地 | 東京総合車両センター |
路線諸元 | |
路線距離 | 34.5 km (田端駅 - 東京駅間 7.1 km、東京駅 - 品川駅間 6.8 km 含む) |
軌間 | 1,067 mm |
山手線(やまのてせん)とは、東京都心を環状運転するJR東日本の路線である。
概要[編集]
東京都港区の品川駅から大崎駅、渋谷駅、新宿駅、高田馬場駅、池袋駅を経由して東京都北区の田端駅に至る路線の正式名称。また、品川駅 - 新宿駅 - 池袋駅 - 田端駅 - 上野駅 - 東京駅 - 新橋駅 - 品川駅を結ぶ専用の線路を走る環状線の系統名でもあり、一般的にはこちらの意味で用いられる。
なお、「山手線」は「やまてせん」ではなく「やまのてせん」と読む。「山の手線」は誤表記[注 1]。
正式名称としての山手線は、台地の上、即ち「山手」を通る路線だから山手線という名前がついている。一方で、環状線の系統としての山手線は、神田、秋葉原、御徒町、上野といった「下町」をも通っており、ある意味で系統名と実態が乖離しているとも言える。
並走する路線[編集]
埼京線は大崎駅から池袋駅まで、湘南新宿ラインは大崎駅から田端駅まで、京浜東北線は田端駅から品川駅まで、高崎線、宇都宮線、常磐線は上野駅から日暮里駅まで、東海道線、横須賀線、東海道新幹線は東京駅から品川駅まで並走する。なお、湘南新宿ラインは実質駒込駅までの並走で、駒込 - 田端信号場間の中里トンネルを通過し田端駅には停車しない。
なお、埼京線、湘南新宿ラインの並走区間は、正式名称としては山手線の線増線である。
ダイヤ・停車駅[編集]
山手線は、大崎駅から新宿駅方面(外回り)と、大崎駅から東京駅方面へ走る電車(内回り)がある。どちらも1周約1時間かかる。
日中は5分間隔で運行し時刻表がない。なので覚える必要もない。かつては4分間隔の時期もあり、高頻度で運行する路線の代表格的存在であるが、実は昔から東京メトロ銀座線の方が本数が多かった。
運賃計算上の特例[編集]
- 山手線内の各駅を発駅または着駅とする、片道101kmから200kmまでの普通乗車券はいずれも東京駅を起点として計算する。このルールは中央本線の神田駅 - 代々木駅間、総武本線の御茶ノ水駅 - 秋葉原駅間にも適用する(東京山手線内)。
- 片道101km以上の普通乗車券で経路上山手線を経由する場合、山手線内の区間は最短経路で運賃を計算する。このルールは中央本線の神田駅 - 代々木駅間、総武本線の御茶ノ水駅 - 錦糸町駅間及び東京駅 - 錦糸町駅間、東北本線の赤羽駅 - 田端駅間、埼京線の赤羽駅 - 池袋駅間にも適用する。例えば宇都宮駅から千葉駅までの乗車券の場合、このルールの適用により赤羽→王子→田端→秋葉原→錦糸町のルートを用いて計算する。
車両[編集]
2006年以降の車両について主に記述する。それ以前には205系や103系などが運転されていた[注 2]。
E235系[編集]
山手線の現在の使用車両は、このE235系0番台だけである。205系からのウグイス色の横帯がない代わりにドア全体がウグイス色に装飾されている[注 3]。2015年12月に量産先行車となるトウ01編成が営業運転を開始したが、故障のため運用を離脱した。その後2016年3月には運用に復帰し、同年末からは量産車も登場した。2019年までに量産先行車も含めた全50編成が出そろい、E231系を駆逐した。なお、量産車と量産先行車の主な違いは制御機器で、量産先行車では量産車に搭載されている三菱製フルSic素子VVVFに加えて東芝IGBTも装備している。このため、両車では走行音がやや異なる。なお、10号車はトウ04・05編成を除きE231系からの使いまわしである。(JR東日本E231系電車サハE231形4600番台)
E231系500番台[編集]
2002年4月に205系の入れ替え用としてデビューした。液晶ディスプレイなどの新技術をふんだんに取り入れ、東京の顔となった。当時、山手線の205系は比較的経年が浅かったが、デジタルATC導入のためにわざわざ工事を施工するのがめんどくさかったことやサービス面で陳腐化が進んでいたため山手線から引退することとなった。2005年に6ドア車1両を含む11両編成52本の配備が完了した。しかし、その後にホームドア導入に際して6ドア車を外す運びとなったため、代替として10号車にE233系レベルの車両が組み込まれた。E235系登場で2020年1月で引退。
沿線概況[編集]
西側(本当の山手線)と東側(京浜東北線との並走区間)で、雰囲気が大きく異なる。
西側は、東京の旧市街のほぼ西縁で、渋谷、新宿、池袋という副都心を縦貫する。沿線は、これら副都心を除いて普通の市街地だが、山手線から西に離れると大きな繁華街やビジネス街がほとんど無い。そのため、渋谷や新宿では、「東京=山手線の内側」という意識を持っている人が多い。実際には銀座や日本橋が山手線の外側にあるが、山手の住民にとって、皇居より東の本当の東京都心部は実はあまり眼中に無かったりする。
東側は、新橋・丸の内・神田・上野といった東京の都心中央部を南北に縦貫している。江戸時代は、山手線の西に武家屋敷が、東に町人地が多く、東側の方が栄えていた。現在も、東側が日本橋や銀座の繁華街、西側が丸の内のビジネス街で両側とも東京都心の一角として栄えている。
駅一覧[編集]
ここでは山手線の各駅と営業キロ・接続路線・所在地の一覧を、駅番号順に東京駅から内回り方向に並べ東京駅まで記す。『鉄道要覧』記載の山手線の正式な起点は品川駅、終点は田端駅、運転系統上の起終点は大崎駅である。
- 内回り:東京駅→上野駅→田端駅→池袋駅→新宿駅→品川駅→東京駅方面
- 外回り:東京駅→品川駅→新宿駅→池袋駅→田端駅→上野駅→東京駅方面
- 全電車が各駅に停車。
- 接続路線
- 東日本旅客鉄道の路線名は運転系統上の名称(正式な路線名とは異なる)。駅名が異なる場合は⇒印で駅名を記す。
- 田端駅 - 田町駅間:京浜東北線と対面乗り換えで連絡が可能。
- 他線との連絡のない駅は目白駅と新大久保駅のみ。
- 全駅が東京23区内に所在。
- 駅番号の後に「★」が付く駅はホームドア未設置駅。池袋・大崎は折り返し専用ホームのみが設置されていないため省略する。
神田駅は2028年9月30日まで「神田駅(アース製薬本社前)」に駅名標の表記が変更される。
正式路線名 | 駅番号 | 駅名 | 駅間 営業キロ |
累計 営業キロ |
接続路線・備考 | 所在地 |
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東北本線 | TYO JY 01 |
山区 東京駅 | - | 0.0 | 東海道新幹線・ 東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸新幹線 JC 01 中央線・JK 26 京浜東北線 JT 01 東海道線・JU 01 東北本線・高崎線・常磐線 JO 19 横須賀線・総武快速線・JE 01 京葉線・M-17 東京メトロ丸ノ内線 T-09 東京メトロ東西線 ⇒ 大手町駅・I-09 都営三田線 ⇒ 大手町駅 C-10 東京メトロ千代田線 ⇒ 二重橋前〈丸の内〉駅 |
千代田区 |
KND JY 02 |
山区 神田駅 (アース製薬本社前) |
1.3 | 1.3 | JC 02 中央線・JK 27 京浜東北線・G-13 東京メトロ銀座線 | ||
AKB JY 03 |
山区 秋葉原駅 | 0.7 | 2.0 | JK 28 京浜東北線・JB 19 総武線各駅停車 TX 01 つくばエクスプレス・H-15 東京メトロ日比谷線・S-08 都営新宿線 ⇒ 岩本町駅 | ||
JY 04 | 山区 御徒町駅 | 1.0 | 3.0 | JK 29 京浜東北線・G-15 東京メトロ銀座線 ⇒ 上野広小路駅 H-16 東京メトロ日比谷線 ⇒ 仲御徒町駅・E-09 都営大江戸線 ⇒ 上野御徒町駅 |
台東区 | |
UEN JY 05 |
山区 上野駅 | 0.6 | 3.6 | 東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸新幹線 JK 30 京浜東北線・JU 02 宇都宮線・高崎線(上野東京ライン)・JJ 01 常磐快速線 G-16 東京メトロ銀座線・H-17 東京メトロ日比谷線・KS 01 京成本線 ⇒ 京成上野駅 | ||
JY 06 | 山区 鶯谷駅 | 1.1 | 4.7 | JK 31 京浜東北線 | ||
NPR JY 07 |
山区 日暮里駅 | 1.1 | 5.8 | JK 32 京浜東北線・JJ 02 常磐線(上野東京ライン) KS 02 京成本線・NT 01 日暮里・舎人ライナー |
荒川区 | |
JY 08 | 山区 西日暮里駅 | 0.5 | 6.3 | JK 33 京浜東北線・C-16 東京メトロ千代田線・NT 02 日暮里・舎人ライナー | ||
JY 09 | 山区 田端駅 | 0.8 | 7.1 | JK 34 京浜東北線 | 北区 | |
山手線 | ||||||
JY 10 | 山区 駒込駅 | 1.6 | 8.7 | N-14 東京メトロ南北線 | 豊島区 | |
JY 11 | 山区 巣鴨駅 | 0.7 | 9.4 | I-15 都営三田線 | ||
JY 12 | 山区 大塚駅 | 1.1 | 10.5 | SA 23 都電荒川線(東京さくらトラム) ⇒ 大塚駅前電停 | ||
IKB JY 13 |
山区 池袋駅 | 1.8 | 12.3 | JS 21 湘南新宿ライン・JA 12 埼京線・SI01 西武池袋線・TJ-01 東武東上線 F-09 東京メトロ副都心線・Y-09 東京メトロ有楽町線・M-25 東京メトロ丸ノ内線 | ||
JY 14 | 山区 目白駅 | 1.2 | 13.5 | |||
JY 15 | 山区 高田馬場駅 | 0.9 | 14.4 | SS02 西武新宿線・T-03 東京メトロ東西線 | 新宿区 | |
JY 16 | 山区 新大久保駅 | 1.4 | 15.8 | (JB 09 中央・総武線⇛大久保駅(徒歩4分・300m)) | ||
SJK JY 17 |
山区 新宿駅★ | 1.3 | 17.1 | OH 01 小田急線・KO01 京王線・京王新線(新線新宿駅)・S-01 都営新宿線 JC 05 中央線快速・JB 10 中央・総武線 SO 相鉄・JR直通線・JS 20 湘南新宿ライン・JA 11 埼京線 E-27 都営大江戸線 (E-01 新宿西口駅) M-08 東京メトロ丸ノ内線・SS01 西武新宿線 ⇒ (西武新宿駅) | ||
JY 18 | 山区 代々木駅 | 0.7 | 17.8 | JB 11 中央・総武線・E-26 都営大江戸線 | 渋谷区 | |
JY 19 | 山区 原宿駅 | 1.5 | 19.3 | C-03 東京メトロ千代田線・F-15 東京メトロ副都心線 ⇒ 明治神宮前〈原宿〉駅 | ||
SBY JY 20 |
山区 渋谷駅★ | 1.2 | 20.5 | DT 01 東急田園都市線・Z-01 東京メトロ半蔵門線 TY 01 東急東横線・F-16 東京メトロ副都心線 IN01 京王井の頭線・G-01 東京メトロ銀座線 SO 相鉄・JR直通線・JS 19 湘南新宿ライン・JA 10 埼京線 | ||
EBS JY 21 |
山区 恵比寿駅 | 1.6 | 22.1 | SO 相鉄・JR直通線・JS 18 湘南新宿ライン・JA 09 埼京線・H-02 東京メトロ日比谷線 | ||
JY 22 | 山区 目黒駅 | 1.5 | 23.6 | MG 01 東急目黒線・N-01 東京メトロ南北線・I-01 都営三田線 | 品川区 | |
JY 23 | 山区 五反田駅 | 1.2 | 24.8 | IK 01 東急池上線・A-05 都営浅草線 | ||
OSK JY 24 |
山区 大崎駅 | 0.9 | 25.7 | SO 相鉄・JR直通線・JS 17 湘南新宿ライン・JA 08 埼京線・R 08 りんかい線 | ||
SGW JY 25 |
山区 品川駅 | 2.0 | 27.7 | 東海道新幹線・JK 20 京浜東北線 JT 03 東海道線・JO 17 横須賀線・KK 01 京浜急行線 |
港区 | |
東海道本線 | ||||||
TGW JY 26 |
山区 高輪ゲートウェイ駅 | 0.9 | 28.6 | JK 21 京浜東北線・A-07 都営浅草線・京浜急行線 ⇒ 泉岳寺駅 | ||
JY 27 | 山区 田町駅 | 1.3 | 29.9 | JK 22 京浜東北線・I-04 都営三田線 ⇒ 三田駅・A-08 都営浅草線 ⇒ 三田駅 | ||
HMC JY 28 |
山区 浜松町駅 | 1.5 | 31.4 | MO 01 東京モノレール羽田空港線 JK 23 京浜東北線・E-20 都営大江戸線 ⇒ 大門駅・A-09 都営浅草線 ⇒ 大門駅 | ||
SMB JY 29 |
山区 新橋駅 | 1.2 | 32.6 | JK 24 京浜東北線・JT 02 東海道線・JO 18 横須賀線 U-01 ゆりかもめ・G-08 東京メトロ銀座線・A-10 都営浅草線 | ||
JY 30 | 山区 有楽町駅 | 1.1 | 33.7 | JK 25 京浜東北線・JE 01 京葉線 ⇒ 東京駅[* 1]・Y-18 東京メトロ有楽町線 H-08 東京メトロ日比谷線 ⇒ 日比谷駅・C-09 東京メトロ千代田線 ⇒ 日比谷駅 I-08 都営三田線 ⇒ 日比谷駅 |
千代田区 | |
TYO JY 01 |
山区 東京駅 | 0.8 | 34.5 | (本表の最上欄を参照) |
- ↑ 東京駅 - 有楽町駅間を含む定期乗車券や特別企画乗車券などの利用を除き浜松町・新橋方面からのみ乗り換え可。
現在、山手線で駅間距離が最も長い区間は、大崎駅 - 品川駅間のおよそ2 km、最も短い区間は日暮里駅 - 西日暮里駅間のおよそ500 mである。
目黒駅 - 恵比寿駅間で目黒区を、巣鴨駅 - 駒込駅間で文京区を、神田駅 - 東京駅間で中央区をわずかに通るのだが駅はない。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 開業前には「山ノ手線」として申請されているが、1885年の開業時には表記のみ「山手線」に変更され、読み方は「やまのてせん」のままだった。しかしながら、1945年の終戦直後にGHQの指導で路線名にローマ字を振った際に「Yamate Line」と表記してしまった。正しい表記「Yamanote Line」に戻されたのは1971年のことである。このような経緯から、高齢者を中心に 「やまてせん」 と言う人も未だにいる
- ↑ E231系の撤退直前まで残ったトウ506編成に1日5周以上も乗った人がいるという伝説がある。
- ↑ これは山手線の駅にホームドアが設置されているため、従来の帯では分からないことから採用されたものである。
出典[編集]
外部リンク[編集]
JR東日本の鉄道路線 |