最長片道切符

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最長片道切符(さいちょうかたみちきっぷ、英 Longest Oneway-ticket Problem)は、片道切符の中で発着駅間の距離が最も長いもののことである。

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概要[編集]

日本には多数の鉄道事業者が存在し、それら全てに対して最長片道切符を考えることはできるが、一般的には最長片道切符といえば日本国有鉄道、及び後継会社のJRグループの最長片道切符のことをいう。

最長片道切符およびそのの探索は「LOP」とも呼ばれ、これは Longest Oneway-ticket Problem の頭文字であると同時に、JRの片道切符が発行されうる経路のトポロジー的な形状も表している。

最長片道切符の探索[編集]

最長片道切符の探索の起源は、1961年に東京大学旅行研究会による研究であると言われている。コンピューターはおろか電卓すら普及していない時代、彼らはそろばんを使用して手計算で経路を算出したという。1961年7月、彼らは算出した経路である鹿児島県の古江線海潟駅(現在廃止)から北海道の広尾線広尾駅(現在廃止)までの12,145.3kmを、25日間かけて実際に旅行した。その後、1978年に紀行作家の宮脇俊三も同様の旅行を行い、その道程を『最長片道切符の旅』(新潮社、1979年)に記した。

1980年代以降になると、経路の算出にはコンピュータが使われるようになった。2000年には、当時東京大学大学院生であった葛西隆也は、整数計画法と呼ばれる数学的に厳密な方法で最長経路を算出した。また、近年の研究により1961年の東大旅行研究会や1978年の宮脇の経路が本当は最長ではなかった(実際にはもっと長い経路が存在した)ことが判明している。

2015年、PythonのライブラリであるGraphillionが登場し、最長経路の探索に使用されている。

2022年現在、最長経路の発着駅は「稚内新大村」であるが、根室本線日高本線の部分廃止後は「肥前白石長万部」となる。なお、2019年春に開業したおおさか東線新大阪-放出間ではルートは変化しない[1]。だが、2022年西九州新幹線開通によりルートが若干変更された。

区間 (2022.9.23現在)[編集]

稚内駅→(宗谷本線)→新旭川駅→(石北本線)→網走駅→(釧網本線)→東釧路駅→(根室本線)→富良野駅→(富良野線)→旭川駅→(函館本線)→岩見沢駅→(室蘭本線)→沼ノ端駅→(千歳線)→白石駅→(函館本線)→札幌駅→(函館本線)→新函館北斗駅→(北海道新幹線)→新青森駅→(奥羽本線)→川部駅→(五能線)→東能代駅→(奥羽本線)→秋田駅→(羽越本線)→坂町駅→(米坂線)→米沢駅→(奥羽本線)→大曲駅→(田沢湖線)→盛岡駅→(東北本線)→花巻駅→(釜石線)→新花巻駅→(東北新幹線)→北上駅→(東北本線)→一ノ関駅→(東北新幹線)→古川駅→(陸羽東線)→小牛田駅→(石巻線)→石巻駅→(仙石線)→仙台駅→(東北新幹線)→福島駅→(東北本線)→岩沼駅→(常磐線)→いわき駅→(磐越東線)→郡山駅→(磐越西線)→新津駅→(信越本線)→長岡駅→(上越新幹線)→新潟駅→(越後線)→柏崎駅→(信越本線)→宮内駅→(上越線)→越後川口駅→(飯山線)→飯山駅→(北陸新幹線)→糸魚川駅→(大糸線)→松本駅→(篠ノ井線)→篠ノ井駅→(信越本線)→長野駅→(北陸新幹線)→高崎駅→(上越新幹線)→越後湯沢駅→(上越線)→新前橋駅→(両毛線)→小山駅→(東北本線)→安積永盛駅→(水郡線)→水戸駅→(常磐線)→新松戸駅→(武蔵野線)→南浦和駅→(東北本線)→赤羽駅→(赤羽線埼京線))→池袋駅→(山手線)→田端駅→(東北本線)→秋葉原駅→(総武本線)→錦糸町駅→(総武本線)→佐倉駅→(成田線)→松岸駅→(総武本線)→成東駅→(東金線)→大網駅→(外房線)→安房鴨川駅→(内房線)→蘇我駅→(京葉線)→東京駅→(東北本線)→神田駅→(中央東線)→西国分寺駅→(武蔵野線)→武蔵浦和駅→(東北本線別線(埼京線))→大宮駅→(高崎線)→倉賀野駅→(八高線)→拝島駅→(青梅線)→立川駅→(南武線)→武蔵小杉駅→(東海道本線別線(3))→品川駅→(東海道本線)→川崎駅→(南武線)→尻手駅→(南武線支線)→浜川崎駅→(鶴見線)→鶴見駅→(東海道本線)→横浜駅→(根岸線)→大船駅→(東海道本線)→国府津駅→(御殿場線)→沼津駅→(東海道本線)→富士駅→(身延線)→甲府駅→(中央東線)→八王子駅→(横浜線)→新横浜駅→(東海道新幹線)→小田原駅→(東海道本線)→三島駅→(東海道新幹線)→静岡駅→(東海道本線)→豊橋駅→(飯田線)→辰野駅→(中央本線)(川岸駅経由))→岡谷駅→(中央東線みどり湖駅経由))→塩尻駅→(中央西線)→金山駅→(東海道本線名古屋駅→(関西本線)→亀山駅→(紀勢本線)→和歌山駅→(和歌山線)→高田駅→(桜井線)→奈良駅→(関西本線)→今宮駅→(大阪環状線)→京橋駅→(片町線)→木津駅→(関西本線)→柘植駅→(草津線)→草津駅→(東海道本線)→山科駅→(湖西線)→近江塩津駅→(北陸本線)→米原駅→(東海道本線)→岐阜駅→(高山本線)→富山駅→(北陸新幹線)→金沢駅→(北陸本線)→敦賀駅→(小浜線)→東舞鶴駅→(舞鶴線)→綾部駅→(山陰本線)→京都駅→(東海道本線)→新大阪駅→(山陽新幹線)→西明石駅→(山陽本線)→神戸駅→(東海道本線)→尼崎駅→(福知山線)→福知山駅→(山陰本線)→鳥取駅→(因美線)→東津山駅→(姫新線)→姫路駅→(山陽本線)→岡山駅→(津山線)→津山駅→(姫新線)→新見駅→(伯備線)→倉敷駅→(山陽本線)→広島駅→(芸備線)→備中神代駅→(伯備線)→伯耆大山駅→(山陰本線)→益田駅→(山口線)→新山口駅→(山陽本線)→宇部駅→(宇部線)→居能駅→(小野田線)→小野田駅→(山陽本線)→厚狭駅→(美祢線)→長門市駅→(山陰本線) →幡生駅→(山陽本線)→下関駅→(山陽本線)→門司駅→(鹿児島本線)→西小倉駅→(日豊本線)→都城駅→(吉都線)→吉松駅→(肥薩線)→隼人駅→(日豊本線)→鹿児島駅→(鹿児島本線)→川内駅→(九州新幹線)→新八代駅→(鹿児島本線)→久留米駅→(久大本線)→夜明駅→(日田彦山線)→田川後藤寺駅→(後藤寺線)→新飯塚駅→(筑豊本線)→折尾駅→(鹿児島本線)→吉塚駅→(篠栗線)→桂川駅→(筑豊本線)→原田駅→(鹿児島本線)→博多駅→(九州新幹線)→新鳥栖駅→(長崎本線)→諫早駅→(大村線)→早岐駅→(佐世保線)→武雄温泉駅→(西九州新幹線)→新大村駅

国鉄バスを絡めた最長片道切符[編集]

種村直樹によって作られた。

大都市近郊区間大回り乗車[編集]

大都市近郊区間相互の場合には、最低発行額でこの切符とすることも可能である。これは、大都市近郊区間に関わる旅客運輸規定の内、第156条第2項の「大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び回数乗車券を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、同区間内の他の経路を選択して乗車することができる。 」に、上記の2条件を付加し、かつ旅規第154条の「大都市近郊区間内相互発着の片道乗車券の有効期間は、距離にかかわらず1日である。」を満たす時間で途中下車(旅規第156条第2号)をしないで回れる経路についてはこういいうる。

これを「大都市近郊区間大回り乗車」と称する。

メディア[編集]

NHKBSチャンネル列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜』が放送された。なお、この番組では、最長切符の経路に含まれない四国も、特別編と称して経由した。

達成者[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]