JR芸備線
西日本旅客鉄道 P 芸備線 | |
---|---|
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 岡山県、広島県 |
種類 | 普通鉄道(在来線・地方交通線) |
起点 | 備中神代駅 |
終点 | 広島駅 |
駅数 | 44駅 |
電報略号 | ケヒセ |
路線記号 | P |
開業 | 1915年4月28日 |
全通 | 1936年10月10日 |
所有者 | 西日本旅客鉄道 |
運営者 | 西日本旅客鉄道 |
使用車両 | 使用車両の節を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 159.1 km |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
複線区間 | 全線単線 |
電化方式 | 全線非電化 |
閉塞方式 | 自動閉塞式・特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 | ATS-SW |
最高速度 | 85 km/h[1] |
芸備線(げいびせん)は、岡山県新見市の備中神代駅から広島県三次市の三次駅を経て広島県広島市の広島駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
概要[編集]
列車番号は、伯備線、山陽本線に合わせ、甲立・広島方面が奇数となっている。
終点の広島駅近郊で都市圏輸送の一翼を担い、三次駅以南で快速も運行され、三次 - 広島相互間で広島・中国自動車道および広島高速4号線を経由する高速バスに互して県の南北の輸送を担っている。一方、安芸高田市の人口集積地の吉田[注釈 1]への鉄道は構想のみとなり、広島市の高陽ニュータウンは、各団地から中心部の広島バスセンター直結のバスが発達したため、安芸高田市や安佐北区東部での芸備線の寄与度合いは高くない。
かたや、三次 - 庄原 - 東城間は中国自動車道が地形に逆って最短ルートで開通し、それによる高速バスの躍進により、塩町駅以東で列車本数が最盛期より削減され、備後落合 - 東城間は一日に片道3本まで減少し、営業係数は国鉄末期の北海道レベルの5桁にまで跳ね上がっている。これだといつ該当区間廃線になってもおかしくはない。
かつては木次線や伯備線新見以北と共に陰陽連絡線、姫新線津山以西と共に中国山地縦貫鉄路としての使命を担い、1980年9月まで木次線直通の定期の夜行急行列車や姫新線直通の昼行急行列車も運転されたが、国道54号の整備や伯備線の特急増発で陰陽連絡の使命は完全に後退して、1972年に伯備線経由の米子直通の急行、1990年に木次線直通の急行が廃止されている。
その一方、県内間連絡の優等列車は、2002年に急行「みよし」(三次以東各駅停車)に統合され、末期に広島 - 三次・備後落合間で4往復運転されたが、2007年7月1日のダイヤ改正で廃止された。この急行「みよし」は、末期は急行形気動車であるキハ58系気動車で運用される全国で唯一の急行列車であった。
高駅 - 備後庄原駅間の線路には落石や山崩れ防止のため、山肌をコンクリートで固めたり、コンクリート製落石おおいが設けられている区間がある。列車は山肌と川原の間に敷設された線路上を走る。落石おおいの上には木々が生い茂っている。落石おおいが設置されている山肌には金網も設置され、落石を防いでいる[2]。
路線データ[編集]
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):159.1km
- 軌間:1067mm
- 駅数:44(起終点駅含む、広島貨物ターミナル駅をのぞく)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式[5]
- 広島 - 矢賀、矢神 - 備中神代:自動閉塞式
- 矢賀 - 矢神:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 列車交換可能駅:18
- 最高速度:85km/h
- 運転指令所:広島総合指令所
沿革[編集]
詳細は「芸備線の歴史」を参照
駅一覧[編集]
便宜上、備中神代駅から全列車が直通する伯備線新見駅からの区間を記載する。
- 駅名 … (貨):貨物専用駅(芸備線の貨物取扱はなし)、広:特定都区市内制度における「広島市内」エリアの駅
- 停車駅
- 普通…すべての駅に停車
- 快速…●印の駅は停車、|・↓印の駅は通過(↓は矢印の方向のみ運転)
- 新見駅発の快速は早朝下り1本のみ運転
- 三次駅 - 広島駅間の快速は「みよしライナー」
- 線路(全線単線) … ◇・∧:列車交換可能、*:列車交換可能だが交換時は下り列車のみ客扱い可、|:列車交換不可
路線名 | 駅名 | 駅間 営業キロ |
備中神代 からの 営業キロ |
快速 | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | ||
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伯備線 | 新見駅 | - | 6.4 | ● | 西日本旅客鉄道:V 伯備線(倉敷方面)・K 姫新線 | ◇ | 岡山県 新見市 | ||
布原駅 | 3.9 | 2.5 | ↓ | (芸備線の列車のみ停車) | ◇ | ||||
備中神代駅 | 2.5 | 0.0 | ↓ | 西日本旅客鉄道:V 伯備線(伯耆大山方面) | | | ||||
芸備線 | |||||||||
坂根駅 | 3.9 | 3.9 | ↓ | | | |||||
市岡駅 | 2.6 | 6.5 | ↓ | | | |||||
矢神駅 | 3.5 | 10.0 | ● | ◇ | |||||
野馳駅 | 3.6 | 13.6 | ↓ | | | |||||
東城駅 | 5.2 | 18.8 | ● | * | 広島県 | 庄原市 | |||
備後八幡駅 | 6.5 | 25.3 | ● | | | |||||
内名駅 | 3.7 | 29.0 | ● | | | |||||
小奴可駅 | 4.6 | 33.6 | ● | | | |||||
道後山駅 | 4.2 | 37.8 | ● | | | |||||
備後落合駅 | 6.8 | 44.6 | ● | 西日本旅客鉄道:E 木次線 | ◇ | ||||
比婆山駅 | 5.6 | 50.2 | | | ||||||
備後西城駅 | 3.0 | 53.2 | ◇ | ||||||
平子駅 | 4.2 | 57.4 | | | ||||||
高駅 | 4.9 | 62.3 | | | ||||||
備後庄原駅 | 6.2 | 68.5 | ◇ | ||||||
備後三日市駅 | 2.0 | 70.5 | | | ||||||
七塚駅 | 1.7 | 72.2 | | | ||||||
山ノ内駅 | 3.0 | 75.2 | | | ||||||
下和知駅 | 4.9 | 80.1 | | | 三次市 | |||||
塩町駅 | 3.1 | 83.2 | 西日本旅客鉄道:Z 福塩線[* 1] | ◇ | |||||
神杉駅 | 1.5 | 84.7 | ◇ | ||||||
八次駅 | 3.3 | 88.0 | | | ||||||
三次駅 | 2.3 | 90.3 | ● | ◇ | |||||
西三次駅 | 1.6 | 91.9 | | | ◇ | |||||
志和地駅 | 7.7 | 99.6 | | | ◇ | |||||
上川立駅 | 2.6 | 102.2 | | | | | |||||
甲立駅 | 4.3 | 106.5 | ● | ◇ | 安芸高田市 | ||||
吉田口駅 | 3.4 | 109.9 | | | ◇ | |||||
向原駅 | 6.2 | 116.1 | ● | ◇ | |||||
広 井原市駅 | 5.9 | 122.0 | | | | | 広島市 | 安佐北区 | |||
広 志和口駅 | 4.0 | 126.0 | ● | ◇ | |||||
広 上三田駅 | 3.5 | 129.5 | | | | | |||||
広 中三田駅 | 4.5 | 134.0 | | | ◇ | |||||
広 白木山駅 | 2.3 | 136.3 | | | | | |||||
広 狩留家駅 | 2.2 | 138.5 | | | ◇ | |||||
広 上深川駅 | 2.2 | 140.7 | | | | | |||||
広 中深川駅 | 2.8 | 143.5 | | | | | |||||
広 下深川駅 | 1.4 | 144.9 | ● | ◇ | |||||
広 玖村駅 | 1.9 | 146.8 | ● | | | |||||
広 安芸矢口駅 | 2.5 | 149.3 | ● | ◇ | |||||
広 戸坂駅 | 2.8 | 152.1 | ● | | | 東区 | ||||
広 矢賀駅 | 4.8 | 156.9 | ● | ◇ | |||||
((貨)広島貨物ターミナル駅) | 0.6 | 157.5 | | | (山陽本線の貨物駅。山陽本線との分岐点) | | | 南区 | |||
広 広島駅 | 1.6 | 159.1 | ● | 西日本旅客鉄道: 山陽新幹線・R G 山陽本線・Y 呉線[* 2]・B 可部線[* 2] 広島電鉄:本線 |
∧ |
以下の駅を除いては、無人駅である。
- 直営駅(2駅)
- 三次駅・広島駅
- JR西日本中国交通サービスによる業務委託駅(3駅)
- 下深川駅・安芸矢口駅・矢賀駅
- 簡易委託駅
- 甲立駅・備後庄原駅・備後西城駅・小奴可駅・東城駅・野馳駅
- みどりの窓口設置駅
- 広島駅、矢賀駅、安芸矢口駅、下深川駅
- みどりの券売機プラス設置駅
- 三次駅
廃駅[編集]
( )内は備中神代駅起点の営業キロ。
- 下原駅:1934年廃止、七塚駅 - 山ノ内駅間 (73.7km)
- 備後木戸駅:1934年廃止、山ノ内駅 - 下和知駅間 (78.1km)
- 粟屋停留場:1922年廃止、西三次駅 - 志和地駅間 (94.8km)
- 青河駅:1941年休止、西三次駅 - 志和地駅間 (96.4km)
- 安芸戸島駅:1941年休止、吉田口駅 - 向原駅間 (113.5km)
- 下長田駅:1941年休止、向原駅 - 井原市駅間 (119.5km)
- 弥谷駅:1941年休止、上三田駅 - 中三田駅間 (132.0km)
- 福永臨時停留場:1937年廃止、中三田駅 - 白木山駅間 (136.1km)
- 安芸小田駅:1941年休止、安芸矢口駅 - 戸坂駅間 (150.5km)
- 石ヶ原駅:1941年休止、戸坂駅 - 矢賀駅間 (153.1km)
- 安芸中山駅:1941年休止、戸坂駅 - 矢賀駅間 (155.6km)
- (貨)東広島駅:1937年廃止、矢賀駅 - 広島駅間 (158.5km)
過去の接続路線[編集]
- 三次駅:三江線 - 2018年4月1日廃止
関連項目[編集]
脚注[編集]
- 注釈
- ↑ 合併前の旧吉田町にあり、現在JTBの安芸高田市の代表駅となっている安芸高田市役所前バス停も可部駅からのバスの方が利便が良い。
- 出典
- ↑ データで見るJR西日本2018 - JR西日本
- ↑ 河田耕一「神岡鉄道を偲ぶ」『鉄道模型趣味』No.256 1969年10月号、機芸出版社
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ↑ 鉄道事業ダイジェスト - 西日本旅客鉄道
- ↑ 平成27年度鉄道統計年報 - 国土交通省
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