JR赤穂線
西日本旅客鉄道 A N 赤穂線 | |
---|---|
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 兵庫県、岡山県 |
種類 | 普通鉄道(在来線・地方交通線) |
起点 | 相生駅 |
終点 | 東岡山駅 |
駅数 | 20駅(貨物駅含む) |
電報略号 | アコセ[1] |
路線記号 | A(相生 - 播州赤穂間) N(播州赤穂 - 東岡山間) |
開業 | 1951年12月12日 |
全通 | 1962年9月1日 |
所有者 | 西日本旅客鉄道(第一種) |
運営者 | 西日本旅客鉄道(第一種) 日本貨物鉄道(第二種) |
使用車両 | 使用車両を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 57.4 km |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 全線単線 |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
最高速度 | 95 km/h |
赤穂線(あこうせん)は、兵庫県相生市の相生駅と岡山県岡山市中区の東岡山駅の間を瀬戸内海に沿って結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
山陽本線との比較[編集]
赤穂線は幹線の山陽本線と意地を張り合っているが、勝負的には赤穂線がちょっと不利である。なぜなら所要時間がこちらが多くかかるからである。
両者ともに相生駅から東岡山駅までを結んでいる。ここでは、赤穂線と山陽本線、どちらに乗るのがいいのか各視点から比較し検証していく。
所要時間と営業キロ (相生~東岡山)[編集]
赤穂線のほうが距離が短いにもかかわらず、長い所要時間を要する。これは山陽本線が複線であるのに対して赤穂線は単線で、対向列車の交換待避を行わなければいけないからである。また、後述する播州赤穂駅での乗り換え待ち時間(最長25分)も大きく影響してくる。
最短所要時間 | 最長所要時間 | 営業キロ | |
---|---|---|---|
赤穂線 | 70分 | 112分 | 57.4キロ |
山陽本線 | 53分 | 65分 | 60.6キロ |
この表より、現在のダイヤでは山陽本線の方が最短5分、最長では59分先着することがわかる。
よって、所要時間では山陽線に軍配が上がる。
車内混雑度[編集]
混雑度は山陽本線に比べ赤穂線の方が低い。これは山陽本線のほうが所要時間が短いため、全線乗りとおす乗客が、みな山陽本線経由の利用を選び、かつ上郡〜瀬戸間が本数のボトルネックで混雑が平準化しないことが要因といえる。特に青春18きっぷ利用期間中の山陽本線は非常に混雑する。
よって、空いた電車で移動したいならば赤穂線に軍配が上がる。
乗り換え[編集]
赤穂線の運転系統は播州赤穂駅で分けられているため、相生駅から東岡山駅を乗りとおすことが出来ず、全線を利用する場合には播州赤穂駅での乗り換えが必要である。播州赤穂駅の東側に比べて西側の運転本数が少ないため、東側から乗り継ぐ際は予め時刻表等で確認しないと、列車によって播州赤穂駅で長時間待たされる羽目に陥る(他方、食事休憩やトイレ休憩には格好の時間となり得る。)。一方、山陽本線では両駅を直通する電車が走っている。
よって、乗り換えの手間では山陽本線に軍配があがる。
結論[編集]
所要時間が短く乗り換える必要もない山陽本線が有利。ただし、旅程に余裕があり、かつ乗車中の座席確保を優先するなら赤穂線を選ぶのもあり。
歴史[編集]
鉄道敷設法別表に基づく建設路線ではあるが、沿線地域の交通は何も無かったわけではなく、有年駅から赤穂鉄道(軌間762mm)、和気駅から同和鉱業片上鉄道線(軌間1067mm)、東岡山駅から西大寺鉄道(軌間914mm)が通じ、さらに山陽電気鉄道も網干線の延長のかたちで赤穂、片上、西大寺経由での岡山市進出を狙っていた。
戦前、姫新線の姫路〜播磨新宮の開業による播電鉄道の廃業や中国鉄道の強制国有化(津山線)で岡山〜津山間のテリトリー潰しに成功した国鉄は赤穂、西大寺でもその老獪さを発揮。1951年から赤穂線を開業させ、赤穂鉄道を廃業に追い込み、山陽電鉄の野望を封じた。最終的には両備バスの1事業部門だった西大寺鉄道も白旗を挙げ鉄路を廃止し、1962年に全線開業した。1969年には全線の電化が完工した。
現在、赤穂線には優等列車は無いが、1963年〜1969年には急行「だいせん」、1969年〜1972年に急行「安芸」、1972年〜1975年3月9日まで急行「つくし・べっぷ」が赤穂線経由で運行されていた。
ちなみに同和鉱業片上鉄道はかろうじて和気〜片上間の連絡使命や鉱物貨物線として残ったが、石油脱硫装置の普及で貨物の大口だった硫化鉱が暴落して儲けの糧を無くし、日光江戸村経営者がファンタジー鉄道として再生させる構想も拒否られ、1991年にあえなく廃止された。
駅一覧[編集]
便宜上、両端部の全列車が乗り入れる山陽本線姫路駅 - 相生駅、および東岡山駅 - 岡山駅間も合わせて記載する。
- (貨):貨物専用駅
- JR神戸線から乗り入れる快速(明石駅以西では普通列車)・新快速を含め、赤穂線の列車は全列車全旅客駅に停車する。
- 線路(赤穂線内は全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可能、|:列車交換不可、∥:複線区間(山陽本線内)
- この区間は全駅兵庫県に所在。
姫路駅 - 相生駅 - 播州赤穂駅間[編集]
路線名 | 駅名 | 駅間 営業キロ |
相生 からの 営業キロ |
接続路線 | 線路 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
山陽本線 | 姫路駅 | - | 20.7 | 西日本旅客鉄道: 山陽新幹線・JR-A85 山陽本線(JR神戸線)・J 播但線・K 姫新線 山陽電気鉄道:SY 43 本線 (山陽姫路駅) |
∥ | 姫路市 |
英賀保駅 | 4.6 | 16.1 | ∥ | |||
はりま勝原駅 | 2.8 | 13.3 | ∥ | |||
網干駅 | 2.9 | 10.4 | ∥ | |||
竜野駅 | 5.9 | 4.5 | ∥ | たつの市 | ||
相生駅 | 4.5 | 0.0 | 西日本旅客鉄道: 山陽新幹線・A 山陽本線(上郡方面) | ∨ | 相生市 | |
赤穂線 | ||||||
西相生駅 | 3.0 | 3.0 | | | |||
坂越駅 | 4.8 | 7.8 | | | 赤穂市 | ||
播州赤穂駅 | 2.7 | 10.5 | 西日本旅客鉄道:N 赤穂線(岡山方面) | ◇ |
播州赤穂駅 - 東岡山駅 - 岡山駅間[編集]
路線名 | 駅ナンバー [2] |
駅名 | 駅間 営業キロ |
相生 からの 営業キロ |
接続路線 | 線路 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
赤穂線 | - | 播州赤穂駅 | - | 10.5 | 西日本旅客鉄道:A 赤穂線(相生方面) | ◇ | 兵庫県 赤穂市 | ||
(貨)西浜駅 | 2.4 | 12.9 | | | ||||||
天和駅 | 1.6 | 14.5 | | | ||||||
備前福河駅 | 1.9 | 16.4 | | | ||||||
JR-N16 | 寒河駅 | 3.2 | 19.6 | | | 岡山県 | 備前市 | |||
JR-N15 | 日生駅 | 2.5 | 22.1 | ◇ | |||||
JR-N14 | 伊里駅 | 5.6 | 27.7 | | | |||||
JR-N13 | 備前片上駅 | 3.3 | 31.0 | ◇ | |||||
JR-N12 | 西片上駅 | 1.3 | 32.3 | | | |||||
JR-N11 | 伊部駅 | 2.2 | 34.5 | ◇ | |||||
JR-N10 | 香登駅 | 4.0 | 38.5 | | | |||||
JR-N09 | 長船駅 | 3.8 | 42.3 | ◇ | 瀬戸内市 | ||||
JR-N08 | 邑久駅 | 3.6 | 45.9 | | | |||||
JR-N07 | 大富駅 | 2.1 | 48.0 | | | |||||
JR-N06 | 西大寺駅 | 3.2 | 51.2 | ◇ | 岡山市 | 東区 | |||
JR-N05 | 大多羅駅 | 2.9 | 54.1 | | | |||||
JR-N04 | 東岡山駅 | 3.3 | 57.4 | 西日本旅客鉄道:S 山陽本線(瀬戸方面:JR-S04) | ∧ | 中区 | |||
山陽本線 | |||||||||
JR-N03 | 高島駅 | 2.8 | 60.2 | ∥ | |||||
JR-N02 | 西川原駅 (西川原・就実駅) |
1.9 | 62.1 | ∥ | |||||
JR-N01 | 岡山駅 | 2.6 | 64.7 | 西日本旅客鉄道: 山陽新幹線・W 山陽本線(福山方面:JR-W01)・V 伯備線(JR-V01)[* 1]・宇野線(L 宇野みなと線:JR-L01・M 瀬戸大橋線:JR-M01)・T 津山線・吉備線(U 桃太郎線:JR-U01) 岡山電気軌道:HS 東山本線 …岡山駅前停留場(H 01,S 01) |
∥ | 北区 |
赤穂線の途中駅のうち、以下の駅以外の駅は無人駅である。
- JR西日本直営駅
- 播州赤穂駅・西大寺駅
- どちらもみどりの窓口設置
- JR西日本交通サービスの業務委託駅
- 西相生駅・坂越駅
- 以上2駅はPOS端末を設置
- JR西日本岡山メンテックの業務委託駅
- 長船駅・邑久駅
- 以上2駅はみどりの窓口を設置
この他、伊部駅にはみどりの券売機プラスと多機能券売機(近距離券の他、ICOCA購入・チャージ、磁気定期券およびICOCA定期券購入が可能。定期券のみクレジットカード対応)設置。
脚注[編集]
- ↑ 日本国有鉄道電気局 『鉄道電報略号』、1959年9月17日、21頁。
- ↑ a b 岡山・福山エリア 8路線82駅への「駅ナンバー」の導入について - 西日本旅客鉄道、2020年7月28日