名鉄空港線

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名古屋鉄道
TA00 空港線
名鉄1200系 空港線 2021年7月 .JPG
りんくう常滑 - 中部国際空港間を走る1200系
2021年7月のイベント走行である
基本情報
日本国旗.png日本
所在地愛知県常滑市
種類普通鉄道
起点常滑駅
終点中部国際空港駅
駅数3駅
路線記号TA
路線色
開業2004年10月16日 (2004-10-16)(暫定開業)
2005年1月29日 (2005-01-29)(全通)
所有者中部国際空港連絡鉄道(第三種)
運営者名古屋鉄道(第二種)
車両基地犬山検査場新川検車支区
使用車両車両の節を参照
路線諸元
路線距離4.2 km
軌間1,067 mm
線路数複線
電化方式直流1500 V 架空電車線方式
閉塞方式自動閉塞式
保安装置M式ATSATS-P2000系のみ対応)
最高速度120 km/h

空港線(くうこうせん)は、愛知県常滑市常滑駅中部国際空港駅とを結ぶ名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線中部国際空港(セントレア)へのアクセス路線である。

概要[編集]

愛知県常滑市常滑駅中部国際空港駅を結んでいる路線であり、名鉄常滑線と一体的に運用されている。空港線において普通という列車種別の運用はほとんどなく、線内完結列車はない。

2005年(平成17年)2月の中部国際空港(セントレア)の開港と連動して、常滑線の終着駅である常滑駅から延伸する形で名鉄空港線が建設された。中部国際空港唯一のアクセス鉄道である。空港線開業時には名鉄のダイヤ白紙改正も行われ、常滑線を走る列車が大幅に増加した。

600V区間など多くの路線の廃止や事業の縮小など守りの経営が続いてきた名鉄にとって、空港線の開業は新車両の投入の機会でもあり、久々に積極的に投資をする事業となった。
ただ、惜しむらくは、セントレア開港の約3年半前に特急「北アルプス」が廃止となり、北陸富山や観光地の飛騨への直通特急が運行されなかったことだろう。

運行種別[編集]

  • ミュースカイ
    毎時2本運行。空港と名古屋市内(神宮前・金山・名古屋)をノンストップで結び、一部は岐阜・犬山方面に直通する。
  • 特急
    毎時2本運行。空港と名古屋方面を結び、大きめの集落にも停車する。基本的に岐阜まで直通。
  • 急行
    朝と深夜に運行。常滑まで各駅停車。
  • 準急
    毎時2本運行。常滑まで各駅停車。基本的に犬山線の新鵜沼まで直通。
  • 普通
    早朝と日中あるいは夕方に運行。日中と夕方では一方方向のみしか運行されない。常滑まで各駅停車。ほぼすべて金山あるいは太田川の発着。

利用実態[編集]

空港線は、開業時に輸送力の限界が問題視されていた。

名鉄が開業時ダイヤを編成した当時は、中部国際空港への就航便の数が確定していなかったため、開業前の需要予測に基づいてダイヤを編成したと思われる。しかしその後、就航便の数が当初の目標便数よりも多くなったため、アクセスのピークとなる午前8時台の輸送力が不足する恐れが指摘されはじめた。

中部国際空港の開港に先立ち2005年(平成17年)1月29日に空港線が開業した。この日は空港開港前でターミナルビルには入れないことが案内されていたにもかかわらず、1日で14,000人の乗客が中部国際空港駅を利用し、輸送力への不安をさらにかき立てた。名鉄では朝の通勤時間帯に重なり、地上設備などの関係上本数の増発が困難であることから、中部国際空港開港日である2月17日より当該時間帯の列車5本の編成を長くすることで輸送力を約50%増強し、混雑の緩和を図る方針であることを発表した。

開港日当日の同年2月17日には約96,000人の利用者が空港を訪れ、そのうち約52,000人が空港線を利用した。名鉄では前述の輸送力増強のほか、この日の早朝に臨時の特急(全車一般車)2本を設定していたが、空港線は始発便をはじめ軒並み乗車率が200%に達し、一部の駅で積み残しを出すなど、輸送力の不足を示した。空港開業日の利用者数は予測の170%だった。1月29日の空港線開業以来20日間で約23万人の乗客があり、名鉄の事前の需要予測を約5万人上回った。ただし名鉄ではこの状態は一時的なものとして、年間の利用予測の修正は考えていないとのことである。

国土交通省中部運輸局によると、開港後3日間の公共アクセスの集計では、名鉄が全体の約84%にあたる1日平均約43,000人の利用があった。空港利用者の数から推計すると全利用者の約4割が公共交通機関を利用しており、クルマ社会の東海地方の中で健闘していると言える。

また、中部国際空港は海上に作られた人工島の上にあるため交通手段が制限される。空港内の売店などの商業施設の営業終了時刻が早いという空港利用者からの意見が出た際、従業員が空港線の最終列車の時刻に制約されるという声があった。そのため、名鉄は3月10日に早朝および深夜帯の列車の増発、最終列車の繰り下げ、編成増結を柱としたダイヤ改正を発表、3月22日より実施した。これにより早朝時間帯の混雑率がやや緩和された。

名鉄では空港線の混雑のピーク需要をみるため、開業後初の繁忙期となるゴールデンウィークに、役員が空港線を利用するなど実態調査を行った。その後輸送力増強のため、快速特急「ミュースカイ」の増結および新造、さらに中部国際空港駅のホーム増設が行われた。2016年(平成28年)現在、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始の繁忙期において、通常4両で運転されているミュースカイを混雑が予想される時間帯に8両で運転して輸送力を増強している。中部国際空港島内においてコンサートなどのイベントが開催される日には、ミュースカイの車両増結に加え、準急でも車両増結を行い対応している[注 1]2019年(令和元年)9月以降はAichi Sky Expoでのイベント開催時などに全車一般車特急など臨時列車の追加運行も行われている。

2005年(平成17年)6月3日には、「ミュースカイ」の利用者が100万人を達成したと発表された。

歴史[編集]

駅一覧[編集]

凡例
停車駅 … ●:標準停車駅 △:特別停車駅 |:通過(↓:矢印の方向のみ運転)
駅番号 駅名 準急 急行 快速急行 特急 ミュースカイ 接続路線
TA22 常滑駅 名古屋鉄道:TA 常滑線太田川NH金山方面に直通運転)
TA23 りんくう常滑駅  
TA24 中部国際空港駅  

その他[編集]

中部国際空港アクセスとして有力なライバルと見られていたジェイアール東海バスが運営する名古屋駅 - 中部国際空港を結ぶリムジンバスは業績不振により2006年(平成18年)9月30日をもって廃止された。翌10月1日より平和コーポレーションにより中津川 - 中部国際空港路線が名古屋駅を経由する形で継続したが、2008年(平成20年)3月31日をもって名古屋駅停留所は廃止されて、高速バスの名駅直通のライバルは無くなった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. 直近では2015年7月11日に空港島でコンサートが開催された際に、ミュースカイ、準急の車両増結が行われた[1]
出典
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名古屋鉄道(名鉄)の路線一覧
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