JR武豊線
東海旅客鉄道(全線 第1種鉄道事業者) CE 武豊線日本貨物鉄道(大府-東成岩間 第2種鉄道事業者) | |
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2015年まで使用されていたキハ25形。 | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 愛知県 |
種類 | 普通鉄道(在来線・地方交通線) |
起点 | 大府駅 |
終点 | 武豊駅 |
駅数 | 10駅 |
電報略号 | タケセ |
路線記号 | CE |
開業 | 1886年3月1日 |
所有者 | 日本国有鉄道→東海旅客鉄道 |
運営者 | 東海旅客鉄道(全線 第1種鉄道事業者) 日本貨物鉄道(大府-東成岩間 第2種鉄道事業者) |
使用車両 | 使用車両の節を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 19.3 km |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 単線 |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
最高速度 | 85 km/h |
武豊線(たけとよせん)とは、愛知県を走るJR東海の鉄道路線。東海道本線の大府駅から武豊駅に至る路線である。2015年に電化された。
概要[編集]
愛知県知多郡武豊町から大府市までを結ぶ、知多半島の東部にある東海道本線の支線である。
基本的にはワンマン運転の普通列車などが大府から武豊を折り返し運転で走っているが、区間快速など一部の列車が大府駅から東海道本線を通って名古屋駅まで直通する。
歴史[編集]
1886年3月1日、国防上の理由から東京〜大阪間の中山道経由の幹線鉄道の資材運搬線として建設され、港に基地を設けレールや機材などの建築資材を海上経由で輸送するのに丁度よかったとされる武豊を起点に、愛知県で初めての鉄道として武豊駅〜熱田駅間が開業した。
だが、幹線鉄道が東海道経由に変更され、大府駅以北は東海道線に編入、東海道線が1888年に浜松駅から延びてきて大府駅〜武豊駅間は支線化。1909年には路線名を武豊に因み[Joke]武豊線と命名した。
長らく非電化路線であり、国鉄名古屋局時代は電化構想すら無かった[注 1]が、車両運用の効率を上げるため2015年にはついに電化し、電車の313系が乗り入れた。これに伴ってキハ25形やキハ75形などのディーゼルカーは飛越高山本線や太多線の車両置き換え目的で転属した。
沿線からは電化に加えて複線化や中部国際空港への支線建設が期待されているが用地確保の関係で見送られる可能性が高い。
ダイヤ[編集]
日中は普通のみ、30分間隔での運行。昼間はワンマン運転を行っている。名古屋直通の区間快速は朝・夕方のみ運行する。
使用車両[編集]
現在は電化路線であるため、旅客列車については電車を使用している[注 2]。
- 315系 - 4両編成。朝夕の主に1神区間快速に充当されている。神領車両区所属。
- 313系 - 2または4両編成。2両は日中のワンマン列車に充当されている。神領車両区所属の1300番台B500編成が使用される。2024年までは大垣車両区に所属する0番台・300番台・1100番台・3000番台・5300番台も所定あるいは代走で使用された。
過去の車両[編集]
1958年の全旅客列車気動車化以降のもの。以下は特記事項がない限りすべて気動車である。気動車は名古屋車両区所属の車両を使用していた。
- キハ17形[1]
- キハ55・26形
- キハ35・30形[1] - 国鉄時代後半に使用。主に3両編成で一部は4両編成。1986年にキハ58系に交代。
- キハ58・28形[2]、キハ65形[2] - 国鉄末期からJR初期にかけて、キハ35系の老朽化と冷房化促進のため同系を置き換えて使用された。2両または4両編成が基本だったが、6両編成や急行「のりくら」の間合い運用でグリーン車連結の9両編成もあった。1991年より順次キハ40系に交代した。
- キハ40・47・48形[2] - 1991年よりキハ58系を置き換え、1999年まで使用された。2両または4両編成。一部列車はワンマン運転。
- キハ75形[3] - キハ40・47・48形を置き換え、2015年まで使用された。2両または4両編成。一部列車はワンマン運転。
- キハ25形[4] - 2011年よりキハ75形の一部を置き換え、2015年まで使用された。2両または4両編成。一部列車はワンマン運転。
- 311系電車 - 4両編成。大垣車両区所属。2024年まで使用された。
- 211系電車 - 基本的には当線の運用に就かなかったが、2017年以降、半田市内で行われるはんだ山車まつりや亀崎潮干祭の際に神領車両区の5000番台4両編成が運用されることがあった[5][6]。2023年12月の211系神領撤退により供用終了。
駅一覧[編集]
駅番号 | 駅名 | 駅間 営業キロ |
累計 営業キロ |
接続路線 | 線路 | 所在地 | |
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CE00 | 大府駅* | - | 0.0 | 東海旅客鉄道:CA 東海道本線[注 3](CA60) | ∨ | 大府市 | |
CE01 | 尾張森岡駅 | 1.7 | 1.7 | | | 知多郡 東浦町 | ||
CE02 | 緒川駅 | 1.4 | 3.1 | ◇ | |||
CE03 | 石浜駅 | 1.5 | 4.6 | ◇ | |||
CE04 | 東浦駅 | 2.2 | 6.8 | 衣浦臨海鉄道:碧南線(貨物線) | ◇ | ||
CE05 | 亀崎駅 | 3.4 | 10.2 | ◇ | 半田市 | ||
CE06 | 乙川駅 | 2.6 | 12.8 | ◇ | |||
CE07 | 半田駅* | 1.8 | 14.6 | ◇ | |||
CE08 | 東成岩駅 | 1.7 | 16.3 | 衣浦臨海鉄道:半田線(貨物線) | ◇ | ||
CE09 | 武豊駅 | 3.0 | 19.3 | | | 知多郡 武豊町 |
線内の直営駅は大府駅のみで、武豊線のすべての駅を管理している。半田駅は東海交通事業による業務委託駅である。
尾張森岡と石浜のみ自動改札機を持たない。
廃止区間[編集]
1965年廃止。( ) 内は武豊駅からの営業キロ。
武豊駅 (0.0 km) - 武豊港駅 (1.0 km)
廃駅[編集]
廃止区間の駅は前節参照。( ) 内は大府駅からの営業キロ。
- 尾張生路駅:石浜駅 - 東浦駅間 (6.0 km)
- 藤江駅:東浦駅 - 亀崎駅間 (7.2 km)
名称[編集]
路線名は騎手の武豊(たけゆたか)公爵騎手の名前に因むという説もあるが、武豊公は1969年生まれであるため、たぶん関係ない。逆に武豊線が武豊公の名前の由来になった可能性がある。
ちなみに本当の由来は「武豊港に通じる路線」という意味である。
その他[編集]
鉄道敷設法別表第71号には「愛知県武豊ヨリ師崎ニ至ル鉄道」の記載があり、もし別表通り知多半島南端の師崎(南知多町)まで、昭和戦前あたりに延長していれば、名鉄は知多新線という不良資産を抱えることはなく、参宮線鳥羽駅との間の鉄道連絡船構想も芽生えたであろう。
脚注[編集]
注[編集]
出典[編集]
- ↑ a b 徳田耕一『まるごと 名古屋の電車 昭和ロマン』河出書房新社、2008年、pp.42-43
- ↑ a b c 『JR気動車客車編成表』'96年版、ジェー・アール・アール、1996年、p.67
- ↑ 河合由平『武豊線物語』交通新聞社、2009年、p.185
- ↑ キハ25形が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年3月3日
- ↑ “211系が武豊線に入線”. 交友社(鉄道ファン・railf.jp) (2017年10月9日). 2018年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月14日確認。
- ↑ “武豊線に211系が入線”. 交友社(鉄道ファン・railf.jp) (2018年5月5日). 2020年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月14日確認。
- ↑ 【社長会見】在来線駅に駅ナンバリングを導入します (PDF) - 東海旅客鉄道、2017年12月13日
外部リンク[編集]
- CE 武豊線 - JR東海
JR東海の鉄道路線 |