JR常磐快速線

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常磐線 > JR常磐快速線
東日本旅客鉄道(JR東日本)
JJ 常磐快速線
Funnyphoto 01.jpg
常磐快速線の主力車両E231系
基本情報
通称上野東京ライン(上野駅発着を除く)
日本国旗.png日本
所在地東京都千葉県茨城県
起点上野駅(一部東京駅経由品川駅
終点取手駅
駅数10駅
経由路線東北本線)、常磐線、(成田線
路線記号JJ(品川駅 - 東京駅はJT)
所有者東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者東日本旅客鉄道(JR東日本)
使用車両E231系, E531系, E657系
路線諸元
路線距離39.6 km
軌間1,067 mm
線路数複線
電化方式直流1,500 V
架空電車線方式
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-P
最高速度130 km/h[注 1]
普通(中電)として運行されるE531系

常磐快速線(じょうばんかいそくせん)は、東日本旅客鉄道 (JR東日本) が常磐線上野駅 - 取手駅間で快速電車を運行している系統。駅ナンバリングで使われる路線記号はJJ。路線案内上では「常磐線(快速)」と表示される。

運転系統上の「常磐線快速」は東北本線上野駅 - 日暮里駅間と常磐線日暮里駅 - 取手駅間を直通する上野駅 - 取手駅間の系統を指している。成田線の支線である我孫子駅 - 成田駅間(我孫子支線)や、2015年3月14日からは、一部列車が上野東京ラインを経由して東海道線品川駅まで乗り入れており、品川駅 - 上野駅間や我孫子駅 - 成田駅間も系統上の一区間として扱われる場合もある。

概要[編集]

東京都心から北千住千葉県北西部(東葛地域)の松戸市柏市我孫子市天王台といった東京のベッドタウンを経由して、茨城県南部の取手市へ伸びる。全区間が東京への通勤・通学路線としての役割をもつ。

常磐線は北千住駅から取手駅までが線路別複々線で、快速線は綾瀬駅 - 金町駅間では緩行線の南側、金町駅 - 取手駅間では緩行線の北側に配置されている。常磐線快速はこの複々線の快速線を走行する。
中央線(中央線快速電車中央・総武線(各駅停車))の御茶ノ水や東海道線と横須賀線の戸塚駅のような方向別ホームの駅はなく、緩行線との乗り換えにはホーム間の階段移動を要する。

常磐線は日本国有鉄道(国鉄)時代の1971年に、通勤五方面作戦の一環として、綾瀬駅 - 我孫子駅間が複々線化された。同時にそれまで各駅停車として上野駅 - 取手駅間で運転されていた電車との緩急分離が行われ、以降は、各駅停車が走行する線路が常磐緩行線中距離列車・特急や急行などの優等列車貨物列車とこの時新設された快速電車が走行する線路が常磐快速線と呼ばれるようになった。その後1982年には複々線区間が取手駅まで延伸されている。常磐線が複々線になったことにより、千葉県北西部からの通勤アクセスが向上した。

上野駅から取手駅までは直流電化だが、取手駅の隣にある藤代駅より北は沿線の茨城県石岡市柿岡にある気象庁地磁気観測所の観測に直流電化方式が影響を及ぼすという事情から交流電化が採用され、取手駅と藤代駅の間にデッドセクションが設けられている。そのため、取手駅止まりの一般型列車や我孫子駅から直流区間の成田線に直通する列車には緑色のラインをまとった直流電車のE231系が用いられるが、藤代駅以北の交流区間にまで乗り入れる一般型の中距離列車には青色のラインをまとった交直流電車E531系を用いる必要があり、交直流電車は車両コストが高いことから使い分けがなされている。

常磐快速線の旅客列車は、大きく分けて、特急、上野駅 - 取手駅間で運転される快速電車と、取手駅を越えて土浦・水戸方面に直通する中距離列車(“普通”と“特別快速”)の3系統がある。常磐快速線では北千住駅 - 取手駅間を緩行線経由で運行する列車は設定されていない。

2015年3月14日現在、快速電車と中距離列車(普通)の停車駅は統一され、案内も「快速」に統一されているが、車両運用は区別されており、快速電車はエメラルドグリーンと黄緑の2色(LineColor JobanRapid.png)の帯が巻かれたグリーン車のない車両、中距離列車はグリーン車を組み込んだ青一色()の帯が巻かれた車両が使用されている。前者は直流電化区間のみで運用されることから直流電車、後者は取手駅を越えて土浦・水戸・勝田方面の交流電化区間に乗り入れることから交直流電車が用いられている。

上野駅 - 取手駅間の快速の標準的な所要時間は約40分、最速は緑の電車(快速)で39分、青い電車(中電)で38分となっている。2006年3月18日のダイヤ改正で、日中時間帯(11時台から14時台)のダイヤが不等間隔ながらもパターン化され、上野駅 - 我孫子駅間では快速が1時間に6本(快速電車と中距離列車が3本ずつ)、特別快速が1本の運転となった。2022年3月12日のダイヤ改正で特別快速の運転が大幅に削減され、快速電車と中距離列車3本ずつの運転となった。我孫子駅 - 取手駅間は成田線直通電車が抜けるため、昼間の快速は合わせて5本であり、その部分は運転間隔も上りで13 - 17分、下りで20分開く。日中時間帯や土休日夜間は快速電車と中距離列車がほぼ交互に運転されるが、それ以外の時間帯では快速電車の運転比率が高い。

停車駅は快速線が開業し、1972年10月2日柏駅が追加されて以降、変更はない。1982年11月15日の我孫子駅 - 取手駅間の複々線化の際、当初は天王台駅を通過する予定であったが、利用者の反発により停車することになった。

上野東京ライン開業では、品川駅までの乗り入れに止まり、グリーン車連結が見送られているせいか、品川以南・横浜方面への快速電車の乗り入れはない。

大晦日から元日にかけての終夜運転は実施されず、常磐線各駅停車のみ(我孫子駅発着・東京メトロ千代田線直通)の運転となる(2020年は運転計画は立てられたものの中止となり、2021年度は運転計画自体が立てられなかった)。

停車駅と運行系統[編集]

便宜上、常磐快速線列車が乗り入れる品川 - 上野間も併せて記載する。

  • 累計営業キロは日暮里駅からのもの。
  • 駅名 : (貨)=貨物専用駅、◆・◇・■=貨物取扱駅(貨物専用駅を除く、◇は定期貨物列車の発着なし、■はオフレールステーション
  • 線路 : ||||=複々線区間、||=複線区間
  • 特定都区市内制度適用範囲の駅 : 東京山手線内=東京都区内
  • 停車駅
  • 接続路線 : 品川駅 - 取手駅間の東日本旅客鉄道の路線名は、貨物線を除き、運転系統上の名称(正式路線名とは異なる)
  • この区間のうち、北千住駅 - 取手駅間は複々線、他はすべて複線。
  • 系統上の案内→常磐快速線(取手〜上野)、上野東京ライン(上野〜東京)、東海道線(東京〜品川)
所属支社 正式路線名 駅番号 駅名 営業キロ 特別快速 接続路線・備考 線路 所在地
駅間 累計
首都圏本部 東海道本線 SGW
JT 03
品川駅 - 12.6 東日本旅客鉄道JT 東海道線横浜熱海方面〉 (JT 03)・JY 山手線 (JY 25)・JK 京浜東北線 (JK 20)・JO 横須賀線 (JO 17)
東海旅客鉄道■ 東海道新幹線
京浜急行電鉄KK 本線 (KK 01)
|| 東京都 港区
SMB
JT 02
新橋駅 4.9 7.7 東日本旅客鉄道:JT 東海道線 (JT 02)・JY 山手線 (JY 29)・JK 京浜東北線 (JK 24)・JO 横須賀線 (JO 18)
東京地下鉄G 銀座線 (G-08)
都営地下鉄A 浅草線 (A-10)
ゆりかもめU 東京臨海新交通臨海線 (U-01)
||
TYO
JT 01
東京駅 1.9 5.8 東日本旅客鉄道:■ 東北新幹線山形新幹線秋田新幹線北海道新幹線上越新幹線北陸新幹線JT 東海道線 (JT 01)・JU 宇都宮線東北線)・高崎線 (JU 01)・JC 中央線 (JC 01)・JY 山手線 (JY 01)・JK 京浜東北線 (JK 26)・JO 横須賀総武快速線 (JO 19)・JE 京葉線 (JE 01)
東海旅客鉄道:■ 東海道新幹線
東京地下鉄:M 丸ノ内線 (M-17)
東京地下鉄:T 東西線大手町駅 (T-09)
東京地下鉄:C 千代田線二重橋前〈丸の内〉駅 (C-10)[注 2]
都営地下鉄:I 三田線 ⇒大手町駅 (I-09)[注 2]
|| 千代田区
東北本線
UEN
JJ 01
上野駅 3.6 2.2 東日本旅客鉄道:■ 東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線・北海道新幹線・上越新幹線・北陸新幹線・JY 山手線 (JY 05)・JK 京浜東北線 (JK 30)・JU 01 宇都宮線(東北線)・高崎線 (JU 02)
東京地下鉄:G 銀座線 (G-16)・H 日比谷線 (H-18)
京成電鉄KS 本線京成上野駅 (KS 01)
|| 台東区
NPR
JJ 02
日暮里駅 2.2 0.0 東日本旅客鉄道:JY 山手線 (JY 07)・JK 京浜東北線 (JK 32)
京成電鉄:KS 本線 (KS 02)
東京都交通局NT 日暮里・舎人ライナー (NT 01)
|| 荒川区
常磐線
JJ 03 三河島駅 1.2 1.2 東日本旅客鉄道:常磐線貨物支線(田端貨物線・隅田川貨物線) ||
JJ 04 南千住駅 2.2 3.4 東日本旅客鉄道:常磐線貨物支線(隅田川貨物線)
東京地下鉄:H 日比谷線 (H-21)
首都圏新都市鉄道TX つくばエクスプレス (TX 04)
||
JJ 05 北千住駅
[* 1]
1.8 5.2 東京地下鉄:C 千代田線各駅停車は直通運転) (C-18)・H 日比谷線 (H-22)
東武鉄道:TS 伊勢崎線(東武スカイツリーライン) (TS-09)
首都圏新都市鉄道:TX つくばエクスプレス (TX 05)
|||| 足立区
綾瀬・金町・亀有(JL 各駅停車・C 東京メトロ千代田線直通)
JJ 06 松戸駅 10.5 15.7 東日本旅客鉄道:JL 常磐線(各駅停車)JL 22
新京成電鉄SL 新京成線 (SL 01)
|||| 千葉県 松戸市
北松戸・馬橋・新松戸・北小金・南柏(JL 各駅停車)
柏市
JJ 07 柏駅 11.2 26.9 東日本旅客鉄道:JL 常磐線(各駅停車)(JL 28
東武鉄道TD 野田線(東武アーバンパークライン) (TD-24)
||||
北柏(JL 各駅停車)
JJ 08 我孫子駅 4.4 31.3 東日本旅客鉄道:JL 常磐線(各駅停車)(JL 30)・成田線 (我孫子支線)(快速電車は上野方面から成田駅まで直通運転) |||| 我孫子市
JJ 09 天王台駅 2.7 34.0 東日本旅客鉄道:JL 常磐線各駅停車(JL 31
※平日朝夕のみ
||||
JJ 10 取手駅 3.4 37.4 東日本旅客鉄道:JL 常磐線各駅停車(JL 31
※平日朝夕のみ
常磐線(土浦方面)
関東鉄道常総線
|||| 茨城県 取手市
直通運転区間 常磐線 (関東)藤代土浦方面(一部普通列車は高萩まで)〉
  1. 各駅停車の走行する北千住駅の駅施設はJRの管理対象ではないが、各駅停車・快速線相互の連絡駅であり、JR(亀有駅以東)・東京地下鉄(千代田線町屋駅・日比谷線南千住駅方面)の運賃計算上の境界駅である(運賃計算については「常磐緩行線#運賃計算の特例」を参照)。

なお、上野駅から上野東京ラインに直通する列車があり、これらは東京駅新橋駅品川駅にも停車する。現状、品川駅から横浜戸塚大船方面には直通していないが、利用者の要望は少なくない。(直通が難しいのは品川駅の配線の関係などがあると言われている。)

1時間に1本程度、成田線 (我孫子支線) に我孫子駅から直通する列車がある。この列車は分岐する我孫子駅で切り離しや連結を行って、5両は我孫子止まり、10両は成田行きとなる。

乗車特例[編集]

常磐線の東北本線からの公式の分岐点は日暮里駅であるが、日暮里駅は高崎・宇都宮線列車は停車しないため、常磐線各駅からの高崎・宇都宮線各駅との往来において、日暮里 - 上野間を往復乗車することができる。

使用車両[編集]

歴史[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. TRY-Zを使用した試験では160km/hでの運転実績がある [1]
  2. a b 連絡運輸は行っていない[2]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

電車特定区間 JT 東海道線 - JO 横須賀線総武快速線 - JK 京浜東北線根岸線 - JH 横浜線* - JN 南武線*(・浜川崎支線)- JI 鶴見線 - JY 山手線 - JC 中央線快速電車 - JC 青梅線東京アドベンチャーライン - JC 五日市線 - JB 中央・総武線各駅停車 - JU 宇都宮線東北線・東京 - 宇都宮 - 黒磯間) - JU 高崎線 - JA 埼京線 - JJ 常磐快速線 - JL 常磐線各駅停車(綾瀬 - 取手間) - JE 京葉線* - JM 武蔵野線* - JS 湘南新宿ライン - 上野東京ライン - JA JS SO 相鉄・JR直通線
(*印は「東京メガループ」)
郊外路線 川越線 - 相模線 - 八高線 - JT 伊東線 - 常磐線(関東地区東北地区/取手 - いわき - 浪江間) - JC CO 中央本線(関東地区信越地区/高尾 - 小淵沢 - 塩尻間)・辰野支線 - 篠ノ井線(塩尻 - 松本間)
房総地区 JO 総武本線 - JO 成田線(・空港支線我孫子支線) - 鹿島線 - 外房線 - 東金線 - 内房線 - 久留里線
北関東地区 八高線 - 信越本線(高崎 - 横川間) - 上越線(高崎 - 渋川間) - 吾妻線 - 両毛線 - 水戸線 - 日光線 - 烏山線
計画中 羽田空港アクセス線
路線 JT 東海道線JK 京浜東北線 - JO 横須賀線 - JS 湘南新宿ライン - 上野東京ライン - JA JS SO 相鉄・JR直通線) - 東北本線JU 宇都宮線 - JU 高崎線 - JK 京浜東北線 - JA 埼京線 - JS 湘南新宿ライン - 上野東京ライン) - JY 山手線 - 赤羽線JA 埼京線) - JC 中央線快速 - JB 中央線各駅停車 - JO 総武快速線 - JB 総武線各駅停車 - JJ 常磐快速線 - JL 常磐緩行線 - JE 京葉線 - JM 武蔵野線
車両基地
現有組織 東京総合車両センター - 尾久車両センター - 松戸車両センター - 大宮総合車両センター - 大総車セ東大宮センター - さいたま車両センター - 川越車両センター - 小山車両センター - 長野総合車両センター - 松本車両センター - 鎌倉車両センター - 鎌車セ中原支所 - 鶴見線営業所 - 国府津車両センター - 高崎車両センター - ぐんま車両センター - 豊田車両センター - 三鷹車両センター - 勝田車両センター - 幕張車両センター - 幕車セ木更津派出 - 京葉車両センター
廃止組織 田町車両センター - 品川運転所
乗務員区所
現有組織 丸の内車掌区 - 東京車掌区 - 池袋運輸区 - 新宿運輸区 - 大崎運輸区 - 田町運転区 - 大田運輸区 - 中野電車区 - 中野車掌区 - 綾瀬運輸区 - 我孫子運輸区- 東京電車区 - 上野運輸区 - 田端運転所
廃止組織 池袋運転区 - 池袋車掌区 - 品川運転区 - 品川車掌区 - 下十条運転区 - 松戸運転区 - 松戸車掌区 - 蒲田電車区 - 蒲田車掌区 - 上野運転区 - 上野車掌区
総武本線
計画実施路線
(錦糸町 - 千葉)
急行:JO 総武快速線(東京 - 錦糸町 - 千葉)
緩行:JB 総武線各駅停車(御茶ノ水 - 錦糸町 - 千葉)
関連路線 T 地下鉄東西線(西船橋 - 津田沼・平日朝夕に緩行線へ乗り入れ)・JE 京葉線JM 武蔵野線
東北本線
高崎線
計画実施路線
(東京 - 尾久 - 大宮)
急行:JU 東北本線高崎線(東北本線は現在の宇都宮線区間、東京 - 大宮 - 高崎・青森)
緩行:JK (京浜)東北線(東京 - 王子 - 大宮)・JY 山手線(東京 - 田端)
関連路線 JS 湘南新宿ラインJU 上野東京ラインJA 赤羽線埼京線
中央本線
計画実施路線
(御茶ノ水 - 三鷹)
急行:JC 中央線快速電車(東京 - 御茶ノ水 - 三鷹 - 高尾)
緩行:JB 中央線各駅停車(御茶ノ水 - 三鷹)
関連路線 T 地下鉄東西線(三鷹 - 中野・終日緩行線へ乗り入れ)・JM 武蔵野線
東海道本線
計画実施路線
(東京 - 大船)
急行:JT 東海道本線(東京 - 川崎 - 大船)
緩行:JO 横須賀線(東京 - 武蔵小杉 - 大船)・JY 山手線(東京 - 品川)・JK 京浜(東北)線(東京 - 川崎 - 横浜)
関連路線 JS 湘南新宿ラインJT 上野東京ラインSO JA JS 相鉄・JR直通線
常磐線
計画実施路線
(上野 - 日暮里 - 取手)
急行:JJ 常磐快速線(上野 - 日暮里 - 取手)
緩行:JL 常磐線各駅停車(綾瀬 - 我孫子 - 取手)
関連路線 C 地下鉄千代田線(綾瀬 - 我孫子間終日、我孫子 - 取手間平日朝夕のみ緩行線へ直通)・ 常磐線JJ 上野東京ライン