JR武蔵野線
東日本旅客鉄道 JM 武蔵野線 | |
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E231系電車 | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県 |
種類 | 普通鉄道(在来線・幹線) |
起点 | 鶴見駅(貨物線) 府中本町駅(旅客営業区間) |
終点 | 西船橋駅 |
駅数 | 29駅(西船橋駅含み、支線の駅および鶴見駅を除く) |
路線記号 | JM |
開業 | 1973年4月1日 |
全通 | 1978年10月2日 |
所有者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) 日本貨物鉄道(JR貨物) |
使用車両 | 車両を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 100.6 km(鶴見-西船橋間) |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 複線(国立支線は単線) |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
閉塞方式 | 複線自動閉塞式 |
保安装置 | ATS-P(府中本町駅 - 西船橋駅間[1]) ATS-SN(鶴見駅 - 府中本町駅間[1]) |
最高速度 | 95 km/h |
武蔵野線(むさしのせん)は神奈川県・東京都・埼玉県・千葉県を通る貨物鉄道路線及び旅客鉄道路線。貨物営業は日本貨物鉄道(JR貨物)、旅客営業は東日本旅客鉄道(JR東日本)が行っている。旅客鉄道路線に導入されている路線記号はJM (JR Musashino Line)。
概要[編集]
東京都心を通過する国鉄貨物列車を迂回させる目的で、外環状路線として建設された。
東武鉄道の二大主要路線で、自社線内で接続することのない伊勢崎線と東上線の両線と接続する唯一のJR路線である[注 1]。また、JRの他の路線の接続駅は、西国分寺(中央線快速電車)、南浦和(京浜東北・根岸線)、新松戸(常磐線各駅停車・東京メトロ千代田線直通)、西船橋(総武線各駅停車・東葉高速線・東京メトロ東西線)と、これでもかというほど速達列車が停まらない駅ばかりである。
1988年の京葉線南船橋駅 - 新木場駅間の暫定開業前まで、武蔵野線は、全列車西船橋止まりであった。新木場駅まで延伸した際、武蔵野線は京葉線への直通運転を開始した。以後は、運行されるほとんどの列車は、京葉線へ直通運転を行うが、朝夕の一部列車は西船橋行きが設定されている。
また、2015年3月14日のダイヤ改正に伴い、東京20時19分発の西船橋行きが新設された。それまで、東京発の西船橋行きは、増発や終夜運転でしか行われず、今回のダイヤ改正で、定期列車化された。なお、海浜幕張発の西船橋行きが既に存在し、案内も「武蔵野線」とされているが、使用車両は京葉線の車両(E233系5000番台)である。また、「普通列車」として案内される。
かつては府中本町以南の旅客化計画もあったが、貨物列車を大量に走らせながら建設することが困難と判断され没になっている。
車両[編集]
京葉線 | ||||||||||||||||
2023年3月18日現在 ← 京葉線・西船橋 府中本町・大宮 →
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すべて8両編成で、共通運用である。予想以上の利用率に武蔵野線には増車してほしいという意見もたくさんあるが、ホームが8両しか対応していないため厳しいとされる。仮に10両へする場合、中央快速線のような大規模工事を行わないといけない。
2010年(平成22年)12月4日より運用を開始し、武蔵野線内のみを走行する普通列車では初のシングルアーム式パンタグラフの車両が走行することとなった。本路線の209系500番台は元々中央・総武線で使用されていた電車で、E231系500番台転用に伴い転属したグループと京浜東北線や京葉線を経て転属したグループに分かれる。京葉線に所属していた209系はE233系5000番台が導入されたため、E331系廃車に伴う編成本数不足分の1本および八高線の3500番台として転用された5本を除き武蔵野線に転用された。
中央・総武線から転属してきた車両である。山手線へのE235系導入により余剰となったE231系500番台を中央・総武線に転用し、捻出された中央・総武線の209系500番台とE231系0番台を武蔵野線に転用する計画によるものである[2][3]。編成番号は元から三鷹所属がMU1からで、習志野から転属がMU31から附番されている。なお、元三鷹車でも2006年増備車はMU40番台となっている。トップナンバーであるMU1編成は本形式の先行試作車である900番台(元B901編成)である。
過去の車両[編集]
0番台・5000番台が使用されていた。2020年(令和2年)10月19日に定期列車運用を終了[4]。編成番号は南武線からの転属がM51から、新製配置されたメルヘン顔はM61から、その他転属などを含めてVVVF改造を受けたものはM1からとなっていた。 一時期原型顔のM66編成が走っていた。
2020年に撤退した205系電車(八王子駅)
駅一覧[編集]
以下では、武蔵野線内の駅・信号場、接続路線、所在地などを一覧表として記す。
本線[編集]
- (貨):貨物専用駅
- 停車駅
- 接続路線 : 旅客営業区間の東日本旅客鉄道の路線名は、貨物線を除き、運転系統上の名称(正式路線名とは異なる)。駅名が異なる場合は⇒印で駅名を示す。
- 駅番号は、京葉線東京方面からの通し番号となっている。
管理支社 | 客貨線の区別 | 駅番号 | 駅名・信号場名 | 駅間 営業キロ |
累計 営業キロ |
接続路線 | 所在地 | |||||||||||||||
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府中本町 から |
鶴見 から | |||||||||||||||||||||
横浜支社 | 貨物専用 | - | 鶴見駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:東海道本線本線・貨物支線(東海道貨物線・高島線)・鶴見線 | 神奈川県 | 横浜市 鶴見区 | ||||||||||||||
- | 新鶴見信号場 | 3.9 | 3.9 | 東日本旅客鉄道:東海道本線支線(品鶴線)・南武線貨物支線(尻手短絡線) | 川崎市 | 幸区 | ||||||||||||||||
- | (貨)梶ヶ谷貨物ターミナル駅 | 8.8 | 12.7 | 宮前区 | ||||||||||||||||||
八王子支社 | 旅客営業区間 | JM 35 | 府中本町駅 | 16.1 | 0.0 | 28.8 | 東日本旅客鉄道:JN 南武線 (JN 20) | 東京都 | 府中市 | |||||||||||||
JM 34 | 北府中駅 | 1.7 | 1.7 | 30.5 | ||||||||||||||||||
JM 33 | 西国分寺駅 | 2.2 | 3.9 | 32.7 | 東日本旅客鉄道:JC 中央線 (JC 17) | 国分寺市 | ||||||||||||||||
JM 32 | 新小平駅 | 3.5 | 7.4 | 36.2 | 東日本旅客鉄道:武蔵野線国立支線 西武鉄道:ST 多摩湖線 ⇒青梅街道駅(ST03・徒歩連絡) |
小平市 | ||||||||||||||||
JM 31 | 新秋津駅 | 5.6 | 13.0 | 41.8 | 西武鉄道:SI 池袋線 ⇒秋津駅(SI16・徒歩連絡) | 東村山市 | ||||||||||||||||
JM 30 | 東所沢駅 | 2.7 | 15.7 | 44.5 | 埼玉県 | 所沢市 | ||||||||||||||||
- | (貨)新座貨物ターミナル駅 | 3.7 | 19.4 | 48.2 | 新座市 | |||||||||||||||||
JM 29 | 新座駅 | 0.3 | 19.7 | 48.5 | ||||||||||||||||||
大宮支社 | JM 28 | 北朝霞駅 | 3.1 | 22.8 | 51.6 | 東武鉄道:TJ 東上線 ⇒朝霞台駅(TJ-13・徒歩連絡) | 朝霞市 | |||||||||||||||
JM 27 | 西浦和駅 | 5.0 | 27.8 | 56.6 | 東日本旅客鉄道:武蔵野線大宮支線 | さいたま市 | 桜区 | |||||||||||||||
JM 26 | 武蔵浦和駅 | 2.0 | 29.8 | 58.6 | 東日本旅客鉄道:JA 埼京線 (JA 21)・武蔵野線西浦和支線 | 南区 | ||||||||||||||||
JM 25 | 南浦和駅 | 1.9 | 31.7 | 60.5 | 東日本旅客鉄道:JK 京浜東北線 (JK 42) | |||||||||||||||||
JM 24 | 東浦和駅 | 3.7 | 35.4 | 64.2 | 緑区 | |||||||||||||||||
JM 23 | 東川口駅 | 3.8 | 39.2 | 68.0 | 埼玉高速鉄道:SR 埼玉高速鉄道線(埼玉スタジアム線) (SR 25) | 川口市 | ||||||||||||||||
JM 22 | 南越谷駅 | 4.3 | 43.5 | 72.3 | 東武鉄道:TS 伊勢崎線(東武スカイツリーライン) ⇒新越谷駅(TS-20・徒歩連絡) | 越谷市 | ||||||||||||||||
- | (貨)越谷貨物ターミナル駅 | 0.4 | 43.9 | 72.7 | ||||||||||||||||||
JM 21 | 越谷レイクタウン駅 | 2.4 | 46.3 | 75.1 | ||||||||||||||||||
JM 20 | 吉川駅 | 1.9 | 48.2 | 77.0 | 吉川市 | |||||||||||||||||
JM 19 | 吉川美南駅 | 1.6 | 49.8 | 78.6 | ||||||||||||||||||
JM 18 | 新三郷駅 | 1.5 | 51.3 | 80.1 | 三郷市 | |||||||||||||||||
JM 17 | 三郷駅 | 2.1 | 53.4 | 82.2 | ||||||||||||||||||
首都圏本部 | JM 16 | 南流山駅 | 2.0 | 55.4 | 84.2 | 首都圏新都市鉄道:TX つくばエクスプレス (TX 10) 東日本旅客鉄道:武蔵野線北小金支線・武蔵野線馬橋支線 |
千葉県 | 流山市 | ||||||||||||||
JM 15 | 新松戸駅 | 2.1 | 57.5 | 86.3 | 東日本旅客鉄道:JL 常磐線(各駅停車)(JL 25) 流鉄:RN 流山線 ⇒幸谷駅(RN 2・徒歩連絡) |
松戸市 | ||||||||||||||||
千葉支社 | JM 14 | 新八柱駅 | 4.1 | 61.6 | 90.4 | 新京成電鉄:SL 新京成線 ⇒八柱駅(SL 05・徒歩連絡) | ||||||||||||||||
JM 13 | 東松戸駅 | 2.4 | 64.0 | 92.8 | 北総鉄道:HS 北総線 (HS 05) 京成電鉄:KS 成田空港線(成田スカイアクセス線) | |||||||||||||||||
JM 12 | 市川大野駅 | 1.9 | 65.9 | 94.7 | 市川市 | |||||||||||||||||
JM 11 | 船橋法典駅 | 3.0 | 68.9 | 97.7 | 船橋市 | |||||||||||||||||
JM 10 | 西船橋駅 | 2.9 | 71.8 | 100.6 | 東日本旅客鉄道:JE 京葉線(東京駅及び海浜幕張駅まで直通運転)・JB 総武線(各駅停車)(JB 30) 東京地下鉄:T 東西線 (T-23) 東葉高速鉄道:TR 東葉高速線 (TR 01) 京成電鉄:KS 本線 ⇒京成西船駅(KS 20・徒歩連絡) | |||||||||||||||||
至東京・海浜幕張方面(京葉線直通) |
- 2019年度の時点で、上記全駅がJR東日本自社による乗車人員集計[5]の対象となっている。
- 貨物列車待避用の長大な中線を設置したことや、トンネルに隣接しているなどの理由で、相対式ホームとなっている旅客駅が多い。
- 駅番号は直通運転先である京葉線の東京方面と連続した番号となっており、西船橋から起点側に向かって昇順している。
支線[編集]
いずれも貨物支線であるが、旅客列車も運行される。路線名称は全て通称。接続路線は全て東日本旅客鉄道の路線。
駅名・信号場名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
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国立支線(JR貨物のみ営業キロ設定。旅客営業は西国分寺駅経由扱い) | ||||
新小平駅 | 0.0 | 武蔵野線(本線 西船橋駅方面) | 東京都 | 小平市 |
国立駅 | 5.0 | 中央本線(八王子駅方面) | 国立市 | |
大宮支線(旅客運賃・料金は原則として南浦和駅経由で計算) | ||||
西浦和駅 | 0.0 | 武蔵野線(本線 鶴見駅方面) | 埼玉県 さいたま市 |
桜区 |
(別所信号場) | 1.3 | 武蔵野線西浦和支線 | 南区 | |
与野駅 | 4.9 | 東北本線(東北貨物線 大宮駅方面) | 浦和区 | |
西浦和支線(営業キロ設定なし) | ||||
武蔵浦和駅 | - | 武蔵野線(本線 西船橋駅方面) | 埼玉県 さいたま市 |
南区 |
(別所信号場) | - | 武蔵野線大宮支線 | ||
北小金支線(JR貨物のみ営業キロ設定。旅客営業は新松戸駅経由扱い) | ||||
南流山駅 | 0.0 | 武蔵野線(本線 鶴見駅方面) | 千葉県 | 流山市 |
北小金駅 | 2.9 | 常磐線(取手駅方面) | 松戸市 | |
馬橋支線(JR貨物のみ営業キロ設定。旅客営業は新松戸駅経由扱い) | ||||
南流山駅 | 0.0 | 武蔵野線(本線 鶴見駅方面) | 千葉県 | 流山市 |
馬橋駅 | 3.7 | 常磐線(三河島駅方面) | 松戸市 |
廃止区間[編集]
( )内の数字は起点からの営業キロ
- 下河原線
- 北府中駅 (0.0km) -(貨)下河原駅 (3.8km)
- 貨物支線
- (貨)梶ヶ谷貨物ターミナル駅 (0.0km) - 新鶴見信号場 (8.8km) - 尻手駅 (10.3km)
- 営業キロ設定のみ廃止。
- 貨物支線
- 新秋津駅 (0.0km) - 日本国有鉄道線・西武鉄道株式会社線分界点 (1.6km) …所沢駅 (3.2km)
廃止操車場・信号場[編集]
( )内の数字は府中本町駅からの営業キロ。
その他[編集]
昭和後半に開業した路線であるため、当時の慣習で、方角+自治体名で構成される駅名が特に多い。
これは埼京線にも当てはまり、武蔵野線と埼京線が交差する旧浦和市は「〇浦和」のオンパレードである。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ a b サステナビリティレポート2018 34頁 - JR東日本、2018年9月
- ↑ 2016年6月の交通新聞より
- ↑ 生まれ変わるJR車両/青森改造センター東奥日報、2017年6月20日
- ↑ 引退列車でまた「罵声大会」、窓から手振る輩も... 良心派が怒る一部「鉄道ファン」の暴走 - J-CASTニュース 2020年10月21日
- ↑ “各駅の乗車人員”. 東日本旅客鉄道. 2020年12月15日確認。
報道発表資料[編集]
新聞記事[編集]
JR東日本の鉄道路線 |