在来線

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在来線(ざいらいせん)とは、主に日本の鉄道における新幹線に対して、従来の鉄道を指すレトロニムの言葉である。

概要[編集]

通常、在来線は、JR(旧国鉄)のそれを指し、私鉄は含めない。新幹線の列車がすべて特急列車であるのに対し、在来線には特急列車以外にも快速列車普通列車など、多種多様な種別の列車が存在する。駅間も新幹線よりはるかに短く、主に通勤・通学など、近距離から中距離の輸送を担う。

新幹線は、通常200km/h以上の速度で運行し、かつCTCによる集中制御で車両にATCを備え、勾配や曲線も緩く、踏切の無い鉄道システムと位置づけられており、在来線は、旧来の85km/h〜110km/hの速度で運行され、随所に踏切、急カーブ、急勾配といった速度向上を阻む要因があるため、130km/h以上の速度が出せない鉄道ということになる。

軌間は通常1067mmと、新幹線の1435mmより狭い狭軌である。北越急行が狭軌で160km/hの速度を実現させたり、京成の在来区間と乗り入れ可能な成田アクセス特急で160km/hの最高速度が実現しても、在来線とフル規格新幹線の規格の差の大きさから、在来線の定義は縮小されていない。

なお、在来線には新幹線と異なり[注 1]、運行時間の制約がないため、夜間に貨物列車が多く運行されたり、元日の未明に旅客で終夜運転が実施される場合がある。

その他[編集]

道路において、新道に対する旧道を指す言葉として用いる場合がある。

関連項目[編集]

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  1. 制約のため北陸新幹線開業後の富山駅では、開業前の早朝6時以前に在来の北陸本線で運行されていた特急列車が無くなり、大阪や名古屋の到着がかえって遅くなる弊害が生じている。