日本貨物鉄道

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日本貨物鉄道のロゴ

日本貨物鉄道株式会社(にっぽんかもつてつどう、: Japan Freight Railway Company)とは、貨物業務を専門とする日本の鉄道会社。略称として、JR貨物JRFなどがある。

概要[編集]

1987年4月1日国鉄分割民営化によって日本国有鉄道より貨物業務を引き継いで設立した。貨物業務を主としているため、経営基盤は弱いとされている。そのため、現在に至るまで鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部が全株式を保有しており、株式上場の目処はたっていない。

当社が所有する鉄道路線は少なく、JR旅客鉄道線やJRから転換した第三セクター鉄道路線で第2種鉄道事業者として貨物営業を行っている。

日本の全国各地に貨物駅が存在し、最長の運行区間は札幌貨物ターミナル駅札幌市白石区[注 1])から日本海縦貫線経由での福岡貨物ターミナル駅福岡市東区[注 2])への2140キロである。

事業形態[編集]

食品・化学薬品自動車部品などをコンテナに入れて運ぶコンテナ輸送のほかに、石油セメントなど専用の貨車で運ぶ車扱輸送がある。最大で26両連結で10トントラックの65台分の貨物を1度に遠くまで運べるうえ、二酸化炭素の排出量も少ないというメリットもある。JR貨物は中国韓国との間で運航するフェリーなどと連携して国際物流も手掛けている。

保有車両[編集]

ここでは民営化後に新規に登場した車両のみ取り上げる[注 3]

貨物牽引用機関車[編集]

EF210形

詳細は「JR貨物EF210形電気機関車」を参照

愛称はECO-POWER 桃太郎1996年より運用されている、直流電気機関車。東海道・山陽系統やセノハチ梅田貨物線の後補機用の1300t牽引機。平坦線区向け。

安中貨物を牽引するEH500形
EH500形

詳細は「JR貨物EH500形電気機関車」を参照

愛称はECO-POWER 金太郎1997年より運用されている、交直両用電気機関車。九州地区や東北地区で運用される。

DF200形

詳細は「JR貨物DF200形ディーゼル機関車」を参照

愛称はECO-POWER RED BEAR1992年より運用されている、電気式ディーゼル機関車。北海道や関西本線で運転されている。

山岳地区で活躍するEH200形
EH200形

詳細は「JR貨物EH200形電気機関車」を参照

愛称はECO-POWER ブルーサンダー2001年より運用されている、直流電気機関車。上越線中央本線等の勾配線区向けのため、力が強い。

EH800形

詳細は「JR貨物EH800形電気機関車」を参照

2012年より運用されている、交流電気機関車。複電圧式であり、青函トンネルとの新幹線共用区間を走行する。

EF510形

詳細は「JR貨物EF510形電気機関車」を参照

愛称はECO-POWER レッドサンダー2001年より運用されている、交直両用電気機関車。日本海縦貫線を主として走行している。また、かつて北斗星カシオペアを牽引していた車両は、現在JR東日本から譲渡を受け、当時の塗装はそのままで活躍している。

貨物牽引入替兼用機関車[編集]

DD200形

詳細は「JR貨物DD200形ディーゼル機関車」を参照

2019年より運用されている、電気式ディーゼル機関車。構内入替も貨物牽引も可能。

入換専用機関車[編集]

HD300形

詳細は「JR貨物HD300形ハイブリッド機関車」を参照

2012年より使用されている、ハイブリッド機関車。構内入換に特化している。鉄道友の会ローレル賞も受賞した。
DB500形

詳細は「JR貨物DB500形ディーゼル機関車」を参照

2016年より使用されている、液体式機関車モーターカー並みに車体が小さく、HD300形より扱う規模の小さい貨物駅などで構内入換を行っている。

貨物電車[編集]

M250系

詳細は「JR貨物M250系電車」を参照

愛称はスーパーレールカーゴ2004年より使用されている、直流貨物電車。佐川急便の専用高速貨物列車として、東京貨物ターミナル安治川口間で運行中。

かつて保有していた車両[編集]

EF200形
民営化直後、JR貨物が開発した機関車。需要に応えようと牽引トン数のスペックを高めたが、フルパワーを出した時に変電所の限界を超え機能停止寸前に至るというアクシデントにより増備は22機に留まり、出力を抑えて運用。その後、貨物需要減退で牽引トン数増強の計画が中止されたため、2019年にEF210形に置き換えられ引退。現在は広島運転所に保存されている。
EF500形
EF200形と同じく、民営化直後に登場した機関車。交直流機関車の置き換えを目的としたが、こちらは消費電力の問題から早々に引退した。この時の教訓はEF510形に生かされた。現在は日立製作所に保存されている。
ED500形
上記2つと同じく民営化直後に登場した機関車。青函トンネルやEF500ではオーバースペックになる東北地区の軽量貨物輸送で使う前提で開発されたが軸重が軽く、空転を起こした為、早々に売り込み元の日立製作所に返品された。現在は解体済。

沿革[編集]

昭和62年(1987年)に国鉄が民営化した際に発足したJR貨物などが担う事業のことである。

その他[編集]

鉄道愛好家で作家の宮脇俊三は、分割民営化直後のJRグループ各社代表との対談で、青函航路をJR貨物が運営し、危険物輸送が出来ないかを提言していた。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. JR千歳線平和駅近くにある。
  2. 西日本鉄道貝塚駅近くにある。
  3. 国鉄から継承された機関車は、2022年現在、ED76EF64EF65EF66EF81DE10DE11が運用中である。
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