東京総合車両センター
東京総合車両センター | |
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配置車両の一つ、E235系 | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 東京都品川区 |
鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道 |
帰属組織 | 首都圏本部 |
所属略号 | 東トウ→都トウ |
最寄駅 | 大井町駅 |
管轄車両 | E235系 E655-1(特別車) クロ157-1(貴賓車) クモヤ143-8・9 |
旧称 | 山手電車区 大井工場 田町車両センター等 |
開設 | 1871年(明治4年) |
車両基地概要 | |
敷地面積 | 223,475 m2 |
留置線本数 | 43本 |
検査線本数 | 3本 |
洗浄線本数 | 4本 |
配置両数 | |
電車 | 554両 |
合計 | 554両 |
備考 | TK・東京総合車セとも。 |
東京総合車両センター(とうきょうそうごうしゃりょうせんたー)とは、東京都品川区にある東日本旅客鉄道(JR東日本)首都圏本部の車両基地・車両工場である。
「本区」と呼ばれる中心地となる車両基地は東海道線(京浜東北線)の品川駅と大井町駅の間・湘南新宿ライン・総武快速線の大崎駅と西大井駅の間に位置し、東急大井町線・京浜東北線の大井町駅が最寄りとなる。
概要[編集]
山手線で使用される「E235系0番台」を始め、貴賓車として保存されている「クロ157-1」などを管理する総合車両センター。東京都内では一番大きい車両センターであり、中央線(快速)で使用される「E233系0番台」の簡易的な工事やグリーン車組み込み改造なども行っている[注釈 1]。
高輪ゲートウェイ駅開業に伴い合併された元田町車両センター(現田町センター)を管理しているのも東京総合車両センターである。
略号は「都トウ」(首都圏本部東京総合車両センター)。昔は「東トウ」(東京支社東京総合車両センター)であったが、支社構成の変更により都トウへ変更された。工場での検査表記は「TK」と表記される。
各センター・エリア[編集]
少しだけ前述したが、東京総合車両センターはとても広く、「本区」を始め、赤羽派出所、東京派出所、田町センターなど、都内を始め各地に点在する。
本区[編集]
「本区」と呼ばれる場所は東エリアと西エリアに分かれている。
東エリア[編集]
東エリアは主に山手線で使用される「E235系0番台」が50編成配属されている。大井町駅の北側に所在し、出入庫線のある大崎駅から入出場を繰り返している。このため、山手線には大崎行きがあり、大崎駅は山手線の中でも数少ない3番線以上専用ホームがある駅となっている。
旧称は「山手電車区」。
西エリア[編集]
西エリアは旧称を「大井工場」と呼び、国鉄時代から主に修理や改造を行っている。構内には検査を行う設備や歴代の「皇室用客車」(管轄は尾久車両センター)が屋内にて留置されている。
解体線もあるが、普段は使用されていない。そのため、解体などは長野総合車両センターで行うことがほとんどである。
田町センター[編集]
2013年3月16日のダイヤ改正にて、高輪ゲートウェイ駅の開業に関する大体的な工事が開始。それに伴い、田町車両センターが廃止となり「東京総合車両センター田町センター」となった。
旧田町車両センター配属の「185系」を始めとする特急型電車は大宮総合車両センター、「E231系1000番台・E233系3000番台」を始めとする普通型電車は国府津車両センターへ分散されている。
現在では留置線として使用されており、踊り子で使用されるE257系(大宮総合車両センター所属)やサンライズ瀬戸・出雲で使用される285系(JR西日本 後藤総合車両所出雲支所・JR東海 大垣車両区所属)、常磐線(快速線等)で使用されるE531系(勝田車両センター所属)などが留置されている。
派出所[編集]
- 品川・赤羽・池袋・新宿・東京派出所
- 全て普段は留置線として使用される臨時の検査場。普段は検査用として使用されることはなく、本線での不具合が起きた際などにのみ使用されている。
歴史[編集]
- 東エリア
- 1909年(明治42年) - 新宿電車庫品川派出所として品川駅構内に開設。
- 1910年(明治43年) - 品川電車庫が開設。
- 1936年(昭和11年) - 品川電車区に名称変更。
- 1964年(昭和39年) - 仮称「大崎電車区」として現在地にて着工。
- 1967年(昭和42年)4月3日 - 現在地に移転。「東洋随一」と謳われた二階建て電車基地が完成、一部使用開始。山手線の車両基地が品川・池袋・下十条の3区体制から品川・池袋の2区体制となる。
- 1968年(昭和43年)10月 - 全面使用開始。
- 1985年(昭和60年)11月1日 - 運転士などの運転部門を品川運転区へ分離し、山手電車区に名称変更[1]。略号は「南シナ」から「南ヤテ」に。
- 1986年(昭和61年)3月3日 - 池袋電車区に配置されていた車両が転入、山手線の全車両の所属基地となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道東京圏運行本部の管轄となる。略号は「東ヤテ」に。
- 2004年(平成16年)6月1日 - 大井工場と合併し「東京総合車両センター」に改称され、略号は「東トウ」に[2]。
- 西エリア
配属車両(現在)[編集]
略号「トウ」は省略しない。
- E235系0番台(550両)
- 11両編成50本(トウ01編成 - トウ50編成)が所属。
- 主に山手線で使用される。
- 特別車両「E655-1」のみが配置。
- 他は尾久車両センター所属。
- 事業用として2両所属している。2022年3月に長野総合車両センターに配給輸送された。
配属車両(過去)[編集]
略号は省略する。
- E231系0番台(B27編成)
- 付随車両「サハ」を抜いた6連で運用。E231系500番台の「サハE231-600・サハE231-4600・サハE230形(6ドア車)」の輸送に関わる編成として配属していた。
- 上記の車両の配給が終了したことにより、三鷹車両センターへ転属した。
- 2両編成1両が所属。緑と黄色の特殊な塗装が有名であり、模型でも製品化されていた。
- 2008年に長野総合車両センターに廃車回送された。
- 103系の置き換え用として山手線に投入。
- 先述のE231系500番代に置き換えられ、2010年に全車解体。
- 2013年に田町車両センター廃止に伴い転入。なお、このときはすべて転用改造のための保留車両である。
- だが、すべて保留車だったため、東京総合車両センターに入場することはなかった。
- 2015年までに全車両が長野総合車両センターに転属し、115系を置き換えた。
- 電気検測車として2両1編成が所属していた。
入換動車[編集]
- 黄色と青の特徴的な塗装に変えられていたが、2010年頃に解体。
- 編成短縮の上、「たんぽぽ」という愛称がつけられた。
- 2008年頃に解体。
- 上記の車両が転属してくる前に使用されていた。
- 2012年頃に解体。
保存車両[編集]
- JR東日本で最初の「新系列」グループの1つであるクハ209-901が保存されている。
- 昔はその他にも、「マイテ39」などが保存されていた。
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ 『鉄道ジャーナル』第21巻第7号、鉄道ジャーナル社、1987年6月、 144頁。
- ↑ a b c ジェー・アール・アール編 『JR気動車客車編成表2016 』 交通新聞社、2016年、221頁(日本語)。ISBN 978-4330690162。
注釈[編集]
- ↑ トイレ設置改造や電気系統の改造は長野総合車両センターが行っている。