JR只見線
東日本旅客鉄道(JR東日本) 只見線 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 福島県、新潟県 |
起点 | 会津若松駅 |
終点 | 小出駅 |
駅数 | 36駅 |
電報略号 | タミセ アツセ(会津線時代) |
開業 | 1926年10月15日 |
全通 | 1971年8月29日 |
所有者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
使用車両 | 使用車両を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 135.2 km |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 単線 |
電化方式 | 全線非電化 |
最大勾配 | 25 ‰ |
閉塞方式 | 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 | ATS-Ps(会津若松駅、小出駅構内) ATS-SN |
最高速度 | 65 km/h |
只見線(ただみせん)は、福島県会津若松市の会津若松駅から新潟県魚沼市の小出駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)。
概要[編集]
県境区間全通前は、新潟県側のみ只見線の路線名で、福島県側は会津線の本線格であったが、全通後に全区間が只見線として独立した。福島県、新潟県県境が分水嶺となって、東側が只見川、西側が破間川に並行している。また、全線に渡って国道252号が並行している。かつては、上越新幹線開通時に浦佐駅まで運行する列車や急行「奥只見」が運行されていた。
JR東日本では、県境付近の大白川駅より西側を新潟支社、東側を仙台支社が管轄。後述の不通前は冬季に只見駅で分割運行を行って、豪雪の影響を最小にしたこともあった。
2011年の台風の影響で長らく会津川口駅 - 只見駅間が長期間にわたって不通となっていたが、2022年10月1日改正で11年ぶりに運用を再開することになった。
路線データ[編集]
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):会津若松駅 - 小出駅 135.2km(基本計画上は起点と終点が逆転)
- 軌間:1067mm
- 駅数:36駅(起終点駅・臨時駅含む)
- 只見線所属駅に限定した場合、磐越西線所属の会津若松駅と、上越線所属の小出駅[1]が除外され、34駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:
- 会津若松駅 - 会津川口駅間、只見駅 - 小出駅間:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 会津川口駅 - 只見駅間:タブレット閉塞式
- 保安装置:
- 最高速度:65km/h
- 運転指令所:
- 会津若松駅 - 只見駅間:仙台総合指令室(運転取扱は会津若松駅、西若松駅、会津坂下駅、会津宮下駅、会津川口駅、只見駅)
- 只見駅 - 小出駅間:新潟総合指令室 (CTC)
沿革[編集]
- 1987年4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の鉄道路線となる。
- 2020年(令和2年)8月1日 - 7月31日大雨の影響により、会津水沼~会津中川駅間での盛土崩壊が発生。会津坂下~会津川口駅間の上下線で終日運転を見合わせ(バス代行輸送もなし)[2][3]。
運行形態[編集]
全線通しの列車はわずか3往復で、この他に会津若松 - 会津川口間の列車が3往復、会津若松 - 会津坂下間の列車が1往復、大白川 - 小出間の列車が2往復(土休日は1往復)存在し、会津川口 - 大白川間においては最大で7時間近く列車の来ない時間帯がある。
列車は全線通しの1往復、会津川口折り返しの1往復が1両編成、会津川口折り返しの1往復が土休日の前日以外の平日かつ夏休み期間外に3両編成となる以外は臨時列車を除きすべて2両編成で、2両以下の全列車においてワンマン運転を行う。
使用車両[編集]
会津若松 - 西若松間に乗り入れる会津鉄道の車両は会津鉄道を参照。全車が郡山車両センター会津若松派出所に所属する。
過去の使用車両[編集]
- 1979年(昭和54年)から運用開始。キハ40形とキハ48形を使用。2011年の新潟・福島豪雨による被災で路線が分断されるまでは、郡山総合車両センター会津若松派出所属車が全線で運用されていたが、被災後は会津若松駅 - 会津川口駅間で会津若松所属車、只見駅 - 小出駅間で新津所属車が運用される形態となっていた。会津若松所属車はキハE120形に置き換えられたため、2020年3月14日以降は新津所属車が只見駅 - 小出駅間で運用されるのみとなっている。ただし、これも所定の車両はキハ110系に変更されており、磐越西線のGV-E400系が増備されるまで、磐越西線でキハ110系が代走していることによるもので、玉突きでキハ110系が転属されてくるまでの暫定処置であり[4]、キハ110系の玉突き転用で姿を消した。
- 塗色は会津若松所属車が東北地域本社色、新津所属車が新潟色となっている。
- 新津所属車は長岡車両センターを拠点に運用されており、上越線長岡駅 - 小出駅間に毎日1往復の回送列車が設定されている。
- 新津所属車にはドアが両開き式のキハ47形もあるが、通常は運用されず、予備車や臨時列車として運用されるのみとなっている。
- かつては冷房車と非冷房車が混在していたが、2015年5月30日の仙石東北ラインの開通により、小牛田運輸区のキハ40系5両、新津運輸区からキハ40系6両の冷房車が郡山総合車両センターに転出。また新津に小牛田のキハ40系冷房車10両が転出することにより、会津若松と新津の非冷房車のキハ40・48形合計15両を廃車、それに伴い只見線の車両もすべて冷房化された[5]。
- ジョイフルトレインの入線としては、「越乃Shu*Kura」(新津所属)が2019年10月29日に臨時列車として只見駅 - 小出駅間で運行されたほか、びゅうコースター風っこ(小牛田所属)が観光シーズンに恒例的に運行される。2009年と2010年の3月には「ふるさと」を使用した「酒樽列車」が喜多方駅 - 只見駅間で運転された。
- 特有の設備として、NTTドコモの衛星電話であるワイドスターが装備され、一部列車無線が通じない区間で使用される。
- 2010年時点の会津若松所属車は、すべてエンジン未更新車(DMF15HSA形エンジン)であり、一部冷房車(キハ40 2085, 2140, 2141)、ロングシート車(2010年時点でキハ40 542, 578, 579の3両)もあり、これらは、トイレも完全に撤去されていた。また、キハ40 548, 549, 550, 2025は座席が削減された3列クロスシート車であった。キハ40 550は汚物処理装置が未取り付けで、只見線のキハ40系では唯一流し管が残存していた。
- 2020年3月ダイヤ改正前時点の会津若松所属車は、キハ40 502, 526, 534, 571, 572, 582, 583, 584, 2021, 2026(以上DMF14HZ300PSエンジン), 2085, 2141(以上DMF15HSA220PSエンジン), 2086(DMF15HSA-DI230PSエンジン)の13両で、すべて冷房車である。
- 仙台支社管内では2020年3月に、新潟支社管内では2020年6月に、運用を終了した。
駅一覧[編集]
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 | |||
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駅間 | 累計 | ||||||
会津若松駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:■磐越西線 | ∨ | 福島県 | 会津若松市 | |
七日町駅 | 1.3 | 1.3 | | | ||||
西若松駅 | 1.8 | 3.1 | 会津鉄道:会津線[* 1] | ◇ | |||
会津本郷駅 | 3.4 | 6.5 | | | ||||
会津高田駅 | 4.8 | 11.3 | | | 大沼郡 会津美里町 | |||
根岸駅 | 3.5 | 14.8 | | | ||||
新鶴駅 | 2.0 | 16.8 | | | ||||
若宮駅 | 2.1 | 18.9 | | | 河沼郡 | 会津坂下町 | ||
会津坂下駅 | 2.7 | 21.6 | ◇ | ||||
塔寺駅 | 4.4 | 26.0 | | | ||||
会津坂本駅 | 3.7 | 29.7 | | | ||||
会津柳津駅 | 3.6 | 33.3 | | | 柳津町 | |||
郷戸駅 | 3.6 | 36.9 | | | ||||
滝谷駅 | 2.7 | 39.6 | | | ||||
会津桧原駅 | 1.9 | 41.5 | | | 大沼郡 | 三島町 | ||
会津西方駅 | 2.2 | 43.7 | | | ||||
会津宮下駅 | 1.7 | 45.4 | ◇ | ||||
早戸駅 | 5.8 | 51.2 | | | ||||
会津水沼駅 | 3.9 | 55.1 | | | 金山町 | |||
会津中川駅 | 3.2 | 58.3 | | | ||||
会津川口駅 | 2.5 | 60.8 | ◇ | ||||
本名駅 | 2.8 | 63.6 | | | ||||
会津越川駅 | 6.4 | 70.0 | | | ||||
会津横田駅 | 3.2 | 73.2 | | | ||||
会津大塩駅 | 2.2 | 75.4 | | | ||||
会津塩沢駅 | 5.5 | 80.9 | | | 南会津郡 只見町 | |||
会津蒲生駅 | 3.0 | 83.9 | | | ||||
只見駅 | 4.5 | 88.4 | ◇ | ||||
大白川駅 | 20.8 | 109.2 | ◇ | 新潟県 魚沼市 | |||
入広瀬駅 | 6.4 | 115.6 | | | ||||
上条駅 | 3.1 | 118.7 | | | ||||
越後須原駅 | 4.4 | 123.1 | | | ||||
魚沼田中駅 | 3.9 | 127.0 | | | ||||
越後広瀬駅 | 2.5 | 129.5 | | | ||||
藪神駅 | 2.1 | 131.6 | | | ||||
小出駅 | 3.6 | 135.2 | 東日本旅客鉄道:■上越線 | ∧ |
- ↑ 会津鉄道会津線の起点は西若松駅であるが、全列車が会津若松駅へ乗り入れる。
廃駅[編集]
- 田子倉駅(只見駅 - 大白川駅間) - 2013年3月16日廃止。
- 柿ノ木駅(大白川駅 - 入広瀬駅間) - 2015年3月14日廃止。
- 黒又川仮乗降場(柿ノ木駅 - 入広瀬駅間) - 1965年7月15日頃廃止。
その他[編集]
特定地方交通線の指定を受けるほど輸送キロが低かったが、全線に渡って並行する国道252号が冬期に閉鎖するため、指定を免れた。
脚注[編集]
外部リンク[編集]
JR東日本の鉄道路線 |