よみもの:選挙制度改革案

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概要[編集]

現状の国会議員選挙制度には、色々問題があるので、利用者:Marmarayによる改革案を示します。

現状と問題点[編集]

現在の衆議院参議院の選挙制度は次の通り。

  • 衆議院総選挙
    • 小選挙区
      良い点:地域に根差した政治家を選出することができる。
      悪い点:実際の支持傾向以上に、第1党が大勝しやすく、第2党が大敗しやすい。あと、一票の格差が必ず問題になる。
    • 比例代表拘束名簿式
      良い点:実際の支持傾向通りの人数割りで議員が選出される。一票の格差無し。
      悪い点:選挙区の敗者復活枠を除き、個人名の記載ができず、党利党略で議員が決まってしまう。
    • 総合
      悪い点:一回の選挙で2ヶ所記載箇所があり、面倒で複雑。
  • 参議院通常選挙
    • 選挙区
      良い点:地域に根差した政治家を選出することができる。
      悪い点:N人区でへは、実際の支持傾向以上に、第N党が大勝しやすく、第N+1党が大敗しやすい。あと、一票の格差が必ず問題になる。
    • 比例代表非拘束名簿式
      良い点:実際の支持傾向通りの人数割りで議員が選出される。また、個人名での投票なので本当に支持された人が当選する。一票の格差無し。
      悪い点:全国区なので、全国的な知名度を持つタレント議員が誕生しやすい。また、全国区なので選択肢が多すぎる。
    • 総合
      悪い点:一回の選挙で2ヶ所記載箇所があり、面倒で複雑。

改革案[編集]

アルゴリズム[編集]

以上を踏まえ、それぞれの良い所取りをしつつ、一回の選挙で一回の記名で済む様な選挙制度を提案する。方向性としては、参議院で行われている非拘束名簿式の比例代表をベースに、地域単位で投票可能にする様な形とする。

以下に、概要を示す。

  • 選挙区
    • 全国で、衆議院は160選挙区、参議院は40選挙区。一選挙区あたり、平均3人当選を想定。
    • 選挙区割りは、都市部である程度細かくし、離島や僻地のみにはならない様にするが、ある程度選挙区毎の人口が偏るのはやむ無しとする。
    • 選挙区毎の当選人数は最小1人で、最大数は設けない。
  • 立候補
    • 全ての候補は、それぞれの選挙区から、「○○党の○○候補」として立候補する。無所属の場合は、自分一人だけの政党として立候補しても構わない。
  • 投票
    • 現行の参議院比例代表と同様、個人名・党名のいずれを書いても構わない。ただし、個人名投票の場合は、住居地のある地域の選挙区の候補者名とする。
  • 当選者の決定方法
    • 当選者の決定は、選挙区や地方単位でなく、全国単位でドント方式を適用する。
    • まず、各候補者の票数を集計する。
    • 次に、各党内での候補者間の順位を決定する。基本的に、現行の参議院方式と同様、個人得票[1]の多い方から少ない方に並べるが、各選挙区内で他の党も含めてトップの得票を得た候補は自動的に順位1位とする。
    • 党全体の得票数は、政党名での得票+全国各選挙区の個人名得票の合計とする。参議院方式と同じ。
    • こうして決まった得票数と順位を元に、ドント方式で当選者を決定する。原則、衆議院方式・参議院方式と同様「党全体の得票」÷「各候補の党内順位」が多い方から順に決めていくが、各選挙区内でトップの得票を得た候補は無条件で当選とする。

被選挙権[編集]

衆議院は、従来同様、25歳以上とする。

参議院は、「良識の府」としての存在意義を強くするため、30歳以上に加えて、以下の経験のいずれかが一定以上あることを立候補の条件とする。

改革案の利点[編集]

本選挙制度案の利点は、次の様なものがある。

  • 有権者としては、一回の選挙で書く名前が一つで済む。
  • 有権者から見れば選挙区内の候補に投票する形なので、選択肢が多すぎるという現象を防ぐことができる。
  • 比例代表ベースなので、一票の格差はほとんど生じない。
  • 一方で、各地方から必ず一人は当選する様に配慮している。
  • 全国的な知名度だけが武器の政治家が、それだけで当選するのをある程度防ぐことができる。
  • 衆議院と参議院の差別化ができる。

計算例[編集]

4つの選挙区から、12人選出する選挙の例をあげる。次の様な選挙結果であったとする。なお、候補者・党の名前は全て架空である[2]

順位 選挙区A 選挙区B 選挙区C 選挙区D
1 山口禎久
(立憲党)
7,360票 鈴木信介
(民主党)
28,480票 高橋光一
(民主党)
17,200票 佐藤俊一
(民主党)
10,080票
2 井上芳正
(国民党)
3,900票 伊藤茂之
(民主党)
12,640票 吉田弘志
(立憲党)
15,800票 佐々木勝年
(立憲党)
2,840票
3 田中文雄
(民主党)
3,360票 加藤壮
(自由党)
7,680票 小林義偉
(自由党)
9,600票 木村聡徳
(国民党)
2,070票
4 山本恭之
(自由党)
1,800票 山田陽子
(立憲党)
6,080票 渡辺敏充
(民主党)
7,600票 中村貴盛
(自由党)
1,140票
5 山崎原二郎
(社会党)
1,680票 林憲久
(国民党)
5,520票 松本進次郎
(国民党)
7,500票 阿部弁雄
(社会党)
936票
6 清水浩太郎
(社会党)
2,496票 斎藤雅子
(社会党)
3,360票

まず、選挙区内でトップ当選した山口、鈴木、高橋、佐藤は当選とする。この結果の表を、党毎・得票数順に並び替える。得票数順だが、山口、鈴木、高橋、佐藤の4人は上位に固める。

順位 民主党 立憲党 自由党 国民党 社会党
合計 79,360票 合計 32,080票 合計 20,220票 合計 18,990票 合計 8,472票
1 鈴木信介 28,480票 山口禎久 7,360票 小林義偉 9,600票 松本進次郎 7,500票 斎藤雅子 3,360票
2 高橋光一 17,200票 吉田弘志 15,800票 加藤壮 7,680票 林憲久 5,520票 清水浩太郎 2,496票
3 佐藤俊一 10,080票 山田陽子 6,080票 山本恭之 1,800票 井上芳正 3,900票 山崎原二郎 1,680票
4 伊藤茂之 12,640票 佐々木勝年 2,840票 中村貴盛 1,140票 木村聡徳 2,070票 阿部弁雄 936票
5 渡辺敏充 7,600票
6 田中文雄 3,360票

以降は、ドント方式にて当選者を決定する。党全体の票数÷順位を改めて各候補の個人票数とし、多い方から順に上位12人を当選者とする。

順位 民主党 立憲党 自由党 国民党 社会党
合計 79,360票 合計 32,080票 合計 20,220票 合計 18,990票 合計 8,472票
1 鈴木信介
(選挙区B)
区内1位 山口禎久
(選挙区A)
区内1位 小林義偉
(選挙区C)
20,220 松本進次郎
(選挙区C)
18,990 斎藤雅子
(選挙区C)
8,472
2 高橋光一
(選挙区C)
区内1位 吉田弘志
(選挙区C)
16,040 加藤壮
(選挙区B)
10,110 林憲久
(選挙区B)
9,495 清水浩太郎
(選挙区B)
4,236
3 佐藤俊一
(選挙区D)
区内1位 山田陽子
(選挙区B)
10,693 山本恭之
(選挙区A)
6,740 井上芳正
(選挙区A)
6,330 山崎原二郎
(選挙区A)
2,824
4 伊藤茂之
(選挙区B)
19,840 佐々木勝年
(選挙区D)
5,055 中村貴盛
(選挙区D)
8,020 木村聡徳
(選挙区D)
4,748 阿部弁雄
(選挙区D)
2,118
5 渡辺敏充
(選挙区C)
15,872
6 田中文雄
(選挙区A)
13,227

結果的に、党全体の票数と当選者数が概ね比例している他、投票者数の多い選挙区B,Cからそれぞれ4,5人、少ない選挙区A,Dからそれぞれ2,1人の当選となり、一票の格差も大きく生じないという結果が得られている。

選挙区割りの案[編集]

衆議院[編集]

全160選挙区で、定数480。三大都市圏と札幌・福岡・沖縄といった人口集中地区は人口を多めに、他の地域は少なめに区割りしている。

参議院[編集]

全40選挙区で、一回あたりの定数120。現行と同じく、3年で半数ずつ改選とする。

注釈[編集]

  1. 惜敗率ではなく個人得票を用いる。これにより、結果的に人口の多い選挙区ほど当選者が多くなる。
  2. 下の名前は、近年の閣僚から拝借させて頂きました。ただし、党名・票数は完全に架空です。