大阪府
大阪府(おおさかふ)とは近畿地方にある日本の都道府県。府庁所在地は大阪市。
概要[編集]
近畿地方中央部よりやや西寄りに位置する都道府県。古くから商業の中心地として繁栄している。東京都、神奈川県に次いで全国3位の人口を擁する西日本の中心である。その一方で面積は香川県に次いで2番目に狭い。また、全国の約9.7%にあたる21万人の外国人が居住している。また日本第二の都市圏であるため府民の東京に対するライバル意識は強い。大阪を中心とした関西が落語や漫才といった独自の文化の発信地であることも影響しているといえる。瀬戸内海を通じて全国から品物が集まり、食文化が発達した。
面積は全国で2番目に小さい。近畿地方の中では1番目に小さい都道府県であり、東西に幅が狭い傾向にある。南北に細長い三日月のような形をしている。以前は現最小の香川県よりも小さかったが、埋め立てを繰り返している内に抜いてしまった。
大阪の地名の由来についてはもともと、現在の大阪城周辺が「小さな坂」であったことから「小坂」(おさか)と呼ばれていたのが、いつからか大坂と呼ばれ、さらに「土偏」は「土に返る」ということで死をイメージするので、幕末から明治にかけて次第に「大阪」が用いられるようになったのが語源[1]。
備考[編集]
治安は、恐らく良くはない。ただ、言われるほど悪くもない。大阪全体がヨハネスブルグ並な訳がなく、むしろ日本の都道府県で全体的にヨハネスブルク並の治安であるのは北海道や京都府である。治安の悪いところは概ね決まっている。高槻市は治安が比較的良いとされているが、先の二つの場所は治安がすこぶる悪く、初めての人が行くには適さない場所である。
あいりん地区は、日本唯一のスラムと言われている。通称、釜ヶ崎。
大阪市内に近いほど治安が悪いのはもちろんだが、市内でも端の方はそれなりに平穏である。大阪市以外では、少し離れて門真市辺りが案外と治安が悪かったりするのが実情である。目を離した隙に車を盗まれるような事件が相次いでいるようだ。
歴史[編集]
旧令制国の河内国、和泉国、摂津国の一部に相当する。古代は海路で九州や大陸から大和国に向かう際の近畿地方の玄関口として栄え、律令制下では摂津には国司ではなく特別に摂津職が置かれた。平安時代には大陸との交流が少なくなり一時衰退したが、中世に入ると堺が商人らが独自に自治を行う自治都市となり繁栄を極め、上町台地北端にも石山本願寺を中核とする寺内町が形成された。織豊政権下では、豊臣秀吉が大坂城を築き本拠とした時期は全国の政治・経済の中心地となった。関ヶ原の戦い以降、政治の中心は徳川氏が首府とした江戸に移っていったが、大坂には諸大名が蔵屋敷を置き、「天下の台所」と呼ばれ全国の流通・金融の中心となったと共に三都の一つとされた。元禄期には京都と並んで元禄文化の担い手を多く輩出。享保期には堂島の米会所で世界初とされる米の先物取引市場が開かれた。
1868年の明治維新の際、幕府の天領だった大坂は他県より一足早く府県制が敷かれ、大阪府を設置。1881年には堺県を合併して、旧大和国域まで府域が拡大したが、1887年に奈良県が分立して現府域が確定。以降も全国の産業の中心としての役割を担っており、関東大震災後には東京府の人口を超え、一時日本一の大都市となった。
太平洋戦争では大阪大空襲により壊滅的な被害を受けたが順調に復興を果たし、1970年には日本万国博覧会(大阪万博)が開催された。昨今、東京一極集中が進むにつれ、国内でのポジションは相対的に低下。大阪市域の人口も横浜市に抜かれている。
地理[編集]
隣接都道府県[編集]
主な自治体[編集]
政令指定都市[編集]
- 大阪市 - 都島区 - 福島区 - 此花区 - 西区 - 港区 - 大正区 - 天王寺区 - 浪速区 - 西淀川区 - 東淀川区 - 東成区 - 生野区 - 旭区 - 城東区 - 阿倍野区 - 住吉区 - 東住吉区 - 西成区 - 淀川区 - 鶴見区 - 住之江区 - 平野区 - 北区 - 中央区
- 堺市 - 堺区 - 中区 - 東区 - 西区 - 南区 - 北区 - 美原区
市[編集]
- 岸和田市 豊中市 池田市 吹田市 泉大津市 高槻市 貝塚市 守口市 枚方市 茨木市 八尾市 泉佐野市 富田林市 寝屋川市 河内長野市 松原市 大東市 和泉市 箕面市 柏原市 羽曳野市 門真市 摂津市 高石市 藤井寺市 東大阪市 泉南市 四條畷市 交野市 大阪狭山市 阪南市
町村[編集]
文化[編集]
スポーツ[編集]
よく阪神タイガースが大阪の球団だと誤解されるが本拠地は兵庫県である[2]。ただし「大阪タイガース」と名乗っていた時期もあり、在阪スポーツ新聞の報道と府内で視聴可能なサンテレビの試合中継の影響で、府内にもファンが多いのは事実である。
在阪球団に限らず、大阪出身のプロ野球選手が全国的に多い。PL学園高校[3]や大阪桐蔭高校、履正社高校など名門校が多いのも特徴である。
その他[編集]
大阪府のトイレットペーパーに「水に流れやすい」「贈り物にぴったり」という言葉をかけて「つまらないもの」と名付けられたものがある。
「大阪都構想」[編集]
「大阪都構想」も参照
中心都市の大阪市は人口230万人の政令指定都市であり非常に権限が強いことから常々大阪府と意向が衝突し、二重行政の弊害が指摘されてきた。具体的には水道事業や公共施設を府市が競うように各々で整備し、統一的な運用が困難であったことなどである。このため大阪市の一部の権限を大阪府が吸い上げ、東京都のように特別区を設置してこの弊害を解消しようとする動きが度々あった。これが「大阪都構想」である。
一方大阪市は逆に市の権限を強めて二重行政を解消する「スーパー政令市(または特別市)構想」を提唱してきた。双方の思惑が一致せずこの構想は進んでいなかったが、近年都構想推進派の橋下徹が知事(のちに市長)に就任し、構想が急激に進展。住民投票にまでこぎつけたが、2度の住民投票はどちらも反対多数で否決された。1度目の結果を受け橋下が、2度目の結果を受け松井一郎元府知事が政界引退を表明後、都構想は後退。一方、大阪公立大学のように別の思惑で実現したものもある。
脚注[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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