半田市
半田市(はんだし)は、愛知県にある市。2008年(平成20年)には人口が12万人に達した。
地理[編集]
知多半島東岸の衣浦湾に面する市である。半田市は知多半島の中央部に位置し、常滑市、碧南市、高浜市、知多郡武豊町、知多郡阿久比町、知多郡東浦町と接している。中心市街地を半田運河が流れており、運河の周辺には黒壁の蔵が数多く残っている。
歴史[編集]
明治時代初期のこの地には、半田村・岩滑村・乙川村・亀崎村・有脇村・成岩村の6ヶ村があった。半田村は明治22年(1889年)に町制を施行する。
1890年(明治23年)のこの地域には、半田町・亀崎町・成岩町と、3ヶ町が成立している。知多郡の政治・経済・文化の中心地は半田町だったが、漁業の中心地は亀崎町、織物業の中心地は成岩町だった。1937年(昭和12年)10月、半田町・亀崎町・成岩町の3ヶ町が合併して半田市が発足した。愛知県で6番目の市制施行であり、人口は5万人を超えていた。市域は1937年の合併時から基本的に変わっていない。
経済[編集]
半田は近世から廻船業や醸造業などで栄え、知多半島の経済や文化の中心であった。鉄道ではJR武豊線と名鉄河和線が半田市と名古屋市を結んでいる。
江戸時代中期にはこの地でMizkanが創業し、現在は酢や納豆などの商品で知られている。半田赤レンガ建物は1898年(明治31年)にカブトビールの醸造工場として竣工した建物であり、2004年(平成16年)には登録有形文化財に登録された。半田赤レンガ建物は2015年(平成27年)から、観光施設として一般公開を行っている。
交通[編集]
鉄道路線[編集]
バス[編集]
当市に本社のある知多乗合が路線バスを運行。かつては、高浜や刈谷に向かう路線もあったが、2000年代後半に廃止になった。
文化[編集]
神社の祭礼に山車が出る地区が多く、亀崎地区の亀崎潮干祭や乙川地区の乙川祭禮などが知られている。5年に1度の頻度ではんだ山車まつりが開催され、各地区の山車計31台が一堂に会する。直近では2017年にはんだ山車まつりが開催され、50万人以上の観客を集めた。亀崎潮干祭は国の重要無形民俗文化財に指定されており、またユネスコ無形文化遺産に登録されている。
文学[編集]
児童文学作家の新美南吉は知多郡半田町(現在の半田市)出身であり、半田第二尋常小学校(現在の半田市立岩滑小学校)や愛知県立半田中学校(現在の愛知県立半田高等学校)を卒業している。南吉の代表作は『ごんぎつね』や『⼿袋を買いに』などであるが、南吉の作品には矢勝川など半田の風景が登場することが多い。半田市には文学館の新美南吉記念館や新美南吉の生家がある。