兵庫県
兵庫県(ひょうごけん)は近畿地方に位置する日本の都道府県。県庁所在地は神戸市。神戸市は兵庫県の最大の都市でもある。また中核市には姫路市、西宮市、明石市、尼崎市の各市が指定されている。
概要[編集]
日本の中西部に位置し、日本海沿岸部の北部や都市化が進んだ神戸市などの中部に加え、南部の淡路島といった多彩な特色を持つ地域によって構成されている。そのため「日本の縮図」とも呼ばれる。近畿地方の中では東西の面積が一番広い。南側は東西が長い。
旧令制国の播磨国と但馬国と淡路国の全域、丹波国と摂津国の一部と備前国と美作国のほんの僅かの地域に相当する。このような複雑な領域となったのには以下のような事情がある。
伊藤博文を初代知事として兵庫県が設置された維新時、1868年に開港された神戸港があり、国は神戸を平清盛時代のような貿易都市として発展させたいと考えていた。
維新時にただの寒村だった神戸を大貿易港へ育てるために、姫路を代表とする播磨の豊かな資本の活用や、但馬・丹波の絹織物という商品を神戸に集約させるなどの思惑が財政難の明治政府にあった。そのためには、旧令制国の区分を基に府県を設けると大阪府の一地域となってしまう摂津国の神戸市を府県統合以降も県庁所在地にしたほうが何かと好都合であり、商業都市大阪を抱える大阪府の府域が最小限でも不都合はなかった。このため、飾磨県(県庁は姫路に所在)となっていた旧播磨国域など他地域の一部をやむを得ず寄せ集める形で兵庫県を設置したのである。
なお、県庁所在地たる神戸市の位置は福島県、長野県、滋賀県、京都府、広島県などと同様に県域全体から見るとやや東に偏っているが、周辺地区の多大なる助力があったからこそ現在の神戸港があるという事実を知っている神戸市民は少ないのが現実である。
エンペディア的に言えば、行政機関に関する記事が47都道府県一多い。そもそもカテゴリ基準を満たすものが大阪と兵庫しかないが。
地理[編集]
隣接都道府県[編集]
市町村[編集]
市部
- 尼崎市 - 西宮市 - 芦屋市 - 伊丹市 - 宝塚市 - 川西市 - 三田市 - 明石市 - 加古川市 - 高砂市 - 西脇市 - 三木市 - 小野市 - 加西市 - 加東市 - 姫路市 - 相生市 - たつの市 - 赤穂市 - 宍粟市 - 豊岡市 - 養父市 - 朝来市 - 篠山市 - 丹波市 - 洲本市 - 南あわじ市 - 淡路市
郡部
神戸市、姫路市、洲本市、豊岡市が主な拠点都市。
旧令制国[編集]
兵庫県を構成する、7つの令制国について説明する。なお、備前国と美作国はほんのわずかの地域のため、通常は「兵庫五国」という言い方をされる。
但馬国[編集]
- 兵庫県の日本海側。豊臣政権下より生野銀山などの鉱業が盛んで、明治24年時点では212,890人の人口があったが[1]、現在はそれよりも減少し、約16万人となっていて、これは県人口の3%に相当する。
兵庫県で、日本海に接する唯一のエリアなので、人口が少ない割に存在感は大きく、兵庫県を「地域によってバラバラの県」と言わせているのに最も貢献している地域である。中心都市は豊岡市だが、新温泉町は地理的に近い鳥取市とのつながりも強い。神戸牛も、元をただせば但馬牛。
備前国[編集]
- 赤穂市の西端、福浦地区のみが旧備前国である。備前福河駅に、その名残が残っている。
美作国[編集]
- 佐用町の北部、石井地区のみが旧美作国である。
播磨国[編集]
- 兵庫県の南西部。江戸時代は多くの藩があり、赤穂城、龍野城、姫路城、明石城と城が4つもあったのが特徴。明治24年の人口は722,924人で[1]、当時は兵庫五国の中で人口・面積とも最大であった。現在の人口は約230万人で、県発足以来一貫して県全体の人口の4-5割(現在41%)を占めている。そうした背景もあり、兵庫県を代表する地方と言える。姫路が中心都市だが、東播、北播は神戸の方が近く、特に東播は神戸のベッドタウンとしての性格が強い。県下で最後に村(阿閇村)が残った地域だが、1960年代早々に町制施行した。
丹波国[編集]
- 兵庫県の北東、内陸部。明治24年の人口は121,036人で[1]、現在も約10万人、兵庫五国で最も人口が少なく、現在は県人口の2%を占める。京都に近いため、京都風の文化が根付いている。
淡路国[編集]
- 兵庫県の最南端、淡路島からなる。明治24年時点では188,217人の人口があったが[1]、現在はそれよりも減少し、約13万人となっていて、これは県人口の2%に相当する。江戸時代は徳島藩、明治初期は名東県の区域で、徳島県との結びつきも強い。最近はパソナ社が進出していることで有名。
摂津国[編集]
- 兵庫県の南東部。明治24年の人口は326,147人[1]と、播磨国の半分にも満たなかったが、大阪のベッドタウンとして人口が増え、現在の人口は約280万人と、県全体の人口の52%を占めている。県庁所在地の神戸もここに含まれ、中心都市は神戸だが、神戸はどちらかと言うと播磨と摂津の境界付近を市勢圏としているため、全体としては神戸より大阪の市勢圏としての性格が強く、宝塚、川西や三田のように神戸の影響力が僅少の地域もある。
文化[編集]
スポーツ[編集]
言語[編集]
播州弁、神戸弁など。県の大部分の言葉は関西方言に属するが、中国・四国地方の方言との共通点が多くみられ、大阪弁とは大きく異なっている。
兵庫県舞台の作品[編集]
連続テレビ小説[編集]
BK制作ドラマで地方出身者の成年期の生活先で描かれることが多い。
- 風見鶏
- 虹を織る
- 純ちゃんの応援歌
- 甘辛しゃん - 1997年度後期。酒米と日本酒蔵元が題材で、丹波篠山と神戸灘が舞台。「ふたりっ子」、「あぐり」と好評作の後の放送で割りを食った感があり、同時期放送で同じ題材のフジテレビの「夏子の酒」ほどの評価は得られなかった。
- べっぴんさん - 2016年度後期。ファミリアを題材にしているが、庶民的イメージが少ないため、他の朝ドラほど地元が盛り上がらなかったとされる。
- おむすび - 2023年度後期予定。
阪神・淡路大震災[編集]
詳細は「阪神・淡路大震災」を参照
1995年の1月17日に県南部をマグニチュード7.3の激震が襲い、大きな被害を被った。死者は6400人を超え、インフラに壊滅的な打撃を与えた。これは東日本大震災が発生するまでは戦後最悪の被害だった。国の対応の遅れもあったが順調に復興を果たし、一時10万人減少した神戸市の人口は2004年に震災前の人口を超えた。
交通[編集]
鉄道[編集]
淡路島を除く、県内各地に鉄道網が敷かれている。
- JR
- 民鉄
- 第三セクター
- 廃止路線
兵庫県出身の人物[編集]
詳細は「カテゴリ:兵庫県出身の人物」、「カテゴリ:神戸市出身の人物」、「カテゴリ:兵庫県出身の大相撲力士」を参照
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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