鉄道駅

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鉄道駅(てつどうえき)とは、鉄道路線上にある停車場のうち、旅客、貨物の営業を行う鉄道事業者の施設である。

概要[編集]

鉄道草創期は英語のstationを「ステンショ」などと音訳していたが、後に古代街道交通の「」に当て、名称として定着。道路の道の駅にも当てられている。
最低限の設備としてプラットホーム駅舎、便所、倉庫がある。少し大きい駅に官舎、乗務員宿泊施設がある。ホーム上には売店立ち食いそばホームの洗面台があったが撤去される傾向がある。

形態について[編集]

  1. 地上駅
    • もっとも一般的な形態で、地上に駅舎とホームがある。ホームが複数ある場合、構内踏切、跨線橋地下道もしくは上下別駅舎で連絡する。駅周辺に踏切ができて渋滞が発生する。既存の市街地に設置することが難しく、多くは市街地に隣接して設置される。また、駅の片側(通常は既存市街地側)にだけ出口があり、反対側からは遠回りしないとたどり着けない駅もある。
  2. 高架駅
    • 地上に駅舎があり、線路とホームが高架橋上にある駅である。駅舎とホームとは階段、エスカレーター、エレベーターで結ばれる。広大なスペースを必要とする貨物設備や滞泊設備などや留置線を置くことが不可能で、建設にも莫大な費用がかかったり、高架による日照の問題が生じるが、周辺の踏切は一掃され、道路交通が円滑になり、駅で周辺を分断することがなくなる。近年、地上駅や、さらに橋上駅からの転換も増えている。
  3. 橋上駅
    • 線路直上に駅舎があり、地上に線路とホームがある駅の形態である。出入口やホームと駅舎とは階段昇降を伴い、昨今はバリアフリーの観点から、エスカレーターやエレベーターでホームや出入口と駅舎が結ばれる。建設の費用はかからず、線路を挟んだ徒歩での連絡は容易だが、車両を含めた道路交通の渋滞が発生する。連続立体化工事によって、橋上駅がさらに高架化されたところも多い。地上駅からの橋上化工事は増えている一方、高齢者の中には階段昇降を面倒と思い、従前の地上駅の方が便利と思う人も少なくない。
  4. 地下駅
    • 線路とホームが地下にある駅である。駅舎は地下にあることも多いが、地上にあることも多い。高架駅以上に建設費に莫大な費用がかかるが、高架駅と同様、周辺の踏切が一掃され、道路交通が円滑になり、駅で周辺を分断することがなくなる他、高架と違い日照の問題が生じない。既存の市街地に設置することが可能で、都市部の中心地の駅は、路面電車を除けばほぼ地下に作られる。
  5. 半地下駅
    • 堀割状でホームが階下に存在するか、地上ホームで駅舎が地下にある場合を指す。
  6. その他

使用目的による分類[編集]

  1. 一般駅
  2. 旅客駅
    • 旅客のみ取り扱う駅である。ただし、荷物輸送は旅客の一環として扱うので、旅客輸送と荷物輸送のみを取り扱っても旅客駅とする。
  3. 貨物駅
    • 貨物のみを取り扱う駅である。前述のように荷物輸送は旅客輸送として扱うので、汐留駅隅田川駅のように貨物輸送のほかに荷物輸送を取り扱う場合は一般駅となる。
      JR貨物発足後、貨物列車の発着を止め、代替のトラック便の発着拠点であるオフレールステーション(ORS)が増加している。

営業日数による分類[編集]

  1. 常設駅
    • 一年中、旅客・貨物扱いをすることを前提とする駅
  2. 臨時駅
    • 特定日だけ旅客扱いする駅。国鉄時代は本社の設置基準から外れるも、地域の鉄道管理局の裁量で開設した仮乗降場も臨時駅同様の扱いを受けた。

設置場所[編集]

鉄道忌避伝説」も参照

旅客駅の場合、利用者の多い人口集積地に近いのが望ましいが、市街地の土地買収は困難なので、地上鉄道の場合は通常市街地の外縁部に設置される。ただし、特に土地買収が困難な場合[1]や経路上の都合[2]で、市街地から離れた郊外に設置せざるを得ない場合がある。ただし中には、海上に線路を敷いたり[3]、濠や川などの水路を利用したり[4]、明治維新で没落した武家の屋敷跡を利用したりして[5]、市街地の真ん中に駅を設置するケースもある。
なお、都市部の駅のほとんどは、駅開業時は市街地の外縁部であっても、その後の市街地の拡大により人口集積地に変わっている他、駅前が中心市街地[6]、あるいは副都心[7]になってしまった例も多い。

一方、貨物駅は、トラックの出入りがしやすく、広大な土地が必要な郊外に建設される傾向がある。

駅名[編集]

駅が設置される場所の地域名、地方自治体名がつけられる。また、同一駅名がほかにある場合は冒頭に旧国名をつけたり、隣の自治体名を駅名にすることもある。

複数の駅がある大都市の場合、優等列車が多く停車するハブ駅に都市名が、ローカル列車しか停車しない小さい駅に市内の町名がつけられるのが一般的である。そのため、都市名を冠した駅より、冠していない駅の方が都市の中心部であること[8]や公的機関の所在地に近いこと[9]がよくある。一方で、都市名のついた駅が市内で最も多くの優等列車を利用できるのが一般的であるが、この原則が崩れている都市も少なくない[10]

地域名や地方自治体名の巻頭に方角名を入れることもあり、場所がわかりやすいが、その地域名を軽んじてしまう結果になる。駅はその地域の玄関にあたることから駅名を巡って論争が起きることもある[11]

駅が設置される場所の地域より、駅勢圏内の隣接地域の方が栄えている、あるいは隣接地域の利用客が多い場合、隣接地域の地域名を駅名にすることが多い[12]。なお、鉄道駅名だと珍しく感じるが、空港名だと珍しくも何ともない。

海外では、駅が設置される場所の地域名でなく、その駅から発車する列車の主な行先を駅名にするケースがある。モスクワ、サンクトペテルブルク、パリといった首都級の大都市で見られる。日本では少ないが、無いわけではない[13]

駅名改称[編集]

市町村合併で地方自治体名が変更した後も、駅名は以前の地方自治体名や地域名のままとすることが少なくない[14]。これは直ぐの駅名改称に莫大な費用がかかるからで、改称する場合は運賃改訂や駅増加のタイミングで行うことが多い。
なお、昭和戦前までは官尊民卑中央集権の考え方からか、私鉄駅名が先にあっても私鉄の駅名が改称[15]されたり、官設線でも東京から遠い地の駅名が改称されることもあり[16]、戦後も公尊民卑の考えが残って、国鉄幹線上に市名駅を据える(中心部に近くても支線上や私鉄に市名駅を据えない)事例[17]があった。逆に駅名が地方自治体名になることもある[18]

駅周辺[編集]

一般駅は、旅客駅、貨物駅、両方の特徴を持っている。
旅客駅は都道府県道で他の主要道路と結ばれていることも多く、バス停留所、タクシー待合所といった末端交通として機能する場所が設けられていることも多い。一方で、路線バスとの接続に重きが置かれず、近くのバス停まで徒歩で時間を要す駅[19]や駅前に乗り入れるバス路線が僅かで、多数が乗り入れるバス停まで徒歩連絡が必要な駅[20]も少なくない。かつては日本国有鉄道の鉄道駅周辺は、どんな小さな駅でも旅籠木賃宿駄菓子屋食堂があったが、1980年代以降、後継車不足や、大きな駅のビジネスホテルに客を奪われ、衰退した。
やや大きい駅には銀行郵便局食堂が、大きな駅の周辺には、デパート旅館ホテルが設けられている。
貨物駅には広い道路が設けられ、通運会社の事務所が設けられている。コンテナ取り扱い駅の場合はコンテナターミナルもある。現在は大型トラックが多く出入りしているが、1960年代までは大八車が出入りしたり、河川等の船舶の便を図った駅もあった。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 名張駅内海駅 (愛知県)
  2. 新函館北斗駅、安中榛名駅上毛高原駅新岩国駅鈴鹿駅新宮駅
  3. 新橋駅
  4. 御茶ノ水駅、旧万世橋駅
  5. 福山駅明石駅東京駅
  6. 三ノ宮駅藤沢駅豊橋駅桑名駅姫路駅
  7. 大阪駅横浜駅新宿駅岡山駅
  8. 大阪駅本町駅京都駅四条駅など、名古屋駅伏見駅栄駅など、東京駅日本橋駅の各関係。
  9. 友部駅本八幡駅那加駅日原駅暘谷駅
  10. 新幹線の開業以降の、新大阪駅大阪駅の関係が代表的。他に東三条駅三条駅東萩駅萩駅鹿児島中央駅鹿児島駅も著名。過去には市川本町駅市川大門駅の例もあった。
  11. 新幹線では新函館北斗駅燕三条駅三河安城駅、在来線では高輪ゲートウェイ駅、民鉄線では京成西船駅泉岳寺駅水天宮前駅阪急山本駅など。
  12. 現在も続いている有名な例だと、品川駅目黒駅厚木駅与野駅志木駅四条畷駅三戸駅。名残が残っている例として川西池田駅(旧池田駅)がある。かつては神戸駅大阪駅能美根上駅も同様だったが、市町村合併により自治体名を含んだ駅名となった。
  13. 能勢口駅
  14. 水沢江刺駅古川駅美濃太田駅箕島駅徳山駅筑前前原駅など。常磐線十王駅は合併直前に消える自治体名を命名。
  15. 河内長野駅松山市駅
  16. 磐梯熱海駅
  17. 八戸駅行田駅岡崎駅倉吉駅宇部駅
  18. 北広島駅会津若松駅那須塩原駅国立駅東久留米駅茅野駅瑞浪駅近江八幡駅河内長野駅
  19. 氷見駅小川駅 (東京都)千歳烏山駅
  20. 吉原本町駅天竜二俣駅新城駅有年駅