青春18きっぷ
青春18きっぷ(せいしゅん18きっぷ)とは、JRグループが発売している特別企画乗車券である。本項では、前身である「青春18のびのびきっぷ」、同時期にオプション券として発売される「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」についても解説する。
概要[編集]
旅客鉄道会社全線(JR線)の普通列車、快速列車(BRT・バス代行輸送も含む)、JR西日本宮島フェリー(宮島航路)の普通車自由席が乗り放題の企画乗車券である。2021年12月現在の値段は12,050円である。2024年冬使用分から5日用12,050円、3日用10,000円となった。
沿革[編集]
日本国有鉄道旅客局が、学生、生徒の長期休暇期間は通学定期券が不要になる一方、必然的に発行自体が大幅に減少して販売収入が落ち込むことや、休暇期間も普段と変わらない列車編成で普通列車の乗車人員が落ち込む[注釈 2]ことへの対応から増収策の一環として企画し、1982年3月1日に「青春18のびのびきっぷ」として発売を開始。1983年春季発売分から現名称に改称。1996年春季発売分から現在の「1枚で5回分(もしくは最大5人分)使用」の様式となった。さらに2024年冬使用分から5日間用と3日間用となった。
使用方法[編集]
主として時間のある学生、生徒向けの商品として企画された青春18きっぷという名称であるが、「18歳以上しか使えない」などと思われる向きもある。しかし、利用に際しての年齢制限はない(このため、おとな・こどもの区別もない)。近年は余暇を楽しむ中高年の利用も増加しており、マスコミなどでも取り上げられ一般にも広く浸透してきた。
乗車する際に日付部分に入鋏することになっていた。これは日付や人数の管理など、乗車券の効力のシステムが複雑であるなどの理由により、自動改札機を利用して日付を刻印することが困難であることに起因していた。このため自動改札機設置駅では必ず有人改札を通るか管理駅と連絡をとって確認してもらう必要があった。[注釈 3]。
JRグループ共同の企画乗車券であるため、みどりの窓口で購入可能である。JR駅以外では沖縄県の九州旅客鉄道沖縄支店でも発売されている。
春、夏、冬の3シーズン発売されるが発売期間と利用有効期間がズレているため、発売期間だが利用期間に利用しようとしても使えない、あるいは使おうと思っても販売終了ということがある。
利用可能範囲[編集]
JRグループの普通列車の普通車自由席のみである。グリーン車の自由席、普通車指定席、座席定員制の列車にははそれぞれの料金券を購入のうえ乗車できる。発売開始以来、JR線以外の会社線(私鉄・公営鉄道・第三セクター等の路線)では原則として使用することができず、JR線と会社線を直通運転する列車を利用する場合、会社線内の乗車区間についてはその区間に有効な乗車券類が別に必要となる。
事例[編集]
追加運賃を要する事例[編集]
- 整備新幹線の開業により第三セクターへ転換された路線
- 原則使用できないが、特定の区間に限り通過乗車もしくはJRとの接続駅同士の乗車に限り青春18きっぷが利用可能である(後述)。また(最南端のJR乗車券販売窓口となる)沖縄にはJR旅客線がなく、フェリーもJRでないため、沖縄で買っても鹿児島県以北での利用となる。
- 東京モノレール(JR東日本の子会社)やJRバス
- JR旅客鉄道会社の系列会社であっても利用することはできない。
- 他社の路線
- 車両がJRの車両であっても青春18きっぷでは乗車できず、逆にJR線においては車両が他社の車両であっても普通列車であれば乗車できる。これはJR線と他社線を直通する列車であっても例外ではなく、JR線から他社線に直通する列車に乗車する場合、その事業者の路線に有効な乗車券が別途必要になる。その例として、快速「みえ」で四日市駅~津駅間を利用する場合は伊勢鉄道河原田駅~津駅間の運賃490円、予土線の列車で窪川駅~若井駅間を利用する場合は土佐くろしお鉄道中村線の運賃210円が必要となる。
- JRが鉄道事業者となっているにもかかわらず営業上(運賃計算上)JR線と見なされない区間についても、青春18きっぷは利用できない。JRが第3種鉄道事業者となるのと鉄道七尾線(和倉温泉駅~穴水駅)、嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線についても利用できない。また東海交通事業城北線は、JR東海(東海旅客鉄道)が第1種鉄道事業者だが、営業上は東海交通事業の区間と見なされており(列車もすべて第2種鉄道事業者である東海交通事業によって運行されている)、青春18きっぷで利用できない。
- その他の例外としては、伯備線・井原鉄道井原線の清音駅~総社駅間の事例が挙げられる。当区間においては、同一区間でJRに第1種鉄道事業者、井原鉄道に第2種鉄道事業者の許可が与えられており、井原鉄道の列車は営業上井原鉄道の区間と見なされ、無条件で乗車できない[注釈 4]。
乗車可能な事例[編集]
逆にJRが第2種鉄道事業者となる成田線(成田駅~成田空港駅)・関西空港線(りんくうタウン駅~関西空港駅)・JR東西線については利用可能である。ただし、りんくうタウン駅から関西空港駅へ行く場合はJRの電車に乗らなければならない。南海空港線の電車を利用した場合は南海を利用したと見なされ、南海の運賃を請求される。また、Suica・PASMOの相互利用開始に伴い西船橋駅に連絡改札が設置された関係で、平日朝夕にのみ直通電車が運行されている総武線~東京地下鉄東西線では西船橋駅において総武線から東西線に直通する列車は東西線ホームに到着するので連絡改札を通る際に中野方面からの利用とみなされ東京地下鉄の中野(または北千住)~西船橋間の運賃を請求される可能性があり、事実上18きっぷでは船橋~西船橋間は総武線経由の電車にしか乗車できないのと等しい。逆に東西線からの津田沼行きの場合は18きっぷで連絡改札を通れない(東京地下鉄の乗車券の購入を求められる)ため乗車できない(以前は連絡改札がなかったため、これらの電車に乗車しても問題がなかった)。
なお、以下の3例については、営業運転を行うのがJRではないが、JR線運賃適用区間となる例である(いずれも、利用可能)。
- 東京メトロ千代田線 綾瀬駅~北千住駅間
- この区間は常磐線(常磐緩行線)の一部として扱われ、両駅間相互発着も含め利用可能。なお、同線で運転される準急・多摩急行(小田急線内での種別)も、JRでの別途料金が必要な急行列車に当たるものではないため利用可能。この区間の取り扱いについては、北千住・綾瀬間の取り扱いも参照。
- 七尾線 七尾駅~和倉温泉駅間
- この区間はJR西日本(西日本旅客鉄道)に第1種鉄道事業者、のと鉄道に第2種鉄道事業者の許可が与えられており、普通列車は全て「のと鉄道七尾線」として運転する。この区間の普通列車の場合、城北線や、後述する井原線の清音駅~総社駅間と同様に、営業上はのと鉄道の区間と見なされ規則上は乗車不可となるが、JRは特急列車のみ運転しているため便宜上青春18きっぷの利用を認めている。また七尾駅と田鶴浜駅~穴水駅の各駅間を乗車する場合、必要となる運賃は和倉温泉駅を境に計算される。
- 鹿島線 鹿島神宮駅~鹿島サッカースタジアム駅間
- この区間は鹿島臨海鉄道大洗鹿島線のみが旅客運転を行っているが、運賃は鹿島サッカースタジアム駅を境に計算するため利用可能。大洗鹿島線にまたがって乗車する場合は鹿島サッカースタジアムから(まで)の鹿島臨海鉄道運賃のみを支払う(同駅の営業の有無は問わない)。ただし鹿島サッカースタジアム駅が営業していない日や停車扱い終了後は、同駅発着の乗車券が券売機で発売されないため、窓口(あるいは運転士)に18きっぷを提示して買う(精算する)方法しかなく注意が必要である。当駅を通過する場合、鹿島サッカースタジアム駅以降の区間は別途鹿島臨海鉄道の運賃が必要である[1]。
有効時間[編集]
1回分は原則乗車日当日限り有効で、乗車日内(0時から24時までの間)であれば、何度でも乗降や途中下車ができる。日付をまたいで運転する列車については、0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効(0時を跨いで停車している列車はその停車駅まで有効)である。ただし、東京及び大阪近郊の電車特定区間(大都市近郊区間ではない)では0時を過ぎても、終電まで有効である。
- 例1:常磐線下り・上野駅23時42分発の土浦行きの場合、0時を過ぎて最初に停車する松戸駅ではなく、電車特定区間の終端である取手駅まで有効となる。京阪神でのケースでは、山陽本線(JR神戸線)上り姫路発22時56分発の新快速野洲行きの場合、0時を過ぎて最初に停車する新大阪駅ではなく、同じく電車特定区間終端の京都駅までが有効となる。
- 例2:埼京線の川越行き最終列車に乗車した場合は、大宮駅までが有効。直通先の川越線は電車特定区間外となるため。同様のケースでは、中央快速線の大月行最終列車に乗車した場合、高尾駅までが有効だったり、京阪神の東海道本線(JR神戸線)、JR東西線からの福知山線直通の終列車では、直通先の福知山線が電車特定区間外となるため、尼崎駅までが有効となる。
- 例3:京葉線は千葉みなと - 蘇我間の末端の短区間が電車特定区間外となっているため、この区間内では終電ではなく0時までが有効となる。京阪神でのケースでは、片町線(学研都市線)の長尾 - 木津間が該当する。
乗車日の24時(翌日0時)以降終電までに、電車特定区間の駅と区間外の駅との間を乗車する場合は、電車特定区間の境界の駅と、区間外の降車駅との間の乗車券、または、本きっぷのもう1回分の使用が必要となる。
このような制度となっているため、特に夜行列車を利用する旅客にとって青春18きっぷを2回分使用したほうが得か否かは、その列車が0時を過ぎて最初に停車する駅によって左右され、例えば2007年のダイヤ改正において、下り「ムーンライトながら」の日付変更駅は横浜駅から小田原駅へと大きく移動した。
列車遅延時[編集]
過去には、災害等で普通列車が大幅に遅延しても、青春18の運用を変えないケースもあり、通常ダイヤでは有効な列車が遅延すると有効時間を外れる問題が出ていたが、現在は時刻表どおりの扱いにすると注意書きに記されている。なお、夜行普通列車の廃止によって青春18きっぷの利便性は薄れた。
特例[編集]
普通列車や快速列車しか利用できないが、特例により、特急しか列車がない石勝線の新夕張駅 - 新得駅間では特急を利用でき、加えて、乗車券のみで特急列車に乗車できる新青森駅 - 青森駅間、早岐駅 - 佐世保駅間や、宮崎駅 - 宮崎空港駅間の停車駅相互間では特急普通車自由席に限り乗車できる。なお、特例区間以外では、停車駅が連続する区間でも、特急の種別である限り、乗車券および特急券が必要である。
また、特急列車等がダイヤの乱れ等で、列車種別を変更して普通列車として運行する場合も乗車できる[注釈 5]。
一部では特急形車両が普通列車や「ホームライナー」として運転される場合や特急列車の末端区間の一部が普通や快速列車に種別変更されて運行される場合があるが、この場合は特急形車両を使用した普通・快速列車・「ホームライナー」であるため、前者は青春18きっぷのみで、後者はライナー券の別途購入で特急形車両に乗ることができる。また、これら特急形車両の一部にグリーン車が連結されていて、当該グリーン車を普通車扱いとしている場合はグリーン券は不要である。
北海道新幹線の奥津軽いまべつ - 木古内間の空席および道南いさりび鉄道については、片道1回利用できるオプション券が発売されている。2024年冬からは津軽線の部分廃止により新青森 - 奥津軽いまべつ間も追加される見込み。
(現在特例区間の両端駅に停車する列車はないが)寝台列車の場合は、特例自体が適用されない。乗車した全区間の乗車券と特急券および寝台券が必要になる。
東北本線の八戸 - 青森間が青い森鉄道になったため、八戸・野辺地でしかJR線に接続しない八戸線と大湊線は孤立してしまったため、普通・快速列車に乗車して通過利用する場合に限り、八戸 - 青森間の通過特例(八戸・野辺地・青森の各駅で乗降できる[2])が新設された[注釈 6]。第三セクターで通過特例が認められるのは、これが初である。
- 特例が適用される例
- 青森から大湊まで快速「しもきた」に乗車。
- 青森から野辺地まで普通列車に乗車。野辺地で途中下車し、野辺地から八戸まで普通列車に乗車。
- 野辺地から八戸まで普通列車に乗車、そのまま八戸駅で久慈行き普通列車に乗り換え。
- 青森駅、野辺地駅、八戸駅での下車・乗換のため特例を満たし、本きっぷで乗車できる。以上は逆経路でも適用される。
- 特例が適用されない例
- 青森から浅虫温泉まで乗車し、同駅で下車。浅虫温泉から八戸まで乗車。
- 青森駅、野辺地駅、八戸駅以外での乗降のため、本きっぷは使用できない。青森 - 浅虫温泉間および浅虫温泉 - 八戸間の青い森鉄道の運賃が必要となる。
- 青森から三戸まで普通列車に乗車。
- 青森駅、野辺地駅、八戸駅以外での乗降のため、本きっぷは使用できない。青森 - 三戸間(乗車全区間)の青い森鉄道の運賃が必要となる。
北陸新幹線の平行在来線の第三セクターの一部にも特例が設けられている。あいの風とやま鉄道線の高岡 - 富山駅間、IRいしかわ鉄道線の金沢駅 - 津幡駅間を利用できる。高岡・富山・津幡駅で乗降できる。
- 特例が適用される例
- 城端駅から富山まで、直通の普通列車に乗車。
- 富山から高岡まで普通列車に乗車、そのまま高岡駅で氷見駅行き普通列車に乗り換え。
- 高岡から富山まで普通列車に乗車、そのまま富山駅で猪谷駅行き普通列車に乗り換え。
- 高岡駅、富山駅での下車・乗換のため特例を満たし、本きっぷで乗車できる。以上は逆経路でも適用される。
- 七尾駅から津幡駅まで乗車し、富山駅まで乗車して高山本線の普通列車に乗車。
- 七尾駅から津幡駅まで普通列車に乗車し、富山行き普通列車に乗り換えた上で、富山駅で下車。
- 津幡駅での下車・乗換のため特例を満たし、本きっぷで乗車できる。以上は逆経路でも適用される。
- 特例が適用されない例
- 富山から小杉まで乗車し、同駅で下車。小杉から高岡まで乗車。
- 高岡駅、富山駅以外での乗降のため、本きっぷは使用できない。富山 - 小杉間および小杉 - 高岡間のあいの風とやま鉄道の運賃が必要となる。
- 富山から石動まで普通列車に乗車。
- 高岡駅、富山駅以外での乗降のため、本きっぷは使用できない。富山 - 石動間(乗車全区間)のあいの風とやま鉄道の運賃が必要となる。
- 七尾駅から金沢駅まで乗車し、同駅で下車。金沢駅から津幡駅まで乗車。
- 津幡駅以外での乗降のため、本きっぷは使用できない。津幡駅 - 金沢駅間のIRいしかわ鉄道の往復運賃が必要となる。
- 津幡駅から倶利伽羅駅まで普通列車に乗車。
- 津幡駅以外での乗降のため、本きっぷは使用できない。津幡駅 - 倶利伽羅駅間(乗車全区間)のIRいしかわ鉄道の運賃が必要となる。
長期間にわたって特定の路線が運休の際、並行する新幹線による振替輸送場合には自由席のみ特例が適用される場合がある。但しこの特例は路線の運休以前に購入した切符に対してのみ適用される。
過去のJR北海道関連の特例[編集]
過去に、JR北海道関連で以下の特例が存在した。
- 夜行快速ミッドナイトは、通常期は全車指定席で札幌発、函館発ともに23時30分発6時30分着の無停車だったが、多客期は自由席を連結して途中駅に停車する変則的なダイヤだった。そのため、ミッドナイトで、終着駅まで前日の日付で乗車可能な特例があった。これは、時刻表や駅配布ちらし、ポスターには載っていなかった。
- 快速「海峡」廃止代替で、津軽海峡線の蟹田 - 木古内間で特急自由席に料金不要で乗車できる特例が、北海道新幹線開業まであった。
- 夜行急行かつJRの最後の定期急行だったはまなすでは、普通車自由席のみ乗車特例があった。普通車指定席(ドリームカー含む)では乗車した全区間の乗車券・急行券・座席指定券が必要で、のびのびカーペットカーの場合も、全区間の乗車券・急行券・座席指定券が必要だった。寝台車に乗車した場合は乗車した全区間の乗車券・急行券・寝台券が必要だった。ちなみに、青春18切符とルールがよく似ている、北海道&東日本パスでは、「北海道&東日本パス」の有効範囲で運行の急行は、最後は「はまなす」だけであったが、急行券+各種席券を購入することで、どの区間でも急行に乗車可能である。(例 寝台車に乗車したいときは、北海道&東日本パス+急行券+寝台券)。
おすすめ電車[編集]
- 130km/h運転される区間もあり、とにかく早い。転換クロスシートの車両が使われるので乗り心地もいい。席を確保することが最重要課題である。
青春18きっぷの利点と問題点[編集]
利点[編集]
「青春18きっぷ」は当初想定していた学生、生徒だけでなく、時間に束縛されないリタイア世代などにも受け入れられ人気がある[注釈 7]。外国人留学生などにも愛用者が多い。また、優等列車で高速移動する旅でないため、普段下車する旅客の少ない駅の利用が増えたり、駅弁や地方の特産物などの売上が増加したりすることなども見込まれる。一定の制限があるとはいえ、安い値段で自由に旅行できるメリットは大きい。
問題点[編集]
普通列車の本数が極端に少ない区間[編集]
- 現在のところ、青春18きっぷでの特急列車の例外乗車は普通列車が全く運転されていない区間や青春18オフシーズンに乗車券のみで利用できる区間に限られており、普通僅少区間であっても、北海道新幹線の青函トンネル区間のようなオプション券発行はされていない。
- 上記の区間以外でも、以下のように、特急列車は比較的多くの本数が確保されている反面、普通列車は本数が極端に少なかったり、接続が配慮されていない区間が存在する。
通用期間中の混雑区間[編集]
輸送力に余裕のない運行形態の(短編成の)路線では、「青春18きっぷ」による旅客の乗車で混雑がさらに増す場合がある。
- 都市間の幹線在来線(東海道本線・山陽本線・東北本線・奥羽本線など)では多数の「青春18きっぷ」利用者が集中するが、これらの路線で少本数・短編成の区間としては青森~秋田間・小牛田~一ノ関~盛岡間・熱海~豊橋間・大垣~米原間・網干~相生~瀬戸〜岡山間などが挙げられる。
- 上記の区間に加え、普段から混雑が慢性化している東海道本線の京阪神間新快速などにおいても混雑が激しくなる場合や時間帯がある。
- 中央本線の名古屋〜塩尻間では、行楽期の土休日に臨時快速「ナイスホリデー木曽路」が運行されているが、運行日が青春18の通用期間の土休日とかち合わず、上記の東海道本線混雑回避目的の長距離乗車に使いにくい難点がある。かつては、山陽本線で倉敷チボリ公園の開園に合わせて通常、岡山~福山間を運行する快速「サンライナー」を延長する形で姫路~岡山(~福山)間で臨時快速「チボリ号」が運行されていたケースなどもあったことから前述の混雑の問題と合わせ、このような臨時列車の運行復活や日数拡大を望む声も少なからずある。
東京・大阪の電車特定区間以外の深夜の有効時間について[編集]
青春18設定当初は、東京・京阪神圏の国電区間(現在の電車特定区間)にほぼ限られた午前0時以降の長距離夜行普通列車以外の普通列車の運行が、全国各地に拡大し、電車特定区間外でも高崎駅、小金井駅、豊橋駅、姫路駅、岩国駅、高松駅のように普通・快速列車の最終到着が午前0時45分を超えるケースも珍しくなくなった。そこで、青春18が利用できた唯一の夜行列車のムーンライトながらの発売期間中の運行が終了した現状を考慮すると、電車特定区間とそうでない区間の有効時間の格差を解消するように運用を改正するのが望ましいと思われる。格差解消の方法としては、現状の「24時 - 0時」の日付変更線を、列車設定の実態に合わせて「26時 - 2時」に変更するか、もしくは列車遅延にも対応できるように「27時 - 3時」もしくは「28時 - 4時」に変更といった方法が考えられる。
他社線直通列車について[編集]
- JRから第三セクター会社に引き継がれた鉄道路線、JR線から直通運転を行っている他社線やJR線と改札を共用している鉄道会社では、別会社では使えないことを認識していない「青春18きっぷ」利用者とのトラブルが多いほか、車内改札がないのをいいことにそのまま乗り続ける、故意に不正乗車を計画する悪質なケースも後を絶たない。IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道盛岡~目時~八戸間での誤乗、快速みえにおける乗車トラブルが典型的である。そのため、該当する第三セクター鉄道会社では「青春18きっぷ」利用者に対して、正規運賃を支払うように呼びかけている。(伊勢鉄道、青い森鉄道、北越急行)
- また、整備新幹線が開業して、過去に青春18が利用可能だった、経営体が第三セクター会社に変わった並行在来線もある(しなの鉄道、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道、肥薩おれんじ鉄道・あいの風とやま鉄道等)。なお、一部の第三セクター会社には青春18きっぷを呈示することで購入できる特別な割引切符がある。(後述)
有効期間[編集]
- 春、夏、冬の3シーズン発売が不変である一方、社会人が連休を取りやすいゴールデンウィークは、発売初年の1982年のみ有効期間内だったが、以降はGW期間中は設定されていない。
- 主ターゲットは大学生だったが、当の大学生の夏休みが、文部科学省の「大学の講義回数の厳格化」通達以降、多くの大学で8月初め(7月末)から9月中旬にシフトし、青春18の夏季の有効期間と大学生の長期夏季休暇期間が完全ミスマッチする現象が生じている。
関連するきっぷ[編集]
JR全線[編集]
- 鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ
- 青春18きっぷの発売がない秋季(鉄道の日前後)に発売される乗車券。発行額はおとな9,180円(こども4,590円)、3回(人)分利用可能。効力等は青春18きっぷと同様。1996年から発売されている。
JR北海道関連[編集]
- 一日散歩きっぷ(道央圏用)・道北一日散歩きっぷ
- それぞれ北海道内の限られた範囲内になるが、普通列車・快速列車の自由席に一日乗り放題など、内容は青春18きっぷに準じている。それでも、道央圏用は室蘭・新千歳空港・様似・滝川・富良野・美瑛・新得-長万部、道北も美唄・上川・新得-天塩中川など、かなり広い範囲をカバーしている。発売額はどちらも1枚2,200円(こども1,100円)。1枚単位で発売されているため気軽に利用できるが、当日購入に限られ、前売りは行わない。発売日は通常、土曜・日曜・祝日のみだが、学休日や連休期間などは毎日発売する。発売場所は道央圏用が札幌近郊の駅(一部を除く)・ツインクルプラザ・JR北海道プラザ、道北は旭川駅・ツインクルプラザ旭川支店・深川駅・永山駅に限られる。かつては、「道南一日散歩きっぷ」、「道東一日散歩きっぷ」も設定されていた。
JR東日本関連[編集]
- 北海道・東日本
- 北海道&東日本パス(普通列車限定)
- JRのエリアが東日本と北海道に限定されるものの、青春18きっぷでは利用できない第三セクター線であるIGRいわて銀河鉄道線(盛岡-目時)、青い森鉄道線(目時-八戸)、北越急行ほくほく線(六日町-犀潟)、富士急行線(大月-河口湖)の普通・快速列車も乗車可能となる。ただし、有効期間は利用開始日から連続した5日間で、1枚の切符を複数人で利用したり、残った日数分を後日利用することはできない。利用可能期間が青春18きっぷより若干前後に長かったが、2009年春シーズンは発売・利用可能期間が青春18きっぷと全く同じになった。同年夏シーズンは青春18きっぷより長くなっている。その他の規定は、ほぼ青春18きっぷに準じている。2002年冬シーズンより、夏休みや冬休みシーズンを主体に発売されている。1枚10,000円。なお併用することで、北海道新幹線の新青森〜新函館北斗間および特急列車を1日利用できる「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券(大人6110円)」も発売している。
- かつては、夜行急行「はまなす」(青森-札幌)の普通車自由席に乗れた他、青森-函館間内相互発着の場合に限り、別途自由席特急券を購入することで、特急列車「スーパー白鳥・白鳥」の普通車自由席にも乗車できた。
- 東北
- 小さな旅ホリデー・パス
- 後述のホリデー・パスの東北版で、あおもり・いわて・南東北と、それぞれ、異なるフリーエリアで発売する。東北新幹線には通用しないが、在来線の特急(いわてフリーエリアの秋田新幹線盛岡~雫石間と南東北フリーエリアの山形新幹線福島~新庄間も含む)・急行列車は特急券・急行券を追加購入することで利用できる(運賃有効となる)。
- 東北ローカル線パス(普通列車限定)
- 東北地方のJR東日本の各線の普通列車と東北地方の津軽鉄道、仙台空港鉄道線及び仙台市営地下鉄を除くすべての私鉄・第3セクター路線の普通列車で利用可能。利用日は連続する3日間となる。(詳細な利用可能日は当該項目を参照)1枚の値段は6,000円。
- 東日本
- ホリデー・パス
- 土日祝日、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始の1日に、東京から東京都内・平塚・大月・熊谷・小山・土浦・木更津といった東京近郊区間および東京モノレール、東京臨海高速鉄道の全線が乗り放題となる乗車券。特急券(新幹線含む)・急行券・グリーン券を追加購入することで利用ができる(運賃のみ有効となる)。1枚2,300円(こども1,150円)。1992年から2001年までは、「ホリデー・パス」のエリアを東京駅から約150キロ圏内に拡大した「スーパーホリデー・パス」が発売されていた。
- ツーデー・パス/ツーデーパス
- 1995年-2001年と、2009年夏期・2010年春期に発売された、「スーパーホリデー・パス」と同じエリアで2日間有効の乗車券。2009年以降の「ツーデーパス」は、有効区間が過去の「ツーデー・パス」よりも拡大された。エリアは限定されているが、学生および大人の休日倶楽部会員、小児の1日分の価格は青春18きっぷよりも安く、特急券を別途購入すれば特急や新幹線にも乗車可能であり、私鉄・第三セクターなどの一部路線が有効区間に含まれていることも特徴の一つである。
JR東海関連[編集]
- 青空フリーパス
- 土日祝日、年末年始の1日に、名古屋から愛知県内・米原・飯田・木曽平沢・下呂・亀山・鳥羽・紀伊長島といった近郊にかけての区間および伊勢鉄道全線が乗り放題となる乗車券。以前は青空フリーパスとエリアを拡大した青空ワイドフリーパスという2種類があったが2006年3月に青空ワイドフリーパスよりも更に広いエリアとなって1種類に統一された。新幹線および寝台列車には通用しないが、青春18きっぷと異なり在来線の特急・急行列車は特急券・急行券を追加購入することで利用できる(運賃有効となる)。1枚2,500円(こども1,250円)。
- 休日乗り放題きっぷ
- 青空フリーパスの静岡地区バージョン。豊橋駅以東の静岡地区(飯田線の静岡県内および伊東線を除く)、身延線の山梨県内、御殿場線の神奈川県内の列車が乗り放題となる。青空フリーパスと条件は同じで、新幹線・寝台は対象外だが、在来線の特急・急行列車は特急券・急行券を追加購入することで利用できる。1枚2,600円(こども1,300円)。国府津駅、甲府駅はフリー区間に含まれるが、切符の販売は無いので注意。
小田急新松田駅に近接する松田駅南口で販売されており、小田急の急行と併用することで、青春18シーズンオフでも首都圏から東海地方へ安価な旅行ができる。
JR西日本関連[編集]
- 西日本
- JR西日本乗り放題きっぷ
- 毎年、年末年始に1月1日のみの有効のものと、12月31日から2日間有効のものが発売され、これらはそれぞれで普通車指定席用とグリーン車用があり、のぞみ号を含む新幹線・特急・急行も利用できる。2006年も12月30日まで発売する。また、鉄道の日記念として10月初旬から下旬にかけての一日だけ、JR西日本管内の普通列車・快速列車の自由席のみ利用できるものが発売されている。特に、鉄道の日記念で発売される分については、数量限定の常備券で発券され「おまけ」が付加され、その内容は毎年変わる。このため、早々と売り切れる駅もあった。2005年以降はマルスで発券され、数量非限定となり、発売期間中はいつでも買える様になった代わりに、鉄道の日記念の「おまけ」は廃止された。2006年からは通用期間が鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷと同一になり、利便性が損なわれた。
- 関西おでかけパス
- 2008年6月まで発売されていた、京阪神地区の乗り放題きっぷであるが、現在は発売中止となっている。主にアーバンネットワークのJR路線(ただしアーバン路線でも京阪神地区のみで西明石駅以西、草津駅以東は利用不可)が対象で、土日祝日の1日に普通列車に限り有効であった。ただし乗車日の3日前までに購入する必要があった。以前は京阪神おでかけパスという名称で、乗車日の7日前までに購入する必要があった。新幹線は利用できないが、特急・急行には特急券・急行券を購入することで利用できた。1枚2,000円(こども1,000円)。なお、同パスの夏休みバージョンである関西夏休みパスは、2008年の利用期間は8月8日から24日の16日間で、特急が利用できないが関西おでかけパスよりもエリアがかなり広く、平日も利用可能であった。値段は同様に1枚2,000円(こども1,000円)。2009年は夏や秋の行楽シーズンに京阪電鉄や南海電鉄と連携してJR西日本に加え同電鉄の一部区間が周遊区間となる乗車券が発売されている。
JR四国関連[編集]
- 四国再発見きっぷ
- 当該乗車券を発行した日から3か月以内の金・土・日、祝日、振替休日、12月31日及び1月2日・3日に、JR四国管内(児島-宇多津を除く)を5日(回)分利用できる。その他の効力等は青春18きっぷとほぼ同様であるが、普通列車のグリーン車にはグリーン券を購入すれば乗車可能であった。この乗車券では土佐くろしお鉄道の窪川-若井およびJR四国バスの大栃線および松山高知急行線(松山-落出間)の乗車も認められていた。発行額は5,500円で、通年発売されていたが、2009年3月31日をもって発売を終了した。
- 四国再発見早トクきっぷ
- 当該乗車券を発行した日の翌日以降1か月以内の土日・祝日・振替休日・国民の休日(購入時に日付を指定)に、JR四国管内全線の普通列車と土佐くろしお鉄道の窪川-若井間、およびJR四国バスの大栃線・松山高知急行線を1日利用できる。発売額は2,000円(こども1,000円)。四国再発見きっぷに代わって、2009年4月4日有効分より発売を開始した。四国再発見きっぷを1日単位に分割し、除外されていた瀬戸大橋の区間を含めた点が違いであるが、利用当日の購入や購入後に有効開始日を選ぶことはできなくなった。四国再発見きっぷではグリーン券の購入のみで利用可能であった普通列車のグリーン車についても利用対象からはずされ、青春18きっぷと同等の扱いになっている。一日あたりの単価で比較すると四国再発見きっぷより900円高くなっている。
JR九州関連[編集]
第三セクター鉄道[編集]
- 長野 - 日本海ひすいラインフリーきっぷ(しなの鉄道)[3]、トキてつ・北しなのフリーきっぷ(えちごトキめき鉄道)- 大人2,000円、小児1,000円。利用可能期間は2015年7月18日 - 9月1日で2日間有効。2015年7月11日から8月31日まで発売。北しなの線・妙高はねうまライン・日本海ひすいラインの全線(長野駅 - 直江津駅 - 市振駅間)の乗降が自由となる。別途自由席特急券を購入すれば特急列車の自由席に乗車可能。
- あいの風・IR1日フリーきっぷ(あいの風とやま鉄道)[4]、IR・あいの風1日フリーきっぷ(IRいしかわ鉄道)[5][6]- 大人2,000円、小児1,000円。利用可能期間は土曜・日曜・祝日および8月10日 - 8月16日・12月23日 - 1月3日で1日間有効。利用日の1ヶ月前から前日まで発売。石川県・富山県内区間(金沢駅 - 越中宮崎駅間)の乗降が自由となる。別途自由席特急券を購入すれば特急列車の自由席に、ライナー券を購入すれば「あいの風ライナー」に乗車可能。
- 三鉄1日とく割フリーパス(三陸鉄道) - 青春18きっぷまたは北海道&東日本パスを呈示すると、片道運賃の半額程度で指定区間の乗降が自由となる企画乗車券を、北リアス線用・南リアス線用としてそれぞれ発売している。なお、2011年春季途中からは東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による津波被害により多くの区間で不通(連絡するJR線も同様)となったため、発売を見合わせている。また、三陸鉄道は2014年4月6日に全線運転再開したが、本きっぷの発売再開については未定である。三陸鉄道ホームページには、線内完結の1日乗車券については記載はあるが、該当きっぷの記載はまだ無い。
- 智頭線1日フリーきっぷ
- 智頭急行線に1日乗車可能。大人1,200円、小児600円。通常は土日祝のみ有効だが、青春18期間中は平日も利用できる。
- 運転士からの車内購入も可能で、追加料金を払えば特急自由席への乗車も可能。
航路[編集]
- 青春18大応援キャンペーン(関釜フェリー)
関連項目[編集]
脚注[編集]
- 注釈
- ↑ こちらには「11,850円」とあるが現在は12,050円である。
- ↑ 発売開始時は区間によって繁閑の変動が大きい長距離運行の普通列車が多く、編成入替を担当する係員も長期休暇中の短編成化による需給調整を嫌った。
- ↑ このためJRの駅だけど他社が管理している駅(例りんくうタウン駅等ではその会社の入鋏がJRの切符に押されることになる
- ↑ このような形態は東京地下鉄南北線・都営三田線の目黒駅~白金高輪駅間と同様であるが、営業的に完全に共用している南北線・三田線と異なり、こちらは後述の関西空港線のりんくうタウン〜関西空港間と同様に完全に分離されている。また同じ井原鉄道でも福塩線の福山~神辺間に乗り入れる列車は「JR線に乗り入れる他社線列車」の扱いのため乗車可能。
- ↑ 臨時特急列車や、普通列車とされた列車のグリーン車は普通車扱いになっていない限り、乗車できない。
- ↑ この特例は、大湊線の利用の便を図る為ではあるが、野辺地で途中下車をせず、青森 - 八戸間を通過利用する場合においても、八戸線の利用の便を図るためこの特例を適用している。
- ↑ 他方、女性グループをターゲットにしたナイスミディパスは短期間で廃れた。
- 出典
- ↑ 鹿島神宮から鹿島サッカースタジアムまでがJR路線
- ↑ よくあるご質問 - 青い森鉄道
- ↑ “長野 - 日本海ひすいラインフリーきっぷ”. しなの鉄道 (2015年7月24日). 2015年8月5日確認。
- ↑ “企画きっぷ”. あいの風とやま鉄道 (2015年7月24日). 2015年8月5日確認。
- ↑ “企画乗車券の詳細について”. IRいしかわ鉄道 (2015年7月24日). 2015年8月5日確認。
- ↑ “「IR・あいの風1日フリーきっぷ」の発売について”. IRいしかわ鉄道 (2015年7月24日). 2015年8月5日確認。
- ↑ 青春18大応援キャンペーン 2024年2月12日閲覧