準急

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準急(じゅんきゅう)とは、日本鉄道、バスの種別である。

概要[編集]

現在は主に大手私鉄で運転しており、各駅停車より停車駅が少なく、急行より停車駅が多い列車種別として設定している会社がほとんどである。
1968年9月30日まで日本国有鉄道でも運転していた。
「準急行」を略したのが由来で、現在も準急行が正式種別の事業者がある。

派生種別[編集]

日本国有鉄道[編集]

戦前も準急という列車種別はあったが、準急料金は不要で現在の快速列車と同じものであった。
戦後設定された準急列車は準急行料金を徴収する列車となった。料金は距離にかかわらず一定であった。専用の車両は用意されず、食堂車の連結をされることもほとんどなく、三等車中心の編成であった。しかし、国鉄モハ80系電車国鉄キハ55系気動車の登場により、急行列車よりも速度が速く、快適な室内設備により、準急列車は中距離の高速列車として増発を重ねた。国鉄153系電車国鉄157系電車といった車両が準急行列車専用の車両の最後となった。
以後は急行列車の増発が中心となり、1966年には片道運行距離100km未満の列車のみとなり、残りは急行列車となって、しばらくは急行列車の中に準急前身の停車駅の多い急行があった。1968年10月1日改正(ヨン・サン・トオ)で、残った準急も全て急行列車に格上げされた。

現在運行中の大手私鉄の準急[編集]

東武鉄道[編集]

スカイツリーライン東上線で運転している。

スカイツリーライン

新越谷駅より都心側では急行と同じ停車駅でそれ以北は各駅に停車。
平日深夜の押上行きを除いた全ての電車が半蔵門線に直通する。
時間帯は北千住駅基準で11時台前半までと21時以降の上り、9時台までと20時台以降の下りで運転される。 スカイツリーラインは2022年のダイヤ改正で運転本数が大幅に増えた。
半蔵門線直通が開始される前は現在の区間急行に当たる停車駅で、伊勢崎駅東武宇都宮駅などへの長距離運用もあった。

東上線

終日に亘り運転される。地下鉄と直通する電車の走行区間が準急が各駅に停車する区間のため池袋駅発着の電車のみ設定されている。上板橋成増とそれ以北の全駅に停車する。

西武鉄道[編集]

池袋線系統[編集]

池袋線西武有楽町線で運転するが、野球・イベント時は狭山線でも運転される。運行時間帯はほぼ終日。

石神井公園駅以西で各駅停車となるため、ひばりヶ丘以西各停の快速との差異は各停区間の長短のみ。

余談だが有楽町線副都心線に直通する準急は中村橋駅富士見台駅練馬高野台駅の3駅しか通過しない。

新宿線系統[編集]

新宿線拝島線で運転。

新宿線は上石神井駅から各駅停車となる。 拝島線内は各駅に停車。

運行時間帯は朝晩のみで、急行との違いは上石神井~田無間の途中駅停車のみ。

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東急電鉄[編集]

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田園都市線のみで設定。

二子玉川駅以東と長津田駅以西で各駅に停車し、二子玉川駅から長津田駅までは急行と同じ停車駅に停車する。そのため、関東の準急では珍しく都心側が各駅停車であり、準急の設定で、急行が走っていた頃に行われていた桜新町駅での待避が行われなくなって、二子玉川駅から渋谷へは朝ラッシュに各駅停車でも先着になり混雑が緩和した。

大井町線緑各停も類似の性格の種別である。

小田急電鉄[編集]

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現在は代々木上原駅伊勢原駅で運転され、速達運転区間は登戸以東である。全ての電車が千代田線に直通する。ダイヤが乱れて千代田線との直通が中止されると代々木上原駅以東で急行に種別変更して新宿行きになる。

代々木上原駅~登戸駅間の複々線区間では急行線にホームがない千歳船橋駅祖師ヶ谷大蔵駅狛江駅に停車するため優等列車だが緩行線を走行する。
運行時間帯は朝晩だけで、本厚木駅発着を中心に伊勢原駅発着の列車もある。

複々線完成後、平日朝を除いた全時間帯運行となり、日中は成城学園前駅または向ヶ丘遊園駅発着が中心の運転となったが、2022年のダイヤ改正で日中の向ヶ丘遊園・成城学園前発着の準急は急行に変更され、日中の運転が再び消滅した。

名古屋鉄道[編集]

豊橋駅伊奈駅間を除いた名古屋本線犬山線常滑・空港線河和線豊川線瀬戸線での運行。

国府宮名鉄岐阜間、名鉄名古屋岩倉間、太田川中部国際空港間は急行停車駅と同じで、犬山線は岩倉以北、瀬戸線は小幡以東が各駅停車のため区間急行色が強い。

名古屋本線須ヶ口豊明間では佐屋・須ヶ口[注 1]~豊明間の準急が、犬山線、常滑線、空港線では新鵜沼[注 2]~中部国際空港間の準急が日中のパターンダイヤに含まれてるためレア度が低い一方、名古屋本線名鉄一宮須ヶ口間および豊明東岡崎間、国府~伊奈駅間では朝もしくは夜にわずかしか運転されず、名鉄岐阜〜名鉄一宮間は名鉄岐阜発、河和線は河和行きしかないためレア度が高い。

早朝に準急豊橋行が存在するが、それらの列車が東岡崎駅以東で急行に種別変更するように、知立駅に発着する準急は、夜間の東岡崎行を除き、全て新安城もしく東岡崎以東で種別変更をする。

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近畿日本鉄道[編集]

名古屋、大阪、奈良、京都、南大阪の各線で設定。大阪、奈良両線には区間準急も設定されている。

名古屋線[編集]

名古屋線では名古屋 - 四日市間および名古屋 - 富吉間に設定があり、いずれも停車駅は蟹江以西の各駅である。前者は最大5両、後者は最大6両で運転されるが、日中は四日市駅で普通列車への種別変更(運用上は別)を行うことが多いためすべて2両または3両で運転され、急行より遅い速達というより、三重県内各駅の短距離輸送を担う普通列車の補完的な役割を果たす。

大阪線[編集]

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大阪上本町 - 名張間で設定される。速達区間は河内国分以西。日中は大和朝倉以西の設定で、速達区間が近鉄八尾以西に短縮する区間準急が運転される。

南大阪線[編集]

大阪阿部野橋 - 橿原神宮前を中心に設定される。速達区間は藤井寺以西で、線内の主力列車である。

阪急電鉄[編集]

箕面線、甲陽線以外の各線で運転されている。

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京都線・千里南線[編集]

終日に亘り運転していて高槻市駅までは通過運転を行い、高槻市駅から京都河原町駅までは各駅に停車し各駅停車の役割を担う。

また、一部列車にOsaka Metro堺筋線に乗り入れて天下茶屋駅まで乗り入れる運用も存在。この列車は千里線の柴島駅を通過する。

今津北・神戸線[編集]

平日朝通勤時に梅田方面のみ、通称今津北線からの直通列車として運転される。構内配置の都合から分岐駅の西宮北口駅は通過するため、ある意味通勤特急より上位の種別である。

宝塚線[編集]

平日朝通勤時に梅田方面のみ運転される。急行停車駅に加え、岡町・曽根にも停車し、この2駅から大阪への速達輸送を担っている。

京阪電鉄[編集]

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南海電鉄[編集]

南海線
平日朝に難波行2本のみ運転。堺以南は各停、堺以北は急行・特急と同じ停車駅になる。
高野線
泉北線乗り入れは終日運転。千代田方面は平日朝、夜間に運転。堺東以南は各停。

神戸電鉄[編集]

日中運行する唯一の優等列車。通過する駅は丸山と鵯越のみで、鈴蘭台以北は各駅に停車する。本数は毎時2本と多い。

過去[編集]

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津軽鉄道[編集]

現在も存在の通過駅のある列車が過去準急だった。

東武鉄道[編集]

伊勢崎線は太田まで通過駅のある「準急A(A準急とも)」と、東武動物公園まで通過駅のある「準急B(B準急とも)」が存在した。 準急A、準急Bと路線図では区別されていたが、駅や電車内の案内、方向幕は単に「準急」。 準急Aの停車駅は東武動物公園まで区間急行と同じ、東武動物公園からは久喜加須羽生館林足利市、太田と太田から各駅。準急Bは区間急行と同じだった。準急Aは2003年3月のダイヤ改正で廃止。準急Bは2006年3月のダイヤ改正で区間急行に名前を変え消滅した。

小田急電鉄[編集]

複々線完成前は小田原線新宿駅~代々木上原駅および伊勢原駅~新松田駅多摩線でも朝晩の一部で運転していて千歳船橋駅、祖師ヶ谷大蔵駅、狛江駅には停車していなかった。
昭和中期には準急の格上げで上位種別の快速準急が設定されたが、1972年のダイヤ改正で急行にさらに格上げされ廃止された。

北陸鉄道石川線[編集]

日中の本数の大半は準急電車で、各駅停車は実質同社のバスが代行した。

福井鉄道福武線[編集]

2004年まで通勤時に準急が運行されていた。

名古屋鉄道[編集]

西尾線
2008年、南桜井駅新設時に設定されたが、2019年に準急と急行の唯一の違いであった南桜井駅が急行の停車駅になり、準急と急行の停車駅が同じになったので消滅した。
知多新線
知多新線は2023年3月のワンマン化で準急の乗り入れが消滅した。
名古屋本線
藤川、男川両駅が準急停車駅になる前は、豊橋に発着する準急など、全区間で準急が運転されていた。また、本笠寺、西枇杷島、岐南、加納が標準停車駅の時期もあった。また、深夜に豊橋始発で東岡崎から準急の鳴海行があった。
豊川線
現在は各駅停車だが、過去には稲荷口駅のみ通過する線内折り返しの準急電車が設定されていた。
津島線
現在は準急と急行に停車駅の違いはないが、1990年までは現在の急行停車駅に加え、青塚駅に停車する準急が設定されていた。
犬山線
2005年から2008年までは、現在の急行と同じ停車駅で、代わりに急行が扶桑駅を通過していた。
1990年までは、現在と同じく岩倉以北各駅停車で、さらに中小田井、徳重(現:徳重・名古屋芸大)の両駅が標準停車駅だった。
常滑線
聚楽園は過去は標準停車駅ではなく、大江、大同町、柴田の各駅が標準停車駅の時期があった。

近畿日本鉄道[編集]

名古屋線

富吉以西の名古屋線内も通過駅が存在した。

志摩線

改軌前に線内運行の準急・急行列車が存在した。

京阪電鉄京津線[編集]

御陵駅以西の併用軌道が存在した時期、併用軌道区間を通過する高床車の準急が運行されていた。

阪神電鉄本線[編集]

ほとんどの駅に停車、一部駅のみ通過とした列車として存在。赤胴車が、高加速の青胴車を用いた普通電車と同じ表定速度で走るために設定されていた。

南海電鉄南海本線[編集]

現在の区間急行が過去に準急で、赤準急の通称だった。

高松琴平電気鉄道[編集]

琴平線で準急が運行されていた。

関連項目[編集]

[編集]

  1. 上りは須ヶ口駅で系統分割、下り佐屋行きは津島線内は普通列車として運転。
  2. 2024年3月15日まで新可児発着で、広見線線内は普通列車だった。