不遇の鉄道車両

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不遇の鉄道車両とは、同じ鉄道会社や路線の中でも他の車両より冷遇されたり、鉄道愛好者が期待するような活躍ができなかった車両のことを指す。いわゆる不遇ポケモンの鉄道版と言ってよい。

概要[編集]

鉄道車両によっては思った通りの使われ方をされないものも存在し、他より早く廃車解体される例も少なくない。若干短命車両ニートレインの項目と被るが、今回は「短命車両の項目の条件から外されるもの」で、かつ「他の鉄道車両より冷遇されたパターン」のみを取り上げる。

一例[編集]

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全廃済[編集]

東日本[編集]

国鉄EF62形電気機関車(1962年登場/1999年全廃)
信越本線碓氷峠を通過できる機関車として開発された。しかし、信越本線の貨物列車・客車列車が大幅に減らされたこと、軌道に悪影響がでる台車を採用したことが災いし、1980年代にはほとんどが無職となってしまった。そんな中、1984年に下関機関区に多くが転属、東海道本線山陽本線荷物列車の牽引機に転用され多くの鉄道ファンに衝撃を与えた・・・と思いきや、このわずか3年弱後に荷物列車が廃止されたためこれらのEF62は全て廃車されてしまった。その後も活躍の場は減り続け、21世紀を迎えることはなかった。
国鉄103系電車最終増備車 (1984年1月登場/2002年6月廃車)
山手線の増発用編成に組み込むために、モハ103-792と793, およびモハ102-2049と2050の4両が103系の最終増備車として落成したが、JR化後ほどなくして205系に代替され京浜東北線に転属し、1992年には901系・209系に代替され4両とも豊田車両センターに転属した。しかし、1999年頃より103系から発火・ボヤ騒ぎなどが起き運輸省からも勧告を受けたため、この最終増備車も容赦なく代替対象となり、より車齢の高い201系初期車に置き換えられ車齢わずか18年で4両とも廃車解体された。
小田急9000形電車 (1972年登場/2006年全廃)
地下鉄区間と地上線区間の両方に対応した機器構成により運転士や保守部門からかなり嫌われ、より高経年の5000形を差し置いて全廃された。
JR東日本209系2200番台ナハ52・54編成(1994・96年製造/2009・10年機器更新/2015年廃車)
2014年からのE233系8000番台導入により、8000番台導入完了後も予備車として残存したナハ53編成を差し置いて機器更新からわずか5 - 6年で廃車解体となった。もっとも、VVVFはケヨ34・M72編成に、SIVはハエ51 - 54編成に流用されている。
営団06系電車 (1993年登場/2015年廃車)
10連1本のみの存在であったことから保守性が悪く、16000系に置き換えられる形で一部の6000系より先行して2015年9月に廃車解体となり、07系のように東西線などへの転属が行われることはなかった。
東京都交通局7500形電車 (1962年登場/2011年全廃)
車齢自体は2007年時点で45年と7000形より若かったものの、7000形とは異なり主要機器が未更新であったことから7000形を差し置いて8800形に置き換えられて先に形式消滅した。
営団6000系電車6135F (1990年登場/2011年廃車)
6000系の最終増備車であり、更新工事の対象にも入っていたが、重大な故障を起こし、6000系で2番目に廃車解体処分となった。
東京都交通局10-000形電車8次車 (1997年12月登場/2018年2月全廃)
さらなる輸送力増強のために2本が製造され、都営新宿線のATCの関係から普通鉄道最後のチョッパ車となっていたが、電機子チョッパ制御の淘汰と10連化の推進により、VVVF化などが行われることはなく、車齢わずか20年で廃車された。それを言ったらR形はもっと短命である。
JR東日本E351系電車 (1993年登場/2018年4月全廃)
183系・189系の置き換えのために投入されたにもかかわらず、波動用として残った一部の189系を差し置いて全車が転用されずに廃車解体された。
JR東日本E257系電車0番台付属編成(2001年落成/2020年廃車)
踊り子転用のため基本編成が2000番台へ改造されたが、付属編成(2両)は片方が簡易運転台になっており転属先が見つからなかったためか廃車となった。本編成よりうんと新しい651系の「あかぎ」撤退より、しれっと廃車感が漂う車両で、まさかの「草津・四万」E257系化で今頃は早まった廃車を後悔しているだろうなと感じる。
東京都交通局10-300形電車8両固定編成 (2005年登場/2022年8月全廃)
都営新宿線では全列車の10両化を目指しており、その車両をすべて新造で賄うため、8両固定編成は車齢20年未満であるもののすべて引退している。元々は廃車された車両も追加で中間車を増結して10両編成にする予定だったが、何らかの理由により途中でストップし新車に置き換えられてしまった。
JR貨物EF510形電気機関車500番台 (2010年運行開始/2016年JR東日本より全廃 (JR貨物では現役))
老朽化が深刻な尾久EF81形の置き換え用に登場。15両が寝台特急「北斗星」「カシオペア」牽引で活躍したが、東日本大震災、運行委託貨物の全廃、寝台特急の廃止などの度重なる不幸によってほぼ全車が余剰に。結果、2016年までに全車両がJR貨物に売りとばされ、JR東日本からは(書類上)除籍廃車され、全滅した。青い彗星は短すぎる輝きを終え、地に堕ちたのである。
小田急50000形電車(VSE) (2005年登場/2022年3月定期運用終了/2023年12月完全引退予定)
箱根特急の新たなフラッグシップとして活躍したが、ダブルスキン構造の補修や、連接台車などの特殊機器の更新が極めて困難なことから、2022年3月のダイヤ改正をもってロマンスカーとしては異例の17年での定期運行終了となった。そして23年9月に第2編成が、同年12月に第1編成が完全に引退した。
また、代替車両の新造はなく、今後は70000形の2本で展望席つきロマンスカーを運行しいていく。また、このダイヤ改正では箱根特急の本数も減少する。

中部[編集]

加越能鉄道キハ15000形気動車 (1953年落成/1969年廃車)
電車化を見越して1両だけが製造されたが、重量が嵩み、故障も頻発し、車齢わずか16年で廃車された。
国鉄EF70形電気機関車(1961年登場/1985年3月完全廃車)
北陸トンネル完成に合わせて登場したが、1974年湖西線が完成すると役目の大半を失い、1978年には初期型の大量休車が発生。一部は九州に転属したが、軸重が重すぎて満足に使えず短期で撤退。1982年11月には大量の余剰が発生。1985年3月に完全に運用撤退した。撤退前に余剰になりかけた50系客車と組み合わせて制御客車でのプッシュプル運用を試験して、半端電車の419系改造を阻止することはできなかったのかと感じる。
北陸鉄道6000系電車 (1962年落成/1996年廃車)
加南線の廃止後、6010系とともに北鉄と同じ名鉄系の大井川鐵道へ譲渡されたが、1500Vへの昇圧ができないことから電装解除され、その後も豊橋鉄道など600V線区に再譲渡されず、加えてワンマン化の対象からも外されたため、6010系より早く1996年に廃車解体された。
名鉄7500系電車 (1963年登場/2005年全廃)
当初は後期車を含む全編成に特別整備を施工する予定だったが、1990年10月の特急施策の変更に伴い特別整備が打ち切られ、後期車の5編成が機器を1030系に提供したうえで1992年から1993年にかけて廃車となった。一方、特別整備が施工された前期車についても、空港線のホーム自体が低床式構造を採用していた7500系の床面高さより高く、逆段差ができてしまい、パノラマカーの中で最も早く空港線開業後の2005年8月7日までに運用を離脱し、さよなら運転も行わず翌9月までに全車両が廃車解体された。
静岡鉄道300形電車 (1966年登場/1986年福井鉄道入線/2006年全廃)
福井鉄道にて車両代替計画が浮上すると、車齢は先に登場した200形より若かったが、静鉄長沼工場特有の外板の薄さが災いして老朽化が進み、名鉄の低床車による代替対象となり、お別れイベントも開催されることなく2006年中に全廃となった。
名鉄キハ8500系気動車 (1991年登場/2001年10月名鉄撤退/2010年会津鉄道撤退)
特急「北アルプス」用車両。名鉄が中部国際空港開港[注 1]前に飛騨方面との交通経営資源を高速バスにシフトしたため、名鉄内で当初予想できなかった10年余りの短命。会津鉄道に転属したが、各停中心の低速運用で性能を持て余し、会津でも9年ほどの運用で廃車した。
のちに2両がマレーシアのサバ州立鉄道に譲渡され、臨時列車として運行されているが、ホントにセントレア開港まで堪えてくれれば、セントレアだけでなく、「しらさぎ」の富山直通廃止など、「北アルプス」が活躍できる場面が続々出てきたのにと思う
名古屋市営地下鉄3050形電車3159H (1993年登場/2019年9月廃車)
1993年に鶴舞線が6連化された際に3000形の新造は行わず、編成組替で6連化を行ったが、不足分については3050形の新造で補った。ここで3000形が2両余ったので3050形の4両と編成を組んだが、予定通りに3000形の置き換えが始まらず、N3000形の導入が進み、2019年に編成まるごと廃車となり、その後全車搬出されている。もっとも、両端4両のみ上飯田線の予備向けに転属させても良かったように思えるが実現しなかった。
名鉄5700系電車(1986年登場/2019年12月全廃)
2扉の転換クロス仕様で、最適な運用時間帯や線区が限定されることが仇となり、5300系と共に3300系・9500系に代替され、同時期の6500系に先立つ形で、機器流用すらされず全滅。地方鉄道のニーズが高い18m車なのに、車体の足回り組合わせ譲渡も無かった。
5300系に関しては、主電動機が老朽化が進んでいたと考えられる旧5000系のものであるためリストから外す。他社ならVVVF化して生かす事業者もあったと思うが

関西[編集]

水間鉄道501形電車(1990年野上入線/以降全く稼働せず)
引退後、再就職先で稼働できなかった不遇車両。水間鉄道での引退後に野上電気鉄道に譲渡されたが、譲渡後に橋梁で耐えられない重量であることが分かり廃車。解体費用は野上持ちだったため、鉄道廃業を加速化させた。もっとも、この近辺の年では、この車両以上に野上電鉄にフィットすると思われた名鉄岐阜市内線からの廃車が出ており、野上電鉄の経営陣の計画性の甘さも廃業を加速させた要因と感じる
近鉄11400系電車ク11520形 (1969年運用開始/1997年全廃)
12200系と同時期に、11400系全3連化の目的で製造されたが、11400系の淘汰時に行き場を失い廃車解体されている。
近鉄ク2591号車 (1969年落成/2001年廃車)
近鉄では通勤車を50年以上使用する傾向があるが、2410系の中でこの車両のみ下記のように単位スイッチ式制御器を備えた1480系や2470系を淘汰する際に行き場を失い廃車解体されている。
近鉄2470系電車 (1968年電動車登場/2002年全廃)
近鉄では単位スイッチ式の制御器の全数淘汰を目指していたため、この2470系も2410系と同時期の登場であるにも関わらず2002年までに全車廃車となっている。
なお、この2470系は10400系からの機器流用車ではあったが、主電動機と台車のみの流用で現役の2000系と似た経緯を辿っており、機器流用車だからというよりこの単位スイッチ式制御器の淘汰により不遇扱いとなったとみなしてよい。
近鉄2600系電車 (1970年登場/2004年全廃)
日本初の4ドアオールクロスシート車であったが、車体更新時に車内をクロスシートのままとしたためか先に登場した2410系を差し置いて全廃された。
近鉄2800系電車サ2959号車 (1973年登場/2006年廃車)
4両編成で落成した2809Fについては3両編成での運転に対応しており、実際に名古屋線転属の際に3連化され、同時に抜かれたサ2959のみ廃車解体されている。
京阪3000系電車 (初代) (1971年登場/2013年引退)
1989年の8000系登場後、先代の1900系のように一般車への格下げをされず、1990年から廃車が開始され、1995年までに9両を残して廃車解体または地方私鉄に譲渡された。
もっとも、それ以降は2階建て車の組み込みなどかなり優遇され、2008年には8000系30番台に編入となり、2013年の引退時には盛大なお別れイベントが開催された。
南海7000系電車 (1963年登場/2015年10月全廃)
高野線のオールステンレス車6000系より後に登場した鋼製電車であったが、塩害魔王と言われるくらい摩耗が激しく、8000系8300系3000系へと置き換えられる形で6000系よりも先に全車両が廃車された。しかし、この時点で6000系に廃車は1両も出ていなかった。
京阪5000系電車 (1970年登場/2021年引退)
ホームドア設置を阻害していた5ドア車で、より経年の古い2200系に先立って13000系に置き換えられる形で廃車が進行し、2021年9月の運用をもって引退。
北神急行電鉄7000系電車(1987年登場/2015~2018年更新/2023年引退)
北神時代の2015年から2018年にかけてVVVF交換などの機器更新工事が行われていたが、2019年に北神線が神戸市営地下鉄へ移管されると、機器更新からわずか数年しか経過していないにもかかわらず本形式も新型車両への置き換え対象に入ってしまい、2023年に引退した。もし北神線が移管されなかったら運命は変わっていただろう。

中国・四国[編集]

高松琴平電気鉄道10000形電車 (1952年落成/1986年廃車)
更新改造の後、使い勝手が悪くなったことから10000形登場直後に登場した1010形よりずっと早く1986年に車齢34年で廃車解体された。
広島高速交通1000系電車 (1999年登場/2020年6月廃車)
2020年3月よりアストラムラインの従来車全数代替用の7000系が運用を開始したが、1編成のみの存在であったのか、7000系以前において最も新しかったにもかかわらず、すべての6000系を差し置いて真っ先に代替対象となり、アストラムラインの廃車第1号となってしまった。

九州[編集]

熊延鉄道ヂハ200形気動車 (1953年3月登場/1964年江若入線/1969年11月廃車)
車齢は若いながらも総括制御ができない構造が仇となり、江若鉄道廃止後は第3の職場が見つからず廃車解体に至った。
長崎電気軌道2000形電車 (1980年登場/2014年運用終了)
元祖軽快電車だが、開発費の高騰により5両導入予定だったところを2両で製造が打ち切られ、更に予備部品の確保が困難になったことから2009年に1両が引退し、残る1両も2014年に営業を終えた。
国鉄715系電車 (1984年改造/1998年全廃)
国鉄末期に大量に583系から改造されたが、ラッシュ時に不向きなことや特急車時代の長距離走行により老朽化が進んでいたことからこれらより経年の高い475系457系を差し置いて1998年までに全車廃車された。
同時期には419系も改造されていたが、交直流電車の導入が遅れたことから2012年まで使用された。
西鉄8000形電車 (1989年3月登場/2017年10月全廃)
車齢は30年を割っていたが、ラッシュ時に不向きな2ドア構造と長距離走行による老朽化が災いしてより古い5000形を差し置いて全廃となった。

残存車両[編集]

東日本[編集]

小田急1000形電車の大半 (1987年登場/現役)
当初はワイドドア車を除く全車両に更新工事を施す予定であったが、8000形は全編成に対して施工されたのにもかかわらず更新費用が高くついたためか計画が変更され、8連、6連、4連の一部および10連の全車がリニューアルされた以外はすべて廃車解体に至っている。
京急新1000形1001編成(2002年登場/2017年更新/現役)
過去の事例。2017年に車体更新及び機器更新を受けたが、機器更新工事で搭載した三菱フルSiC-VVVFの関係なのかそれ以来品川 - 泉岳寺間ですら乗り入れが出来なくなっていた。特に2020年7月以降は同じ三菱フルSiC-VVVFを搭載している1177 - 1225編成の浅草線乗り入れが解禁されたにも関わらず、1001編成は京急車で唯一泉岳寺にすら入線出来ないという悲劇の編成であったが、2023年7月31日に泉岳寺へ、8月7日には浅草線へ、久々に入線できるようになった。
JR東日本E217系電車(8次車基本編成)
1999年に製造されたE217系の最終増備車。経年が浅く、状態が良かったのにも関わらず、検査期限の都合で劣化の激しい1次車を差し置き優先的に廃車解体されてしまった。現在は11編成中2編成が残存。ほぼ同時期にデビューしたE231系・209系・E127系は転属しているので尚更不遇である。

中部[編集]

名鉄モ880形電車(1980年登場/現役)
2005年の岐阜地区の600V区間廃止に伴い、福井鉄道に転属。新岐阜乗り入れのために複電圧車だったが、移籍先の福井鉄道は単電圧で、LRV低床車のF2000形の投入と40年以上の経年で、飼い殺し状態であり[注 2]、2023年頃よりついに廃車が始まった。これだったら、1500V電圧の下では冷房が使えないという欠点があっても、1500V対応の複電圧が生きそうな豊橋駅の構内で渥美線と分断されている豊橋鉄道か富山地鉄などに移籍させた方が生きた使い方だったはずだが…
名鉄モ800形電車 (2代)(2000年登場/現役)
登場5年で岐阜600V区間廃止の洗礼を浴びた車両。福井鉄道に2両、豊橋鉄道に1両転属し、現在は豊橋鉄道市内電車に集約されているので、福井鉄道に当初転属した2両はたらい回し転属である。この車両は前記のモ880形より経年は20年浅く、同様に複電圧車なうえ、880形と比較しても1500V下で冷房が使用可能な点で優れているが、上記のように豊鉄では飼い殺し状態である市内線乗り入れ要望のある富山地方鉄道上滝線といった路線に転属して、後述の地鉄8000形との交換で複電圧車として活かす方が生きた使い方のはず
名鉄モ770形電車 (1987年登場/現役)
上記のモ880とモ800と同様の理由で福井鉄道に譲渡されたが、ホーム高さを切り下げられたため、揖斐線で使用していたステップを使用する機会がなくなっている。
のちにえちぜん鉄道三国芦原線への直通に対応させたが、高床ホームしかない鷲塚針原駅以北に乗り入れることはなく、また、定員が少ないため、2021年現在はえちぜん鉄道との定期乗り入れの運用がない。これだったら、豊鉄で駅前 - 赤岩口間限定の運用とするか伊予鉄道に譲渡しても良いと思う。
名鉄モ780形電車 (1997年登場/現役)
上記の名鉄の路面電車3形式と同様の理由で豊橋鉄道に譲渡。しかし、せっかく設置されたステップを使用する機会はなく、更には重連で運転した場合はワンマン運転が不可能であり、豊橋鉄道にて増結は行わないことから連結器も撤去されている。この場合はホームを切り下げないまま、福井鉄道や伊予鉄道に譲渡したほうが良さそうにも思えたが、上記モ800の豊橋集結とF2000形の増備で、風向きが変わった。
愛知高速交通100形電車09編成(2005年登場/2006年引退/2022年復帰/現役)
過去の不運から脱却できた事例。万博時に急増するリニモの需要に応えるため、万博開催中という短期間のためだけに製造された車両。鉄道会社ではなく万博協会の所有となった。万博終了後の2007年にはHSST試験のため三菱重工業に売却され、実験線で余生を過ごすと思われていたが、リニモ増発のため愛知高速交通が買い戻し、2022年10月に約17年ぶりに復帰した。
313系 旧シンB0編成 (1999年登場/2023年大垣転属/現役)
2022年以降は日中ニートレインと化した他、2023年に大垣に転属した際にJ0編成に編入されたが、既に10編成存在していたことから編成番号がバラバラとなっている。これくらいなら、213系の飯田線転属の際に大垣の311系と引き換えで転属させるべきではなかったのだろうか。
富山地方鉄道8000形電車 (1993年登場/現役)
7000形非冷房車全数淘汰のために製造されたVVVF車だが、超低床車でないゆえ富山港線・富山都心線では一切使用されない。これくらいなら今からでも遅くないので、上記のモ800形と交換で豊橋鉄道へ譲渡、または新型低床車[注 3]増備で、旧式車両の一部または全数淘汰を図るべきではなかろうか。
JR西日本683系電車2000番台(2003年登場/サンダーバード用は現役)
しらさぎ用として新たに製造された683系だったが、サンダーバード・はくたか用681・683系は6両編成だったのに対し、しらさぎ用は5両編成で喫煙スペース跡のフリースペースがあるなど他の683系・681系と違う点が多く使いづらかったからか、北陸新幹線開業と同時に683系よりボロいはくたか用681系に置き換えられ、たったの12年でしらさぎから撤退しJR西日本289系電車へと改造されてしまった[注 4]。サンダーバード・はくたか用と同じ6両編成で喫煙スペースがなかったら今も第一線で活躍していた可能性がある。その場合ははくたか用681系が不遇の鉄道車両としてこのページに掲載されていそうだが…
なお、2024年の北陸新幹線延伸開業の際には、0番台や4000番台もこの2000番台と同様に直流専用車への改造が行われる危険性が高い。

関西[編集]

近鉄1810系電車 (1967年登場/現役)
後述の機器流用車1000系からの編入を除いても同時期に製造された2410系などと比較すると抑速ブレーキを備えていなかったことから大阪線の代走は不可能であり、運用減になると真っ先に廃車の対象となり、1000系への編入車を含め2013年までに43両中31両が廃車解体され、1810系として残るのは6両のみとなっている。
なお、2024年以降の新車投入の際は奈良線8000系などの代替完了後、2410系とともに真っ先に代替対象となることも予想される。
南海6200系電車6連 (1974年登場/現役)
ほとんどが登場から40年を超えるが、他社とは異なり一向に本格的な車体更新工事を受ける気配がなく、特に6515F以降は全くもって未更新のままとなっている。これは京阪2600系電車30番台や、廃車進行中の阪神新5001形電車もほぼ同様である。
阪急6300系電車 (1975年登場/現役)
2ドアであったことと、特急運用での長距離走行により老朽化も進んでいたことから、より古い2300系や3300系を差し置いて置き換えが進み、嵐山線向けの4連3本と京とれいん向けの6連1本を残して全廃され、更に京とれいんの6連も2022年末に運用を終えた。特に6330Fは2009年をもって車齢25年で廃車されている。
近鉄1620系電車VG23編成、近鉄1233系電車VE34編成ほかVVVF世代の車体更新車の一部 (1990年登場/2023年更新開始/現役)
車体更新の際、LED式やLCD式の車内案内表示器どころか、ドアチャイムまであっさり一旦撤去され、車体更新とともに退化した。
1422系には撤去車が存在しない他、1233系VE33編成以降の更新では車内案内表示器もすべて交換されて出場しているが、従来の車内案内表示器がLCD式であっても、車体更新後に使用されることはない。
JR西日本283系電車 (1996年登場/現役)
381系淘汰には時期尚早レベルの登場だったのか、6連、3連各2本で増備が打ち切られ、以降は非振り子の287系の増備に移行し、本系列も振り子を使用停止された。更には2024年以降683系の玉突き転用で淘汰されるという噂もあるが、ここで、273系増備完了後、明らかな車両不足となり得る「やくも」への玉突き転用がなされるかどうかも要注目である。

山陽[編集]

広島電鉄3500形電車 (1980年登場/長期休車中)
元祖軽快電車の1形式で、上記長崎電軌2000形が全廃となってからも車籍自体は残っているが、同様に保守部品の確保ができないことから、2010年11月に故障して以降一度も営業運用に就いていない。

四国[編集]

JR四国2600系気動車 (2017年登場/現役)
「ポストTSE」の空気バネ装備車として期待されたが、土讃線で車体傾斜のための空気圧縮機容量不足が判明し、量産中止となった。技術成果を持て余さないためにも、智頭急行に貸し出して、「スーパーいなば」に試用して、成果が挙がれば智頭急行での「ポストHOT7000」として、量産したらどうだろうか?
土讃線の特急置換は振り子搭載の後継車である2700系が担うこととなり、2600系は高徳線特急「うずしお」にて細々と運用されている。

機器流用車の事例[編集]

機器流用車の場合は完全新造車よりも冷遇される傾向にある。

東日本[編集]

小田急4000形電車 (初代) (1966年登場/2005年全廃)
足回りは当初旧品流用の吊り掛け式で、2400形の発生品により高性能化された後は幅広く活躍したが、相前後して登場した2600形5000形とは異なりさよなら運転を行うことなく運用を終えひっそりと廃車された。
もっとも、こうなったのは機器流用車だからというわけではなさそうである。
東武5000系5050系5070系電車ほか (1979年登場/2007年全廃)
足回りは7800系からの流用であったことから、速度向上を阻害していたため、より高経年のものもある8000系等に置き換えられ全車が淘汰された。
なお、5000系列の登場と同時期に廃車された7300系は機器流用の対象とならなかったが、これも一度だけ更新を受けていたためである。
西武9000系(1993年登場/2021年池袋線撤退)
西武101系電車から床下機器を流用した車両。2003年からVVVF化されたが、VVVF以外の機器が古くなっていたためか界磁チョッパ制御の西武2000系電車より先に置き換えられてしまった。
横浜市営地下鉄3000S形(2005年登場)
一部の主要機器を2000形から流用しているためか先輩の3000R形と違い更新工事が見送られ、2027年頃から順次置き換えられる予定。

中部[編集]

名鉄3300系電車 (2代)(1987年登場/2003年全廃)
AL車の機器流用車であることから、車体は登場から16年しか経過していないのにもかかわらず、2003年にひっそりと名電築港に送られ、解体された。
名鉄6750系電車 (1986年登場/2011年全廃)
4000系への置き換えの際、機器流用車であることから経年のやや高い6000系や6600系を差し置いて真っ先に代替対象となり、本線にすら転属されず2011年4月に全廃された。これくらいなら、特に2次車は上記5700系から車体を載せ替えれば2020年に入っても現役だったように思える
名鉄1030系電車名鉄1380系電車名鉄1850系電車(1993年登場/2019年までに全廃)
上記7500系からの機器流用であったが故、1000系や1800系とは異なり、足回り交換などのリニューアルの対象から外れ、それぞれ2200系、3300系、3150系に代替され全廃となった。

関西[編集]

京阪700系電車 (2代) (1967年登場/1978年形式消滅)
足回りは京阪600系電車 (2代)と同様旧品流用の吊り掛け駆動であったことから、そのままでの昇圧が困難であり、先に登場した京阪2200系を差し置いて、「1000系に車体を提供する」という形で44両中42両が廃車、残る2両も600系に編入され、短命車両の項目で述べたように廃車解体に至っている。
同時期には昇圧困難だった2000系も先に登場した1900系を差し置いて廃車対象となり全車が2600系に車体と台車を提供する形で廃車されている。
近鉄18000系電車 (1965年登場/1982年9月全廃)
吊り掛け駆動方式で抑速ブレーキを備えていなかったことから11400系よりも早く廃車解体された。
近鉄1000系電車 (1972年登場/現役)
1810系と同様に抑速ブレーキを備えていなかったこと、また、付随車の台車は廃車発生品のままであったことから1810系への編入車を含め2004年までに淘汰され、その後も廃車が進行。結果1000系としては3両が残るのみとなっており、それ以外の6両は1810系からの編入車である。
阪神5131形電車阪神5331形電車 (1980年登場/2019年全廃)
5131形のうち5143と5144については5311形5313Fと編成を組んでいたことから5550系に代替されて他車より早く淘汰された。なお、これより前に5331形の5337と5338が阪神・淡路大震災で被災し廃車されている。
それ以外についても足回りが5231形からの流用で製造から55年近く経過していることや、電機子チョッパ制御の部品の劣化が進んだことから、2017年の5700系導入に伴いより高経年であった5001形を差し置いて真っ先に代替対象となり、5331形は2017年に全廃。5131形についても2019年5月までに全車両が廃車され、いずれも廃系列となった。
近鉄2680系電車 (1971年登場/2020年全廃)
大阪線の特急車10000系から機器を流用しており、試作冷房車ということもあったためか先行して登場した2410系や2430系を差し置いて2002年に2682Fが廃車解体、2001年に鮮魚列車に転用された2684Fについても2020年の鮮魚列車廃止で運用を終了し廃車された。

COVID-19流行に伴い不遇となったパターン[編集]

2020年の新型コロナウイルス感染症流行に伴い冷遇されるようになった事例も存在する。なお、リゾートみのりリゾートうみねこなどラストラン延期という形などで不遇の埋め合わせがあったものは除外する。

新幹線700系電車0番台 (1997年登場/2020年全廃)
COVID-19の流行に伴い2020年3月に予定していたラストランが中止となり、3月1日の団体臨時列車を最後に同月12日の全廃まで一切稼働しなかった。
伊豆クレイル(651系1000番台) (2016年改造/2020年廃車)
3月30日以降は、4月に予定されていた相模線の入線や6月に予定されていたラストランも含めてすべての運用が中止となり、10月にひっそりと長野総合車両センターに送られ廃車された。
JR西日本271系電車 (2020年運用開始/現役)
2020年4月以降COVID-19流行による緊急事態宣言の発令で運用開始からたったの18日で運用を離脱したが、2021年3月より一部のはるかが9両編成での運用となったため運用を再開した。

関連項目[編集]

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  1. キハ8500撤退から約3年半後の2005年2月に開港。
  2. 福井市などは、LRVを投入する方針をとったり、えちぜん鉄道の複線区間を単線化してまで福井鉄道の併用軌道区間を生かす方針なので、福武線の鉄道区間や三国芦原線の昇圧はちょっと考えにくい。
  3. T100形とは言わない。
  4. その後、元しらさぎ用のFH301・FH306編成が683系に再改造され奇跡的にサンダーバード用として北陸で再活躍することとなった。また、転用されず廃車になったのはサハ683-2509とサハ289-2510の2両のみである。


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