JR四国2600系気動車
JR四国2600系気動車(じぇいあーるしこく2600けいきどうしゃ)は、JR四国にて運用される特急型気動車の1つ。
登場の経緯[編集]
世界初の振り子式気動車とも言われた、平成初期登場の2000系は登場から30年近くを経過し老朽化が進んでおり、その代替として空気ばね式車体傾斜車両である本系列を導入することとし、2017年に量産先行車4両が製造された。
構造[編集]
車体は8600系で実績のある川崎重工業製のefACEを採用。デザインは8600系電車のものとは異なり、ネオ・ジャポニズムを現代風にアレンジしたものとされ、赤色を基調にして金色の帯を配する。
車体傾斜装置はメンテナンスの省力化を目的に8600系同様に空気ばね式の車体傾斜装置を搭載し、台車も軸梁式ボルスタレス台車のS-DT68系を履く。エンジンは1500形気動車で実績のあるコマツ製のSA6D140HE-2を1両に2基搭載。変速機は独自設計の変速2段、直結4段仕様とされた。
こうして2600-2650で編成を組む量産先行車2連2本4両がまず登場した。そして量産される…
はずだった。
量産中止と運用[編集]
いざ試験走行を行ってみると空気圧縮機の容量が不足し、土讃線の連続急カーブに対応できないことから量産先行車4両のみで増備が打ち切られ、量産に至ることはなく、2000系の置き換えは振り子式の2700系で行われた。
それでもJR北海道キハ285のように廃車にはならず、2022年現在は比較的カーブの少ない高徳線における特急うずしお4往復にて定期運用を持つ。
また、特急南風・しおかぜが多客期に増結し、宇多津駅や多度津駅にて連結作業を行わないことになった場合、高松 - 宇多津・多度津間のしまんとやいしづちの運用に使用されることもある。
今後[編集]
カーブの少ない徳島線や牟岐線を走るキハ185系の置き換えには最適と思われても、2023年現在、キハ185の代替目的での投入は予定されていない。
非電化の予讃線伊予市以南も八幡浜までなら、空気バネ車体傾斜車両が運用できると思われるが、以南は土讃線同様に路線環境が厳しいため、同じく振子車両での置換えと推察される。一方で、キハ185系の走るカーブが少ない線区では、先述のように振り子式よりこちらの方が持って来いと思われるが、標準化との兼ね合いも無視できない。
また、ちょうど4両ということもあるので、「四国まんなか千年ものがたり(両数変更が前提)」や「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」「伊予灘ものがたり(両数変更が前提)」への転用も可能なはずである[注 1]。
けれども、折角培った技術を寝かせて置くのも勿体ない。そこで、新車の導入を決めあぐねている智頭急行に貸与させて、「いなば」や「はくと」に空気バネ使用の車体傾斜方式が適用できるか試験を行わせて、上々であればそのまま譲渡し、技術継承させるのも一つのテと感じる。
近い世代の車両[編集]
- JR東海HC85系気動車 - JR東海車
- JR四国8600系電車 - 電車特急用
- JR四国1500形気動車 - 普通列車用
注[編集]
- ↑ 藍よしのがわトロッコとアンパンマントロッコはキクハ32の処遇もあるため本系列での代替は不適当と判断する。