JR東海313系電車
白いお顔の「その子さん」
313系5000番台カキY105編成。 東海道線岐阜 - 木曽川間にて | |
製造所 | 日本車輌製造 |
運用者 | 東海旅客鉄道 |
製造年 | 1999年 - 2014年 2019年(Y102編成代替) |
製造両数 | 541両(代替新造の2両含む) |
最高運転速度 | 130 km/h |
設計最高速度 | 130 km/h |
電源方式 | 直流1500V |
保安装置 | ATS-ST ATS-PT |
主電動機 | C-MT66A(1・2次車) C-MT66C(3次車から) |
制御方式 | VVVFインバータ制御(IGBT素子) |
歯車比 | 1:6.53 |
台車 | 円錐積層ゴム式ヨーダンパ付きボルスタレス台車 C-DT63A(M) C-TR251(T・3次車より) C-DT63B(M) C-TR251A(T) |
主な走行路線 | 東海道線 中央線 関西線 身延線 |
主な運用 | 普通 区間快速 快速 新快速 特別快速 |
所属車両 センター | 大垣車両区 神領車両区 静岡車両区 |
あだ名 | その子さん(もっとも、JR東海の全電車が該当) |
リンク | 車両の紹介 - JR東海 |
JR東海313系電車(ジェイアールとうかい313けいでんしゃ)とは、JR東海の在来線向け一般型電車である。
概要[編集]
JR東海は民営化以降、211系や311系などの新型車両を導入し省エネ化を図っていたが、まだまだ置き換えるべき国鉄型車両は存在した。そこでJR東海は、従来車よりもさらなる省エネ化を図るべく、1999年に本系列の設計・製造を開始。
既存車である211系と比較して27%も省エネという点[1]や、既存車の211系や311系と連結可能な汎用性を備えた点から、2014年まで15年に渡る製造が続けられ、2023年までは垂井線を除くJR東海のすべての電化在来線で見ることができた。
2021年以降、次世代通勤型車両・315系が2021年度から投入され、2020年代後半にはすべての車両が本形式ないし315系に統一される予定である。
構造[編集]
車体[編集]
従来車の311系や373系と同様、軽量ステンレス鋼製。前面は加工のしやすさや丈夫さなどの観点から、普通鋼製となっており、従来車との規格に合わせた貫通扉が設置された。また、当時新型特急であった383系や373系と同様、前照灯は4つある。車体の規格は身延線内にある極小トンネルに合わせられ、211系5600番台とほぼ同等の大きさとなっている。車体側面は、キハ75形と同様の連続窓であり、戸袋窓はない。車端部の窓のみ開閉が可能で、非常時の換気に備えている。また、床下には廃タイヤを敷き詰めており、同時期に登場した他社の車両と比較してもかなり高い静粛性を誇る。
走行機器[編集]
MT比は1:1で、編成の両数に関係なく固定されており、3両編成にはお隣の青色の鉄道会社が大好きな0.5M車を組み込んでいる。制御装置は373系のGTO素子に代わり、700系新幹線でも採用されたIGBT素子によるVVVFインバーター制御を採用。運転台は373系と同等のものが使用され、定速制御装置も完備されており、最高速度である120km/h走行の維持が可能。設計最高速度自体は130km/hを確保しており、8000番台では130km/hでの走行実績がある。
車内[編集]
車内は転換クロスシートが基本となっているが、路線によってはボックスシートやロングシートとなっている車両も存在する(後述)。座席は一部を除き、青色を基調とし少し緑がかかった模様があり、落ち着いた雰囲気を出している。側窓はそれぞれの車両のシートに合わせた大きさとなっており、UVカットガラスとなっているほか、フリーストップ式ロールカーテンを採用(8000番台のみ横引きカーテン)。また、全ての扉の上にLED式の車内案内表示器を備える。
転換クロスシート車はヘッドレストの装備はもちろん、まくら折れ機構を採用することにより、足元のスペースや快適性を失わずにシートピッチを縮め、扉付近の収容力を向上させている。ドアと座席の仕切り板には客がもたれることを考慮し、クッションが設置されている。肘掛けも通路側だけでなく窓側にも用意されている。つり革は、従来の311系と比較してシートの部分まで設置されており、ラッシュ時の混雑対策もなされている。
なお、転換クロスシート車はドア回りや車端部のみ固定となっている0番台、車端部のみをロングシートとした1000番台、ドア回りや車端部含め全席が転換可能な5000番台、有料列車向けで全員着席を前提に設計され、モケットも赤を基調とし、遮風板を大きくするなど高級感が感じられるようなデザインとなっている8000番台といった種類が存在する。
ロングシート車については、片持ち式であるため211系のような柔らかさは備えていないものの、先述の車内における静粛性に加え、座席を仕切るポールを設置し、さらに仕切り板は腕が置きやすいような形状とするなど、同時期に登場したロングシートの他社車両とくらべて快適性はかなり高くなっている。
このように、転換クロスシート車やロングシート車は様々な技術を駆使してまで、乗客に快適な移動を提供するというJR東海ならではのこだわりが表れており、完成度は非常に高い。
ボックスシート車は、緑色を基調とした配色で、ドア回りのみロングシートという国鉄近郊型車両のようなものとなっており、一部の利用者や18きっぱーから嫌われている。
使用路線[編集]
- 以上のJR東海の電化区間の大半の路線で使用されている他、乗り入れ区間のJR東日本中央本線上諏訪〜松本間・辰野支線辰野〜岡谷間で使用されている。
- かつては中央本線の中津川以南、愛知環状鉄道線でも使用されていたが、いずれも中央西線の315系への統一により前者は営業運転に入らなくなり、後者は完全撤退した。
- 今後も315系投入による玉突きにより、特に関西線、武豊線からの運用撤退が危ぶまれている。
番台[編集]
1次車から5次車までが存在。また、各線に向けて様々な改良が施されている。当ページでは上から登場した順に並べる。
1次車(前期)[編集]
旧型車(113・115・117系等)の置き換え用として1999年2月~5月に登場。後期含め1次車は全車を通して前照灯がシールドビーム、行先表示が幕という共通点が挙げられる。
1000番台[編集]
大垣の所属であり、313系のトップナンバーである。下の0番台よりも先に登場したため、クハのみ0番台という事例が発生している。
かつては神領に所属し、B1-B3編成を名乗っていたが、2023年1月から5月にかけて大垣に転属。
編成は4両編成、車内は転換クロスシートで車端部のみロングシート。B0→J0番台が付与され、4連3編成(J11-J13編成)が所属し、即存の0・1100番台(後述)と共通運用が組まれる。
1500番台[編集]
大垣の所属であり、1000番台の3連バージョンである。313系初の0.5M車を組み込んでいる。
1000番台と同様かつては神領に所属し、B101-B103編成を名乗っていたが、2022年3月に大垣に転属。編成番号はB100→J150番台。
車内は転換クロスシート、車端部はロングシートとなり、1000番台と変わらない。3編成(J151〜J153編成)が製造された。
現在では東海道線で運用しており、後述の1600・1700番台と連結することも多い。
3000番台[編集]
静岡・大垣に所属し、ローカル線を中心に運用されている。当初は静岡と神領だったが、神領車が大垣に転属し今の形となる。
車内はセミクロスシートとなり国鉄車を継承する形となった。なお、地方型のワンマン対応・2両編成となる。当初はパンタグラフが一基だったが、2006年頃に二基に増設された。
- 静岡
- 身延線向け車両として投入。編成番号はV0番台。
- 12編成(V1〜V12編成)が所属し、現在では身延線の他に御殿場線でも多く運用される。
- 神領→大垣
- 元は中央西線山間部向けとして投入されたが、大垣に転属後は飯田線を中心に運用されている。編成番号はB300→R100番台。
- 16編成(R101〜R116編成)が所属。静岡の続番となったため、3013から始まっている。送り込み・代走で213系と併結することがある。
1次車(後期)[編集]
1999年7月~9月にかけて製造。冷房吹き出し口・荷棚の化粧シートの色(8000番台除く)、乗務員扉の位置が中央寄りに変更されている。
0番台[編集]
大垣所属であり、1000番台同様車内は転換クロスシートとなる。ただし、1000番台と違い車端部はボックスシートとなった。編成番号はY0番台。
4連15本(Y1〜Y15編成)が所属する。なお、クハ312は7番以降となっている(1000・1500番台のクハに6番までを付与したため)。
300番台[編集]
大垣所属であり、0番台・のちに登場する5000番台の増結用として東海道線の普通から新快速・特別快速まで幅広く使用される。
編成番号はY30→K0番台。2連16本(Y31〜Y46編成)が所属。クハも空気圧縮機の容量の関係で300番台となる[注 1]。
過去には美濃赤坂支線、飯田線の他、東海道本線の普通列車などで2両単独運用が存在した。
2024年3月以降、静岡転出車が続出し、編成番号も上記のように改められているため、今後全16編成が静岡所属となる可能性が高い。静岡でも2重連4両または3重連6両、あるいは315系との併結6両の半固定編成を組んでおり、単独運用は組まれない。静岡転出車はホームドア対応のQRコードを撤去されている。
8000番台[編集]
神領に所属していたが、2022年3月静岡に転属した。編成番号はB200→S0番台。今でもその名残からか、B200と呼ばれることがある。
3連4編成(S1〜S4編成)が所属し、車内は転換クロスシート(車端部はセミクロスシート)。だが、セントラルライナー運用の目的で製造されたため、373系とほぼ同等のシートピッチとなっている。
指定席・自由席案内が表示されたりデッキがあったりと従来の313系とは全く違うものとなった。専用塗装が施され、セントラルライナーが廃止され静岡に転属した今でも塗装は変えられていない。
なお、静岡や代走として入線する山梨についてはドア付近で乗客が固まってしまうという傾向があるため、一部の利用客からは厄介者扱いされているようである。また、静岡地区でのホームライナーの運用は全くない。
2次車[編集]
8000番台のみのため、1次車との変わりはあまり見られない。(車外指詰め防止ゴムが1次車と比較して短くなっているなど微妙な違いは存在する)
8000番台 (2次)[編集]
こちらは1次車の8000番台となんの変わりもない。
セントラルライナーがあまりにも人気だったため増便する事となったのだが車両が足りず、2編成が追加製造された。当グループはその2編成のみとなる。
1次車と同様、神領から静岡に転属し、編成番号はB205・B206→S5・S6となり続番となった。1次車8000番台と同様の運用を行っている。
3次車[編集]
1・2次車から大きく変更され、前照灯は放電式ライト・LED、行先表示はフルカラーLEDとなった[注 2]。なお、鉄道車両の前照灯としてLEDが使用される事例は本形式の3次車が日本初となる。
また、前面の曲面ガラスの縁の太さを変更され、ワイパーの取り付け位置が少し変わったため、前面の見た目が少し変わっている。
車内では、トイレ前の座席を廃止して車椅子スペースとなった。それによりトイレ面積が拡大され、自動ドアがついたため、車いすでの利用がしやすくなった。
そのほか、各車両間の貫通扉が傾斜式に変更され、自動で閉まるようになったり、転換クロスシートが従来より軽い力で転換できるようになるなど、乗り心地の面においても向上が図られている。
5000番台[編集]
大垣所属であり、主に東海道線の快速系運用を行っている。313系内で唯一の6両固定編成であり、編成番号はY100番台。
12編成(Y101〜Y112)が製造された。車内は転換クロスシートであり、ドアに一番近い座席を動かすことができるように改良された。
乗り心地改善のため、車体間ヨーダンパがつけられていることが特徴。なお、在来線一般車両に車体間ヨーダンパが搭載される事例はこの5000番台が唯一となる。
3100番台[編集]
静岡所属であり、身延線・飯田線の運用を行っている。3000番台の増車という形で2編成が追加され、それぞれV13・V14編成となっている。製造当初からパンタグラフを二基搭載する。
車内は3000番台とほぼ変わらないが、トイレの大型化によりトイレ前の座席が廃止されている。
運用は3000番台と同様のものが組まれ、身延線内にいた旧型電車(123系)を完全に置き換えた。
1100番台[編集]
大垣所属であり、1000番台の追加増備車となる。かつては神領所属だったが、2023年11月に一斉転属した。
追加増備で2編成が製造。それぞれ1000番台の続きでB4・5→J14・15編成となっている。主に東海道本線での運用につく。
クハのみ400番台になっている[注 3]。
1600番台[編集]
大垣所属。1500番台の追加増備車であり、先述の1500番台と共通の運用を組む。かつては神領所属だったが、2022年3月に大垣へ転属。
編成番号は神領時代は1500番台の続き番でB104〜B107となったが、大垣転属後は1500番台の続き番ではないJ161〜J164となっている。
1700番台[編集]
大垣所属。初の製造時からパンタグラフが二基ある3連グループとなる。かつては神領所属だったが、後述の予備車の扱いの事情もあり、1500番台・1600番台の転属に伴い2022年3月に大垣へ転属。
車体や車内設備、床上機器などは1600番台、床下機器は3100番台と同様のものになり、飯田線の115系を置き換えた。
編成番号はB150→J170番台。3編成が所属(J171〜J173編成)し、主に飯田線の運用につく。
だが、運用の関係上1編成予備があるため、1500・1600番台と同様に東海道線の運用につくこともある。
3次車(静岡ロングシート車)[編集]
静岡では先行投入されていた211系との共通化・比較的乗車時間が短時間という考えからロングシートとなっている。なお、大垣にも混雑緩和目的でロングシート車315系が投入されようとしているという噂がある(後述)。
2600番台[編集]
静岡区間旧型車両の置き換え用として、オールロングシートで登場した2600番台。クハのみは2300番台となっている(後述の2300番台と合わせるためと見られている)。
編成番号はN0番台。発電ブレーキを備えるため、東海道線の他、身延線などの山間路線でも使用できるようになった。10編成(N1〜N10編成)が製造され、身延線・東海道線・御殿場線の運用についている。
2300番台[編集]
2600番台の2両バージョンとなる。パンタグラフは一基だが、取付台は準備してある。編成番号はW0番台。7編成が当てられ、W3〜W9となっている。
またワンマン対応準備工事を施工しているため、改造をすればワンマン運行もできるらしい。
東海道線の他、身延線・御殿場線の運用にもつく。
2350番台[編集]
クモハのみの製造となるが、上記の2300番台に霜取り用パンタグラフを増設したグループ。W1・W2編成となり運行。
3100番台とほぼ同等なため、見分けがつかない人も多い。
↑なお、見分け方としては編成番号の確認、車内がセミクロスかロングかなどで見分けられる。
当初は御殿場線、身延線の冬場における早朝の列車には本区分による限定運用があったが、後にV編成に置き換えられそのような運用はなくなった。
2500番台[編集]
静岡313系最大勢力であり、17編成が所属。編成番号はT0番台。
2600番台と違い発電ブレーキがないため、東海道線専用の運用となるが、稀に代走として身延線・御殿場線に入線する。
なお、東海道線ではN編成との混結運用がある。
4次車[編集]
車両間の貫通扉の自動で閉まる仕組みが傾斜式から重力式に変更され、ロングシート部分の仕切り板が一般的な身長の顔の高さまで上げられた。
1300番台(暖地向け)[編集]
中央西線の213系を置き換えるために投入された。
神領所属であり、主に211系と連結して中央西線の運用に入る。後のローカル線への転属を考慮しているため、整理券発行機の準備や料金箱の取り付け準備、半自動ドアボタンの設置準備などが行われている。
編成番号はB400番台であり、第一製造団と第二製造団に分けることができる。(下記のワンマン対応1300番台までを作ってから4編成の増備が再開された。)
2023年4月以降は関西線で朝夕ラッシュ時の2重連4両での運用以外ほとんど見かけない。2024年2月までに全ての編成がワンマン化改造を受けた。
2023年時点にて、どの編成もホームドア対応のQRコードをもたず、同年12月には静岡への転属も開始された。静岡での編成番号はL0番台。2024年現在は主に東海道本線、御殿場線で運用され、特に御殿場線の上り列車のワンマン運用は本区分がすべて担う[注 4]。一方で身延線における運用には原則入らない。
5000番台[編集]
3次車の5000番台の追加増備車として1編成が追加増備。4次車の特徴が出ている編成のうちの一つであり、Y113編成となっている。
なお、後に更に5000番台は増備が続けられることになる。(後に4編成が追加増備され、Y117編成までが出揃った。)
5300番台[編集]
5000番台増結車として2両編成が登場。編成番号はZ0番台となり、快速系列車の主力車両として働く。だが、単独運用はない。また、ローカル線での臨時運用も考慮しているのか、車体間ヨーダンパはついていない。ワンマン装置については準備工事すら未施工である。
5編成が新造された。なお、2022年8月7日にはZ5編成が静岡に貸し出され、W8編成と連結の上身延線の市川大門駅周辺で開かれる花火大会神明の花火大会増結便として走行した。身延線から見れば初の2連転換クロスシート車である。なお、「普通 甲府」や「普通 鰍沢口」の表示はしっかりと出ていたという。
300番台に次いで静岡に転属する可能性を示唆する声が後を絶たないが、詳細は後述する。
1100番台(大垣生え抜き)[編集]
大垣向けとして登場した1100番台となる。車端部をロングシートとした1100番台の特徴を活かし、混雑時に対応するためのグループとして7編成が登場。
編成番号はJ0番台となり、他の大垣所属車と同様の運用をする。
なお、J3編成は落成してから後述のB6(後のJ16)編成が登場するまで神領区に貸し出され、中央西線で運用されていた[3]。
1100番台(旧・神領・4次)[編集]
神領最終増備だが、他の元神領の編成と同様に2023年11月以降は大垣車両区に所属する。4次車の特徴を活かし作られた1100番台となり、編成はB6→J16編成となる。仕様は大垣生え抜きの1100番台と同一。
211系や313系の検査離脱時の際、編成が足りなくなることから製造された編成であり、213系2連2本分の飯田線玉突き補充分も兼ねている。
なお、Y102編成が事故を起こし長期にわたる運用離脱をした際も、一時的に大垣車両区に転属していた[注 5]ため大垣への配属は2度目となる。
1300番台(寒冷地向け)[編集]
飯田線119系完全置き換えのため、神領にいた3000番台を大垣に玉突き転属させるために増備されたグループであり、編成番号はB500番台。16編成が製造された。
ワンマン運用ができるという特性を活かし、篠ノ井線乗り入れ便や日中の関西線ワンマン運用も受け持つ。
なお、この増備により神領の3000番台は全車大垣・飯田線へ転入。119系を置き換えることに成功した。
武豊線への送り込み運用の際、金山駅のホームドアに対応するため、QRコードが設置されている。
5次車[編集]
尾灯がクリアレンズに、車内蛍光灯もLEDに変更されたグループとなり、現時点では最終グループとなる。
なお、車内蛍光灯をLEDに変える動きは従来の1~4次車にも見られ、現在では多くの編成が改造を受けている。
1100番台(大垣生え抜き・5次)[編集]
最終増備となる1100番台大垣向け編成は3編成が増備され、J8・J9・J10編成となった。
1300番台(ワンマン対応)[編集]
武豊線ワンマン運転に関する増備であり、8編成が増備された。編成番号は続番(B517〜B524編成)となっている。
5000番台(事故代替車両)[編集]
詳細は「JR東海313系電車5000番台カキY102編成」を参照
2017年3月2日早朝、当編成が安城市内での踏切事故により米原側2両が大破する事故が発生。大破した2両はそのまま廃車となったが、残る4両に関しては代替車として新造された5次車[注 6]と連結し、再稼働することが決まった。
このグループをもって313系の増備は終了し、以降は315系の増備に移行した。
編成一覧[編集]
詳細は「313系の編成一覧」を参照
車両番号[編集]
詳細は「313系の編成一覧#車両番号」を参照
今後[編集]
2022年の315系導入を機に、多くの憶測が飛び交うようになった。
315系との併結[編集]
315系の4連は併結可能な構造が取られており、2023年頃より313系と併結試運転を実施しているのだが、併結するたびに何らかの不具合を起こしており併結を極力避けてくる可能性が危惧されていた。しかし、それは杞憂に終わり、回送運用においては2023年11月より、営業運転においても2024年3月より開始されている。
1300番台B400編成・2300番台W編成のワンマン化[編集]
ワンマン準備車として落成した当該2区分だが、前者については2022年現在ワンマン化改造が進行している一方、後者はワンマン化改造がなされる気配が全くない。2023年12月以降は静岡へのB400→L編成の転属がなされ、2023年4月から噂されていた身延線のワンマン拡大については御殿場線にL編成を投入し、捻出したV編成を投入することで実現したが、身延線西富士宮以北の全列車の完全ワンマン化や御殿場線のワンマン拡大には至らなかったり、315系の投入本数と313系Y30編成の静岡転属の様子を鑑みると2600番台N編成が御殿場線・身延線から撤退する可能性が否定できなかったりするため、2300番台がワンマン化される可能性はまだ残っている。
1500・1600・1700・8000番台の行方[編集]
神領配置だった当該4区分は、2022年3月をもって8000番台以外が大垣[注釈 1]に、8000番台が静岡に転属したが、最終的に大垣または静岡のいずれかに集結すると言う声が多い。
大垣集結派の意見としては以下が挙げられる。
- 8000番台が転換クロスシートであり、上記のように静岡にて混雑を助長させている。
- 名古屋地区の東海道本線にロングシートは不要[注釈 2]であり、315系4連30本は静岡に集中投入される。
- 東海道本線名古屋口では、全列車の6または8両化を進めており、3両運用を行うにしても不便さがない。
一方、静岡集結派の意見には以下のようなものが挙がる。
- 1500・1600・1700番台については、編成番号がJ150・J160・J170となった一方、後に神領から大垣に転属した1000番台はJ100とはならず、J0番台の続き番号とされた[注 7]。
- 東海道本線名古屋口で3両編成を運用する場合、2本併結の6両での運用しかなく、運転台部分がデッドスペースとなるなど極めて効率が悪い。
- 名古屋地区の東海道本線でも朝夕ラッシュ時は大混雑するため、ロングシートがそこそこ必要[注釈 3]。
- 飯田線は115系時代、静岡が運用を持っていたこともあり静岡配属にしても問題はない。むしろ、神領や大垣が受け持ったことで豊橋 - 神領・大垣の送り込みの際に営業運転は行われず、効率が悪くなっている。
- それどころか、そもそも今残っている3両運用2仕業もそれほど混まないことを考慮すると2両で十分な可能性がある。
また、いずれの転属もなされないという声があるが、この意見についても以下に挙げる。
- J150編成のクハはY0などと同じ0番台、J160・170編成のクハはJ0の一部と同じ400番台であること、S編成のクハは8000番台だが、他に8000番台クハを編成内に組み込む形態は存在しないことから、車両管理がしやすい[注釈 4]。
- Y30編成の静岡転属車が続出しており、今後全編成が転属する可能性が高く、差し引き分が計算上防犯カメラの設置両数約340両とほぼ一致する。
- J160番台編成ではそれら同士で編成を組むことが多く、かねてより一部中間車化やモハ抜き取りといった噂が絶えない[注釈 5]。
- なお、S編成とJ150編成はCP容量が4両分であり、中間車抜き取りを行い他編成に組み込んだ場合J160以上の改造が必要となる。また、J150編成とJ170編成はいずれも編成数が3本と奇数のため、中間車抜き取りを行うと5両編成になる編成が出てくるなど余計に効率が悪い。
本節追加者のUser:M72970は当初基本的に静岡に集結する案を推していたものの、これ以上の転属も行わない案に切り替えたが、最終的にどのようになるかは不明であり、今後の動向に要注目である。以下に大垣集結派、静岡集結派、転属を実施しない派、どれとも言えない派を用意するので、興味のある利用者は随時半角チルダ3つで署名することを推奨する。
- 大垣集結派(そうでなくとも静岡から転換クロス縮減派)
- 静岡集結派(そうでなくとも大垣から3両固定編成廃止派)
M72970/謎の旧型国電もどき (トーク)下記に変更戸田の美女を求めて (会話)
- これ以上の転属を実施しない派
- どれとも言えない派
ツーマン前提編成のワンマン化[編集]
2022年頃より、3両以上でもワンマン運用を行う方針がJR東海により発表されており、315系4両固定編成にとどまらず、本系列にも、JR東日本E231系などの実績を踏まえ乗降確認用カメラを設置してワンマン化を行う可能性がある。一応「3両以上」と表記されていることから、究極は東海道本線名古屋地区の5000・5300番台にカメラを取り付け、8両編成の新快速までワンマン化されることも想像でき、一部の利用者から危惧されている。
もっとも、JR東日本E131系電車によるワンマン運転など、過去の他社での実績とモニタ装置の画面表示の様子を踏まえると6両程度が限度のため、東海道本線名古屋地区の8両編成の列車と中央西線の中津川以南についてはワンマン化の対象から外れると考えて良い[注釈 6]。
その後、最初は関西線、武豊線から始まり、続いて御殿場線と東海道本線三島 - 沼津、そして東海道本線大垣以西、豊橋 - 浜松と拡大を行う発表があったが、313系の表記がないためワンマン化は見送られる可能性が高い。
初期車の置き換え・リニューアル[編集]
2025年度までに311系以前の車両が一掃されるが、2030年頃になると本系列の初期車も車齢30年を超え、代替時期に迫る。ここで、新形式317系を興すか、315系の中期車を増備するかで意見が分かれる。いずれにせよ、2022年時点での311系置き換えのように、初期車代替の際の導入予定の全車がオールロングシートとなるのは、極力避けてほしいものである。
一方で、汎用性の高いVVVF車であることを踏まえると、近辺の名鉄や近鉄に倣い、315系投入が一段落したところでJR東海で初めて大規模リニューアルを実施し、更に十数年延命する未来も想像に難くなく、余計に注目の的が集まりそうである。
静岡313系における半固定編成化について[編集]
現在、211系と313系が活躍している静岡地区。だが、静岡にも今後211系を置き換えるために「315系」が導入される。そのため、313系3+3や211系・313系だけの2連併結・ブツ6(2両編成×3)、ひいては211系3連+313系3連が登場する可能性も否めない。理由としては315系が4両編成で登場することが決まっているが、静岡に所属している編成は2両、または3両のため急に両数の変更を行うことが厳しいからだ[注釈 7]。
現に、2023年春から1年間は211系GG編成を3編成用いたブツ6が定期で行われており、将来的には「神領B400・B500編成や大垣Y30・Z編成」が転入するといううわさもあるため、末期の神領K100+B400/B500のような半固定編成が登場する可能性も少なくはない。
2024年以降半固定編成が登場したが、211系同士、または211系と313系による3+3および211系GGと313系Wによる2+2に整理された。313系3連の単独運用は残されている。特に211系同士によるトイレのない6両半固定運用がいまだに残っているため、315系U+313系K/Wへの早急な置き換えが求められるものである。
315系は現状この半固定編成のみで運行されており、313系K編成(2両)との併結で運行されている[4]
0・1000・1100・2500・2600・5300番台の行方[編集]
300番台の一部が静岡に転属となったことは、Twitter上で多くの驚きの声があったが、これにより大垣配置4両の0・1000・1100番台や2両オール転換クロスの5300番台が静岡へ、3両オールロングの2500番台・2600番台が大垣へ転属となる可能性があるという声も強まった。0・1000・1100・5300番台は300番台とともに使用することが想定され、2500番台や2600番台は2重連を組み1500番台や1600番台との共通運用が見込まれる。しかし、2500番台や2600番台はLCDがないなど車内設備が315系より劣ることやクハがW編成と同じ2300番台であることに加え1500・1600番台と同じく運用しにくい3連であること、0・1000番台や1100番台、5300番台は静岡で使い勝手の悪い転換クロスシートであることやクハがそれぞれJ150と同じ0番台、J160・170と同じ400番台、Y100と同じ5000番台であることから、転属となると車両管理の効率が悪くなったり[注釈 4]、沿線住民から猛批判が飛んだりが懸念される[注釈 8]。また、5300番台を大垣に残した場合、抑速発電制動付きであることから飯田線向け、あるいは今後下手をしたら名鉄への対抗策としてAシートに倣いやりかねない座席指定サービスの対応改造をなされる可能性が否定できない。これについてもアンケートを用意するため興味が湧いたらアスタリスク2つと半角チルダ3つで投票してみよう。
- 0・1000・1100番台(カキY0・J0編成)
- 全編成大垣残留派
- 一部編成静岡転出派
- 全編成静岡転出派
- どれとも言えない派
- 5300番台(カキZ0編成)
- 原型のまま大垣残留派
- 飯田線対応改造派
- 大垣残留、下手をしたら座席指定対応改造派
- 静岡転出派
- どれとも言えない派
- 2500・2600番台(シスT0・N0編成)
- 全編成静岡残留派
- 一部編成大垣転出派
- 全編成大垣転出派
- どれとも言えない派
注釈(予想憶測内の注釈のみ)[編集]
- ↑ ただし、1700番台の飯田線運用は変化なし。
- ↑ 同線区利用者の中には反ロングシート民もいる。
- ↑ なお、上記ロングシート不要論者には奥に詰めない乗客が悪いだけという意見もある。
- ↑ a b この意見に照合させると、1300番台のLが静岡に転属となったことやB500の一部が大垣転出となり得ること、3000番台のVとR100が静岡と大垣で分散配置となっていること、かつて0・1000・1100番台のB0とJ0・Y0が神領と大垣でそれぞれ分散配置、およびクハが0・400番台であるB100・B150が神領配置となっていたことに矛盾するが、LとVは暖地向けでB500とR100は寒冷地向け、B0・B100・B150とJ0は発電ブレーキや耐寒耐雪装備の有無、B0とY0は車端部がロングかクロスかの違いがあることから別車種と考えるとある程度の説明がつく。なお、大垣車仕様として製造された元神領車のB6(現:J16)に関しては、大垣への長期貸出歴があり、製造当時から大垣車の予備車としての使用も想定されていたと考えることができる。
- ↑ モハを抜き取る場合、2両ともJ14に供出しそちらを6連化する想定。なお、機器類の都合でモハの抜き取りは不可能ではない他、モハを抜き取る改造の場合増結用の2両編成を増やし運用の自由度を上げられるメリットがある。一方、中間車化改造の場合はデッドスペースを減らすことが可能だが、運用の自由度が上がるわけではない、編成番号の振り直しなど、モハ抜き取りよりメリットは薄い。
- ↑ 静岡地区では7両以上の運用が全廃されたためほぼ全列車ワンマン化の危険性がある。
- ↑ 最も望ましい形態は、トイレの配置を考慮すると211系2連+313系2連のペアおよび、211系3連+313系3連のペアと考えて良い。
- ↑ 300番台の場合は転換クロスシートであるものの、クハ・クモハともに300番台であり、他にクハが300番台を名乗る編成がないことから車両管理上の問題は少ない。また、5000番台自体はオール転換クロスや車体間ダンパなど、新快速での運用に特化した仕様であることから静岡への転属は好ましくない。
どの項目も新型車両「315系」の登場によって大きく変わることを予想しており、今後の展開が気になるところだ。
近い世代の車両[編集]
- JR西日本223系電車 - JR西日本車
- JR東日本E231系電車 - JR東日本車
- JR東海373系電車 - 特急用
脚注[編集]
注釈(予想憶測内の注釈は除く)[編集]
- ↑ 1次車は空気圧縮機をクハにのみ搭載しており、転換クロスシート車は2両分の容量の場合300番台、4両分の容量の場合0番台に区分される。
- ↑ ちなみに、Y101編成のみ一時的に前照灯がLEDに交換されていた[2]。
- ↑ 100番台とならなかったのは搭載している空気圧縮機の容量が2両分のため。3次車以降は空気圧縮機がサハとクハの分散配置となり、4両分の容量を持つ空気圧縮機を搭載する車両はない。
- ↑ 下り列車は2本のみ3000番台V編成による運用が存在する。
- ↑ 所属表記も「海シン」から「海カキ」となっていたため、貸出ではなく転属扱いとなっていた模様。
- ↑ 公式には3次車ということになっているが、重力式の貫通扉、LEDの室内灯など構造は5次車に準ずる。
- ↑ むしろJ160については下記の中間車抜き取りによる2連化、あるいは中間車化改造による固定編成化を見越した付番という見方もできる。
出典[編集]
- ↑ JR東海公式による315系運転開始のプレスリリースより
- ↑ https://x.com/Mikan_Yakumo/status/1066521549836976129
- ↑ 大垣車両区313系J3編成が中央本線運用に 鉄道ファン railf.jpより
- ↑ 運行開始記念として、初日はU1編成が4両で単独運行され、翌日もU2編成がU1編成のトラブルにより代走のような形で単独運用された。
関連項目[編集]
- JR東海キハ25形気動車 - 313系と同じ車体(もちろん僅かな違いはある)。
JR東海の鉄道車両 |