JR東日本651系電車
1990年ブルーリボン賞受賞車両 |
651系電車(651けいでんしゃ)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が保有する特急形電車。
登場[編集]
1989年3月11日に「タキシードボディ―のすごいやつ」として7両の基本編成と4両の付属編成が登場。「タキシードボディー」とは651系特有の真っ白で丸みのある車体のことである。JR常磐線のドル箱特急「ひたち」のうち速達形である「スーパーひたち」として運行を開始した。最終的には基本9編成(K101~K109)と付属9編成(K201~K209)が製造され、1990年3月改正で23.5往復中15往復が「スーパーひたち」となった。1997年からは「フレッシュひたち」としてE653系もデビューしたが、E653系が1ドアなのに対し651系は2ドアだったため混雑が激しいラッシュ時の一部「フレッシュひたち」にも651系も使用されていた。
震災と高崎線への転属[編集]
2010年12月、JR東日本は常磐線特急に新型車両E657系を投入することを発表した[出典 1]。当時の計画ではいわき駅で「ひたち」の系統分離を行い、北側の特急列車にE653系を投入する予定だった[注 1]。651系の今後については明記がなく様々な憶測がなされたが、2011年に発生した東北大震災によりこの計画は中止された。651系はしばらくの間波動用車両として勝田車両センターに留置された後、付属3本(OM301~OM303)・基本6本(OM201~OM206)がオレンジ色の帯を追加され大宮総合車両センターに転属。2014年から高崎線特急「あかぎ」「スワローあかぎ」「草津」として定期運用を再開した。なお、この際の改造で1000番代に改番の上交流と直流を切り替える設備が撤去された。
縮小[編集]
転属をしなかった0番台は大半が廃車され、常磐線末端区間の普通列車運用についていた一部の付属編成も2020年にE531系に置き換えられて引退した。1000番代付属編成に関しても2015年3月のJR東日本ダイヤ改正で定期運用が廃止され、「伊豆クレイル」として国府津車両センターに転属したOM301編成を除いて2017年頃に廃車された。ところが、そんな「伊豆クレイル」編成もコロナウイルスの影響で2020年に運転が取りやめとなり、長野総合車両センターで解体された。
勇退[編集]
JR東日本は、2023年3月のJR東日本ダイヤ改正より高崎線特急にコンセントを装備したE257系5500番台を投入すると発表。しかし、コンセント付きのE257系5500番台は3編成だけなので651系の全運用を置き換えることが物理的に不可能とされた[注 2]。そのため、651系1000番台の運用が数本程度残るのではないかという希望的観測もあったが、公式プレスリリースで定期運用からの引退が確定し[出典 2][注 3]、2023年3月17日の「スワローあかぎ91号」をもって運行を終了した。その後は順次郡山総合車両センターへの配給輸送が行われ、10月までに全7編成の施工が完了した[注 4]。また、この過程で余裕のある車両基地への疎開も行われ、高崎・田町・宇都宮・川越・大宮総合車両センターなど様々な場所で一時留置された。なお、足りない分の運用は「踊り子」などで使われるE257系2500番台で補うこととなった。
今後[編集]
2024年2月、昨年10月に郡山に旅立った651系オオOM201編成のうち、クハ651-1001だけがなぜか車籍を保持していることが判明した。鉄道ファンの間では大宮駅北側に建設予定の複合施設に展示するのではないかという噂もあり、今後の動向が注目される。
近い世代の車両[編集]
- JR東日本E501系電車 - 近郊用
- JR東日本255系電車 - 直流用
- JR西日本681系電車 - JR西日本車
注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
JR JR東日本の鉄道車両 |