特に急がない特急列車
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このページは特に急がない特急列車(とくにいそがないとっきゅうれっしゃ)を記載する。
概要[編集]
特急は通常、路線の最上位、または快速特急に次ぐ2番めに速い種別として設定されることが多いが、それでも他の移動方法・列車と比較すると遅い場合、「特に急がない特急」と揶揄され、鉄道ファンのネタになり得る。
当然、一例もあるだけ挙げていく。
実例[編集]
JR新幹線[編集]
新幹線も厳密に言うと種別が特急であるため扱う。
- 新幹線のこだま、なすの、つばめ号など
- 各駅停車タイプの新幹線。特に博多〜熊本間は駅の数が多く、実質快速に近い。
- 東北・上越・北陸新幹線 やまびこ、とき、たにがわ、あさま号
- 白石蔵王駅・本庄早稲田駅・上毛高原駅・安中榛名駅のいずれか1駅以外の各駅に停車する「1駅通過」の超鈍足型の列車が存在する
。なのに、飛び込みの特急料金に速達タイプとの格差は無い。 - 山陽新幹線 ひかり500・590・591号
- 東海道・山陽新幹線の中でも停車パターンが複雑なひかり号であるが、その中でも特に急がない列車。590号は新下関~岡山間で途中通過する駅がなんと厚狭駅のみ、591号も新大阪~博多間で新尾道駅と厚狭駅しか通過しない上、広島駅でさくら号に抜かされてしまう。500号は広島から京都まで、何と約380kmに渡り各駅に停車する。
JR在来線[編集]
JR北海道[編集]
- おおぞら・とかち
- 新夕張 - 新得間はこの2つの特急だけで普通列車は走らず、一部は占冠・トマムのいずれかまたは両方に停車する。
- 海峡線
- 設定されている旅客列車は北海道新幹線の「はやぶさ」のみで、普通列車が全く走らない。
JR東日本[編集]
- はちおうじ・おうめ
- 中央線快速のラッシュ時間帯に運行されるため、表定速度が遅く特に急がない特急となっている。他の列車の絶対的な混雑度が高いため座席確保列車としての使命は果たしていると思われる
が、特急料金の高さが、並行する京王ライナーや拝島ライナーに乗客を奪われる要素となっていないか不安である。
- ひたち
- 仙台駅を発着する列車のうち、水戸駅 - 原ノ町駅間は、34駅中約15駅ほど停車する。一部、通過駅が多い区間があるものの、3駅連続で停車することが2回もあったりする。遠近分離のためと考えられるが、品川駅 - 仙台駅を乗り通すくらいなら、東北新幹線を利用することを推奨する。なお、過去には「臨時快速」として運行された事例があった
- ガーラ湯沢支線
- 一応上越線の扱いだが、新幹線のたにがわしか走らず、夏季は運休となる。
JR東海[編集]
- ひだ・しらさぎ
- 名古屋 - 岐阜間では大半の列車が新快速や快速と同様、尾張一宮に停車し、場合によればその区間にも乗るだけで料金面、時間面ともに損をする場合がある。ただ、常にリクライニングシートは確保される
。また、315系が大垣区に進出し、かつ日中の新快速に定期・重連8両で運用入りする場合、格好の特急誘導の素材になり得る[注 1]。 - 南紀
- 名古屋 - 多気間の停車駅は快速みえとほとんど同じで、名古屋 - 四日市間に至っては快速みえどころか、関西線完結の快速とも停車駅が全く同じである[注 2]。というより、近鉄乙特急対抗のために速すぎる快速を設定しているだけと思われる
。それくらいなら、快速みえや亀山快速は駅での列車待ちがあったら客扱いしても良いように思うが。 - 快速みえ草創期には、多気以南で1往復のみ設定されていたが、キハ85追加増備で既存の南紀をA特急料金に値上げする銭取り策のあおりで、紀勢東線多気以南運行の快速みえの設定は1年程度に留まった。なお、熊野市以南各停としてこの南紀との差別化が図られた他、18きっぱーには好評だった。
- 伊那路
- 表定速度35km/h程度のため、鉄道系YouTuberから「日本一の鈍足JR特急」と叩かれている特急。特に急がないというより特別に急がないといった方がいいかもしれない。戦前の電化路線のため、381系および思想を継承した383系では架線偏倚の影響を受けやすく、トンネル内の曲線では車体傾斜が困難でJR東海から「振り子特急化困難」とされ、高山本線でY字ポイントをわざわざ高速対応に修築し直したのに対し、三河大野以南と東栄駅、大嵐駅で国鉄時代から一線スルー配線が整っているにも関わらず、特に下り列車で特性が生かされず放置されている。
- これでは、三河川合以北で三遠南信自動車道の延伸が進み、浜松・豊橋 - 東栄 - 佐久間( - 水窪) - 飯田 - 長野リニア駅で高速バスが設定されると、完全に競争力を失うことになる[注 3]
。これだったら、もう少し早く213系を投入して、JR西日本からクロ213を買って、国鉄分民化時点で2往復あった快速を『グリーン車付き観光快速』にし、どうしても優等列車ということであれば、片夜行臨時急行の「くろよん」を飯田線経由にした方がマシだったと感じる。。
JR西日本[編集]
- びわこエクスプレス
- キングオブ特に急がない特急列車の代表格。表定速度が新快速より遅く、通過駅も新快速と比較すると能登川、高槻の2駅のみである。
- らくラクはりま
- びわこエクスプレスの西バージョン。芦屋、尼崎以外の全ての新快速停車駅に加え、大久保にも停車する。
- 博多南線
- 特急しか走らない在来線。車両は新幹線車両を使用する。
JR四国[編集]
- うずしお
- 全線に渡り、停車駅間隔がほぼ快速級。特に高松 - 志度間の停車駅間隔は、山陽本線で言えば普通列車並の短さである。
- むろと
- 停車駅間隔が10kmを越えているのは牟岐 - 日和佐間のみ。こちらも、徳島 - 阿南間の停車駅間隔は、山陽本線で言えば普通列車並の短さである。
JR九州[編集]
- きりしま81・1・16・82号
- 上記2往復の国分 - 鹿児島中央間は、錦江と竜ケ水のみ通過で停車駅の方が多い。
大手私鉄[編集]
京王電鉄の特急[編集]
- 年々鈍足化してしまっている例。2000年代初頭の途中停車駅は明大前、調布、府中、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、めじろ台、高尾、および京王多摩センターのみであったが、2013年に相模原線系統での運行が復活した際には分倍河原、北野、京王稲田堤、京王永山、南大沢の各駅が停車駅に追加。さらに2022年改正では準特急の廃止に伴い笹塚、千歳烏山、京王片倉、山田、狭間の各駅が追加。これにより快速や区急との遠近分離が完全に崩壊し特急に乗客が集中するようになってしまう。高尾線内は各駅に停車するようになり、同線で引き続き通過運転を行っている急行よりも遅い。さらに、調布で京王ライナーに抜かされる列車も登場し、2023年3月改正では高幡不動で京王ライナーに抜かされる上り列車も登場するなど、ますます鈍足化が進行している
のに加え、ライナー誘導も酷くなっている。
- ちなみに、全盛期の京王線特急 (分倍河原や北野も通過していた頃) の新宿 - 京王八王子間の所要時間は最速で34分であったが、現ダイヤでの所要時間は日中でも42 - 3分、最も遅い列車では58分となってしまった[注 4]。
なお、日中の中央特快であれば東京 - 高尾ですら走破出来てしまう時間であるため、京王はもはや京王間の所要時間競争では戦意喪失したと言っても良い[注 5]。
東急電鉄の特急[編集]
- 「隔駅停車」の急行をもう一段階「隔駅停車」にし、「2×2=4駅毎に停車」になった特急。正直、種別デノミを行って、こちらを急行にした方がむしろ種別名としてふさわしい。
京急電鉄 久里浜線内・逗子線などの線内完結特急[編集]
- 特急と名乗りながら運行区間の各駅に停車する、通称 各駅特急。これの派生として各駅快特なども存在する。なお、久里浜以南に関しては特急と快特以外全く走らない。
名鉄特急 名鉄名古屋 - 岐阜間[編集]
- 上記の京王と共に、鈍足特急の代表とされることが多い特急。名鉄一宮 - 名鉄岐阜間は日中2駅停車で所要12分、かたやJRは普通列車さえも1駅停車10分、名鉄名古屋 - 名鉄一宮間は日中1駅停車で所要16分、かたやJRの普通列車は3駅停車ながら所要16分と、JRの普通列車にさえ優位に立てず、「他の列車より速いから特急」という感じの種別体系となっている。
1990年代では同区間の標準停車駅は新一宮[注 6]のみだったが、最早、名鉄は線形の悪さから国府宮、笠松といった独自の駅勢圏固めに専念した感じとなり、[注 7]1999年に国府宮が標準停車駅になり、2008年からは日中の名鉄一宮 - 名鉄岐阜間で急行の運行を半減し、新木曽川と笠松に全ての特急・快速特急が特別停車するようになり[注 8]、2023年3月からは南海の後追いで日中は同区間の急行の運行を完全に取り止めている。
名鉄 豊川線直通の特急・快速特急[編集]
- 平日朝に岐阜行きが1本ずつ運行されるが、国府(快速特急のみ)・本宿・美合にも特別停車するため、豊川稲荷 - 東岡崎間で急行と停車駅が全く同じ状態で、事実上有料着席可能な急行列車となっている。
近鉄名古屋線乙特急[編集]
- 対抗馬のJR東海が速さを追求しすぎて、国鉄時代は急行停車駅だった富田や蟹江、弥富といった中間地を切り捨てたためか、名古屋 - 四日市間で事実上快速みえや関西線快速と停車駅がほぼ同じである。もっとも、JR東海が快速みえを特急に格上げし、短距離特定特急料金の区間拡大で対抗しても、本数の少なさで全く対抗できないことを近鉄は分かりきっており、特に急がなくても良い。
近鉄奈良線特急[編集]
- 快速急行とは、日本橋と新大宮に停まるかどうかの違いしかなく、上本町から西大寺まで同じ停車駅。実質、指定席快急で、平日は有料着席列車に成り下がった状態。
近鉄吉野特急[編集]
- 大阪阿部野橋-尺土間はノンストップである一方、尺土から南はほとんど「隔駅停車」。平成になってから急速に
無駄に停車駅が増えた。最悪全区間2両ワンマン快速急行で良く、少なくとも橿原神宮前から南は特急料金無しで乗れる様にして欲しい。
南海特急サザン[編集]
阪神・山陽直通特急 須磨 - 神戸三宮間[編集]
- 9.6kmの間に6回も停まり、平均停車駅間隔は1.4km。JR神戸線の普通相当である。さらに、日中の半数は停車駅がさらに3つ増える。このことから、神戸低速鉄道の蔑称も生まれた。
その他の私鉄[編集]
リバティ会津 野岩鉄道区間[編集]
2022年3月以降、通過駅はすべて男鹿高原駅のみとなり、快速AIZUマウントエクスプレスとも停車駅が同じである。もっとも、特例により当該区間のみ乗車券のみで乗れるため、特別感はないに等しい。
山陽電鉄本線 S特急[編集]
- 各停区間があり、速達区間も急行より停車駅が多いので、もはや区間急行と云っていい列車だが、山陽電鉄が頑なに急行を休止扱いにしているので、特急感のない特急に成り下がっている。
一畑電車北松江線 特急「スーパーライナー」[編集]
- 一畑口のスイッチバックや複線区間が無いのがネックであり、かつ宍道湖の北側を遠回りするため、走行時間はJR山陰本線の普通列車よりも長い。ただ、松江城や城下町の町並みへは、松江しんじ湖温泉駅から徒歩で苦しくない距離に対し、JR松江駅は南東の外れでバス連絡が欠かせないため、目的地次第で一概に比較できない。
過去[編集]
特急「くろしお」[編集]
気動車時代、名古屋に乗り入れていた1往復は、伊勢線が開通する前は当然亀山経由。当時ですら近鉄特急で所要約50分の名古屋 - 津間を約1時間20分かけて運行していた。
特急「みどり」[編集]
総特急化直後の1982年11月改正時点では、博多 - 佐世保間117kmを1時間21分以上かかる列車があり、表定速度でいくと時速40km台の特急が数本あった。
ホームエクスプレス阿南[編集]
上記「むろと」と同様、最長の駅間距離が10km程度と極めて短かった。2019年廃止。
名鉄蒲郡・西尾線特急[編集]
JRなら各停でも所要20分程度だった、蒲郡 - 南安城間で約1時間近くかけて運行していた。蒲郡、幡豆が観光地として潤っていた1970年代後半は、新安城 - 豊橋間で日中の毎時の特急を1本にしてまで運行をしていたから恐れ入る。最終的には片道1本に減って2005年1月まで存続。
相鉄の特急[編集]
2019年11月より、横浜 - 二俣川間で急行より停車駅が多かったが、2023年3月に急行の運転が消滅したため解消。
阪神特急[編集]
阪神本線に快速急行が設定された当初は、西宮 - 三宮間で快速急行より停車駅が多かった。
注[編集]
- ↑ たとえ大垣入りしても、普通列車運用が中心だったり、新快速に入っても313系を必ず併結したり、所定の重連8両が朝夕のみだったりする場合は特急誘導扱いを免れる。
- ↑ 一方、名古屋 - 四日市間は営業キロ37.2kmで、惜しくも7.2km差で30kmまでの自由席特急料金より330円高い660円の自由席特急料金となっている。
- ↑ 三遠南信自動車道は、路線の全面開通は2023年現在では未定であり、2025年に佐久間川合IC以南が開通予定であるが、仮にこの区間がかつて建設困難とされた青崩峠(2023年にトンネル本坑が貫通)より先行開業となっても、東栄ICで国道151号に接続されることもあり、「伊那路」や飯田線に大きな打撃になると思われる。
- ↑ もっとも、京王八王子 → 新宿間の所要時間が最遅の58分になる列車は、平日朝の再混雑時間帯の上り列車であり、かつ先述した高幡不動で京王ライナーに抜かされる列車で
あり、そして明らかなライナー誘導でもあるが。 - ↑ ただし、それでも京王電鉄は運賃の安さという大きなアイデンティティを持っているが、京王電鉄では2023年10月に運賃が値上げされたため、運賃面においても差が縮まりつつある。
- ↑ 現在の名鉄一宮
- ↑
だったら、この区間の特別停車を増やしたり、中部国際空港発着の列車を一部特別車の快速急行に格下げさせたりして、いわゆる豊川急行の削減で苦しんでいる須ヶ口と新清洲の駅勢圏の救済もしようよ… - ↑ 後に標準停車駅に昇格
関連項目[編集]
- 詐欺種別
- スーパー特急 - JR在来線では対の概念
- 急いで行かない急行列車
- 快くも速くもない快速列車
- 快速もどきの普通列車
- 特急型車両で運行される普通列車
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