近鉄2680系電車

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近鉄2680系電車(きんてつ2680けいでんしゃ)は、かつて在籍した近畿日本鉄道の通勤型車両。10000系ビスタカーの機器を流用して製造された試作冷房車であったが、2020年に全廃された。

概要[編集]

近鉄での通勤車への冷房導入に向けたデータ取りのために3連2本が1971年に製造された。基本的な車体構造は2600系に準ずるが、台車が新規設計のKD-72系、主要機器が10000系から流用されたMB-3020系と直並列手動切換型ABFM電動カム軸式抵抗制御とされた。なお、本系列では直並列制御はカットし永久並列制御となっている。

屋根回りは冷房装置の他、ラインデリアにロスナイが設置されており、冷房効率は比較的良い。

改造[編集]

座席変更[編集]

1979年には座席が2610系と同一のものに交換され、この際に名古屋線に2本とも転属したが、補助席はそのまま残された。1989年には車体更新とともに内装材の交換や座席のロングシート化も行われた。

鮮魚列車への転用[編集]

2代目鮮魚列車の1481系の老朽化が進んだことから、X82編成が3代目鮮魚列車への改造対象となった。車体色はマルーン1色に、前面に白帯を配されたタイプとなり、前面方向幕は鮮魚で固定された。

車内についてはつり革の撤去が実施されている。

廃車[編集]

2002年8月17日にX81編成が新製冷房通勤車初の廃車となった。その後、X82編成は鮮魚列車で細々と活躍を続けていたが、2020年に同列車が伊勢志摩お魚図鑑に代替・廃止されると余剰となり、同年5月に廃車回送、6月に搬出され、2680系は廃系列となった。

関連項目[編集]