急いで行かない急行列車
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本ページでは、急行の名を冠しておきながら、急いで行かない列車について記述する。
概要[編集]
当然、一例もあるだけ挙げていく。かつての国鉄では、急行列車が本数の少ないローカル線区で普通列車として運行される事例が多かった[注 1]。
実例[編集]
関東[編集]
- 東武東上線の快速急行
- 元々は川越市 - 東松山間の途中停車駅は坂戸駅のみであったが、2023年3月改正後は川越市 - 東松山間も各駅停車に変更、一気に急がなくなってしまった。
- 西武新宿線の急行
- 新宿を出ると、高田馬場、鷺ノ宮、上石神井の順に停車し、田無以西は各駅停車となるが、基幹の優等種別にしてはあまりに各駅に停車する区間が長すぎである[注 2]。しかも、特急小江戸を除いて田無以西で通過運転を行うのは平日朝上り1本(通勤急行)と休日朝下り1本(快速急行)のみである点も余計にタチが悪い。
- 小田急小田原線の急行・快速急行
- 本厚木 - 新松田間は、特急ロマンスカーを除いて、同区間の全ての駅に急行だけでなく、快速急行も全て停車し、昼間は各駅停車の通し運行がない
。開成停車の有無で新松田を境に「化け急」する快急があるのだから、化け急境界を本厚木か相模大野に移して、快急は本厚木 - 新松田間で通過駅設定ができないものかと思う。
- また、2022年3月のダイヤ改正では、昼間時間帯に新松田 - 小田原各駅停車、かつ町田発着で、通過駅が小田急相模原、相武台前、座間、
偽厚木のみの急行が登場し、さらに急がない存在と化している。
- 京急電鉄 逗子線、空港線の急行
- 急行と名乗りながら運行区間の各駅に停車する、通称 各駅急行。
- 東急東横線急行
- ほぼ1駅毎の停車で「隔駅停車」の由来となった列車。かと言って、停車駅が増えても準急などの種別デノミを行っていない。
- 京王電鉄の急行
- そもそも特急ですら特に急がない京王電鉄。そのため、急行も急がなくなるのは必然で、後述の名鉄と共に急行感のない急行となってしまっている[注 3]。ただし、高尾線内だけは特急より急行の方が速い。
中部[編集]
- えちごトキめき鉄道の観光急行1 - 3号
- 過去にあった能生騒動の再現のため、能生駅で運転停車を行う。結果糸魚川 - 直江津間で45 - 55分かかり普通列車よりも遅い。
- 富山地方鉄道本線の急行
- 上市遠廻り&スイッチバックかつほぼ全線が単線というハンデもあり、富山~魚津間の所要時間が競合路線のあいの風とやま鉄道線の普通列車の2倍近くある。
- 福井鉄道の急行
- 福井市街が併用軌道かつ赤十字前から南が単線というハンデもあり、所要時間が競合路線のハピラインふくい線の普通列車の1.5倍である。
- 飯田線秘境駅号
- 小和田、中井侍といった秘境駅に停車する観光列車のため、豊橋から終点の飯田まで5時間半以上、飽きることなく楽しめ、急ぐ必要はなく、急行料金も秘境駅維持のための寄付金と思えばよい。
- 名鉄名古屋本線の急行 神宮前 - 名鉄岐阜間
- 競合路線の東海道本線名古屋口の普通列車より遅い。もっとも、特急も東海道本線普通列車より遅いため必然的に急ぐことが難しい。2023年3月18日以降は日中の全急行列車が名鉄一宮折り返しになるため、もはや、名鉄は戦意喪失の感有り。
準急とは二ツ杁と大里の通過の違いのみなので、最早快速準急の種別でも文句は出ないかと。
- 名鉄名古屋本線の急行 神宮前 - 豊橋間
- 年々急行感を喪失させる急行[注 4]。1973年の急行復活時の停車駅は知立以東は現在と同じだが、知立以西の停車駅は堀田と鳴海でだけで、新幹線こだま型構内配線の堀田で全車座席指定の特急に追い抜かれるのみで、各駅停車との緩急接続も大事にされた。ところが、車両の性能向上と豊橋付近の事情で、堀田追い抜かれのダイヤグラム作成が困難になり、追い抜かれ駅が鳴海(一時新安城)や新規停車の前後になるばかりか、急行が普通を追い抜く駅が緩急接続しない本笠寺となり、各停停車駅からの利用が不便となり、さらに運賃だけで乗れる特急が2往復増発されたため、今や特急のスーパーサブに成り下がっている。
- 名鉄名古屋本線・河和線の快速急行
- 特急と停車駅が同じである常滑線・空港線を除いて、土休日早朝の栄生始発を除いて栄生が全通過となる以外は急行と停車駅が同じで、かつ平日に大里の特別停車もあり、加えて河和線直通の快速急行も急行との差異が大江しかなく、かつ全列車が聚楽園に特別停車、2024年3月改正では上ゲが標準停車駅に昇格し知多半田以南各停となり、快速感のない快速急行となってしまった。かといって平日朝だけの運行でないので、通勤急行と命名できないジレンマに陥っていると推察されるが、土休日は中部国際空港行のみなので、前述の快速準急の種別追加による種別再編や
京急や南海のパクリでエアポート急行や空港急行にする解決法もあるかと。
近畿[編集]
- 近鉄名古屋線の急行
- 塩浜以北では、対抗馬のJRが速さを追求しすぎて今やJRの快速のほうが停車駅が少ない。また、2012年のダイヤ改正以降の普通列車削減で南が丘、桃園の両駅が追加停車となり、江戸橋 - 伊勢中川間は、ほぼ各駅停車代用と化した。もっとも、本数・両数では近鉄のほうが圧勝しており、急ぐ必要はない。
- 近鉄大阪線の急行
- 車両経費をケチるため、青山高原の麓で各駅停車だったが、2018年3月から各停区間が一気に桜井 - 榊原温泉口間に拡大して、さらに急がない急行となってしまった。
- 京阪本線の急行
- 寝屋川市以北でほぼ隔駅停車。2000年以前は特急が大阪京橋-京都七条間ノンストップである一方、急行がほぼ隔駅停車状態でスピード感が無く、特急と急行の中間の種別を作れという声が盛んに挙がっていた。1997年の阪急京都線の十三 - 大宮間の特急ノンストップ廃止に追随するかのように、2000年より中書島と丹波橋が、2003年より枚方市と樟葉が特急停車駅となった。これで、急行不満層には一段階上位ぐらいの感じに収まった一方、京阪特急ファンの中にはノンストップとテレビカーの二枚看板の一つの喪失を惜しむ意見もあった。
- 阪急神戸線の急行、通勤急行
- 急行は4駅、通勤急行は3駅しか通過しない。全区間の半分以上が各駅停車である。
- 神鉄有馬線の急行
- 長田、丸山、鵯越、箕谷、六甲の5駅しか通過せず、鵯越〜箕谷間と箕谷〜六甲間はともに3駅連続停車。
- かつては鈴蘭台〜大池間ノンストップであったが、1984年に北鈴蘭台と山の街、1988年に谷上、2020年に花山が停車駅に追加された。
かつてあった例[編集]
- 臨時急行「銀河」
- 急行銀河と言えば、多くの人が寝台列車を想像するだろう。しかし、かつては全車座席指定の臨時「銀河」も存在しており、なかなかに癖が強い列車であった。第9117列車・急行銀河53号大阪行きは東京駅を23時59分に発車する。この6分前の23時53分には885M・普通小田原行きが東京駅を発車しているが、銀河53号はこの列車の12分後に小田原駅に到着している。つまり、普通列車より遅いのである。さらに、東京を30分ほど前に発車した345M・普通大垣行き(俗に言う大垣夜行・後のムーンライトながら)にも終点大垣まで追いつけないという有様である[注 5]。いくら臨時列車とは言えさすがに遅すぎなので、批判や「ムーンライトなにわ」の愛称の快速化の意見も多かった。
- 急行「たざわ4号、陸中4号、むろね4号」
- 国鉄の定期急行列車で「急行に抜かされる急行」として著名だった上り列車。岩手県内では先行するが、「韋駄天急行」として著名だった「くりこま6号」に瀬峰駅で追い抜かれた。1982年11月ダイヤ改正で廃止。
- 東武鉄道の急行全般
- 2006年の白紙改正において、有料急行をすべて特急に格上げしたことにより、快速との早い遅いの関係がJRと逆転した。2023年3月ダイヤ改正で、快速のほうが廃止され解消。
- 急行「つやま」
- 運行区間の岡山 - 津山間で、特に遅いというわけではないが、法界院駅の停車の有無しか、急行料金の要らない快速との差異はなかった。もっとも、地元としては岡山 - 鳥取間を結ぶ急行「砂丘」が存続されて経由地の恩恵があることを願ったのである意味、存続失敗でもあった。
関連項目[編集]
注[編集]
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