高松琴平電気鉄道1010形電車

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高松琴平電気鉄道1010形電車(たかまつことひらでんきてつどう1010がたでんしゃ)とは、かつて高松琴平電気鉄道に存在した電車の1形式のことである。琴電最後の自社発注車両であり、以降現在に至るまで他社からの譲渡車のみが琴電に入線している。

概要[編集]

高松琴平電気鉄道10000形電車に続く急行用電車として1955年に2連1本のみが製造されたが、電装品の取り付けが遅れて1960年に竣功した。10000形より少々遅れて急行運用に就いたがこんぴら2号という愛称がついていた。

構造[編集]

車体は高張力鋼を使用した軽量車体で、前面形状は湘南型となっており、窓配置も10000形とはやや異なった。

台車は国鉄から払い下げを受けたTR14とTR11で、いずれも釣り合い梁式の台車となっている。

主電動機も国鉄からの払い下げを受けたMT7を使用している。この電動機は低回転型だが、出力は端子電圧675V時100kWとなっており、端子電圧を考慮に入れると10000形に搭載された、750V時112kWのHS-355とほとんど変わらなかった。当然のごとく吊り掛け駆動方式で駆動する。

主制御装置は新製品で、多段式のMMCを採用している。

車内もクロスシートとなっていた。

運用[編集]

当初から急行に充当されたが、従来車との併結はおろか主電動機の特性の相違から10000形との併結もできなかった。

結果1971年の急行廃止後は性能をもてあまし、1978年には以下の大改造が行われた。

  • 前面形状を貫通化し、前照灯もシールドビーム2灯に変更
  • 制御方式のHL化
  • ブレーキ方式のSME化
  • 主電動機を京急230形からの廃車発生品に変更
  • 車内をオールロングシート化

さらに1983年には台車をFS522とFS022に交換され、主電動機についてもMB-3239Aになり、平行カルダン駆動となった。なお、冷房装置は廃車まで搭載されなかった。

このようにして先輩の10000形が1986年に廃車解体された後も生き延びたが、京急旧1000形が入線し、1080形が竣功すると冷房装置がないことから原則朝ラッシュ時のみの運用となった。

そして2003年に京急700形電車1200形が入線。その前後に行われたさよなら運転をもって運用を離脱し、廃車解体となった。これをもって琴電から動態保存目的を除いた自社発注車両が姿を消し、以降2026年度まで自社発注車の導入は途絶えることになる。

関連項目[編集]