近鉄1000系電車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
2022年10月現在も使用されるT08編成。
Wikipedia-logo.pngウィキペディアの生真面目ユーザーたちが近鉄1000系電車の項目をおカタく解説しています。

近鉄1000系電車(きんてつ1000けいでんしゃ)は、近鉄大阪線名古屋線系統に所属する鉄道車両の1つ。電算記号はTの0番台。本項では、初代1200系についても記述する。

登場の経緯[編集]

改軌後の近鉄名古屋線では1600系をはじめとして1810系にかけて高性能の大型通勤車を投入していたが、一方で大阪線から転入してきた、車齢40年をオーバーする2200系の置き換えも問題となっていた。

しかし、2200系の主要機器自体はまだ十分に使える状態であったため、これらの機器を流用して本系列4連2本、2連6本が1972年より製造された。

構造[編集]

1810系に準じた21m4扉全鋼製車体を持ち、ラインデリアも装備されたが、1200系については当初から冷房装置が搭載された。

主要機器は旧品流用で、MB-211BFに吊り掛け駆動方式の組み合わせとされた。

主制御装置も種車のものを踏襲するが、1000系の電動車3両が単位スイッチ式の三菱製ABFM、それ以外が電動カム軸式の日立製MMCとされ、いずれもモータ2個単位で直並列制御を行う。

ブレーキ方式は新性能車との併結が見込まれたためHSCとされ、当初は発電ブレーキをもたなかった。

台車は電動車にはシュリーレン式の空気バネ台車だが、吊り掛けモーターにもWNモーターにも対応できるKD-75系を採用。付随車は在来車の養老線転出時に発生したKD-32系コイルばね台車を履く。

改造[編集]

冷房化[編集]

1982年までに1000系の冷房化が行われ、1200系と差異がなくなったことから1200系が1000系に編入されている。これにより旧1002Fは新1008Fとされ、1201Fが新1002Fに区分されている。

高性能化と編成組替[編集]

1980年代半ばになると機器類の陳腐化が目立ってきたことから800系820系伊賀線転出時に発生したMB-3020系を利用し、高性能化が1991年までに行われた。これによりク1100形と1810系のク1910形を入れ替える工事も行われ、更にはサ1960形6両が電装の上で本系列に編入され、モ1050形となっている。

これと同時に2両ユニット化や制御装置の8000系の改造発生品への交換、さらには界磁位相制御への変更がなされた。1810系と制御車交換が行われたのはこのためである。それでも抑速ブレーキの搭載は見送られた。

この際に3連化された編成はモ1000形にパンタグラフを2基搭載するようになった。

1998年には1001Fの電動車と2430系2446Fの付随車、およびその逆で編成を組むようになり、前者は名古屋に残留、後者は大阪に配置された。

車体更新[編集]

1991年から94年にかけて全体的な車体更新が全車に施された。

B更新[編集]

1993 - 97年に1810系からの編入車全車が2度目の車体更新を受けている。

廃車と現状[編集]

流用品の金属バネ台車を履いた4連のT01とT02は2005年から2009年にすべて廃車となり、本系列の旧式台車搭載車は姿を消した。

この際残った2446Fは元の編成を組んで現在でも名古屋線にて運用される。

2008年には3連のT03が、2022年にT06, T07の3連2本が廃車。残すは3連3本の9両のみだが、生え抜きの1000系はモ1000形3両のみであり、それ以外は1810系から編入されている車両ばかりである。逆に1810系へ編入された車両も早々と淘汰された。

2022年現在、残っている全車が明星に配置され、主に普通から準急までの運用に充当されるが、ワンマン運用には就かない。

2025年以降、新型車両への置き換え計画があるが、それ以前より2022年から大阪線2430系の転用による淘汰が進んでおり予断を許さない状況にある。

編成一覧[編集]

2022年に廃車されたT07編成。写真のク1107は1810系時代から数えて約55年間の長きにわたり使用された。

取り消し線は廃車。2022年6月現在のデータ。

  • T04編成
  • T05編成
  • T06編成 - 2022年9月廃車。
  • T07編成 - 2022年9月廃車。
  • T08編成

関連項目[編集]