近鉄2410系電車
近鉄2410系電車(きんてつ2410けいでんしゃ)は、近鉄大阪線系統に所属する近畿日本鉄道の鉄道車両の1形式。本項では、改造車モワ24についても記述する。
概要[編集]
1968年に2400系の増備車として登場。車体は2400系に準じた21m級4扉全鋼製車体だが、ラインデリアの設置や標識灯の形状変更などの改良がなされた。
主要機器も2400系に準じ、MB-3110系に三菱電機製のABFM電動カム軸式抵抗制御の組み合わせで、ブレーキ方式も発電ブレーキ付きの電磁直通ブレーキとされ、抑速ブレーキも備える。
台車についてはシュリーレン式空気ばね台車であるKD-66系が採用されている。
増備の変遷[編集]
当初は2両固定編成のみの在籍であったが、1969年には平坦区間用の増結車ク2590形、1973年には2430系の中間車2両を組み込んだ4両固定編成が登場した。最終的にク2590形3両を除くと21編成が落成したが、最終増備車の番号は2410Fとなり、2430系2431Fとの車番重複を回避した。
改造[編集]
冷房化・固定編成化[編集]
1979年から85年にかけて全車に対して冷房化が行われた。これと同時に増結車ク2590形の固定編成化も進められ、ク2591は1480系1496Fと、ク2592・ク2593は1200系・2430系と編成を組み、FC92編成、FC93編成を名乗った。
後にク2591は1480系廃車後に2470系T72編成と編成を組んでいる。
車体更新[編集]
1984年から1992年にかけて全車に対して内装材の交換や方向幕の設置をはじめとした車体更新が行われた。
B更新[編集]
ク2591号車を除く全車に対して、1996年から2002年までに2度目の車体更新が施され、さらにはク2592・2593には3度目の車体更新ともいえる内装材交換が2020年ごろに施されている。
検測車モワ24[編集]
2411Fに対して2006年に検測装置の設置や前面非貫通化などの改造が施され、モワ24およびクワ25に形式変更された。この2両のうちクワ25は台車をKD-61系に履き替え、6200系と編成を組んだうえで南大阪線系統の検測に用いることができる。かつては610系と編成を組んで養老線の検測も行っていたが、該当編成廃車により2022年現在は行う機会がない。
伊勢志摩お魚図鑑[編集]
2423Fのモ2423については鮮魚列車の代替として、2020年に伊勢志摩の海の幸をあしらった塗装に変更したうえで伊勢志摩お魚図鑑の専用車両となった。
伊勢志摩お魚図鑑は鮮魚列車と異なり、速達列車の最後尾に連結され、1両のみ魚行商組合が貸し切り、平日に行商人が乗り込む。
配置と運用[編集]
当初はすべて大阪線配置であったが、1980年代の一時期に1本のみが名古屋線に出張していたほか、ク2591が1991年に1480系とともに、ク2592・93の2両が2002年にFC92編成として名古屋線に転属している。モワ24系は改造直後から名古屋線に配置されている。
2001年に不運にもク2591が行き場を失い廃車解体され、2022年現在はモワ24系および伊勢志摩お魚図鑑を含めた44両が現存し、主に2両編成は大阪線の普通から急行まで幅広く、ク2590形は主に名古屋線の急行に充当される。ただし、名張ローカルや信貴線での運用はめったに見られない。
車齢は55年を迎えようとしており、2024年以降、形式未定の新型車両への置き換え計画があるが、まとまった両数在籍することから、当面の間しばらくの活躍が期待される。もっとも、モワ24系に関しては、近年の技術における営業者への架線モニタリング装置搭載による代替が利くようになったことから、代替なしで廃車となる可能性が否定できない。
脚注[編集]