近鉄2470系電車
近鉄2470系電車(きんてつ2470けいでんしゃ)は、かつて近畿日本鉄道に在籍していた鉄道車両の1形式。電算記号はTの70番台。主に近鉄大阪線・名古屋線で使用されたが、2002年に全廃された。
概要[編集]
1480系の増備車として、経年の浅い新性能特急車の改造発生品を多用して7両が製造された。事実上の1480系の増備車で、MB-3020系主電動機と三菱製ABFM単位スイッチ式制御器の組み合わせとされた。なお、単位スイッチ式制御器は近鉄ではこれが最後の採用となった。
1480系と異なる点は中間車の窓配置が前後非対称構造となっていることで、これについては1984年登場の2050系・9200系まで引き継がれることになる。
車両別解説[編集]
ク2581・82[編集]
1966年に製造された制御車。ク1580形と同様の21m両開き4ドア丸屋根鋼製車体を持ち、台車は10100系の台車交換で発生したKD-30Cを履く。
モ2471 - 74[編集]
1968年に製造された電動車。71と72、および73と74でペアを組む。71と73は中間電動車で制御装置を持ち[1]、前後非対称の窓配置が特徴。72と74は先頭車でパンタグラフを2基備える。主電動機は先述のMB-3020系で、台車はコイルばね式のKD-51系とされたが、これらは10400系の出力向上改造を行った際に発生したものに小改造を施して転用した。
ク2583[編集]
1968年に製造された制御車。基本仕様はク2581・82に準ずるが、この車両のみ完全新造で、台車は2400系と同一のコイルばね台車KD-60系を採用した。
その後の経緯[編集]
1979年に冷房化と固定編成化が行われ、モ2472-モ2471-ク2581でT71編成、モ2474-モ2473-ク2582でT73編成を組み、ク2583については1480系のモ1498-モ1497のペアと編成を組んだ。
以降は大阪線の他、3連運用の多い名古屋線でも使用されるようになったが、1999年に1480系モ1498-モ1497と編成を組んでいたク2583を皮切りに廃車が始まり、同年内にT71編成ク2581も、モ1496-モ1495の廃車で転用されたク2591と差し替えられ廃車。2001年にはク2591ともどもT71編成が廃車解体となり、最後まで残ったT73編成3両も2002年8月に廃車解体されて形式消滅した。
これをもって、近鉄線上の単位スイッチ式制御車も大阪電気軌道時代からの100年近い歴史に幕を閉じた。
注釈・出典[編集]
- ↑ 画像から判断。