JR西日本289系電車
JR西日本289系電車(JRにしにほん289けいでんしゃ)とは、2015年より運行を開始した、JR西日本の直流特急型電車である。
概要[編集]
北陸新幹線の開業に伴い余剰となったしらさぎ用の683系2000番台の交流機器を使用停止し、直流専用車とした形式である。のちに交流機器は完全に撤去された。
289系の投入により381系が置き換えられた。
京都に所属するくろしお用基本6両編成・付属3両編成と福知山に所属するこうのとり、きのさき、はしだて用基本4両編成・付属3両編成が存在する。
運用[編集]
京都車は「くろしお」「らくラクはりま」で、福知山車は「こうのとり」「きのさき」「はしだて」「まいづる」で運用されている。既存の287系とは連結できないため、287系とは運用が別である。
廃車[編集]
組み換えにより余剰となったサハ683-2509とサハ289-2510が廃車されている。それ以外は現役である。
改造[編集]
交流機器撤去[編集]
289系の交流機器を完全に撤去する改造である。FH301・FH306以外の全編成に行われた。
半室グリーン車化[編集]
クロ288を287系と同様の半室グリーン車に改造し、クロハ288とする改造。仕切りの増設や普通車部分の座席の交換が行われた。
683系化改造[編集]
福知山のFH301・FH306編成に行われた。改造後はサンダーバード用編成となっている。
前照灯LED化[編集]
福知山に所属する編成は、上部のヘッドライトがLED化された。
今後[編集]
北陸新幹線敦賀開業により北陸特急の運用減が確実視されているが、これに伴う289系の増加は北陸用・近畿用の両方ともないものと考えられる。
まず北陸用289系が増えない理由として、交流区間を走行する能登かがり火が残存するため、交流機器を使用停止し289系化すると運用に制約ができてしまう。わざわざ運用の制約という大きいデメリットを被ってまで289系化はしないだろう[注 1]。
その次に、ダイヤ改正後の681系が残存する見込みであること。これは既存の683系だけでは681系を置き換えきれないということであり、これ以上683系を減らすと運用が回せなくなるということを表している。
そして、近畿用が増えない理由として、旧2000番台の289系とそれ以外の683系では基本編成の仕様が大きく異なっていることが挙げられる。同系列間の大きな仕様の違いは障害となりやすく、ほとんどの683系2000番台がまだ新しいにも関わらず681系に北陸を追い出されたのは仕様の違いが少なからず関わっていると考えられる[注 2]。
以上のことから、これ以上289系が増加することは考えにくく、289系が増えるとすれば新大阪開業後になるだろう。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
JR西日本の鉄道車両 |