快くも速くもない快速列車
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概要[編集]
快速の名を冠しておきながら、快く速くない列車のこと。1980年代後半の黎明期、JR各社は各路線の全体的なスピードアップを推進し停車駅を絞った速達型快速が大量に設定された。しかし、2000年代からは効率化と乗車機会拡大に舵を切るようになり、2020年代頃に速達型列車はほぼ壊滅し、遅い快速列車が闊歩するようになった。
実例[編集]
北海道[編集]
- 特快きたみ
- 下りは旭川 - 当麻 - 上川間で、上りは当麻 - 上川間のみでしか連続通過をせず、それ以外の区間では、瀬戸瀬と西留辺蘂を通過する以外は各駅停車となる。但し、上川 - 留辺蘂間では廃駅が続出したため停車駅間の距離は長い。
東北[編集]
- 北上線快速
- 通過駅は小松川のみ。かつては通過駅ももっと多かったが、相次ぐ廃駅によって通過駅が一駅になった。
- AIZUマウントエクスプレス
- 2号は会津高原尾瀬口 - 会津田島間の全駅と男鹿高原駅を通過するが、1号の通過駅は男鹿高原のみ。かつては会津線内全区間で快速運転を行っていた。
首都圏[編集]
- 総武快速線
- 2023年3月改正で日中最大17分間の空きの時間ができ、アキバ方面から錦糸町で階段昇降をするうちに先発列車が発車して長く待たされることがあり、結局総武各停を乗り通した方が新小岩や市川に早く着くという乗換改悪が生じている。加えて市川駅や津田沼駅で成田エクスプレスなどの通過待ちにかかって、快速に乗るメリットのない列車もある。
- 内房線快速
- 東京直通の快速は数駅通過するという昔のイメージだったが、今や総武快速線直通は巌根しか通過せず、京葉線直通は蘇我以東各駅停車で快速感を喪失。
- 外房線快速
- 東京直通の快速は数駅通過するという昔のイメージだったが、今や総武快速線直通は千葉 - 大網間各駅停車、昼間の京葉線直通は蘇我以東各駅停車で快速感を喪失。
- 成田線直通快速
- 東京直通の快速は数駅通過するという昔のイメージだったが、今や東千葉しか通過しない。
- 中央快速線快速
もはや代表的存在。快速と名乗っておきながら通過運転を行う複々線化された区間が他の通勤五方面作戦の路線と比べてかなり短いこと、中野(土休日は吉祥寺)以西は全ての駅に停車のため区間快速然状態であること、三鷹以西[注 1]では上位種別の特快や特急に続々と抜かされてしまうこと、さらにラッシュ時は特に本数が多いため、とにかくノロノロ運転となってしまったりと、快速線ながら快くない要素がいくつも存在する。
詳細は「杉並三駅」を参照
- 中央快速線 通勤特快
- 遠近分離の観点から国分寺~新宿がノンストップであり、停車駅の数こそ少ないものの、先述の通りラッシュ時の本数が多すぎるため容赦なくノロノロ運転になってしまい、三鷹以東では各駅停車に抜かされてしまう事もしばしば。ノンストップ区間で乗降が全く無いことの気休め程度の存在でしかない。
- 京浜東北線の快速
- 通過駅は都心部の西日暮里、日暮里、鶯谷、御徒町(平日のみ通過)、有楽町、新橋だけである[注 2]。このため、快速と名乗っておきながら上野東京ライン系統などの普通列車よりも停車駅が圧倒的に多く、所要時間も遅い。
- 埼京線の快速
- 2019年11月より武蔵浦和 - 大宮も各駅停車となり、通過駅がわずか4駅のみとなった。
- 東海道線 快速アクティー
- 過去の事例。2007年以降、通過駅が辻堂、大磯、二宮、鴨宮の4駅のみ[注 3]となっており、全然快くも速くもないことから、偽称として「カクティー」と呼ばれる始末にまで陥った。なお、実際は大船・平塚・小田原などで普通を抜かすため、一応速達性は確保されている。停車駅だけで判断するのは愚行ということである。
- しかし、2021年3月のダイヤ改正で大幅な減便が行われ、以降は夜間の東京発下り2本のみが細々と運行を続けていたが、その残った2本も2023年3月のダイヤ改正で完全に廃止されてしまった。
- なお、快速アクティーの廃止後も湘南新宿ラインの特別快速が残っており、こちらは上記4駅に加えて恵比寿、宮原、北上尾、北鴻巣、吹上、行田も通過するだけまだマシであるのだが…
- 湘南新宿ライン 特別快速
- 通常、特別快速と聞くと快速より速い種別を連想するであろうが、湘南新宿ラインの特別快速は、高崎線内で快速アーバンの停車駅に加えて北本駅にも停車する。そのため、特別快速と名乗っておきながら、同線に存在する普通の快速に比べて全然快くも速くもない。
- 南武線快速
- 武蔵小杉 - 武蔵溝ノ口間で各駅停車になるなど、川崎口で速達感がない。ただし川崎駅基準で見た場合、日中の下り列車は府中本町・分倍河原・立川へ必ず先着する。
- 横浜線快速
- 相模原 - 八王子間で各駅停車になるなど、八王子口で速達感がないうえ、それ以外の区間もほぼ隔駅に止まるため、東神奈川口ですら速達感が少ない。ただし起終点駅基準で見た場合、日中の下り列車は相原 - 八王子へ、上り列車は鴨居・新横浜・菊名・東神奈川へ必ず先着する。
- 京王電鉄の快速
- 同線の快速は、各駅停車に続き2番目に遅い種別であるため全体的に停車駅が多く、連続通過をする区間もつつじヶ丘~調布間の1箇所のみで、つつじヶ丘以東はほぼ隔駅停車、調布以西は各駅停車となる。
中部[編集]
- 快速みすず
- 篠ノ井線で快速運転したのは今や昔。現在快速運転するのは飯田線の下り飯田~伊那福岡間、上り宮木~元善光寺間のみで、残り区間は各駅停車。
- 中央西線快速
- 通過駅は新守山、神領、定光寺、古虎渓の4駅のみで、多治見以北は日中の普通列車の設定がないためほぼ各駅停車の代わりである。2024年3月改正では、通過駅が
キセルのようは定光寺、古虎渓のみの劣化版の区間快速を設定されているが、これこそ、準快速の種別でもよいかと。それを言ったらかつてのセントラルライナーは多治見以北各停なのに乗車整理券持ちの人に席を譲らないといけなかったのでもっと酷い。 - JR東海の新快速、特別快速
- 岐阜以西、豊橋以東は各駅停車となり、前者の区間ではしらさぎ、大阪直通ひだといった特急との差別化が図られる。
- 飯田線南部の上り快速
- 急行伊那廃止後に設定された快速の生き残りだが、通学対策で天竜峡〜平岡間が各駅停車で、豊橋口も大海〜小坂井間が各駅停車で、往時[注 4]と比べ速達感が喪失された。
近畿[編集]
- 関西本線快速 亀山行
- 四日市以西は各停であるものの、国鉄時代は急行列車が停車していた富田駅すら通過し、特別料金がかからない以外は「区間特急」に近い。
- 特に急行かすが廃止前、かすがは四日市 - 亀山間全駅通過とされ、この快速との差別化が図られていた。
- 一部の快速みえ
- 普通列車の間隔が運行区間の一部で2時間程度空く時間帯を走る列車は、その区間のみ各駅停車となる。また、1往復のみ1年程度設定されていた紀伊勝浦行についても、熊野市以南で各駅停車として、特急南紀との差別化が図られていた。
関連項目[編集]
注[編集]
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