加越能鉄道キハ15000形気動車

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加越能鉄道キハ15000形気動車(かえつのうてつどうきは15000がたきどうしゃ)とは、かつて加越能鉄道に在籍していた気動車の1形式である。

概要[編集]

1950年代の加越能鉄道では金沢-富山間にて電化新線が計画されており、その改造種車となる試作車という位置づけも兼ねて1953年に15001の1両が製造され加越線に配備された。

システム上はキハ07に準ずるが、電車化を見据えた設計としたため気動車としてはかなり重量が嵩み、末期は欠陥気動車の烙印を押されていた。

構造[編集]

18m級2ドアのノーシル・ノーヘッダーの半鋼製車体を備え、前面は3枚窓となっているが、どちらかといえば当時製造されていた地方私鉄向けの電車に形態が類似していた。

エンジンはDMH17系で、出力は150ps。変速方式は機械式で、4速仕様であった。

一方、台車は電車用で重く、乗り心地の良いFS13[1]を採用し、軽量化を無視した設計となっていた。

結果として1両あたりの空車重量が30t近くとなっており、あの重くて非力と言われるキハ40系よりも非力な気動車となってしまった[2]

沿革[編集]

このような装備から、現場からも不評で、クラッチがすぐに摩耗する、プロペラシャフトが折れる、歯車が壊れるといった重大トラブルが多発した。しかも液体変速機への交換を要望されたにもかかわらず廃車まで実現しなかった。

結果、先述のように欠陥気動車の烙印を押され、電化新線計画も頓挫し電車化もなされず、末期は予備車となり、加越線廃止前の1969年をもって車齢わずか16年で廃車された。

脚注[編集]

  1. この台車は後に名鉄6750系電車にも使用された台車であった。
  2. 単純計算でキハ40を37トンの222ps×変速効率80%とした場合、1トンあたりの出力は約4.8psで、本形式を30トンの150ps×変速効率90%とした場合の約4.5psを少々上回っていた。

関連項目[編集]