近鉄2000系電車

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近鉄2000系電車(きんてつ2000けいでんしゃ)は、近鉄大阪線名古屋線系統に所属する近畿日本鉄道の鉄道車両の1形式。電算記号はXTの0番台。本項では、本系列の改造車である2013系についても記述する。

登場の経緯[編集]

名古屋線に残る2250系をはじめとした吊り掛け駆動方式の旧性能車の淘汰のために1978年から79年にかけて3連12本が製造された。

構造[編集]

車体は当時絶賛増備中であった2800系に準じた21m級4扉全鋼製車体を採用し、当初からロングシートの冷房付きとされた。

一方、機器類の一部は同時期に廃車された特急車10100系から流用しており、132kW級のMB-3020系主電動機および一部の台車が該当する。

制御装置は新製で、日立製のMMC電動カム軸式抵抗制御が採用され、ブレーキ方式も発電ブレーキ付きの電磁直通ブレーキとされ、大阪線での使用も可能なように抑速ブレーキも備える。

台車のうち、流用品は2002Fと2004Fの電動台車とすべての付随台車のKD-41系のみで、それ以外の電動台車は新造品のKD-85系が採用された。後にク2103 - 12の10両は台車を8000系からの発生品であるKD-64系に交換している。

同様の手法で2470系2680系が既に登場しており、本系列はそれに追随した形となる。

改造[編集]

トイレの設置[編集]

1987年に、大阪線の急行運用に充当できるように2014Fのク2107にのみトイレの設置が行われた。

車体更新[編集]

1996年から99年にかけて側面方向幕設置をはじめとした車体更新が全車に対して施工された。

ワンマン化[編集]

車体更新と同時並行で、初期の2本と2014Fを除く9本に対し鈴鹿線向けのワンマン化改造が施され、後に2022Fと24Fには機器統一工事もなされている。

観光列車「つどい」[編集]

つどい (列車)」も参照

2013年には伊勢神宮が62回目の式年遷宮を迎えることから、しまかぜの新製、伊勢志摩ライナーのリニューアルに続き、観光列車の投入が行われることになり、2012年末にプロジェクトがスタートした。

そして名称はわいわい賑やかに楽しんでもらえるようにつどいとされ、観光バス2台分のお客様を乗せられることを条件に種車を探した際に、3両編成でトイレのついた本系列の2014Fが抜擢された。

乗降扉は片側1箇所に減らされ、ク2107にはフリースペースが設置され、モ2013はイベントスペース設置、モ2014はオール座席スペースとされた。モ2014には子ども用運転台が設けられたが、マスコンは1810系H23編成の発生品を使用している。トイレは洋式化された。

塗色についても白をベースに伊勢志摩の海の幸や伊勢神宮をあしらったものに変更された。

これと同時に最若番号の2013を取って新形式2013系が誕生している。

B更新[編集]

2014年よりワンマン車を対象にB更新が始まり、2019年までに9本全車が完了した。2017年以降の7本には座席モケットや化粧板の交換を施した新仕様の内装に変更されている。

一方、非ワンマンの初期車2本には未施行である。

「つどい」リニューアル[編集]

2018年に湯の山温泉が開湯1300年を迎えることからリニューアルが施行された。

塗色は茶色とクリーム色を基調として金色帯が配され、内装のカーペットが石畳風に変更されている。

「つどい」再リニューアル[編集]

2023年1月にサイクルトレイン運用に対応するべく再リニューアルされることが発表された。愛称は「サイクルトレイン―KettA―」の予定。出場は2024年2月で、黄緑色ベースの塗色に変更された。

配置と運用[編集]

当初から全車が名古屋線に配置される。2022年現在は3連11本が富吉に、2013系が明星に配置され、前者は名古屋線の普通や準急を中心に、ワンマン車は鈴鹿線の運用にも就く。後者は標準軌区間のうち信貴線を除く全線で観光列車や団体列車として運用される。

なお、車齢は45年近く、一部の機器は製造から65年近くを経過しようとしており、特にB更新未施行の初期の2編成が2024年4月27日にお別れツアーを行うこともあり今後に要注目である。

関連項目[編集]