名鉄1600系電車
名鉄1600系電車(めいてつ1600けいでんしゃ)は、1999年に登場した名古屋鉄道の特急型電車の1形式。2008年の特急政策の見直しにより1700系に改造されたが、2021年までに全車廃車となった。本項では、そのセンナナヒャク系1700系についても解説する。
概要[編集]
パノラマカー白帯車の置き換えを目的に3連4本の計12両が落成した。本系列の投入時点では輸送力適正化も兼ねて1000系より1両少なくし、展望席も設けていないことが特徴となっている。
構造[編集]
先頭車20m級、中間車19m級の全鋼製車体を備え、車体幅は2700mmに抑えられたものの、高さは3100系と同様に65mm高くなった。前面は貫通型とされ、幌も設けられた。また、台車間距離を短く、オーバーハングを長く取ったことで急カーブの存在する吉良吉田駅への入線が可能になったものの、幌を接続した際に支障が出たため2005年に改良工事を行うまで幌の接続は行っていなかった。
主電動機は名鉄で歴代最大級となる200kWの主電動機に三菱あるいは東芝のIGBT素子のVVVFを採用。ブレーキ方式は電気指令式で、編成構成も1M2Tとされた。
台車は3500系などで実績のあるSUミンデン式ボルスタレス台車を採用。このため、1601Fで空気ばね式の車体傾斜装置の試験が行われ、試験結果は2000系に反映された。
沿革[編集]
当初から支線区などの特急運用に就き、2005年の空港線開業後には3500系と編成を組んで一部特別車の急行として運用される予定であったが、特別車の設定は特急以上とすることにしたため、主に名古屋 - 西尾間で運用され、朝夕の佐屋までの運用や、新可児・三柿野方面の特急にも充当された。
1700系への改造[編集]
2008年、名鉄は特急政策の見直しを行い、全車特別車はミュースカイのみとすることにしたため、本系列も整理対象となった。この際、一般車の2300系新造車にク1600から一部機器を提供してク1600形は車齢わずか9年で廃車にし、モ1700とサ1650はそのまま方向転換や制御装置のプログラム変更、防音車輪への交換などの改造を行ったうえで先述の一般車と連結。同時に豊橋方先頭車が1700番台となったことから1700系の新形式が興された。
この際に旧1601Fの不要となった車体傾斜関連機器はすべて撤去されている。
その後の動向[編集]
2016年には座席増設工事が行われた他、1700系化以降保っていた2200系調の塗装は1600系時代を彷彿させる塗装に変更された。
しかし、性能の不均衡などにより老朽化が早く進み、特別車2230系の新造により2020年から代替され、2021年2月までにすべて廃車となり形式消滅した。なお、同年1月に登場した9100系との併結運用も最晩年は存在した他、廃車の進んでいた2020年7月には「ドゥワァ! センナナヒャク!!」と発した男性が動画に映り込み話題になった。
廃車後はすべて東名古屋港から搬出され、現存車はない。
編成一覧[編集]
☆は三菱製インバータ搭載で2020年廃車、無印は東芝製インバータ搭載で2021年廃車。
- 1601F→1701F - 車体傾斜装置を搭載していたが撤去。
- 1602F→1702F
- 1603F→1703F☆
- 1604F→1704F☆
関連項目[編集]
- ドゥワァ! センナナヒャク!!
- 京阪3000系電車 (初代) - 特急の新型への置き換えで余剰整理が進み晩年は8両しか残らなかった。