営団6000系電車
営団6000系(えいだん6000けい)とは、かつて営団地下鉄に所属していた電車である。民営化後の東京メトロにも引き継がれた。
誕生の背景[編集]
千代田線が開業することになり、新たに車両を用意する必要性が生じたことから、新技術を大量に取り入れた新型車両を開発することになった。
特徴[編集]
21世紀の電車を目指した。
- 車内の端にはふちぬけを採用し広く見えるようにした。アルミ車体で戸袋窓はつけず軽量化に成功している。
- 40年経っても車体が錆びない構造。
- 駆動制御機構は回生ブレーキ付きが採用され、モーター制御は電機子チョッパ制御が採用された。
- サイリスタ素子によるチョッパ制御を用いたことによる省エネとアルミ車体採用による軽量化。
- 安全面の向上。
- 営団6000系ではドア窓が小さいのと大きいドア窓がある。前者は初期タイプ、後者はB工事後のタイプである。本系列では千代田線に導入された後ほぼ同一設計の7000系が有楽町線に、デザインが若干変更された8000系が半蔵門線に導入された。
その後[編集]
1990年までに試作車含めて36編成353両が製造され、以降の増備は06系に移行した。同時期には初期車のチョッパ装置も老朽化しており、リニューアル工事が開始されたが、2007年をもって打ち切られた。チョッパ制御で更新された編成は9本のみで、他はVVVF化されたか廃車まで未更新のままであった。
1次試作車はチョッパ制御の試験の後にVVVF試験なども行い、1979年に機器類を5000系と同様のものに変更されて北綾瀬支線に投入されている。
2010年以降は16000系へ置き換えられて廃車が進み、チョッパ車は2012年に全廃された。2014年には北綾瀬支線で使われていた1次試作車が05系におきかわる形で引退、2015年以降はVVVF車の廃車も進み、2018年11月の6102Fと6130Fの運用離脱をもって全車が引退となった。
廃車後、1次試作車と6102Fが新木場にて訓練用に保存され、7本が解体処分された以外はすべてインドネシアのKRLジャボタベックに譲渡されたが、譲渡先でも2本が廃車されている。
お別れ運転[編集]
2018年10月5日に定期運用を終了したあとも11月11日まで綾瀬駅~霞ヶ関駅間で6000系を使用した臨時列車が土休日のみ1往復運転された。
この臨時列車は鉄道ファンにより荒れに荒れて大変なことになったため、東京メトロ管内においてサイレント引退が増加する原因となり、その例として2020年に引退した、日比谷線系統にて運転されていた03系はサイレント引退となった。