国鉄DE10形ディーゼル機関車

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DE10 1697(大宮駅にて)

DE10形ディーゼル機関車(ディーイー10がたディーゼルきかんしゃ)とは、日本国有鉄道が設計・開発したディーゼル機関車である。鉄道ファンや現場からは「デーテン」と呼ばれることが多い。

概要[編集]

貨物駅・操車場・車両基地での車両の入換やローカル線の貨客列車牽引用として開発された。

国鉄は前記の用途に用いられる液体式ディーゼル機関車としてDD13形を生み出していたが、DD13は

  • 蒸気暖房装置がなく、冬期の旅客列車牽引に制約がある
  • 軸重が14トンと重く、線路等級の低いローカル線に入線できない
  • 軸数が少なく、制動力が不足する

などの弱点を抱えていた。

DE10はDD13の上記の弱点を解消するため

  • 蒸気暖房装置(SG)の搭載
  • 動軸数を5軸に増やして軸重を13トンに軽減

といった改良を加えて量産された。前後非対称の凸型ボディが特徴である。
関連形式としては冬季にラッセルヘッドを取り付けて除雪に対応したDE15がある。

その使い勝手の良さから、JR7社全てに継承され、山形新幹線着工後の寝台特急「あけぼの」牽引も担ったが、老朽化や客車普通列車の全廃、HD300DD200といった後継車両の登場で数を大きく減らしている。

番台区分[編集]

900番台[編集]

901号機のみが存在していたが、すでに解体されたようである。1967年に落成し、大宮操車場でしばらくの間重貨物列車の入れ換えに使用された。このときの試験結果を踏まえてDE11が開発されることとなる。

0番台[編集]

1966年から1~158号機の158両が製造された。JR四国にのみ継承され、1989年まで活躍した。

JR各社の状況[編集]

JR北海道[編集]

23両を継承し、各地での入換作業や急行列車、貨物列車牽引に使われたが、近年は入換作業やノロッコ号の牽引がメイン。

JR東日本[編集]

68両を継承し、入換作業や工事臨時列車、工場への入出場回送の牽引機などに使用される。ATS-P導入区間の走行を可能にするため、一部車両はATS-Pの搭載改造を受けている。この関係上、未搭載機とは顔つきが一部異なる。

キヤE195系GV-E197系などにより代替廃車が進行中。

JR東海[編集]

13両を継承し、入換作業や臨時列車の牽引などに使用された。床下機器をグレーに塗っており、軽快な印象を与えていたが2008年までに全廃された。

JR西日本[編集]

49両を継承し、工事臨時列車や工場への入出場回送の牽引などに使用される。特別色を纏う車両として後藤総合車両所所属の1161号機(奥出雲おろち号色)、梅小路運転区の1156号機(嵯峨野観光鉄道色)がある。

JR四国[編集]

37両を継承し、客車普通列車や臨時列車の牽引などに使用されたが、2023年3月末に最終運用である羽ノ浦工臨をもって全運用を終え、3月31日をもって最後の1機である1139号機の車籍が消滅した。

JR九州[編集]

19両を継承し、臨時列車やマヤ検、廃車回送の牽引、クルーズトレインななつ星 in 九州の牽引などに使用される。なおななつ星と編成イメージを揃えるためか塗装を黒色に変更し、手すりを金色に塗っている。

DD200形やBE220形の導入により廃車が進んでいる。

JR貨物[編集]

151両を継承し、入換作業を中心に一部本線での貨物列車牽引に使用される。除雪主用途のDE15を購入し本形式に編入したこともあったが、後継機のHD300形やDD200形の導入により徐々に数を減らしており、DE10の全般検査は2017年5月に終了している。

同型車・譲受車[編集]

DE15のDE10相当改造車やDE11の同型車もここで扱う。

十勝鉄道[編集]

JR東日本より1543を譲受し、その後DE15 1525もDE10 1250として竣工したが、てんさい糖輸送の終了で秋田臨海鉄道に譲渡された。

八戸臨海鉄道[編集]

JR東日本より1761を譲受。八戸にゆかりのある機体でもある。

秋田臨海鉄道[編集]

新潟臨海鉄道よりDE65の2号機、十勝鉄道より1543と1250を譲受しそのままの番号で運用していたが、2021年の運用終了後にDE10 1543は解体、残りは仙台臨海鉄道に譲渡された。

新潟臨海鉄道[編集]

同型車としてDE65形1・2号機を新製し、後にDE10 1144を改造して3号機としたが、輸送終了後に1・3号機は解体、2号機は上記秋田臨海鉄道に譲渡された。

仙台臨海鉄道[編集]

全車がDE65形となっており、秋田臨海鉄道より譲り受けた2号機、同社のDE10 1250を改番した5号機、JR東日本のDE10 1536を改番した3号機、同社のDE15 1538を改番した1号機が在籍する。

過去には89・133・134・141号機を国鉄から購入したがSD55の導入が決定し運用に就くことなく解体されている。

真岡鐵道[編集]

JR東日本から1535を譲受。同社50系やSLもおか号の牽引・回送に使用される。

わたらせ渓谷鐵道[編集]

JR東日本から1537と1678を譲受。トロッコわたらせ渓谷号および、今は亡きサロン・ド・わたらせの牽引に使用。

東武鉄道[編集]

JR東日本から1099と1109を譲受。SL大樹の後部補機と、秩父鉄道三ヶ尻線廃止に伴う栗橋駅での車両授受に使用される。

衣浦臨海鉄道[編集]

全車がKE65形となっており、同型機の1・3号機と、国鉄清算事業団から購入した2・5号機が存在。後者は2代目で、初代は同型機であったが輸送需要減退により樽見鉄道に譲渡された。

樽見鉄道[編集]

全車がTDE10形・TDE11形で揃えられており、101が自社発注、102と103が元KE65 2・5(いずれも初代)、105が元国鉄のDE10 149、113が元西濃鉄道のDE10 502となっていた。113の導入時に103が高崎運輸に転出し、残りもセメント輸送廃止により2007年までに全車両が廃車され現存しない。

神岡鉄道[編集]

貨物輸送用に1005を四国から譲受しKMDE101としたが2002年に廃車された。

西濃鉄道[編集]

DD401の置き換えを目的に0番台を2両購入し501・502号機としたが、502号機はまもなく樽見鉄道に譲渡。501も2021年に元・秋田臨海鉄道の1251と入れ替わりで解体された。

[編集]

JR JR東日本の鉄道車両
客車
特急型(寝台含む) 14系(14形・15形)* - 24系(24形・25形)* - E26系
急行型 12系*
一般型客車 50系* - 旧型客車*
気動車
特急型 なし
急行型 キハ58・キハ28*
一般型 キハ40・キハ47・キハ48*(・2代目*) - キハ52* - キハ30・35・36* - キハ37* - キハ38* - キハ45* - キハ100・キハ110 - キハE120・キハE130 - キハ141*
電車
直流
特急型 183系・189系* - 185系* - 251系 - 253系(1000番台)0番台は引退済み - 255系 - E257系 - E259系 - E261系 - E351系 - E353系 - 651系(クハ651-1001)
急行型 165系・167系・169系* - 157系*
近郊型 111系・113系* - 115系*クモハ115-1030) - 123系* - E129系 - E131系 - 211系* - E217系 - E231系1000番台 - E233系3000番台
通勤型 旧型国電 - 101系*103系* - 105系* - 107系 - E127系 - E131系 - 201系*クハ201-1) - 203系* - 205系*(・500番台) - 207系900番台* - 209系 - 215系 - E231系(1000番台除く) - E233系(3000番台除く) - E235系 - 301系*
交直流
特急型
一般用 485系・489系* - 583系* - 651系(0番台) - E653系 - E657系
貴賓・団体用 E655系
急行型 455系・457系*
近郊型 401系*403系*415系* - 417系*
通勤型 E501系 - E531系
交流
特急型 E751系
急行型 なし
近郊型 715系* - 717系* - 719系
通勤型 701系 - E721系
ハイブリット車
気動車 キハE200形
ハイブリッド車(蓄電含む) HB-E300系 - HB-E210系 - HB-E220系 - EV-E301系 - GV-E400系 - EV-E801系
その他車両
旅客 E001形四季島専用) - HB-E300系
事業用車
機関車
電気機関車
直流 EF55形* - EF58* - EF60形* - EF62形* - EF63形* - EF64形* - EF65形*
交直流 EF81形* - EF510形
交流 ED75形*
ディーゼル機関車 DE10形 - DD51形*
蒸気機関車 D51形* - C58形* - C62形*
電車
直流 143系* - 145系*
交直流 E491系 - E493系
交流 なし
気動車 キヤE193系 - キヤE195系 - GV-E197系
除雪モーターカー ENR-1000形
研修用機械 E991系(偽)
新幹線
旅客 200系* - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系 - E6系 - E7系 - E8系
検測車 E926形(East i)
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR東日本には書類上存在しない。
データは2023年1月19日現在のもの。
東海旅客鉄道のロゴ.png JR東海の鉄道車両
客車
特急型 14系*
急行型 12系*
近郊客車 50系(救援車)*
気動車
特急型 キハ80 - キハ85 - HC85
急行型 キハ58・キハ28*・キハ65*
一般型 キハ40・キハ47・キハ48*(・2代目*)キハ11 - キハ25 - キハ75 - キハ30*
電車
特急型 381系* - 371系 - 373系 - 383系 - 285系3000番台 - 385系予定
急行型 165系・167系*
近郊型 111系・113系* - 115系* - 117系* - 119系* - 123系* - 211系0番台*0番台のみ廃車 - 213系 - 311系 - 313系
通勤型 103系* - 315系
事業用車
機関車 EF64* - EF65* - DD51*
電車・気動車 145系* - キヤ95(ドクター東海) - キヤ97
新幹線
旅客 0系* - 100系* - 300系 - 700系 - N700系(N700A・N700A・N700S)
検測車 923系(ドクターイエロー)
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR東海には書類上存在しない。なお、JR東海内が保有する国鉄車は全廃している。385系は製造予定。
データは2022年9月1日現在のもの。
JR西日本の鉄道車両
客車
一般用 オハフ33形* - オハ46形* - マイテ49形* - 50系* - 60系* - 35系
急行形・特急形 12系* - 14系* - 20系* - 24系*
貨車
ヨ8000形* - チ1000形* - チキ5200形* - チキ5500形* - チキ6000形* - チキ7000形* - ホキ800形* - トラ45000形* - トラ70000形* - ワム80000形* - ワキ5000形* - ワキ10000形*
気動車
急行型 キハ58系* - キハ65形*
特急型 - 87系 - キハ181系* - キハ187系 - キハ189系
一般型 キハ20系* - キハ33形 - キハ35系* - キハ37形* - キハ40系 - キハ45系* - キハ120形 - キハ121系 - キハ122系 - キハ126系 - キハ127系
電車
直流用
特急型 - 183系 - 271系 - 273系 - 281系 - 283系 - 285系 - 287系 - 289系 - 381系*(定期運用終了)
急行型 165系 - 167系* -
近郊型 クモハ84形 -111系*・113系* - 115系* - 117系* - 123系* - 125系 - 211系 - 213系 - 221系 - 223系 - 225系 - 227系
通勤型 直流用クモハ42系* - クモニ83形* - 101系* - 103系* - 105系* - 201系 - 205系 - 207系 - - 321系 - 323系
交直流
特急型 485系* - 489系* - 583系* - 681系 - 683系
急行型 457系 - 471系 - 475系*
近郊型 413系* - 415系* - 419系* - 521系
通勤型 なし
ハイブリット車 DEC700形
その他車両
事業用車
機関車
電気機関車
直流 EF15形* - EF58形* - EF59形* - EF60形* - EF64形* - EF65形* - EF66形*
交直流 EF81形*
交流 なし
ディーゼル機関車 DD14形* - DD15形* - DD16形* - 912形* - DD51形* - DE10形* - DE15形*
蒸気機関車 C56形160号機、展示用) - C57形1号機) - C61形(2号機、展示用) - C62形(2号機、展示用) - D51形200号機
電車
直流 クモヤ90形* - クモヤ91形* - 145系*
交直流 441系* - 443系*
交流 なし
客車 マヤ34形* - オヤ31形*
貨車 ケ10形* - ソ80形* - 923形* - 931形* - 935形*
気動車 キヤ141系 - キヤ143形 - キヤ191系* -
ハイブリッド車 DEC741形
新幹線 500系 - 921形 - 922形* - 923形
新幹線 0系* - 100系* - 300系 - 500系 - 700系 - N700系 - N700S - W7系
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR西日本には書類上存在しない。
データは2024年10月1日現在のもの。