JR東日本キハE130系気動車
JR東日本キハE130系気動車(じぇいあーるひがしにほんきはE130けいきどうしゃ)とは、JR東日本の所有する一般型気動車の1形式。
登場の経緯[編集]
水郡線では2扉のキハ110系が投入されていたため、混雑に悩まされていた。そこで3扉の新車を水郡線に投入し、それにより余剰となったキハ110系を他線区に転属させて国鉄型気動車の置き換えを図ることにした。
この際に登場したのがキハ130系で、後に久留里線や八戸線にも投入され、計67両体制となった。また、本系列の2扉版であるキハE120も新潟地区に投入されている。
構造[編集]
車体はE231系に準じたオールステンレス車体で、20m級の3扉となっている。車体幅も2900mmに拡げられている。この車体の基本構造は両開きのまま2扉化したキハE120や片開き2扉のハイブリッド気動車であるキハE200にも引き継がれている。
車内は100番台がオールロングシート、それ以外はセミクロスシートとなっている。100番台およびキハE132形以外には車いす対応トイレを備える。
エンジンはコマツ製のDMF15HZ形エンジンで、出力は450馬力を確保している。変速機は変速1段・直結4段のDW22系を採用し、0番台では起動加速度1.58km/h/sを確保している。一方で、100番台と500番台では使用線区を勘案して営業最高速度と起動加速度を低く設定している。もっとも、スイッチで0番台レベルの性能の確保は可能である。
台車は軸梁式のボルスタレス台車であるDT74系とTR259系を採用している。
運転機器は左手式ワンハンドルマスコンを採用。ブレーキ方式もキハ110系に準じた電気指令式ブレーキとなっている。
0番台は電気連結器を2段にしたためキハ110系との併結も可能だが、100、500番台は電気連結器をキハ110系との併結対応としておらず、1段のみである。
形式別概説[編集]
- キハE130形
- 両運転台式。100番台にはトイレを備えない。
- キハE131形
- 片運転台式で、トイレを備える。下記のキハE132形とペアを組む。100番台には設定がない。
- キハE132形
- 片運転台式で、トイレを備えない。上記のキハE131形とペアを組む。100番台には設定がない。
運用[編集]
2021年現在、番台別に以下の線区で運用される。
0番台[編集]
各形式13両ずつ、計39両が配置され、水郡線の全運用を担う。かつてはキハ110との併結も頻繁に行っていたが、本系列の導入が進み全車が他線区に転属したため終了している。
100番台[編集]
- 久留里線全線
キハ130形のみ10両が配置され、久留里線の全運用を担う。当該線区には最後までキハ30系やキハ37、キハ38が残っていたが、本系列の投入により全て淘汰された。なお、置き換え対象車のエンジン出力が250psに抑えられていたためか、本系列でも出力を290psに落としている。
500番台[編集]
- 八戸線全線
各形式6両ずつ、計18両が配置され、八戸線の全運用を担う。当該線区には非冷房のキハ40系しか配置されていなかったが、本系列の投入により全て淘汰された。また、原則は八戸線のみの運用だが、大湊線や釜石線にも代走で入線することがある。
本区分は試行的に国内外のメーカーから車両製造を公募する形で調達が行われたが、最終的に本系列という形になり、新潟トランシスですべて製造されている。
最高速度は100㌔だが、八戸線内では原則85㌔で運行している。なお、置き換え対象のキハ40は最高速度が時速95㌔。
関連項目[編集]
JR JR東日本の鉄道車両 |