JR東海315系電車

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JR東海315系電車
315 C2 at Tsurumai.jpg
運用中の315系C2編成。
中央線鶴舞駅にて
製造所日本車輌製造
運用者東海旅客鉄道
製造年2021年 -
製造両数352両(予定)
最高運転速度130Km/h
設計最高速度130Km/h
電源方式直流1500V
保安装置ATS-ST・ATS-PT
主電動機三相かご型誘導電動機
制御方式SiC素子VVVFインバータ制御
台車C-T257(T車)
C-DT69(M車)
主な走行路線中央線 (名古屋地区)
東海道線(予定)
主な運用普通・快速
所属車両
センター
神領車両区
リンクJR東海ホームページ
備考「クハ」などの表記が国鉄フォントらしい…
本のアイコン.pngよみものプロジェクトのライターが『315系は大垣に来るな』を執筆しています。

JR東海315系電車(じぇいあーるとうかい315けいでんしゃ)とは、2021年度より営業運転を行っている東海旅客鉄道の車両。

運用前の315系。

概要[編集]

2020年1月に発表された、従来の211系213系311系の置き換え用の車両で、JR東海では初の通勤型形式と表明している[注釈 1]。2021年11月に最初の編成が出場した。

2022年3月5日中央線名古屋 - 中津川間で運行を開始した[1]。これにより313系8000番台が一時的に関西線に転属し、211系0番台の運用を置き換えた。しかし、同形式はわずか数日で静岡に転属したため8000番台関西線は幻となったのであった。

初の運行列車はC2編成とC6編成だった。

構造[編集]

JR東海の近郊形車両では初めてとなる、コルゲート(ビート)のない車体を備える。車体長は20m、ドアの数は3つ。

日本車輌製造の新ブランド、「N-QUALIS」の第一弾。

車内はオールロングシートであり、相変わらず静岡ロングシート地獄の解決にはならないが、全編成のトイレ設置が決定しているため、トイレなし地獄は解消される。

制御方式はVVVFインバータ制御で、単独M方式を採用している。主電動機出力は170kWとされ[2][注釈 2]、313系の185kWと比べると抑えられたが、この出力自体は名鉄9500系電車と同一である。駆動方式はHC85系に続いてWNドライブを採用した。

空調設備にはAIが搭載されている。これは国内初。

8連については電気連結器が装備されていない為、211系、213系、311系、313系との日常的な連結は考慮されていないと思われる。一方、4連については、313系との併結を考慮した電気連結器、ワンマン設備は装備されているがスノープラウはついていないため、暖地向けとなることが確定した。

4連については2022年12月22日に落成。3000番台となりC101/C102がつけられている。神領向けとして製造されたが、今後は大垣や静岡にも投入されることが予想される。

番台[編集]

315系は現在2種類の番台が存在する。

なお、現時点では明確な次車区分は存在しないため、ここでは独自に、2021年度に製造された車両を「1次車」、2022年以降に製造された車両のうち、最初に製造された0番台3編成・3000番台2編成を「2次車」、それ以降に製造された0番台13編成を「3次車」、さらにそれ以降に製造された3000番台を「4次車」と呼称する。

0番台[編集]

211系の置き換え用として中央西線に投入された。8連固定編成であり、電気連結器・貫通幌はついていない。C0番台がつけられている。2023年9月21日までに23編成が製造された。

1次車[編集]

最初期に登場したグループ。C1編成からC7編成が該当する。

2次車[編集]

スカートの形が変更されたグループであり、C8編成・C9編成・C10編成、C101・C102編成が該当する。当初から非常時の走行用蓄電池を搭載。

3次車[編集]

2次車から信号炎管を廃止したグループであり、C11編成以降が該当する。0番台は3次車までで全編成が出揃った。

なお、信号炎管を廃止した理由については「列車無線アンテナ」が時代の主流であるため、信号炎管を使用することはほぼ無いと考えられているからである[注釈 3]

3000番台[編集]

2023年6月、名古屋駅にて撮影した3000番台。

4連として2022年12月に登場。神領に所属し、C100番台がつけられている。0番台と違い貫通幌・二段電気連結器がつけられている[注釈 4]。また、遠隔カメラを使用した従来形式にないワンマン運転に対応している。編成両端にTc車を配置した2M2T仕様で、中間車は同じモハ315形である。2023年6月1日より関西線にて運用中であり、中央西線でも重連8両を組み0番台の代走に充てられることがある。2024年3月からは東海道本線大垣 - 大府と武豊線に、6月からは東海道本線熱海-豊橋間に運用を拡大した。 313系との併結も可能であり、2023年1月に併結試運転、同年11月に併結での送り込み回送、2024年3月より併結による営業運転を行っている。311系、211系との併結は実績がないため不明だが、お隣の会社221系225系の制御伝達システムが異なり併結できないことを踏まえると不可能と思われる。

大垣に1両も導入しないという声もあるが、神領車両区の容量が不足し得ることや、大府 - 豊橋間と大垣 - 米原間への運用拡大の際に極めて効率が悪くなることから疑問視する声が多い。

4次車[編集]

上記3次車から所属表記を省略したグループ。C103編成以降、U編成が該当する。神領向けについては当初よりホームドアに対応したQRコードが貼付されているが、これは武豊線への直通運用目的・東海道線運用向けに設置されたものである[注釈 5]
静岡車は、身延線・御殿場線での運用を見込んでのEAO社による半自動ドアが装備されているが、ドアボタン有無以外は神領車と変わりはない。

C101・102編成は上記2次車にあたり、3000番台の1・3次車は存在しない。

今後[編集]

2025年度末までに8連23本、4連42本の計352両が、関西線、中央西線、東海道線 (静岡地区)に導入されることが決定している。2026年度の増備も計画されているとの情報も存在し、下手をすると313系の初期車、ひどい場合は373系の離脱の可能性が示唆されている。なお、この情報はJR東海の有価証券報告書の設備新設計画の完成予定時期を根拠にしたものであるが、計画当初の2020年から投資額に変化がないとの指摘もあり、2026年以降の増備の可能性は低いと思われる。

この形式の登場により211系名古屋地区0番台も含む)、213系311系が2025年度までに全廃し、313系が神領電車区から転出するため、一部の鉄オタからは恨まれている。

なお、中央西線名古屋 - 中津川間では2023年度内に運用を本系列に統一すると発表し、編成中間の運転台がゼロまたは2箇所に激減する事などによるラッシュ時の混雑緩和を一部から期待されている一方、この区間が新たにロングシート地獄&特急クロス誘導の区間に加わる。つまり、JR東海は「便利で快適な特急やホームライナーをご利用ください」といっているようなものである。
315系への統一は2023年中に完了し、2024年3月のダイヤ改正より中央西線名古屋 - 中津川間の普通・快速列車で130㎞/h運転を開始した。

静岡地区での試運転が行われた際には、車内LCDに身延線の表記が確認されていること、パンタグラフが狭小トンネルに対応しているということ、更には身延線の全線直通列車でも313系による4両運用の実績が臨時ながら存在することから、御殿場線や身延線の芝川以北の運用が新たに発生する可能性も少なくない。
2024年度より静岡地区への315系投入が開始されたが、当面は東海道線のみであり、その後身延線富士 - 西富士宮間と御殿場線の沼津 - 御殿場間に導入される予定である。その後、御殿場 - 国府津間への運用拡大と2026年度における御殿場線ワンマン運用の315系統一が示唆された。

また、東海道本線でも315系の投入はプレスリリースよりほぼ確定であり[3]、試運転を見ている限り飯田線平岡以南[注釈 6]にも入線する可能性があるが、新快速の編成内全車が315系となる運用が日中に所定で発生するかどうかは気になるところ[注釈 7]。ただ、2024年3月時点では大垣 - 大府間と武豊線で運転されているものの、311系の完全置き換えには至らなかった他、313系Y30編成の転属も始まったため、今後大垣に配属される可能性が少なくはない。もっとも、大垣車による混雑は異常であり、オールロングがないと困るという声も一定数存在する他、上述のように神領に28編成配置すると、313系B500編成を全数大垣に転属させても車両区の容量が不足すると判断された際、数編成程度は大垣への配置が必要な可能性もある。

編成一覧[編集]

8連[編集]

すべて0番台、神領所属。既に全編成が出揃っている。
  • C1編成
  • C2編成
  • C3編成
  • C4編成
  • C5編成
  • C6編成
  • C7編成
  • C8編成
  • C9編成
  • C10編成
  • C11編成
  • C12編成
  • C13編成
  • C14編成
  • C15編成
  • C16編成
  • C17編成
  • C18編成
  • C19編成
  • C20編成
  • C21編成
  • C22編成
  • C23編成

4連[編集]

神領向け
すべて3000番台。ホームドアに対応するためのQRコードが装備されている。
  • C101編成
  • C102編成
  • C103編成
  • C104編成
  • C105編成
  • C106編成
  • C107編成
  • C108編成
  • C109編成
  • C110編成
  • C111編成
  • C112編成
  • C113編成
  • C114編成
静岡向け
静岡向けの4連も3000番台を名乗り、車番は3029番以降が付与された。半自動ドアが装備されている。 
全部で14本が投入予定。
  • U1編成
  • U2編成
  • U3編成
  • U4編成
  • U5編成
  • U6編成
  • U7編成
  • U8編成
  • U9編成
  • U10編成
  • U11編成
  • U12編成

車両番号[編集]

  • クハ314
    • 1-23:3000番台4両編成のうち1号車。神領に配属
    • 3001-3014:3000番台4両編成のうち1号車。神領に配属
    • 3029-3036:3000番台4両編成のうち1号車。静岡に配属
  • クハ315
    • 1-23:0番台8両編成のうち8号車。神領に配属
    • 3001-3014:3000番台4両編成のうち4号車。神領に配属
    • 3029-3036:3000番台4両編成のうち4号車。静岡に配属
  • サハ315
    • 1-23:0番台8両編成のうち5号車。神領に配属
    • 501-523:0番台8両編成のうち4号車。神領に配属
  • モハ315
    • 1-46:0番台8両編成のうち3,7号車。神領に配属
    • 501-546:0番台8両編成のうち2,6号車。神領に配属
    • 3001-3014:3000番台4両編成のうち3号車。神領に配属
    • 3501-3514:3000番台4両編成のうち2号車。神領に配属
    • 3029-3036:3000番台4両編成のうち3号車。静岡に配属
    • 3529-3536:3000番台4両編成のうち2号車。静岡に配属

脚注[編集]

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注釈
  1. 従来JR東海が製造してきた3ドアの車両(211系、311系、313系)は全て近郊型に分類される。かつては国鉄から103系を通勤型として引き継いでいたが、2001年までにすべて廃車されている。
  2. ただし、220kWとしているブログもある。
  3. 同様の理由で、同時期に製造されたE235系FV-E991系にも信号炎管はついていない。なお、信号炎管を廃止した3次車は一部の鉄道ファンから嫌われているというか315系自体嫌われている面もあるが…
  4. そのため、315系の中では最も鉄オタから好まれている。
  5. なお、C101・C102編成は落成当初はQRコードが装備されていなかったものの、2023年10月に貼付が確認された。
  6. 平岡 - 天竜峡間でホーム長が3両分しかないように見える為栗駅の存在がある以上、現状のダイヤの場合の北限は水窪、運用改定があれば平岡と判断する。
  7. 仮に発生した場合は、オールロングシートの新快速という前代未聞のパターンとなる。
出典

外部リンク[編集]

近い世代の車両[編集]

関連項目[編集]

東海旅客鉄道のロゴ.png JR東海の鉄道車両
客車
特急型 14系*
急行型 12系*
近郊客車 50系(救援車)*
気動車
特急型 キハ80 - キハ85 - HC85
急行型 キハ58・キハ28*・キハ65*
一般型 キハ40・キハ47・キハ48*(・2代目*)キハ11 - キハ25 - キハ75 - キハ30*
電車
特急型 381系* - 371系 - 373系 - 383系 - 285系3000番台 - 385系予定
急行型 165系・167系*
近郊型 111系・113系* - 115系* - 117系* - 119系* - 123系* - 211系0番台*0番台のみ廃車 - 213系 - 311系 - 313系
通勤型 103系* - 315系
事業用車
機関車 EF64* - EF65* - DD51*
電車・気動車 145系* - キヤ95(ドクター東海) - キヤ97
新幹線
旅客 0系* - 100系* - 300系 - 700系 - N700系(N700A・N700A・N700S)
検測車 923系(ドクターイエロー)
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR東海には書類上存在しない。なお、JR東海内が保有する国鉄車は全廃している。385系は製造予定。
データは2022年9月1日現在のもの。