JR東海キヤ97系気動車
キヤ97系気動車(キヤ97けいきどうしゃ)とは、東海旅客鉄道(JR東海)の気動車である。
概要[編集]
国鉄時代から保線作業で用いるレールの輸送は機関車とレール輸送用貨車(長物車)の組み合わせで行っていた。しかしJR発足から20年が経過すると機関車と貨車の老朽化が進み、JR東海は在来線の規模が小さいこともあって定期旅客列車で機関車を必要とする列車がなく、専ら臨時列車にのみ使用していたこともあって乗務員の育成・整備員の育成、研修に手間を要するようになっていた。また機関車列車は折り返しの際に機関車を反対方向へ付け替える機回しが必要になり、小回りがききづらいというデメリットもあった。
そこで小回りが効く気動車でレールの輸送を行うよう車両の開発を進め、2008年にキヤ97系が登場した。キヤ97系は定尺レール(長さ25m)を輸送する0・100番台とロングレール(長さ200m)を輸送する200番台が用意された。
構造[編集]
0・100番台は長物車にキヤ95系のような顔をくっつけた外観で、0番台と100番台で2両1編成を組む。
一方200番台は13両編成を組む。取卸し作業を低速走行しながら行うために乗務員室の下にレールを通す空間を設ける必要があり、運転台部分が非常に独特な外観となっている。
運用[編集]
0・100番台は名古屋車両区に2両編成4本が配置されている。定尺レールは笠寺駅構内で積み込まれるが、2024年3月まではJR貨物名古屋港駅に隣接するJR東海名古屋資材センターで積み込まれていた。名古屋港駅へつながる支線はJR東海の営業免許がないため、名古屋車両区から稲沢へ自走で回送後、稲沢でJR貨物の機関車と連結し、JR貨物の貨物列車として名古屋港駅へ向かい、レールを積み込み。積み込み後、再びJR貨物の貨物列車として名古屋駅へ戻り、名古屋駅で機関車を解放してJR東海の列車として自走で目的地へ向かっていた。
200番台は美濃太田車両区に13両編成1本が配置されている。ロングレールは西浜松駅に程近いJR東海浜松レールセンターで積み込まれるため、基本的に西浜松駅に常駐している。
どちらも機関車の代用として事故車両の牽引回送に使用されることがある。
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