JR東日本EV-E301系電車
EV-E301系電車(イーブイ-イー301けいでんしゃ)とは、JR東日本が導入した蓄電池電車である。愛称は「ACCUM(アキュム)」。
登場の経緯[編集]
JR東日本では次世代エネルギーの車両として、クモヤE995を用いて直流架線集電併用の蓄電池電車の試験を行っていたが、蓄電池電車の実用化第1号として、老朽化の進むキハ40が蔓延る烏山線向けに、2014年より投入がなされた。
車両概説[編集]
総合車両製作所のブランドsustinaを、サハ5576に次いで2例目に採用し、20m級の3扉車体とされた。
機器類は、直流1500Vの架線電圧を630Vに降圧して使用され、制御方式は誘導電動機採用のVVVFインバータ制御である。蓄電池はリチウムイオン電池で、各車両の床下に5台ずつ設置されている。車内には充電状況を旅客に知らせるモニターもある。
内装はオールロングシート採用で車椅子スペースも持つが、トイレは持たず、代わりに各車に蓄電池搭載のデッドスペースを備える。
運用[編集]
当初は1本2両のみを投入し、試験的に3往復で運用されたが、2017年より量産車3本6両を投入し残りのキハ40も淘汰した。
2023年現在は烏山線全線と、宇都宮線宇都宮 - 宝積寺間で運用されるが、宇都宮 - 宝積寺間では普通の電車として、烏山線では蓄電池電源のみで走行。烏山駅では本系列用の充電装置を有する。烏山線での運転最高速度は65km/hである。
また、JR日光線で霜切り運用に充当される場合もあり、一度だけ霜切り運用中に車輪空転を起こした関係で日光→宇都宮で営業運転を行ったことがある。(目撃情報)
その他[編集]
交流区間でパンタグラフを下ろして、交直跨り区間(ex.宇都宮 - 結城)で運用することはない。
今後[編集]
JR東日本では一部区間の電化撤去を進める方針を2021年頃に示しているが、この一環で信越本線の安中 - 横川や弥彦線の燕三条・吉田 - 弥彦を電化撤去し、本系列を導入するという手法も不可能でないように感じる。また、久留里線末端区間が廃止となった際はEV-E301系を導入してキハE130を他線区に追いやることも不可能ではないはずである。
関連項目[編集]
- JR九州BEC819系電車
- 黒磯完全直流化 - 交直跨り区間だが、本系列で自走が必要な交流区間が平坦でないことや黒磯 - 新白河間に途中折り返し可能駅がない[注 1]ことで運用されていない。
注[編集]
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