JR東日本E127系電車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

JR東日本E127系電車(じぇいあーるひがしにほんE127けいでんしゃ)は、1995 - 98年にかけて製造されたJR東日本の鉄道車両のこと。

概要[編集]

1980年代後半の越後線・大糸線など信越支線区の普通列車には、急行列車の廃止で余剰となった急行形電車の165系169系が多数転用され、115系と混用されていた。
だが様々な問題点が発生していた。

  • 新製から20年以上が経ってしまったことによる陳腐化と老朽化。
  • ボックスシート、デッキ付き片側2扉の車体構造が朝夕のラッシュ輸送に向いていなかった。
  • 最低組成編成が3両(クハ-モハ-クモハ)であるため、日中閑散時には輸送力過剰となっていた。

これらの問題を抱えたまま国鉄分割民営化。引き継いだJR東日本に望まれたのは、時間帯ごとの需要に柔軟に対応できる車両の開発であった。

以上の経緯から107系が国鉄分割民営化直後の北関東地区に登場していたが、その後継として誕生したのがE127系である。

車両面[編集]

  • 1M方式を採用
  • 119系や107系と同じく2両編成を基本とすることで2両・4両・6両と需要に応じて輸送力の調整が可能。
  • 製造コスト削減を図るため、当時首都圏で絶賛増備中であった209系の設計を流用し、オールステンレス車体にGTOサイリスタ素子のVVVFインバータ制御を採用。このため、115系との併結はできない。
  • 投入線区事情で仕様が異なる番台区分を実施。

車体形状については東北地区でほぼ同時期に登場した701系のものをベースに、ステップをなくした形態のものとしている。前面も701系のものを踏襲するが、0番台については前照灯の形状が角型のものとされた。

各番台解説[編集]

0番台[編集]

南武支線で試運転をするV1編成

1995年に2連13本の26両が登場した。帯色は115系2次新潟色に準じたものとされた。座席配置はオールロングシートで、パンタグラフも701系のものをベースとした下枠交差型のものを搭載した。トイレは洋式のものである。

2008年、V3編成が踏切事故に遭い2014年に廃車。さらに2015年には10本20両が後述のようにえちごトキめき鉄道に譲渡された。

残る2本も機器更新を受けながら越後線弥彦線の運用に就いていたが、2022年3月11日をもって予告もなくひっそりと新潟地区での運用を終えた。その後、同年6月にE129系5編成14両が落雷の被害に遭い通常ダイヤの維持が不可能になったことから同月29日より4両固定編成を組んで暫定的に上越線にて交番検査を受けながらE129系の代走を11月頃まで務めていた。

なお、2023年度以降南武支線205系の代替を行うことが決定し、2月に長野に入場[1]、2023年9月13日より南武支線で運用を開始した[2]が、トイレは汚物処理装置含めそのまま存置されており[注釈 1]、南武支線における朝夕の混雑激化は避けられなかった[注釈 2]ものの、一部ファンから危惧されていたネット上での大炎上は免れた模様。ついでに方向幕、ハロゲン前照灯や下枠交差型パンタグラフの存置など手抜き改造が甚だしいことから一時的な転用という見方もできる。

2006年3月時点での編成
特記事項がない限りトキ鉄への未譲渡車。
  • V1編成 (トキ鉄へ譲渡)
  • V2編成 (トキ鉄へ譲渡)
  • V3編成 (事故廃車)
  • V4編成 (トキ鉄V3編成)
  • V5編成 (トキ鉄V4編成)
  • V6編成 (トキ鉄V5編成)
  • V7編成 (トキ鉄V6編成)
  • V8編成 (トキ鉄V7編成)
  • V9編成 (トキ鉄V8編成)
  • V10編成 (トキ鉄V9編成)
  • V11編成 (トキ鉄V10編成)
  • V12編成→ナハV1編成
  • V13編成→ナハV2編成

100番台[編集]

篠ノ井線などで活躍する100番台(A11編成)

1998年に2連12本の24両が登場した。1999年にはワンマン運用も開始。座席配置はセミクロス、パンタグラフもシングルアーム式、トイレもバリアフリー仕様とされるなど、ローカル線での仕業を意識したものとなった。クハE126の105 - 112は霜取り用のパンタグラフも備える。

2013年には1両のみの存在であったクモハ123の運用を置き換えた。

2022年現在、廃車は出ておらず、機器更新についても全車完了している。

主に大糸線篠ノ井線辰野支線で活躍している。中央西線飯田線には乗り入れない。

2006年3月時点での編成
特記事項がない限り霜取りパンタ搭載改造車。
  • A1編成 (霜取りパンタなし)
  • A2編成 (霜取りパンタなし)
  • A3編成 (霜取りパンタなし)
  • A4編成 (霜取りパンタなし)
  • A5編成
  • A6編成
  • A7編成
  • A8編成
  • A9編成
  • A10編成
  • A11編成 (新製時より霜取りパンタを搭載)
  • A12編成 (新製時より霜取りパンタを搭載)

えちごトキめき鉄道ET127系電車[編集]

詳細は「えちごトキめき鉄道ET127系電車」を参照

2015年の北陸新幹線開業に伴い上記の0番台10本20両をえちごトキめき鉄道が譲り受けたもの。ラッピングは妙高高原の山々をイメージしたものとされた。

V8編成とV9編成(旧V9・10編成)には霜取り用のパンタグラフも増設されている。

機器更新は2018年のV9編成を皮切りに進められ、2021年までに全車が完了した。

近い世代の車両[編集]

出典[編集]

注釈[編集]

  1. 汚物処理装置を撤去された上信電鉄700形電車よりも手抜き改造と言えよう。
  2. 実際、朝6時ごろから降車に時間がかかるというツイートがされている。

関連項目[編集]

JR JR東日本の鉄道車両
客車
特急型(寝台含む) 14系(14形・15形)* - 24系(24形・25形)* - E26系
急行型 12系*
一般型客車 50系* - 旧型客車*
気動車
特急型 なし
急行型 キハ58・キハ28*
一般型 キハ40・キハ47・キハ48*(・2代目*) - キハ52* - キハ30・35・36* - キハ37* - キハ38* - キハ45* - キハ100・キハ110 - キハE120・キハE130 - キハ141*
電車
直流
特急型 183系・189系* - 185系* - 251系 - 253系(1000番台)0番台は引退済み - 255系 - E257系 - E259系 - E261系 - E351系 - E353系 - 651系(クハ651-1001)
急行型 165系・167系・169系* - 157系*
近郊型 111系・113系* - 115系*クモハ115-1030) - 123系* - E129系 - E131系 - 211系* - E217系 - E231系1000番台 - E233系3000番台
通勤型 旧型国電 - 101系*103系* - 105系* - 107系 - E127系 - E131系 - 201系*クハ201-1) - 203系* - 205系*(・500番台) - 207系900番台* - 209系 - 215系 - E231系(1000番台除く) - E233系(3000番台除く) - E235系 - 301系*
交直流
特急型
一般用 485系・489系* - 583系* - 651系(0番台) - E653系 - E657系
貴賓・団体用 E655系
急行型 455系・457系*
近郊型 401系*403系*415系* - 417系*
通勤型 E501系 - E531系
交流
特急型 E751系
急行型 なし
近郊型 715系* - 717系* - 719系
通勤型 701系 - E721系
ハイブリット車
気動車 キハE200形
ハイブリッド車(蓄電含む) HB-E300系 - HB-E210系 - EV-E301系 - GV-E400系 - EV-E801系
その他車両
旅客 E001形四季島専用) - HB-E300系
事業用車
機関車
電気機関車
直流 EF55形* - EF58* - EF60形* - EF62形* - EF63形* - EF64形* - EF65形*
交直流 EF81形* - EF510形
交流 ED75形*
ディーゼル機関車 DE10形 - DD51形*
蒸気機関車 D51形* - C58形* - C62形*
電車
直流 143系* - 145系*
交直流 E491系 - E493系
交流 なし
気動車 キヤE193系 - キヤE195系 - GV-E197系
除雪モーターカー ENR-1000形
研修用機械 E991系(偽)
新幹線
旅客 200系* - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系 - E6系 - E7系 - E8系
検測車 E926形(East i)
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR東日本には書類上存在しない。
データは2023年1月19日現在のもの。