国鉄キハ45系気動車
国鉄キハ45系気動車(こくてつきは45けいきどうしゃ)とは日本国有鉄道が開発、製造した、内燃動車である。「キハ23系」とも言われる。いずれも現場や鉄道ファンがつけた通称であって正式名称ではない。
登場背景[編集]
キハ10系気動車とそれに続くキハ20系により閑散線区の近代化、合理化が実現したが、都市近郊の混雑には対応できなかった。通勤用気動車としてキハ30系も登場していたが、閑散時間帯の接客設備としては不十分であった。そこで、様々な用途に対応できる近郊型気動車として本形式が誕生した。
なお、1977年に登場したキハ40系は本形式と別カテゴリーに分類されるため、別ページとする。
概要[編集]
2扉セミクロスシートのディーゼル動車である。閑散線区の無煙化が進んでいたため、製造は少数にとどまった。
仕様[編集]
車体長21300mm、車体幅2929mmである。裾絞りはない。床下にDMH17Hエンジンを搭載している。20系気動車との相違点は、高運転台となり、前照灯がシールドビーム化されて左右に振り分けられ、列車種別表字幕が取り付けられた。運転台窓はパノラミックウィンドとなった。運転台下にはスカートが設置され、その下にはスノープラウが設置された。客用扉は幅1200mmの両開きとなった。客用窓はユニット式の上段下降下段上昇窓である。室内はセミクロスシートである。クロスシートの間隔、幅は近郊型電車と同様に狭くなって混雑時に対応できるようにした。戸袋窓部分はロングシートとなった。
車両[編集]
キハ23[編集]
床下にDMH17Hディーゼルエンジン1台を搭載した両運転台の気動車である。
キハ24[編集]
床下にDMH17Hディーゼルエンジン1台を搭載した両運転台の北海道用気動車である。客用扉は1000mm幅の片開き式のものを車体端部に設けた。室内とは仕切が設けられている。客用窓は二重の一段上昇窓である。
キハ45[編集]
床下にDMH17Hディーゼルエンジン1台を搭載した片運転台の気動車である。
キハ46[編集]
床下にDMH17Hディーゼルエンジン1台を搭載した片運転台の北海道用気動車である。客用扉は1000mm幅の片開き式のものを車体端部に設けた。室内とは仕切が設けられている。客用窓は二重の一段上昇窓である。
キハ53[編集]
床下にDMH17Hディーゼルエンジン2台を搭載した両運転台の勾配区間用気動車で0番台と100番台が製造された。なお、200番台と1000番台はキハ58、500番台はキハ56から改造されたキハ58系に属する車両で、本系列とは関係ない。
簡易荷物車[編集]
少量の荷物輸送を行うために車内中央部にアコーディオンカーテンを設け、荷物輸送を行うときはアコーディオンカーテンを閉じる。荷物を搭載する部分の座席はロングシートとなっている。この機能を持つ車両は600番台となっている。
運用[編集]
都市近郊での通勤通学輸送から日中の閑散時間帯まで使用された。投入当時はキハ58系の単行形のキハ53形が無かったこともあり、「いなわしろ」などの単行の急行列車にも用いられた。波動輸送にも使用されたが限定的である。
国鉄分割民営化後[編集]
車令が若かったこともあり、事故廃車になった車両を除きすべてJR旅客鉄道会社に引き継がれたが、1990年代以降、急激に廃車が進み、2003年の西日本旅客鉄道のキハ23 520が引退したことにより定期運用を終了。その後最後まで保留車として残ったキハ23 1の解体処分によって、先に登場したキハ52よりも先に形式消滅した。
改造[編集]
形式変更、改番に伴う改造はない。
その他[編集]
静態保存車はない。かつて札幌市内にキハ24が静態保存されていたがすでに解体されている。
脚注[編集]
JR JR東日本の鉄道車両 |
JR西日本の鉄道車両 |