JR西日本415系電車800番台
製造所 | 33両 |
運用者 | 西日本旅客鉄道 |
改造年 | 1990年 - 1991年 |
改造元 | 113系 |
改造両数 | 33両(11編成) |
廃車年 | 2021年 - |
最高運転速度 | 100Km/h |
設計最高速度 | 100Km/h |
電源方式 | 直流1500V 交流20,000V(50Hz/60Hz) |
保安装置 | ATS-SW |
主電動機 | MT54 |
制御方式 | 抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁 |
歯車比 | 17:82 |
台車 | DT21B(T車) TR62(M車) |
主な走行路線 | 七尾線・北陸本線 |
主な運用 | 普通 |
所属車両 センター | 金沢総合車両所 |
JR西日本415系電車800番台とは、JR西日本が1990年から1991年にかけて113系から改造した交直両用近郊型電車である。
概要[編集]
1991年、京阪・中京対北陸を結ぶ特急「スーパー雷鳥」などが速達性や利便性を向上するために七尾線に乗り入れることが決定。これにより線内を電化することに決定したが、天井川である宝達川をくぐるトンネルの高さが低かったため当時北陸で使用されていた交流20000Vでの電化を断念し、七尾線和倉温泉駅以南を直流1500Vで電化されることが決まった。しかし、すべての七尾線の列車が金沢まで直通するので、既に交流電化されていた北陸本線(現:IRいしかわ鉄道線)との直通運転のために、JR西日本は両方の電流に対応するための車両を導入することにした。
ちょうどその頃、福知山線では特急運用に485系が使用されていた。しかし、走行区間全てが直流の福知山所属車両であり、交直流切り替え機器が宝の持ち腐れ状態であった。そこで、この485系から交直流切り替え機器を撤去し183系700番台・800番台に形式変更。と同時に同福知山線のローカル運用で使われていた113系800番台に移設を行った上で形式変更。これが当形式、415系800番台である。
なお、改造元となった113系800番台は全て初期型113系から改造された車両であり、改造時点で車齢27年[1]
という長寿車両も存在していた。
当形式は七尾線に予定通り投入。長らく活躍をしていたが2021年、521系に置き換えられて引退した。その後5編成が留置されていたが2022年10月6日以降吹田への廃車回送が進められ、2023年8月25日までに完了した。
車両[編集]
当形式は従来の415系と違い、3両編成での運行となる。また、半自動ドアや車内に置かれているクーラー、寒冷地を走行するためのお椀型タイフォンと呼ばれるスリット型タイフォンにカバーを被せた仕様を搭載し登場した。3両編成のため、415系初の制御電動車、クモハ415形が登場している。また、415系に改造する際にタイフォンを移設し、元からシールドビームの車両と同じ位置に変更した。
登場時のカラーは下半部が「能登の豊かな大地」を表現したアスコットグレー、上半部は先頭車が「能登の海」をイメージしたバイオレットブルー、中間車が「能登の火祭り」をイメージしたロイヤルピンクとなった。なお、下半部と上半部の間には「日本海の波」をイメージしたオイスターホワイトの帯が入っている。
後に沿線の特産品である漆器の輪島塗をイメージした臙脂色に塗り替えられている。
また、同線を走る413系などとの併結も行えるようになっている。
室内はシートピッチを広げたバケット型クロスシートを設置した。ただし、便所向かい側のクロスシートは従来のものをそのまま使用した。
運用[編集]
七尾線全線と北陸本線松任駅-津幡駅での普通列車の運用を行った。急行列車の運用も存在した。
注釈[編集]
- ↑ 現役時代はモハ414-802(種車モハ112-12)が1964年7月7日製でJR西日本どころかJRグループ営業用では最古参。
関連ページ[編集]
- 国鉄113系電車 - 改造元
- 国鉄485系電車・国鉄489系電車 - 交直流切り替え機器を譲った形式。後にJR西日本183系電車となり形式変更されるが、国鉄183系電車との関わりは一切ない。他方、九州地区の485系で改系列なしで直流対応機器を撤去した車両があった。
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