バイモード車両

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バイモード車両(ばいもーどしゃりょう)とは、鉄道においてエンジン動力と外部からの電源を併用した、電車とも気動車とも言えない車両のことを指す。

概要[編集]

ハイブリッド気動車では電化区間での惰行において、エンジン機関を使用するため[注 1]、排ガスが避けられなかった[注 2]。そこで蓄電池電車が見直されることになるが、こちらは一度の充電での走行距離は従来に比べ伸びたものの、長距離運行がなお困難という問題が上がった。この結果、架線とディーゼル機関を併用すれば電化区間で排ガスを出さずに済み、かつ長距離運行が可能という考えからこのタイプの車両が誕生した。

当然のごとく、非電化区間での排ガスは避けられないため、環境対策の面では蓄電池電車に比べれば劣る他、架線電圧や主電動機出力が大きくなるとその分だけエンジン出力を上げる必要があり、エンジンスペースが大きく取られるという欠点も存在する。この結果、走行用大容量蓄電池が搭載された例は近年になってようやく実用化されつつあるレベルで、基本的に非電化区間では常にエンジンを回しながらの運転となる。

採用例[編集]

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日本国内[編集]

JR東日本E001形電車
トランスイート四季島では気動車の使用ができない青函トンネルを通ることを考慮してバイモード車両を投入。2021年現在、日本での導入事例はこのE001形のみである。
電化区間では在来線の電化形態のみでなく海峡線(北海道新幹線)の交流25000V電化にも対応し、非電化区間ではディーゼル・エレクトリック方式で駆動する。
JR四国の車両のように、車号にクモハやキハなどが書かれないことも特徴である。

国外[編集]

フランス国鉄B81500形電車
ボンバルディア製AGCシリーズ。3両編成と4両編成が存在し、直流1500Vと非電化区間に対応する。
フランス国鉄B82500形電車
AGCシリーズだが、BiBiという愛称も持つ。すべて4両固定編成で、直流1500V、交流25000V50Hz、非電化区間に対応する。
フランス国鉄B83500形電車ほか
愛称はレジョリス。4両固定編成と6両固定編成が存在し、複電圧車も確認されている。
コンビーノ・デュオ
ノルトハウゼン市電から非電化のハルツ狭軌鉄道に乗り入れるために製造されたバイモード車両。路面電車である。
TRAXXベクトロンの一部
電気機関車タイプの一部のモデルは小型のディーゼルエンジンを搭載したうえで入換機関車としての使用も可能である。
アルストム・レギオシタディスシリーズ
カッセル市電から非電化区間に乗り入れるために投入された複電圧の路面電車車両。
レーティッシュ鉄道Gem4/4形ディーゼル機関車
蒸気機関車置き換えのために製造された、3電圧・非電化対応のスイスの万能機関車。ディーゼル走行時の方が出力が高く設定されている。
ボンバルディア ALP-45系電気機関車
アメリカのニュージャージートランジットに投入されたバイモード機関車。PL42ACの置き換えにも導入される。
GE ジェネシス P32AC-DMディーゼル機関車
マンハッタン近郊ではディーゼル車両の乗り入れが規制されているが、非電化区間との直通も考慮して投入された、EMD FL9の後継。第三軌条に対応する。FL9もバイモード機関車であったが、すでに引退。
イギリス国鉄クラス73
第三軌条対応のディーゼル機関車。完全新造で、現役車両もそこそこ存在する。
イギリス国鉄クラス74
クラス71から改造した第三軌条対応のディーゼル機関車。こちらは全車解体済み。
イギリス国鉄クラス88
交流25kV50Hzの架線集電に対応するディーゼル機関車。原設計はディーゼル機関車のクラス68である。
イギリス国鉄クラス800クラス802、およびクラス810
日立製作所製のイギリス向けA-trainシリーズ。うちクラス800は亀裂が入ったり雨漏りがしたりなど何気に人騒がせな日式バイモード車両である。

関連項目[編集]

[編集]

  1. 特にパラレルハイブリッド気動車の場合、エンジン使用は避けられない。
  2. 日本においては電化区間で架線集電に切り替える機構を持つシリーズハイブリッド気動車は運用されていない。