きたぐに (列車)

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1993年7月10日・富山駅・502M大阪駅行き

583系きたぐに号。

きたぐにとは、大阪駅から北陸本線経由で新潟駅、青森駅を結んだ急行列車の愛称である。なお本項目では同区間を走行した寝台特急つるぎ、夜行普通列車に関しても記述する。

きたぐに

名称

｢きたぐに｣は漢字で表すと｢北国｣となる。漢字で表記されなかったのは、石川県では｢北国｣は｢ほっこく｣と呼ばれるからである。 (北國銀行、北國新聞)

概要

もともとは昼行気動車急行の愛称であったが、昭和43年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正でそれまで｢日本海｣と名乗っていた日本海縦貫線を走破し北陸本線を夜行運行する客車急行列車の愛称となった。阪青線での郵便輸送を行う使命もあり、郵政省オユ10形客車を連結していた。しかし、昭和57年11月15日日本国有鉄道ダイヤ改正で国鉄14系客車に置き換えて新潟打ち切りとなった。昭和60年3月14日日本国有鉄道ダイヤ改正では、急行立山廃止に伴い、同列車に使用された583系で電車化され、多客期には米原駅経由で大阪 - 富山間の臨時夜行急行｢アルペン｣が1992年まで国鉄485系電車で運転された。
2012年に日本海とともに臨時格下げされた。

湖西線が開業しても最後まで米原駅を経由した。また、最後まで北陸本線全線を走破する旅客列車であった。後述の「つるぎ」と異なり、深夜帯であっても北陸本線の主要駅に停車し、利用客も多かった。これらの駅では24時間駅が開放されていた。夏は登山、冬はスキーを目的に糸魚川駅での下車客が多く、かつては金沢駅で金輪線として、また輪島朝市観光に便利だった七尾線午前3時台の1番列車に接続していた。
廃止後下り（北行）の新潟県内区間では長岡発の時刻が7時台で通勤輸送も多かったため、代替として快速おはよう信越が設定された。

歴史

• 大正時代に日本海縦貫線の開通に伴い、急行列車501列車、502列車が設定される。
• 1950年 - 501列車、502列車に「日本海」の愛称が付く。このあと、北陸本線の電化、ディーゼル機関車の投入、国鉄10系客車の投入などがあったが、北陸本線沿線を有効時間帯に収めるためスピードアップはされなかった。
• 昭和36年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正 - 特急「白鳥 (列車)」新設。金沢 - 新潟間に昼行気動車急行「きたぐに」新設。｢日本海｣は北陸本線内を夜行区間としてスピードアップ。
• 1963年10月 - 気動車急行「きたぐに」を大阪へ延長。
• 1968年10月（ヨン・サン・トオ） - 国鉄10系客車を主体とする旧型客車を使用した急行列車として日本海 (列車)を改称して登場。新潟以南は夜行列車、新潟以北は寝台車 (鉄道車両)を切り離した昼行列車であった。従来運転していた昼行気動車列車は「越後」と改称された。全区間郵便車を連結していた。
• 1972年11月 - 北陸トンネル火災事故が発生。食堂車国鉄オシ17形客車が外される。
• 1973年 - 普通座席車を12系客車に変更。
• 1978年 - グリーン車国鉄スロ54形客車が外される。
• 1982年 - 新潟以北をいなほに分割、国鉄14系客車に置き換えられる。
• 1985年3月14日 - 国鉄583系電車12両編成に置き換えられる。急行｢立山｣の廃止により下りは運行時刻を1時間繰り下げられる。国鉄サロネ581形電車が改造により登場した。列車番号も501Ｍ、502Ｍに変更される。郵便車 (鉄道車両)の連結が廃止される。
• 1993年 - 第一次きたぐにカラーが登場する。
• 1997年 - 原色を重視した第二次カラーに変更。
• 2012年 - 臨時列車化。
• 2013年 - 同年1月を持って臨時運転終了。

停車駅

 ：全列車停車

X：一部停車、一部通過。色の濃さは、停車列車の比率に合わせている。＞は東行、＜は西行が停車。

─：通過

改正日 ＼駅名	大阪駅	新大阪駅	京都駅	大津駅	彦根駅	米原駅	田村駅	長浜駅	敦賀駅	武生駅	福井駅	芦原温泉駅	大聖寺駅	動橋駅	粟津駅	小松駅	金沢駅
1964年 10月改正		─					─
1978年 10月改正												─	─	─	─
改正日 ＼駅名	津幡駅	石動駅	高岡駅	富山駅	滑川駅	魚津駅	黒部駅	入善駅	泊駅	糸魚川駅	直江津駅	柿崎駅	柏崎駅	長岡駅	見附駅	東三条駅	新津駅	新潟駅	備考
1964年 10月改正								＜				─			─				一日 1往復運行
1978年 10月改正	─	─			─		─	─	＞										一日 1往復運行

つるぎ

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概要

1961年に新設された大阪〜富山間の夜行準急列車の愛称として登場。1963年に急行となった、後に寝台列車急行「金星」となり、つるぎは区間が並行する夜行電車急行の愛称となった。1968年に、電車急行は「立山」の愛称となり、対称的に再び客車寝台急行となった。
1972年3月に新潟駅に延長されて「きたぐに」同様、京阪と新潟県内を結ぶ使命を負ったが、同年秋に20系使用の寝台特急に格上げされた。
特急格上げ後は、京阪と北陸本線の主要駅間は「きたぐに」や座席夜行の「立山」（1982年10月まで定期運行）に需要を譲る格好で糸魚川駅を除いて一切停車せず、新潟県内では需要を拾うため小まめに停車するダイヤとなり、元の終点である富山は通過となって、富山から使いづらくなった。
1975年3月以降は湖西線経由となり、速達志向を強めた。1994年まで定期運転され、定期運行末期はB寝台車のみのモノクラス編成だった。末期の臨時運行は客車3段式B寝台のみの編成となり、ほどなく廃止された。

列車名は、富山県の立山連峰の山、剣岳に由来していた。

歴史

• 1972年 - 既存の急行の特急格上げで登場。
• 1975年 - 湖西線経由に変更。
• 1976年 - 使用車両を24系25形に変更。
• 1994年 - 臨時格下げ。
• 1996年 - 臨時運転も消滅。

停車駅

1978年10月改正時点での停車駅。

大阪、新大阪、京都、糸魚川、直江津、柏崎、長岡、東三条、加茂、新津、新潟

1982年頃より、見附への停車を開始。

アルペン

夜行急行「立山」廃止後、大阪 - 富山間で米原駅経由の臨時夜行急行｢アルペン｣が1992年まで国鉄485系電車で運転された。
「立山」季節列車化以前にも同じく米原経由で同区間の客車臨時急行として設定があり、富山行夜行の半夜行列車だった。1970年代は北陸本線走破後、長野・名古屋経由で大阪に戻る臨時循環急行だった。

夜行普通列車

夜行普通列車に使用された旧型客車。写真は東北本線。

この区間を運行する夜行普通列車は古くから多くの系統が存在した。昭和36年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正までは大阪駅と青森駅とを結ぶ二夜行普通列車も存在したが、昭和43年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正では大阪駅と新潟駅を結ぶ二等車のみの列車のみとなり、ほかに北陸本線全線を走破する昼行普通列車は米原駅と長野駅、及び米原駅と長岡駅を結ぶ普通列車があった。しかし、夜行列車は1972年に廃止、北陸本線全線を走破する昼行普通列車も昭和60年3月14日日本国有鉄道ダイヤ改正で分断され、姿を消した。

きたぐに・つるぎ・夜行普通列車時刻表

昭和43年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正

• 凡例
  • 洗-ホームの洗面台がある鉄道駅
  • 弁-駅弁販売駅
  • 電-電報取扱駅
  • 赤-赤帽のいる駅
  • ＋-救急設備
  • ①-一等車
  • B-一等B寝台車
  • ★-二等寝台車
  • 食-食堂車

営業キロ	駅名	駅設備/列車番号	503	523	525	501
…	大阪駅発	→	2330		2217	2045
…	京都駅発	→	0016		2306	2128
…	大津駅発		0027		2320	2139
…	彦根駅発		↓		0030	↓
0.0	米原駅発	洗弁電赤	0152	1142	0045	2252
2.6	坂田駅発		↓	↓	↓	↓
4.7	田村駅発		0204	1153	0056	2304
7.7	長浜駅発		0209	1158	0102	2309
12.8	虎姫駅発		↓	1204	↓	↓
15.6	河毛駅発		[急行]	↓	↓	[急行]
18.2	高月駅発		｢つるぎ｣	1210	↓	｢きたぐに｣
22.4	木ノ本駅発		↓	1217	0115	①
26.5	余呉駅		B	1222	↓	B
31.3	近江塩津駅発		★	1229	↓	★
39.2	新疋田駅発		全指	1237	↓	食
45.8	敦賀駅着	洗弁電	0156	1245	0137	2342
45.8	敦賀駅発	…	0209	1300	0145	2346
62.4	南今庄駅発		↓	↓	↓	↓
65.1	今庄駅発	洗	↓	1322	0205	↓
68.8	湯尾駅発		↓	1327	↓	↓
72.3	鯖波駅発		↓	1332	↓	↓
76.9	王子保駅発		↓	1337	↓	↓
81.2	武生駅発		0245	1354	0222	0022
86.3	鯖江駅発		↓	1400	0229	↓
89.6	北鯖江駅発		↓	1404	↓	↓
94.3	大土呂駅発		↓	1410	↓	↓
97.4	越前花堂駅発		↓	1414	↓	↓
100.0	福井駅着	洗弁電	0348	1418	0243	0040
100.0	福井駅発	…	0355	1423	0250	0045
106.0	森田駅発		↓	1429	↓	↓
108.2	春江駅発		↓	1433	↓	↓
112.0	丸岡駅発		↓	1439	0301	↓
117.8	金津駅発		0410	1446	0309	↓
121.6	細呂木駅発		↓	1451	0314	↓
124.7	牛ノ谷駅発		↓	1455	↓	↓
130.4	大聖寺駅発	弁	0424	1503	0325	↓
134.5	作見駅発		↓	1508	0331	↓
137.8	動橋駅発		0432	1512	0336	↓
142.6	粟津駅発		0438	1519	0343	↓
148.4	小松駅発		0445	1526	0351	0137
154.2	寺井駅発		↓	1532	0358	↓
157.4	小舞子駅発		↓	1536	↓	↓
159.0	美川駅発		↓	1547	0405	↓
163.0	加賀笠間駅発		↓	1552	0410	↓
167.4	松任駅発		↓	1558	0416	↓
170.7	野々市駅発		↓	1602	↓	↓
173.2	西金沢駅発		↓	1606	0424	↓
176.8	金沢駅着	＋赤洗弁	0510	1612	0430	0206
…	金沢駅発		0514	1632	0439	0214
179.4	東金沢駅発		↓	1636	0443	↓
182.3	森本駅発		↓	1641	0448	↓
188.4	津幡駅発		0526	1649	0456	0227
194.7	俱利伽羅駅		↓	1656	0503	↓
201.6	石動駅発		0539	1704	0511	↓
208.9	福岡駅発		↓	1711	0519	↓
212.4	西高岡駅発		↓	1716	0524	↓
217.7	高岡駅着	洗弁電	0553	1722	0530	0254
…	高岡駅発		0554	1725	0541	0256
221.3	越中大門駅発		↓	1729	0546	↓
225.1	小杉駅発		↓	1735	0552	↓
231.7	呉羽駅発		↓	1742	0559	↓
236.5	富山駅着	洗弁電	0611	1748	0606	0314
…	富山駅発		…	1753	0621	0324
243.1	東富山駅発		…	1803	0628	↓
248.4	水橋駅発		…	1809	0633	↓
253.5	滑川駅発		…	1816	0639	↓
256.9	東滑川駅発		…	1821	0644	↓
261.9	魚津駅発		…	1827	0650	0347
268.3	黒部駅発		…	1835	0657	↓
272.3	生地駅発		…	1840	0702	↓
276.4	西入善駅発		…	1846	0707	↓
280.4	入善駅発		…	1851	0713	↓
285.6	泊駅発		…	1858	0719	↓
290.3	越中宮崎駅発		…	1903	0725	↓
295.1	市振駅発		…	1909	0731	↓
303.5	親不知駅発		…	1917	0740	↓
308.8	青海駅発		…	1924	0748	↓
315.5	糸魚川駅着	洗弁電	…	1932	0756	0443
…	糸魚川駅発		…	1954	0805	0457
319.8	梶屋敷駅発		…	2000	0811	↓
323.3	浦本駅発		…	2005	0816	↓
328.9	能生駅発		…	2014	0825	↓
335.3	筒石駅発		…	2023	0839	↓
341.9	名立駅発		…	2033	0849	↓
346.5	有間川駅発		…	2040	0856	↓
349.8	谷浜駅発		…	2046	0901	↓
352.2	郷津駅発		…	2051	0906	↓
356.7	直江津駅着	洗弁電	…	2058	0914	0552
…	列車番号		821	↓	↓	↓
…	直江津駅発		0623	2131	0928	0602
…	柿崎駅発		0651	2159	1001	↓
…	柏崎駅着	洗	0727	2229	1033	0641
…	柏崎駅発		0732	2232	1038	0642
…	長岡駅着	洗弁電	0841	2330	1138	0725
…	長岡駅発		0856	…	1200	0734
…	見附駅発		0914	…	1220	0747
…	東三条駅発		0950	…	1249	0801
…	新津駅着	洗弁	1031	…	1339	0829
新津発	列車番号		↓	833	↓	↓
0.0	新津駅発		1107	0525	1351	0832
…	新潟駅着	赤洗弁電	II	II	1412	0848
…	新潟駅発		II	II	…	0907
39.1	中条駅発		1212	0626		0956
48.0	坂町駅着	洗弁電	1226	0639		1008
…	坂町駅発		1237	0654		1011
59.4	村上駅発		1259	0717		1027
139.4	鶴岡駅発	弁	1520	0934		1201
166.9	酒田駅着	＋洗弁電	1601	1028		1230
…	酒田駅発		1612	1036		1240
228.9	羽後本荘駅着	赤弁電	1750	1208		1345
…	羽後本荘駅発		1754	1211		1346
271.7	秋田駅着	＋赤洗弁電	1855	1317		1429
…	秋田駅発			1333		1439
…	東能代駅着	弁電		1503		1544
…	東能代駅発			1513		1546
…	鷹ノ巣駅発			1557		1619
…	大館駅着	赤弁電		1624		1641
…	大館駅発			1700		1646
…	碇ケ関駅発			1801		1728
…	弘前駅着	赤弁電		1839		1751
…	弘前駅発			1852		1753
…	青森駅着		…	2000	…	1832

1988年3月改正

• 主要駅の発車時刻のみ記載
• [A] - A寝台
• [B] - B寝台
• [ロ] - グリーン車
• [自] - 自由席

列車番号	4005	501M	502M	4006
列車名	つるぎ	きたぐに	きたぐに	つるぎ
大阪	2200	2320	704*	700*
京都	2242	003	625	620*
敦賀	↓	214	437	↑
福井	↓	308	347	↑
金沢	↓	413	247	↑
富山	↓	500	200	↑
直江津	441	633	023	036
新潟	646*	844*	2205	2228
設備	[B]	[A] [B] [ロ] [自]	[A] [B] [ロ] [自]	[B]

ダイヤ注釈

関連項目

• 北陸新幹線
• 日本海縦貫線
• 阪青線
• 北陸本線の歴史

外部サイト

• 鉄道郵便車保存会

脚注

注

☆彡夜行列車☆彡

車両 国鉄型車両 旧型客車 - 国鉄20系客車 - 国鉄583系電車 - 国鉄14系客車 - 国鉄24系客車 JR車両 JR東日本E26系客車 - JR西日本・東海285系電車 東京口 特急 東京対九州・山陽 富士 - さくら - みずほ - はやぶさ - あさかぜ 東京対四国・山陰 紀伊 - サンライズ出雲 - 出雲 - いなば - サンライズ瀬戸 - 瀬戸 上野対東北・北海道 北斗星 - カシオペア - はくつる - 北星 - ゆうづる - あけぼの - 出羽 - 鳥海 上野対北陸 北陸 臨時 サンライズゆめ - 谷川岳山開き 急行 東京対大阪・九州 銀河 - 桜島・高千穂 上野対東北 天の川 - 新星 - 十和田 - 八甲田 - 津軽 - いわて - あづま・ばんだい 上野対信州・北陸 越前 - 能登 - 妙高 上野対新潟 佐渡 新宿対甲信 アルプス 臨時 シュプール - 尾瀬 快速・普通 東京対大垣 ムーンライトながら - 大垣夜行 新宿対甲信越 ムーンライト信州 - ムーンライトえちご - 山岳夜行 - 上越夜行 京阪・岡山口 特急 京阪・岡山対九州 あかつき - 安芸 - 月光 - なは - 彗星 - 明星 京阪対北陸・北海道 日本海 - トワイライトエクスプレス - つるぎ 急行 京阪対山陰 だいせん 京阪対北陸・長野 きたぐに - 立山 - ちくま 京阪対山陽・九州 雲仙 - 西海 - くにさき - 天草 - 屋久島 - 音戸 京阪神対四国連絡 鷲羽 臨時 シュプール - くろよん - アルペン 快速・普通 大阪対紀伊・名古屋 はやたま 京都対山陰 山陰 臨時 ムーンライト九州 - ムーンライト山陽 - ムーンライト八重垣 名古屋口 特急 名古屋対九州 金星 急行 名古屋対九州 阿蘇 名古屋対信州 きそ 名古屋対高山・北陸 のりくら 名古屋発紀伊方面 紀州 臨時 シュプール 快速 臨時 名古屋発紀伊方面 スターライト 陰陽連絡急行 ちどり 四国内急行 うわじま／いよ 九州口 特急・急行 さんべ - かいもん - ドリームつばめ - 日南 - ドリームにちりん 快速・普通 ながさき 北海道 特急・急行 はまなす - まりも - 利尻 - 大雪 快速・普通 からまつ - ミッドナイト